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サンタさん、学生になる
97 実技試験(1)
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入学2日目、今朝もメリーさんが焼いてくれたパンが美味しい。
兄さまは食事中も本を読んで勉強し、母様に叱られている。
私が来年王立能力学園に入学するので、兄さまも2年早く受験すると私の誕生会で宣言し猛勉強を始めたんだよね。
兄さまの職業は専門職の教育だけど、男爵以上の貴族家の子は、王立高学園ではなく王立能力学園の受験が可能だ。国務学部に教育学科がちゃんとある。
確かにどんなに爵位が高くても、専門職で生まれる子だって沢山いるよね。
ただ王立能力学園の方が受験が難しくて学費も高額だから、男爵や子爵クラスだと後継者以外は王立高学園を目指す者の方が多い。
兄さまが2年早く受験すると母様から聞いた王太子妃様が、来年1年早く受験するエルドラ王子の、側近候補として入学してはどうかと笑顔で提案されたらしい。
ちょっと青い顔して昨夜の夕食時間に母様が報告したので、兄さまは懸命に頑張っているのだ。
私が王子や王女の友人で兄さまは側近候補って、完全に囲われている気がする。
まあ母様と王太子妃様が親友である縁を考えると、これも縁なのかもしれない。
王立能力学園に入学する時は、私の爵位は子爵になる予定だから、兄さまは子爵家子息扱いになり、王子の側近たる爵位としてはギリギリらしい。
エルドラ王子の側近候補は、王子より年上の侯爵家子息とか伯爵家子息が既に決まっていて、もう王立能力学園に入学しているそうだ。
アレス君は公爵家子息として入学するけど、王子の側近ではなく友人だ。
……ん? 側近候補にも友人にもなっていないホロル様の長男レイノルドが、面倒臭い態度を取りそうな予感が・・・いや、関わらないのが一番。
中流地区の端っこにある我が家から馬車で魔術師学校に行くと、一度大通りまで出てぐるりと大回りする必要があるから、私とアレス君は平民地区との区切りになっている家の裏にある壁を魔法で越えて学校に入る。
時間短縮ができて、母様や兄さまが馬車を使うことができる。
中級魔法が少し使えるようになったアレス君も、エアーアタックで軽々と壁を越えて学校の演習場に着地する。
昨日は入学式とホームルームで自己紹介して、校内見学だけだったから、広い演習場を見るとちょっと心が弾む。
土山や岩や小さな池、攻撃当ての的もたくさん設置されていて、今日行われる実技試験の準備も万端だ。
ただ、下位・魔術師に合格している私たちの立ち位置は微妙で、皆と同じ訓練をしても意味がない。
中位・魔術師合格を目指すといっても、既に独学で学び終えているから、本来この学校で学ぶ必要はないんだけど、魔術師協会の規定では、中位・魔術師試験は、魔術師学校在学者又は卒業者、王立能力学園在学者又は卒業者しか受験できないと定められている。
王立能力学園魔術師学部のエバル教授が、特例で受験すればいいって言ってたけど、私とアレス君は正面突破で王立能力学園を目指してるんだよね。
【一般クラス】を見回すと、最年少が7歳の私で、一番年上なのが12歳。
準男爵や騎士爵の家の子は初級学校を卒業していて、平民の4人は初級学校に行ってなかった。女の子も2人居る。
昨日の自己紹介で私とアレス君は、既にトレジャーハンターとして活動していると話したから、服装もトレジャーハンター仕様だ。
どう見ても男爵や公爵家の子息には見えないから、クラスメートは気軽に話しかけてくれる。
中級学校を卒業している【上位クラス】の5人からは、完全に無視されている。
彼等から見たら、既に下位・魔術師に合格している私たちは認めたくない存在だし、身分も格下だと勘違いされている可能性が高い。
「よし、全く魔術の指導を受けたことがない者は見学するように。
魔術を学んでいるが、魔術師試験を受けたことがない者から先に実技試験をする。次は、先月の魔術師試験を受けたが合格しなかった者だ。サンタとアレスは、全員が終わってから行う」
