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第1章 成長
第24話 不安?
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「ラッド。一人でやらなくていいの。私達はチームなんだから」
「……でも、俺はレベル上げないといけないだろ?」
「チームで行動してれば経験値は共有される。私も手伝う」
ラッドをいさめると彼は一人でやりたいみたいなことを言ってくる。レイブンも説得してくれる。
彼は渋々従ってくれた。自主性に任せるのはいいことかもしれないけど、危険があるのが分かっているならサポートする。仲間なら当たり前のこと。
「じゃあ、私が引き付けます。ラッドは後に続いて」
「お、おう!」
レイブンが先にオークの前に躍り出て引き付ける。後ろを向くオークにラッドが剣を突き立てる。
「ぬ、抜けない」
剣がオークの体に深く入りすぎて剣が抜けなくなってる。オークはラッドを睨みつけて手を上げる。
「ひぃ!?」
ラッドが怯えて剣から手を離し、オークから離れた。
「はっ! やぁ!」
「ブヒ! ブヒィ~!」
レイブンが攻撃を加える。ラッドは剣がなくなったから攻撃手段がなくなっちゃったな。彼女の攻撃じゃ倒せなさそうだし、私が魔法を使うしかないか。
「【我がマナを糧に敵を穿て。【ファイアアロー】】」
「ブヒ!? ブヒヒィ~~!?」
私が魔法の矢を放つとオークの頭に当たり燃えていく。すぐに炎にまかれてオークが倒れ絶命していった。
「はい、ラッド」
「……あ、ああ。ありがとう」
オークに刺さっていた剣を抜いてラッドに差し出す。彼はボーッと燃えるオークを見つめていた。
「レベル上がった」
「おめでとうラッド」
「うん……」
ラッドのレベルが上がったみたい。おめでとうと言うと彼は元気なくうなずく。
「オークは一人で行動することの多い魔物ですけど、集落を作る習性がある魔物です。近くに集落があるかも」
「え? 本当? 冒険者ギルドで共有しておいた方がいいかもね。ラッド?」
「え? ああ、そうだな……」
レイブンは訓練していただけあって、結構知識豊富。たんたんとしゃべる彼女の言葉に考えを巡らせてラッドに同意を求めると彼は上の空で答える。
「……」
一度町に戻ろうとオークの死骸を引きずって引き返す。
森を歩く、その間もラッドは何か考え事をしながら歩いてる。どうしちゃったんだろう?
「ラッドどうしたの?」
「ん、うん……」
「上の空……」
気になって声をかけるとけど彼は上の空で答えて考え込む。いつもの彼なら頭の後ろで両手を組んで歩いてる場面。今日のラッドはなんだか大人しい。
「オークは強いです。ラッドはよくやりました。剣を深く入れたのは浅はかでしたけど」
「ん、うん」
レイブンが彼女なりの褒め言葉をかける。だけど、ラッドは私達を見ることすらしない。ほんとどうしちゃったんだろう?
「おお! おかえり。ってオークか! 凄いじゃないか! 肉は結構高く売れるからな~」
城門まで帰ってくるとガストンさんが迎えてくれて声をかけてくれる。
レイブンが教えてくれたんだけど、オークの肉は豚肉のような味がするらしい。この世界のオークは豚人間。食材にもなる魔物で重宝するみたい。私はあまり食べたくないんだけど、美味しいならちょっと食べてみようかな……。
「ガストンさん達の剣はロングソード?」
「ん? ああ、俺はそうだな。兵士の多くは槍が主流だな。壁を使った戦いが多いからなるべく攻撃範囲の広い武器が好まれる。弓は全員使えるぞ」
ずっと上の空だったラッドがガストンさんの武器を見て声を上げる。ガストンさんの答えを聞くとまたブツブツと一人で考え事をし始める。
「どうしたんだラッドは?」
「さあ?」
首を傾げて困惑するガストンさんに私も首を傾げて答える。
ガストンさんに挨拶して門を離れる。冒険者ギルドに歩き出すと急にラッドが手を叩いた。
「決めた! 武器を二つ持つ!」
ラッドの声に私とレイブンが顔を見あう。そんなことを考えてたの?
「俺が盾を持っていたってあんな巨体が潰しに来たら耐えられないだろ? それなら武器を二つ持ってダメになった武器を捨ててもう一つの武器で戦う。ずっと戦い続ければいつか勝てる」
鼻息荒く話すラッドに呆れて首を横に振る。
「2本の武器を持つと重くなるわよ」
「一つは背中に背負うんだよ。槍がいいかなって思ってるんだけど、どう思う?」
ラッドは私の声を聞いても二つ持つことに決めたみたい。背中に背負っても重さはあるわけで、長く動くには荷物は少ないほうがいい。逃げる時に邪魔になるに決まってるしね。
「男の子は力あるから選択肢があっていい。私はいいと思う」
「ほんとか!」
レイブンは微笑んで答えてる。男の子のラッドなら槍と剣を持つこともできるのかな?
