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第二章 フェイク
第44話 ドワーフの王子
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「グルルルル」
「バブバ~ブ!」
挨拶の頭突きをぶつけ合うと力の差は歴然だった。僕は笑顔でジェネラルは距離を取ってくる。兜も被っているから表情は読めないな。
「バブ!」
「!?」
距離を取るなら詰めるのみ。僕は高速ハイハイで近づいてジェネラルの両足を掴みジャイアントスイング。高速のスイングが風を呼んで空へと舞い上がる。
「グラ~!?」
「バ~ブ!」
高くまで上がるのを確認してジェネラルを地面へと放り投げる。
ドゴン! という音と共にジェネラルが地面に埋まる。
「バブバブバ~【バイボー】」
「ゴア? グルァ~!?」
仰向けに倒れていたジェネラルに、マジックバッグから杖を取り出して【ライト】の魔法を唱える。双子と戦った時に使った照らすだけの魔法。僕の場合は攻撃にも使えてしまう。
思惑通り、漆黒の鎧が剥げていく。黒いから聖属性の魔法に弱いと踏んでいたけど、うまくいきそうだ。
「ジェネラル!」
全身の黒い鎧を霧散させるとブーバ君が涙目で駆け寄っていく。あれ? ドワーフ達は?
「ジーニ様! ドワーフ達を抑えました。こちらがリーダーのドワーフです」
「ぐはぁ! もっと丁重に扱えヴァンパイア! 儂は王子じゃぞ!」
「高貴でも何でもないドワーフが。なぜそんな上から目線なんだ」
ヴァンパイアの二人は見事にドワーフ達を黙らせてくれたみたい。遠巻きにドワーフ達の陣を見ると血で作ったみたいな縄で縛られてるのが見える。見事に死人を出さなかったみたいだな。
「この! 儂をなめおって! 儂が一声あげればドワッジブリッジのドワーフすべてが、お前達全員を殺しにやってくるぞ」
「それはそれは、そのすべてがここにいたドワーフよりも強いか? やれるものならやってみろ」
「ぐっ! き、きさま」
豪華な鎧を着ているドワーフに答えてあげるシャル。怪訝な表情になるドワーフは睨みつけてくる。
「では名を名乗りなさい」
「うるさい! 誰がこんなガキに名を名乗るか!」
「ガキではありません。ジーニ様です。我らが最高の主です。次にガキと言ったら命は」
「黙れ黙れ! 儂はドワッジブリッジの王子、グランダ。人間風情が跪け! ……」
シャルと言い合いになるドワーフ。結局名を名乗っちゃってる。権力をひけらかす人はこれだから。
ヤレヤレとグランダさんを見ていると不意に風が吹いて彼の姿が消える。
「いい憎しみだ。ジェネラルよりもあなたの方がお似合いですね。このグリードが」
「フェイク!?」
グランダが消えたと思ったらフェイクが現れて抱えている。さっきまでジェネラルについていたはずの黒い液体、グリードを彼にかけていく。みるみる真っ黒な鎧になって行き、血で作られた縄を切り自由になった。
「この力はなんじゃ! これなら勝てる! 勝てるぞ~。ドワーフがすべてを支配するんじゃ~」
フェイクの横で雄たけびをあげるグランダ。地面に手を差し込むと大きな岩の斧を作り出す。ゴーレム君よりも大きな斧で僕らに振り上げてきた。
「まずは手始め! おぬし達を血祭りにあげてやる!」
ギラリと目を赤く光らせて振り下ろされる大きな斧。すさまじい破壊力で橋を半分瓦礫に変える。
僕らは回避したので大丈夫だけど、オーク達は何人か川に落とされてる。死んではいないから大丈夫だと思うけど。
「よそ見をする余裕があるとはな。力が足りぬか」
「バブ!」
ジェネラルが来ていた時よりも強くなっているグリードの鎧。グランダはあたりを見回してオーク達に目をつけた。その殺気は彼らの動きを止めるのに十分なもので大きな斧を振り上げられている今も動かないでいる。僕はたまらず声をあげて大きな斧に立ち向かう。
「バブブブ!」
大きな斧を両手で受け止める。なかなかの力だけど、これなら何とかなる。
「赤子のくせになんという力だ。オークを殺して強くなろうと思ったがまずはお前を倒さなくてはならないようだな」
「バブブ!」
うるさく声をあげるグランダの斧を弾き飛ばす。すかさずグランダに突進。大きな斧が宙を舞い、地面に落ちると大きな音をあげた。
「このガキ! なんという力じゃ。今のこの姿でも押される!」
上半身に突進してグランダの足で轍が出来る。グランダは僕を掴んで地面に叩きつけようとしてくるが、すでに僕はそこにいない!