【上位クラス】担任のソーヤ教官40歳が、実技試験を行う順番を大声で言う。
ソーヤ教官は魔術師協会の、教育部に所属しているそうだ。
【一般クラス】の担任は、軍の教育部所属のシュテファン教官38歳だ。
【就職・進学】担当は、王宮魔術師団教育部所属のデスタート教官38歳だ。
教官は魔術師協会・王宮魔術師団・軍から派遣されていて、その後の進路に大きく関与しているのは間違いない。
【一般クラス】の学生は、平民や下級貴族だから軍に就職する者が多いそうだ。
確かに、お貴族様ですって威張ってる【上位クラス】の者は、軍には就職しない気がする。
「いいか、先ずは一番近くの的に得意の魔術を当てるんだ!」
「はい!」
シュテファン教官の指示に従って、魔術は習っているけど魔術師試験を受けたことがない者から順に、自分の実力を披露していく。
魔術師試験を受けたことがない者は【一般クラス】も【上位クラス】も、一番手前の3メートルの的には当てられるけど、5メートルは厳しかった。
次は今回魔術師試験を受けた【一般クラス】の3人で、5メートル先の的に当てることができたけど、7メートル先の的には当てられなかった。
【上位クラス】の2人は、男爵家以上の子息たちで、家庭教師に魔術を習っており、7メートル先の的に数発当てられる程度だった。
私やアレス君みたいに、的を破壊するような威力が出せる者なんて居ないし、7メートル先の的に当てただけで、どや顔で威張る姿に苦笑する。
……職業選別で下位・魔術師が出ただけで、一族からちやほやされ大きな顔ができるらしいから、これが普通なのかも。
……ちなみに、中位・魔術師を授かった者は、魔術師学校ではなく王立能力学園に入学するのが普通らしく、アレス君は例外中の例外だ。
下位・魔術師に合格するためには、7メートル先の的を半分以上命中させる必要がある。中位・魔術師だと10メートル先の的になる。
また、荷物を入れた箱を3メートル以上移動させ、2メートル級の岩を魔法陣で破壊する必要がある。中位・魔術師だと、5メートル級の岩を破壊する。
受験したけど合格できない者の多くは、岩の破壊で失敗すると聞いている。
「今年は期待できる者が多いようだ。よし、最後はサンタとアレスだ」
兄さまは食事中も本を読んで勉強し、母様に叱られている。
私が来年王立能力学園に入学するので、兄さまも2年早く受験すると私の誕生会で宣言し猛勉強を始めたんだよね。
兄さまの職業は専門職の教育だけど、男爵以上の貴族家の子は、王立高学園ではなく王立能力学園の受験が可能だ。国務学部に教育学科がちゃんとある。
確かにどんなに爵位が高くても、専門職で生まれる子だって沢山いるよね。
ただ王立能力学園の方が受験が難しくて学費も高額だから、男爵や子爵クラスだと後継者以外は王立高学園を目指す者の方が多い。
兄さまが2年早く受験すると母様から聞いた王太子妃様が、来年1年早く受験するエルドラ王子の、側近候補として入学してはどうかと笑顔で提案されたらしい。
ちょっと青い顔して昨夜の夕食時間に母様が報告したので、兄さまは懸命に頑張っているのだ。
私が王子や王女の友人で兄さまは側近候補って、完全に囲われている気がする。
まあ母様と王太子妃様が親友である縁を考えると、これも縁なのかもしれない。
王立能力学園に入学する時は、私の爵位は子爵になる予定だから、兄さまは子爵家子息扱いになり、王子の側近たる爵位としてはギリギリらしい。
エルドラ王子の側近候補は、王子より年上の侯爵家子息とか伯爵家子息が既に決まっていて、もう王立能力学園に入学しているそうだ。
アレス君は公爵家子息として入学するけど、王子の側近ではなく友人だ。
……ん? 側近候補にも友人にもなっていないホロル様の長男レイノルドが、面倒臭い態度を取りそうな予感が・・・いや、関わらないのが一番。
中流地区の端っこにある我が家から馬車で魔術師学校に行くと、一度大通りまで出てぐるりと大回りする必要があるから、私とアレス君は平民地区との区切りになっている家の裏にある壁を魔法で越えて学校に入る。
時間短縮ができて、母様や兄さまが馬車を使うことができる。
中級魔法が少し使えるようになったアレス君も、エアーアタックで軽々と壁を越えて学校の演習場に着地する。
