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サンタさん、学生になる
95 サンタさん、ちょっとだけ無双する(2)
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本当に高位職だったのか、皆が公爵様の答えを待っている。
ホロル様は明らかにがっかりした様子だから、きっと高位職は虚言だったのだろうと、敵意ある者はニヤリとほくそ笑む。
下手をしたら、男爵位の取り消しさえあるのではないかと期待しているのは△コンビだ。
「どうやら、私は判断を誤ったようだ」と、公爵様が残念そうに呟く。
その途端、やはりって得意げな顔をして私を見るのはレイノルド坊ちゃんだ。
「そうですね。王様に事実を申し上げ、爵位の変更をしなければ・・・アロー公爵家が大恥をかくことは必至です」
ホロル様は顔色を悪くして、どうして言わなかった!って、私を責める視線を向ける。
△コンビは面白くなったぞってにやけ顔で、ひそひそ話を始める。
「このような子供に騙されるとは・・・どうされるのですかホロル様?」
得意げに胸を張って、禿げ頭子爵がずいっと前に出てきて問う。
……ああ、これは完全に勘違いしてるな。よしよし、いい感じじゃない?
「このような子供?」と、アレス君が禿げ頭を睨み付ける。
「いや、国内外から非難され、他家に盗られる可能性もある。
いかん、サンタさん、これから直ぐに王宮へ行くぞ!
あぁ、もうこんな時間か、仕方ない、王様にだけでも直ぐに知らせねば」
「父上、落ち着いてください。伯爵以上の高位貴族は、10歳以上でないと正式に任命できません。確約書を、確約書を提出しましょう」
なんだか混乱している公爵様とホロル様の様子に、結局どうだったのだろうかと、皆は益々分からなくなっていく。
「公爵様、ホロル様、暫く男爵で充分です。師匠が、私の仕事内容こそが身分を表すものだから、爵位など気にするなと言っています。
それに、高位爵位などなくても、実力で敵を捻じ伏せ、やられたら3倍返しがモットーのトレジャーハンターですよ、わ・た・し」
混乱している2人に、落ち着いてねって願いを込めて微笑む。
2人は忘れているようだが、私の本職はトレジャーハンターだ。貴族社会で君臨する気もなければ予定もない。
うっ・・・って唸った2人は、仕方なさそうに深呼吸をして、平静さを取り戻していく。
「父上、この者を処罰されるのなら、嘘をついたアンタレスも同罪です」
ああ、このお坊ちゃま、今の会話を全く理解してなかったんだ。
「ホロル様、レイノルド様は、少し学びが足らないのではないですか?
来年には王立能力学園に入学しますが、このままレイノルド様が私を敵視されると、教授たちのレイノルド様に向ける視線が、厳しくなると思うのですけれど?」
大きく目を見開いたホロル様は、私の話した内容から、長男が私とアレス君を敵視していると気付いたようで、顔色を悪くして長男を見る。
「なんと生意気な! ホロル様に向かっての暴言、許されるものではない」
「黙れツルリ子爵! サンタさんは間違いなく高位職で、本来なら王族として迎えられるべき才能の持ち主だ。
レイノルド、サンタさんを敵視すると、お前は学院に居られなくなるぞ!