「バブ!」
「な、なに! 確かに掴んでいたはず。わ、儂の腕が!?」
「バブバブ!」
僕がいなくなっていることに驚いてるグランダ。彼は痛覚をなくしてしまっているみたいだ。腕を折って逃げた僕を不思議そうに見てきた。痛がっている様子はない。
「儂の腕をよくも! じゃがこれで終いだ!」
残った腕で斧を振り上げる。さっきよりも土が張り付いていて二回り大きくなっている。
でも、そんなの僕には関係ない!
「ダブダブダブ~【バイボ~】」
「ぐうっ。まぶしい」
聖属性の魔法ライトを放つ。顔を照らされたグランダ。上半身の黒い鎧が溶けていく。
「いけませんね。これ以上減らされてはグリードも苦しくなってしまいます」
「ぐあっ」
「バブ!?」
グランダが苦しんでいるとフェイクが彼の後ろに現れた。グランダのお腹を手で貫くとグリードを回収していく。
「良い怒りをありがとうございます。寂しいですが今回はこれでサヨナラです」
深くお辞儀をしてフェイクは挨拶をしてくる。ニッコリと微笑む彼はとても楽しそうに見える。
「おっと、そうでした。あの龍にはお気を付けください。味方でもなく敵でもない方ですからね」
最後に忠告してきて姿を消すフェイク。オーク、グランダの死体だけが残る戦場。虚しさだけが確かにそこに存在していた。
「我はジュスペンスの王ブランド! ドワーフ達に告ぐ。直ちに引き返せ」
僕たちが唖然としていると橋の向こうから声が聞こえてきた。ブランド様が来てくれたみたい。彼の声と軍隊を見て、ドワーフ達は斧を手放していくのが見える。とりあえずは平和になったのかな。色々と腑に落ちないけれど。
「バブバ~ブ!」
挨拶の頭突きをぶつけ合うと力の差は歴然だった。僕は笑顔でジェネラルは距離を取ってくる。兜も被っているから表情は読めないな。
「バブ!」
「!?」
距離を取るなら詰めるのみ。僕は高速ハイハイで近づいてジェネラルの両足を掴みジャイアントスイング。高速のスイングが風を呼んで空へと舞い上がる。
「グラ~!?」
「バ~ブ!」
高くまで上がるのを確認してジェネラルを地面へと放り投げる。
ドゴン! という音と共にジェネラルが地面に埋まる。
「バブバブバ~【バイボー】」
「ゴア? グルァ~!?」
仰向けに倒れていたジェネラルに、マジックバッグから杖を取り出して【ライト】の魔法を唱える。双子と戦った時に使った照らすだけの魔法。僕の場合は攻撃にも使えてしまう。
思惑通り、漆黒の鎧が剥げていく。黒いから聖属性の魔法に弱いと踏んでいたけど、うまくいきそうだ。
「ジェネラル!」
全身の黒い鎧を霧散させるとブーバ君が涙目で駆け寄っていく。あれ? ドワーフ達は?