昨日は入学式とホームルームで自己紹介して、校内見学だけだったから、広い演習場を見るとちょっと心が弾む。
土山や岩や小さな池、攻撃当ての的もたくさん設置されていて、今日行われる実技試験の準備も万端だ。
ただ、下位・魔術師に合格している私たちの立ち位置は微妙で、皆と同じ訓練をしても意味がない。
中位・魔術師合格を目指すといっても、既に独学で学び終えているから、本来この学校で学ぶ必要はないんだけど、魔術師協会の規定では、中位・魔術師試験は、魔術師学校在学者又は卒業者、王立能力学園在学者又は卒業者しか受験できないと定められている。
王立能力学園魔術師学部のエバル教授が、特例で受験すればいいって言ってたけど、私とアレス君は正面突破で王立能力学園を目指してるんだよね。
【一般クラス】を見回すと、最年少が7歳の私で、一番年上なのが12歳。
準男爵や騎士爵の家の子は初級学校を卒業していて、平民の4人は初級学校に行ってなかった。女の子も2人居る。
昨日の自己紹介で私とアレス君は、既にトレジャーハンターとして活動していると話したから、服装もトレジャーハンター仕様だ。
どう見ても男爵や公爵家の子息には見えないから、クラスメートは気軽に話しかけてくれる。
中級学校を卒業している【上位クラス】の5人からは、完全に無視されている。
彼等から見たら、既に下位・魔術師に合格している私たちは認めたくない存在だし、身分も格下だと勘違いされている可能性が高い。
「よし、全く魔術の指導を受けたことがない者は見学するように。
魔術を学んでいるが、魔術師試験を受けたことがない者から先に実技試験をする。次は、先月の魔術師試験を受けたが合格しなかった者だ。サンタとアレスは、全員が終わってから行う」
【上位クラス】担任のソーヤ教官40歳が、実技試験を行う順番を大声で言う。
ソーヤ教官は魔術師協会の、教育部に所属しているそうだ。
【一般クラス】の担任は、軍の教育部所属のシュテファン教官38歳だ。
【就職・進学】担当は、王宮魔術師団教育部所属のデスタート教官38歳だ。
教官は魔術師協会・王宮魔術師団・軍から派遣されていて、その後の進路に大きく関与しているのは間違いない。
【一般クラス】の学生は、平民や下級貴族だから軍に就職する者が多いそうだ。
確かに、お貴族様ですって威張ってる【上位クラス】の者は、軍には就職しない気がする。
「いいか、先ずは一番近くの的に得意の魔術を当てるんだ!」
「はい!」
シュテファン教官の指示に従って、魔術は習っているけど魔術師試験を受けたことがない者から順に、自分の実力を披露していく。
魔術師試験を受けたことがない者は【一般クラス】も【上位クラス】も、一番手前の3メートルの的には当てられるけど、5メートルは厳しかった。
次は今回魔術師試験を受けた【一般クラス】の3人で、5メートル先の的に当てることができたけど、7メートル先の的には当てられなかった。
【上位クラス】の2人は、男爵家以上の子息たちで、家庭教師に魔術を習っており、7メートル先の的に数発当てられる程度だった。
私やアレス君みたいに、的を破壊するような威力が出せる者なんて居ないし、7メートル先の的に当てただけで、どや顔で威張る姿に苦笑する。
……職業選別で下位・魔術師が出ただけで、一族からちやほやされ大きな顔ができるらしいから、これが普通なのかも。
……ちなみに、中位・魔術師を授かった者は、魔術師学校ではなく王立能力学園に入学するのが普通らしく、アレス君は例外中の例外だ。
下位・魔術師に合格するためには、7メートル先の的を半分以上命中させる必要がある。中位・魔術師だと10メートル先の的になる。
また、荷物を入れた箱を3メートル以上移動させ、2メートル級の岩を魔法陣で破壊する必要がある。中位・魔術師だと、5メートル級の岩を破壊する。
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「今年は期待できる者が多いようだ。よし、最後はサンタとアレスだ」
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