授けた爵位は男爵だが、地位は私や父上よりサンタさんの方が上だ!」
ホロル様は禿げ頭を一喝し、長男レイノルドに厳しく意見した。
そして、賢者だけでもパニックなのに、大賢者ってなんなんだよって小声でぶつぶつ呟いて、恨めしそうに私を見た。
……爵位とか身分とか地位って、基準がよく分からないね。
『ホロルの言う地位は、恐らく役職的なものだと思うぞサンタや』
『ああ、大臣とか協会長とかかぁ。でも私の就きたい地位は、金級より上の幻の白金級トレジャーハンターだから』
すっかり混乱しちゃったけど、これから公爵様が急遽王様と謁見することになったので、私の紹介は後日改めて場を設けることになった。
お陰で、誰も私に寄ってこなくなったから、母様と兄さまとアレス君と一緒にご馳走を食べることができた。うまうま。
大混乱の爵位授与式は、何がどうなったのか分からないままお開きになり、△コンビは気味悪そうに私を見て帰っていった。
……大賢者って、王様に報告しなきゃいけなかったんだ。ごめんね。
私は母様と兄さまを下賜された馬車で先に帰し、ホロル様に呪符の報告をする。
本当は、アレス君と一緒に家族団欒する予定だったみたいだけど、それどころではない緊急事態だ。
今回の説明にはホロル様の正室と側室も加わり、先ずはアレス君が、別館で見付けた呪符について説明し、コーシヒクさんが実際に起った災難について補足した。
「また呪符ですって! 旦那様、子供たちは大丈夫なのでしょうか?」
側室のミレリー様は、息子トーラス(中位・魔術師)を、呪符で殺されかけたので、青い顔して心配する。
「ミレリー様、まだ別館しか確認しておりません」と、コーシヒクさんが皆に説明する。
正室のグラシア様も顔色を変えるけど、なんだか不機嫌そうだ。
「今、この国で呪術を解呪できるのは、アロー公爵家とエイバル王国のために、遠いガリア教会本部で1年半もの間、呪術の勉強をしてくれたサンタさんとアンタレスだけだ。
2人には命を救って貰った返しきれない恩があるのに、またも救って貰った。心から感謝する」
そう言って頭を下げるホロル様を見て、正室グラシア様が「何故臣下に頭をおさげになるのです?」って、不機嫌そうに言った。
「臣下? アロー公爵家にこれ程までに貢献してくれた者に、感謝して頭を下げることもできぬようでは、高位貴族として失格だ。
その方の教育が、どうやらレイノルドを思い上がらせてしまったようだ。
よいか、サンタさんは、ガリア教会本部が正式に発効した職業選別カードで、大賢者だと認定を受けている。大賢者は、王位と並ぶ地位だ。
大賢者様を見下し敵対するなど、決してあってはならない! レイノルドが貴族社会から排除されるぞ」
どうやらレイノルド坊ちゃんの態度や言動は、正室様の影響みたいだ。
私は貴族社会で生きていくつもりはないから、あんな態度も言動も、鼻で笑ってスルーできるんだけど、社会的にはダメらしい。
信じられないって表情で私を見た正室様は、「申し訳ありませんでした」と悔しそうに謝罪した。
……もしかしてクソババア3号?
……アレス君がこの屋敷に住むのは危険だ。
ホロル様は明らかにがっかりした様子だから、きっと高位職は虚言だったのだろうと、敵意ある者はニヤリとほくそ笑む。
下手をしたら、男爵位の取り消しさえあるのではないかと期待しているのは△コンビだ。
「どうやら、私は判断を誤ったようだ」と、公爵様が残念そうに呟く。
その途端、やはりって得意げな顔をして私を見るのはレイノルド坊ちゃんだ。
「そうですね。王様に事実を申し上げ、爵位の変更をしなければ・・・アロー公爵家が大恥をかくことは必至です」
ホロル様は顔色を悪くして、どうして言わなかった!って、私を責める視線を向ける。
△コンビは面白くなったぞってにやけ顔で、ひそひそ話を始める。
「このような子供に騙されるとは・・・どうされるのですかホロル様?」
得意げに胸を張って、禿げ頭子爵がずいっと前に出てきて問う。
……ああ、これは完全に勘違いしてるな。よしよし、いい感じじゃない?
「このような子供?」と、アレス君が禿げ頭を睨み付ける。
「いや、国内外から非難され、他家に盗られる可能性もある。
いかん、サンタさん、これから直ぐに王宮へ行くぞ!
あぁ、もうこんな時間か、仕方ない、王様にだけでも直ぐに知らせねば」
「父上、落ち着いてください。伯爵以上の高位貴族は、10歳以上でないと正式に任命できません。確約書を、確約書を提出しましょう」
なんだか混乱している公爵様とホロル様の様子に、結局どうだったのだろうかと、皆は益々分からなくなっていく。
「公爵様、ホロル様、暫く男爵で充分です。師匠が、私の仕事内容こそが身分を表すものだから、爵位など気にするなと言っています。
それに、高位爵位などなくても、実力で敵を捻じ伏せ、やられたら3倍返しがモットーのトレジャーハンターですよ、わ・た・し」
混乱している2人に、落ち着いてねって願いを込めて微笑む。
2人は忘れているようだが、私の本職はトレジャーハンターだ。貴族社会で君臨する気もなければ予定もない。
うっ・・・って唸った2人は、仕方なさそうに深呼吸をして、平静さを取り戻していく。
「父上、この者を処罰されるのなら、嘘をついたアンタレスも同罪です」
ああ、このお坊ちゃま、今の会話を全く理解してなかったんだ。
「ホロル様、レイノルド様は、少し学びが足らないのではないですか?