「ジーニ様! ドワーフ達を抑えました。こちらがリーダーのドワーフです」
「ぐはぁ! もっと丁重に扱えヴァンパイア! 儂は王子じゃぞ!」
「高貴でも何でもないドワーフが。なぜそんな上から目線なんだ」
ヴァンパイアの二人は見事にドワーフ達を黙らせてくれたみたい。遠巻きにドワーフ達の陣を見ると血で作ったみたいな縄で縛られてるのが見える。見事に死人を出さなかったみたいだな。
「この! 儂をなめおって! 儂が一声あげればドワッジブリッジのドワーフすべてが、お前達全員を殺しにやってくるぞ」
「それはそれは、そのすべてがここにいたドワーフよりも強いか? やれるものならやってみろ」
「ぐっ! き、きさま」
豪華な鎧を着ているドワーフに答えてあげるシャル。怪訝な表情になるドワーフは睨みつけてくる。
「では名を名乗りなさい」
「うるさい! 誰がこんなガキに名を名乗るか!」
「ガキではありません。ジーニ様です。我らが最高の主です。次にガキと言ったら命は」
「黙れ黙れ! 儂はドワッジブリッジの王子、グランダ。人間風情が跪け! ……」
シャルと言い合いになるドワーフ。結局名を名乗っちゃってる。権力をひけらかす人はこれだから。
ヤレヤレとグランダさんを見ていると不意に風が吹いて彼の姿が消える。
「いい憎しみだ。ジェネラルよりもあなたの方がお似合いですね。このグリードが」
「フェイク!?」
グランダが消えたと思ったらフェイクが現れて抱えている。さっきまでジェネラルについていたはずの黒い液体、グリードを彼にかけていく。みるみる真っ黒な鎧になって行き、血で作られた縄を切り自由になった。
「この力はなんじゃ! これなら勝てる! 勝てるぞ~。ドワーフがすべてを支配するんじゃ~」
フェイクの横で雄たけびをあげるグランダ。地面に手を差し込むと大きな岩の斧を作り出す。ゴーレム君よりも大きな斧で僕らに振り上げてきた。
「まずは手始め! おぬし達を血祭りにあげてやる!」
ギラリと目を赤く光らせて振り下ろされる大きな斧。すさまじい破壊力で橋を半分瓦礫に変える。
僕らは回避したので大丈夫だけど、オーク達は何人か川に落とされてる。死んではいないから大丈夫だと思うけど。
「よそ見をする余裕があるとはな。力が足りぬか」
「バブ!」
ジェネラルが来ていた時よりも強くなっているグリードの鎧。グランダはあたりを見回してオーク達に目をつけた。その殺気は彼らの動きを止めるのに十分なもので大きな斧を振り上げられている今も動かないでいる。僕はたまらず声をあげて大きな斧に立ち向かう。
「バブブブ!」
大きな斧を両手で受け止める。なかなかの力だけど、これなら何とかなる。
「赤子のくせになんという力だ。オークを殺して強くなろうと思ったがまずはお前を倒さなくてはならないようだな」
「バブブ!」
うるさく声をあげるグランダの斧を弾き飛ばす。すかさずグランダに突進。大きな斧が宙を舞い、地面に落ちると大きな音をあげた。
「このガキ! なんという力じゃ。今のこの姿でも押される!」
上半身に突進してグランダの足で轍が出来る。グランダは僕を掴んで地面に叩きつけようとしてくるが、すでに僕はそこにいない!
「バブ!」
「な、なに! 確かに掴んでいたはず。わ、儂の腕が!?」
「バブバブ!」
僕がいなくなっていることに驚いてるグランダ。彼は痛覚をなくしてしまっているみたいだ。腕を折って逃げた僕を不思議そうに見てきた。痛がっている様子はない。
「儂の腕をよくも! じゃがこれで終いだ!」
残った腕で斧を振り上げる。さっきよりも土が張り付いていて二回り大きくなっている。
でも、そんなの僕には関係ない!
「ダブダブダブ~【バイボ~】」
「ぐうっ。まぶしい」
聖属性の魔法ライトを放つ。顔を照らされたグランダ。上半身の黒い鎧が溶けていく。
「いけませんね。これ以上減らされてはグリードも苦しくなってしまいます」
「ぐあっ」
「バブ!?」
グランダが苦しんでいるとフェイクが彼の後ろに現れた。グランダのお腹を手で貫くとグリードを回収していく。
「良い怒りをありがとうございます。寂しいですが今回はこれでサヨナラです」
深くお辞儀をしてフェイクは挨拶をしてくる。ニッコリと微笑む彼はとても楽しそうに見える。
「おっと、そうでした。あの龍にはお気を付けください。味方でもなく敵でもない方ですからね」
最後に忠告してきて姿を消すフェイク。オーク、グランダの死体だけが残る戦場。虚しさだけが確かにそこに存在していた。
「我はジュスペンスの王ブランド! ドワーフ達に告ぐ。直ちに引き返せ」
僕たちが唖然としていると橋の向こうから声が聞こえてきた。ブランド様が来てくれたみたい。彼の声と軍隊を見て、ドワーフ達は斧を手放していくのが見える。とりあえずは平和になったのかな。色々と腑に落ちないけれど。
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