私みたいにインベントリが使えればいいとは思うけど。私は賛成できないな~。
「ショートランスはショートソードよりも高いんだよ。それで悩んでて。でも、今回の銀貨1枚で買えるだろ? 買えるな~って」
「なるほど、上の空だったのは金勘定していたのね」
「え? ああ、ごめんごめん。まだ計算は早くないからさ~」
ラッドの答えを聞いて私は呆れて首を横に振った。
お金の心配はユマ君が解消してくれた。もう心配することはないのに、兄弟を養うお金のことを考えてしまう。まあ、そんな子だから私はこの子を守ろうと思ったんだよね。
「いた~!」
「え?」
オークを引きずって冒険者ギルドに向かっていると声がかけられる。声の主を見ると、私と同じくらいの背丈の子がフード付きのローブを目深く被って口元だけ見せていた。
「……でも、俺はレベル上げないといけないだろ?」
「チームで行動してれば経験値は共有される。私も手伝う」
ラッドをいさめると彼は一人でやりたいみたいなことを言ってくる。レイブンも説得してくれる。
彼は渋々従ってくれた。自主性に任せるのはいいことかもしれないけど、危険があるのが分かっているならサポートする。仲間なら当たり前のこと。
「じゃあ、私が引き付けます。ラッドは後に続いて」
「お、おう!」
レイブンが先にオークの前に躍り出て引き付ける。後ろを向くオークにラッドが剣を突き立てる。
「ぬ、抜けない」
剣がオークの体に深く入りすぎて剣が抜けなくなってる。オークはラッドを睨みつけて手を上げる。
「ひぃ!?」
ラッドが怯えて剣から手を離し、オークから離れた。
「はっ! やぁ!」
「ブヒ! ブヒィ~!」
レイブンが攻撃を加える。ラッドは剣がなくなったから攻撃手段がなくなっちゃったな。彼女の攻撃じゃ倒せなさそうだし、私が魔法を使うしかないか。
「【我がマナを糧に敵を穿て。【ファイアアロー】】」
「ブヒ!? ブヒヒィ~~!?」
私が魔法の矢を放つとオークの頭に当たり燃えていく。すぐに炎にまかれてオークが倒れ絶命していった。
「はい、ラッド」
「……あ、ああ。ありがとう」
オークに刺さっていた剣を抜いてラッドに差し出す。彼はボーッと燃えるオークを見つめていた。
「レベル上がった」
「おめでとうラッド」
「うん……」
ラッドのレベルが上がったみたい。おめでとうと言うと彼は元気なくうなずく。
「オークは一人で行動することの多い魔物ですけど、集落を作る習性がある魔物です。近くに集落があるかも」
「え? 本当? 冒険者ギルドで共有しておいた方がいいかもね。ラッド?」
「え? ああ、そうだな……」
レイブンは訓練していただけあって、結構知識豊富。たんたんとしゃべる彼女の言葉に考えを巡らせてラッドに同意を求めると彼は上の空で答える。
「……」
一度町に戻ろうとオークの死骸を引きずって引き返す。
森を歩く、その間もラッドは何か考え事をしながら歩いてる。どうしちゃったんだろう?
「ラッドどうしたの?」
「ん、うん……」
「上の空……」
気になって声をかけるとけど彼は上の空で答えて考え込む。いつもの彼なら頭の後ろで両手を組んで歩いてる場面。今日のラッドはなんだか大人しい。
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「ん、うん」
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レイブンが教えてくれたんだけど、オークの肉は豚肉のような味がするらしい。この世界のオークは豚人間。食材にもなる魔物で重宝するみたい。私はあまり食べたくないんだけど、美味しいならちょっと食べてみようかな……。
「ガストンさん達の剣はロングソード?」
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ずっと上の空だったラッドがガストンさんの武器を見て声を上げる。ガストンさんの答えを聞くとまたブツブツと一人で考え事をし始める。
「どうしたんだラッドは?」
「さあ?」
首を傾げて困惑するガストンさんに私も首を傾げて答える。
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「俺が盾を持っていたってあんな巨体が潰しに来たら耐えられないだろ? それなら武器を二つ持ってダメになった武器を捨ててもう一つの武器で戦う。ずっと戦い続ければいつか勝てる」
鼻息荒く話すラッドに呆れて首を横に振る。
「2本の武器を持つと重くなるわよ」
「一つは背中に背負うんだよ。槍がいいかなって思ってるんだけど、どう思う?」
ラッドは私の声を聞いても二つ持つことに決めたみたい。背中に背負っても重さはあるわけで、長く動くには荷物は少ないほうがいい。逃げる時に邪魔になるに決まってるしね。
「男の子は力あるから選択肢があっていい。私はいいと思う」
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私みたいにインベントリが使えればいいとは思うけど。私は賛成できないな~。
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「なるほど、上の空だったのは金勘定していたのね」
「え? ああ、ごめんごめん。まだ計算は早くないからさ~」
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