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第一章 異世界旅行
第5話 ルドラ
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「ん? シゲル?」
「あ、ルドラさん」
エチルちゃんと町に戻ってくると門番にルドラさんがいました。親し気に手を振ってしまいましたが、彼は答えてくれませんでした。ショックです。
「早速面倒ごとを連れてきたな……」
彼はエチルちゃんを見て声をもらす。
「森で一人で暮らしていたみたいなんです」
「あ~……そうだろうな。人の町に入ることはできない。親が死んでもそれは同じだからな……」
私の説明に彼は彼女の視線まで腰を落として悲しい表情を作る。
「滞在はできないが城壁の横にテントを作ることはできる。城門のすぐ横に作りな」
「え!? お金を払ってもですか?」
「ん? 金があるようには見えねえぞ?」
ルドラさんの声に驚いて聞き返す。
彼の言葉に確かにと頷いてしまいました。私、貧乏でした……。またまたショックです。
私20から働いて、今一文無しになってしまったんですよね。凄いショックです。贅沢もしないで働いてきたのにな~。
「はぁ~……」
「くそでけぇため息ついてる時間はねえだろ。働いて働いて働きぬいて、獣人を守ってやれよ」
「エチルちゃんですよ……。でも、そうですね。働くしかありませんよね」
大きなため息が出るとルドラさんに元気づけられてしまいました。
彼が言う様に働くしかないです。そもそも私って働くしか脳がありませんしね。というかルドラさんって私と関わりあいたくないと言いながら忠告やら説明やらをしてくれてますよね。本当は心配してくれてるんでしょうか? なんにしてもありがたい。
「し、シゲル! 私も働く!」
エチルちゃんが声を上げる。その声を聞いて涙腺が刺激されました。シゲル感激です。
「ルドラさん。冒険者登録って何歳からできます?」
「何歳からでもなれる。町の中の仕事もあるからな。手紙の配達とかな」
これは僥倖っと思いましたがルドラさんは彼女へと視線を落とす。
「だがな、獣人だっていうのを忘れるな。一人で動くことは絶対にやめろ。お前はシゲルから離れるな」
「で、でも……」
「はぁ~……」
今度はルドラさんが大きなため息をつきました。獣人だと一人では行動できないんですね。
「いいか? 獣人っていうのは人狩りに会うものなんだ。メスは特にな。貴族に高く売れる」
ルドラさんの声に体を震わせるエチルちゃん。私は思わず彼女の肩に手を置いて慰める。
真実を受け止めなくては、知らなくちゃいけない。そう思いました。だからルドラさんの話を無言で聞きます。
「獣人と人は昔戦争をしていた。数の多い人族はその数で。力の強い獣人はその力を使って戦争をした。数の少なかった獣人はすぐに劣勢になり、人に蹂躙された。力の強い獣人に勝ったことを知らしめたい人は、獣人を飼ったり飾ったりするわけだ……」
なるほど、そういう歴史があるんですね。だから、獣人を恐れている。町から遠ざけて増えないように……。
「ではエチルちゃんは私から離れないようにしてください」
「は、はい」
と、意気揚々と声を上げてみましたけど、私がついているからって人狩りが近づかないとは思えないんですよね。ルドラさんがついてくれれば大丈夫だと思うんですが。
「それにしても早々に魔物を仕留めたんだな。角ウサギとゴブリンか? ここで解体してくか?」
ルドラさんは私の持っていた角ウサギとゴブリンに気が付いて声を上げる。町の中には解体して持っていくみたいですね。
「通常は解体料金をもらうんだが、初回サービスとしよう。角ウサギは美味いからな。内臓はもらうぞ」
ルドラさんはそう言って城門の横の塔に入っていく。ついてくるように手招きしてくるので角ウサギとゴブリンを持っていく。
「ゴブリンは食えたもんじゃねえから魔石だけ抜いて。シゲル、覚えておけよ。解体でも金を使わなくて済むならそれが一番いいだろ?」