来年には王立能力学園に入学しますが、このままレイノルド様が私を敵視されると、教授たちのレイノルド様に向ける視線が、厳しくなると思うのですけれど?」
大きく目を見開いたホロル様は、私の話した内容から、長男が私とアレス君を敵視していると気付いたようで、顔色を悪くして長男を見る。
「なんと生意気な! ホロル様に向かっての暴言、許されるものではない」
「黙れツルリ子爵! サンタさんは間違いなく高位職で、本来なら王族として迎えられるべき才能の持ち主だ。
レイノルド、サンタさんを敵視すると、お前は学院に居られなくなるぞ!
授けた爵位は男爵だが、地位は私や父上よりサンタさんの方が上だ!」
ホロル様は禿げ頭を一喝し、長男レイノルドに厳しく意見した。
そして、賢者だけでもパニックなのに、大賢者ってなんなんだよって小声でぶつぶつ呟いて、恨めしそうに私を見た。
……爵位とか身分とか地位って、基準がよく分からないね。
『ホロルの言う地位は、恐らく役職的なものだと思うぞサンタや』
『ああ、大臣とか協会長とかかぁ。でも私の就きたい地位は、金級より上の幻の白金級トレジャーハンターだから』
すっかり混乱しちゃったけど、これから公爵様が急遽王様と謁見することになったので、私の紹介は後日改めて場を設けることになった。
お陰で、誰も私に寄ってこなくなったから、母様と兄さまとアレス君と一緒にご馳走を食べることができた。うまうま。
大混乱の爵位授与式は、何がどうなったのか分からないままお開きになり、△コンビは気味悪そうに私を見て帰っていった。
……大賢者って、王様に報告しなきゃいけなかったんだ。ごめんね。
私は母様と兄さまを下賜された馬車で先に帰し、ホロル様に呪符の報告をする。
本当は、アレス君と一緒に家族団欒する予定だったみたいだけど、それどころではない緊急事態だ。
今回の説明にはホロル様の正室と側室も加わり、先ずはアレス君が、別館で見付けた呪符について説明し、コーシヒクさんが実際に起った災難について補足した。
「また呪符ですって! 旦那様、子供たちは大丈夫なのでしょうか?」
側室のミレリー様は、息子トーラス(中位・魔術師)を、呪符で殺されかけたので、青い顔して心配する。
「ミレリー様、まだ別館しか確認しておりません」と、コーシヒクさんが皆に説明する。
正室のグラシア様も顔色を変えるけど、なんだか不機嫌そうだ。
「今、この国で呪術を解呪できるのは、アロー公爵家とエイバル王国のために、遠いガリア教会本部で1年半もの間、呪術の勉強をしてくれたサンタさんとアンタレスだけだ。
2人には命を救って貰った返しきれない恩があるのに、またも救って貰った。心から感謝する」
そう言って頭を下げるホロル様を見て、正室グラシア様が「何故臣下に頭をおさげになるのです?」って、不機嫌そうに言った。
「臣下? アロー公爵家にこれ程までに貢献してくれた者に、感謝して頭を下げることもできぬようでは、高位貴族として失格だ。
その方の教育が、どうやらレイノルドを思い上がらせてしまったようだ。
よいか、サンタさんは、ガリア教会本部が正式に発効した職業選別カードで、大賢者だと認定を受けている。大賢者は、王位と並ぶ地位だ。
大賢者様を見下し敵対するなど、決してあってはならない! レイノルドが貴族社会から排除されるぞ」
どうやらレイノルド坊ちゃんの態度や言動は、正室様の影響みたいだ。
私は貴族社会で生きていくつもりはないから、あんな態度も言動も、鼻で笑ってスルーできるんだけど、社会的にはダメらしい。
信じられないって表情で私を見た正室様は、「申し訳ありませんでした」と悔しそうに謝罪した。
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