「あ、はい。勉強させてもらいます」
塔の中には厨房のような作業台があった。そこにゴブリンを乗せると、鋭くとがったナイフを取り出すルドラさん。
ゴブリンの解体を行いながら私に声をかける。ゴブリンは簡単に終わりました。左胸にナイフを突き入れて、てこの原理の要領で傾けると黒い石が取り出される。親指程の石、多分あれが魔石なんでしょう。
「ゴブリンの死骸はこっちで処分するぞ。狼の餌になるからな。狩りに使えるんだ。俺達の小遣い稼ぎだな」
ルドラさんはそう言ってゴブリンの死骸を革袋にしまっていく。
「次は角ウサギだ。しかし、よく仕留められたな。高速で突進してくる角うさぎ。新人冒険者は無傷じゃいられないっていうのに。流石というかなんというか」
「そうなんですか?」
ルドラさんは呆れた表情でそう言うと角ウサギの角を取り外していく。
「この角だ。この角には防御力を下げる魔法がかかってる。どんなものでも貫けるようになるってわけだ。まあ、そのせいでこいつ自身の防御力も下がっちまうけど」
なるほど、それで木槍でも倒せたんですね。ゴブリンでも壊れるような木槍で。
「首を切って血抜き。少し時間かかってるから出が悪いな。まあ、仕方ないか。次に腹を裂いて、内臓を取り出す。内臓は大丈夫そうだ。美味そうだな~」
「うっぷ……。流石ですね」
ゴブリンの時は内臓が出てなかったからある程度我慢できましたけど、ウサギさんは無理です。
「ははは、もっと大きなの仕留めたら大変だぞ。自分よりも大きな内臓が出てくるからな~。匂いもこれよりも強烈だ」
ルドラさんは苦しむ私を見て笑顔を作る。この何とも言えない匂いが序の口ですか。それは凄いですね。
「エチルは優秀だな。もしかして、解体してたか?」
「え、あ、はい。お父さんと一緒にやってた」
エチルちゃんはただ黙って解体を見ていた。嫌な顔一つせずにみれていたようです。
森で暮らすにはそのくらいできないと無理なんでしょうね。
『解体術を習得しました』
「あ……」
凄いエチルちゃんを見ていたら、スキルが習得されました。空気読んでほしいんですけど。
「あ、ルドラさん」
エチルちゃんと町に戻ってくると門番にルドラさんがいました。親し気に手を振ってしまいましたが、彼は答えてくれませんでした。ショックです。
「早速面倒ごとを連れてきたな……」
彼はエチルちゃんを見て声をもらす。
「森で一人で暮らしていたみたいなんです」
「あ~……そうだろうな。人の町に入ることはできない。親が死んでもそれは同じだからな……」
私の説明に彼は彼女の視線まで腰を落として悲しい表情を作る。
「滞在はできないが城壁の横にテントを作ることはできる。城門のすぐ横に作りな」
「え!? お金を払ってもですか?」
「ん? 金があるようには見えねえぞ?」
ルドラさんの声に驚いて聞き返す。
彼の言葉に確かにと頷いてしまいました。私、貧乏でした……。またまたショックです。
私20から働いて、今一文無しになってしまったんですよね。凄いショックです。贅沢もしないで働いてきたのにな~。
「はぁ~……」
「くそでけぇため息ついてる時間はねえだろ。働いて働いて働きぬいて、獣人を守ってやれよ」
「エチルちゃんですよ……。でも、そうですね。働くしかありませんよね」
大きなため息が出るとルドラさんに元気づけられてしまいました。
彼が言う様に働くしかないです。そもそも私って働くしか脳がありませんしね。というかルドラさんって私と関わりあいたくないと言いながら忠告やら説明やらをしてくれてますよね。本当は心配してくれてるんでしょうか? なんにしてもありがたい。
「し、シゲル! 私も働く!」
エチルちゃんが声を上げる。その声を聞いて涙腺が刺激されました。シゲル感激です。
「ルドラさん。冒険者登録って何歳からできます?」
「何歳からでもなれる。町の中の仕事もあるからな。手紙の配達とかな」
これは僥倖っと思いましたがルドラさんは彼女へと視線を落とす。
「だがな、獣人だっていうのを忘れるな。一人で動くことは絶対にやめろ。お前はシゲルから離れるな」
「で、でも……」
「はぁ~……」
今度はルドラさんが大きなため息をつきました。獣人だと一人では行動できないんですね。
「いいか? 獣人っていうのは人狩りに会うものなんだ。メスは特にな。貴族に高く売れる」
ルドラさんの声に体を震わせるエチルちゃん。私は思わず彼女の肩に手を置いて慰める。
真実を受け止めなくては、知らなくちゃいけない。そう思いました。だからルドラさんの話を無言で聞きます。
「獣人と人は昔戦争をしていた。数の多い人族はその数で。力の強い獣人はその力を使って戦争をした。数の少なかった獣人はすぐに劣勢になり、人に蹂躙された。力の強い獣人に勝ったことを知らしめたい人は、獣人を飼ったり飾ったりするわけだ……」
なるほど、そういう歴史があるんですね。だから、獣人を恐れている。町から遠ざけて増えないように……。
「ではエチルちゃんは私から離れないようにしてください」
「は、はい」
と、意気揚々と声を上げてみましたけど、私がついているからって人狩りが近づかないとは思えないんですよね。ルドラさんがついてくれれば大丈夫だと思うんですが。
「それにしても早々に魔物を仕留めたんだな。角ウサギとゴブリンか? ここで解体してくか?」
ルドラさんは私の持っていた角ウサギとゴブリンに気が付いて声を上げる。町の中には解体して持っていくみたいですね。
「通常は解体料金をもらうんだが、初回サービスとしよう。角ウサギは美味いからな。内臓はもらうぞ」
ルドラさんはそう言って城門の横の塔に入っていく。ついてくるように手招きしてくるので角ウサギとゴブリンを持っていく。
「ゴブリンは食えたもんじゃねえから魔石だけ抜いて。シゲル、覚えておけよ。解体でも金を使わなくて済むならそれが一番いいだろ?」
「あ、はい。勉強させてもらいます」
塔の中には厨房のような作業台があった。そこにゴブリンを乗せると、鋭くとがったナイフを取り出すルドラさん。
ゴブリンの解体を行いながら私に声をかける。ゴブリンは簡単に終わりました。左胸にナイフを突き入れて、てこの原理の要領で傾けると黒い石が取り出される。親指程の石、多分あれが魔石なんでしょう。
「ゴブリンの死骸はこっちで処分するぞ。狼の餌になるからな。狩りに使えるんだ。俺達の小遣い稼ぎだな」
ルドラさんはそう言ってゴブリンの死骸を革袋にしまっていく。
「次は角ウサギだ。しかし、よく仕留められたな。高速で突進してくる角うさぎ。新人冒険者は無傷じゃいられないっていうのに。流石というかなんというか」
「そうなんですか?」
ルドラさんは呆れた表情でそう言うと角ウサギの角を取り外していく。
「この角だ。この角には防御力を下げる魔法がかかってる。どんなものでも貫けるようになるってわけだ。まあ、そのせいでこいつ自身の防御力も下がっちまうけど」
なるほど、それで木槍でも倒せたんですね。ゴブリンでも壊れるような木槍で。
「首を切って血抜き。少し時間かかってるから出が悪いな。まあ、仕方ないか。次に腹を裂いて、内臓を取り出す。内臓は大丈夫そうだ。美味そうだな~」
「うっぷ……。流石ですね」
ゴブリンの時は内臓が出てなかったからある程度我慢できましたけど、ウサギさんは無理です。
「ははは、もっと大きなの仕留めたら大変だぞ。自分よりも大きな内臓が出てくるからな~。匂いもこれよりも強烈だ」
ルドラさんは苦しむ私を見て笑顔を作る。この何とも言えない匂いが序の口ですか。それは凄いですね。
「エチルは優秀だな。もしかして、解体してたか?」
「え、あ、はい。お父さんと一緒にやってた」
エチルちゃんはただ黙って解体を見ていた。嫌な顔一つせずにみれていたようです。
森で暮らすにはそのくらいできないと無理なんでしょうね。
『解体術を習得しました』
「あ……」
凄いエチルちゃんを見ていたら、スキルが習得されました。空気読んでほしいんですけど。
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