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第1章
第8話 第二ラウンド
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「エネ! アーリーを連れて逃げるんだ!」
「あなたはどうするの!」
「俺は一人でも多く森へ逃がす! さあ、早く!」
野営地は大混乱。急に三つ首の龍が現れたらそりゃそうなるよね。
お父さんとお母さんが言い合いになってるよ。
「どうやら、召喚魔法が使われたようです」
「ブブブ~!」
ダークに抱かれたままヒュドラを見上げる。まったく迷惑な魔物だな!
「マスター。そんなに殺気を出すと……ああ~気づいてしまいました」
「バブ?」
ちょっとヒュドラを睨んだらダークがびっくりして注意してきたよ。でも、時すでに遅し。口の中に炎を宿した首が僕らを見つめてにやけている。性格が悪そうな蛇だね。
「バブ!」
「ああ、マスター!」
性格悪そうな笑みを見て、なんだか腹が立った僕は飛び上がってヒュドラへと飛び乗った。口に炎を宿していた首の根元に張り付く。
「シャ~」
「ブ~!」
舌をちろちろしてきた。完全に威嚇だな。
炎が強く輝きだしてきた。これは炎を使ってくる気だな。 それはさせないぞ。
「バブ!」
ドスンとフックを胴体に放つ。ヒュドラは大きく飛び野営地から飛び出す。
「に、逃げるか! 追え!」
野営地からそんな声が聞こえてくる。ヒュドラが自分で移動したと思っているみたいだ。
見えない今のうちに!
「マスター!」
「バブ!」
ダークが手に剣を携えながら飛んできた。合図を送って二人で頷くとそれぞれの首へと攻撃を放った。僕は素手なので両手で叩きつけた。
「残り一つです!」
「バブバブ!」
雷をバチバチさせて仲間の仇を討たんとしている首。ダークは僕を抱き上げて大きく跳躍、そのまま僕を投げ飛ばした。
「ダブ!」
僕のからだが雷を放たれる前に口を通り抜けて貫く。ヒュドラはバチバチと音を立てて燃えていった。
「気づかれる前に戻りましょう」
「ア~イ!」
ふ~すっきり! はた迷惑な魔物だったな~。まあ、被害がなくてよかったよかった。
◇
私は信じられないものを見た。
「赤ん坊……」
私は部下よりも早く飛んでいったヒュドラに追いついていた。
そこで見たものは信じられないものだった。
「私よりも強い赤子……」
皆に言っても信じてもらえないような話だ。仲間と一緒に協力してやっと勝てるかどうかの魔物をいとも簡単に葬り去ったものがいる。それが赤子と女。
誰が信じてくれるだろうか。
「どうなっているんだ」
ダークとあの赤子は何者なんだ。自問自答しながら私はヒュドラの解体を始めた。
「綺麗に解体するんだぞ。避難民のこれからの生活に役立てるからな」
「隊長! 我々の戦利品にしないんですか?」
「私達が倒したんじゃないからな」
「え? でも! 隊長がやったんじゃ?」
「……」
あの距離からならばそう思ってしまうかもしれないな。
仲間達は疑うこともせずに目をキラキラさせて見つめてくる。やっていないことで尊敬されても困る。
しかし、ダークさんとあの赤子は名乗り出ていない。それを鑑みると隠したがっているのが伺える。下手に言いふらして嫌われるのは避けたいところだ。
今は私がやったということにしておいたほうが得策かもしれないな。
黙っていれば私がやったということになるだろう。嘘はつかないで済む。
「朝までには済ませるぞ」
『応っ!』
案の定、【ヒュドラキラーシデン】と言われるようになるのだった。
これはあの二人のためだ。わかっていても恥ずかしいものだな。
「あなたはどうするの!」
「俺は一人でも多く森へ逃がす! さあ、早く!」
野営地は大混乱。急に三つ首の龍が現れたらそりゃそうなるよね。
お父さんとお母さんが言い合いになってるよ。
「どうやら、召喚魔法が使われたようです」
「ブブブ~!」
ダークに抱かれたままヒュドラを見上げる。まったく迷惑な魔物だな!
「マスター。そんなに殺気を出すと……ああ~気づいてしまいました」
「バブ?」
ちょっとヒュドラを睨んだらダークがびっくりして注意してきたよ。でも、時すでに遅し。口の中に炎を宿した首が僕らを見つめてにやけている。性格が悪そうな蛇だね。
「バブ!」
「ああ、マスター!」
性格悪そうな笑みを見て、なんだか腹が立った僕は飛び上がってヒュドラへと飛び乗った。口に炎を宿していた首の根元に張り付く。
「シャ~」
「ブ~!」
舌をちろちろしてきた。完全に威嚇だな。
炎が強く輝きだしてきた。これは炎を使ってくる気だな。 それはさせないぞ。
「バブ!」
ドスンとフックを胴体に放つ。ヒュドラは大きく飛び野営地から飛び出す。
「に、逃げるか! 追え!」
野営地からそんな声が聞こえてくる。ヒュドラが自分で移動したと思っているみたいだ。
見えない今のうちに!
「マスター!」
「バブ!」
ダークが手に剣を携えながら飛んできた。合図を送って二人で頷くとそれぞれの首へと攻撃を放った。僕は素手なので両手で叩きつけた。
「残り一つです!」
「バブバブ!」
雷をバチバチさせて仲間の仇を討たんとしている首。ダークは僕を抱き上げて大きく跳躍、そのまま僕を投げ飛ばした。
「ダブ!」
僕のからだが雷を放たれる前に口を通り抜けて貫く。ヒュドラはバチバチと音を立てて燃えていった。
「気づかれる前に戻りましょう」
「ア~イ!」
ふ~すっきり! はた迷惑な魔物だったな~。まあ、被害がなくてよかったよかった。
◇
私は信じられないものを見た。
「赤ん坊……」
私は部下よりも早く飛んでいったヒュドラに追いついていた。
そこで見たものは信じられないものだった。
「私よりも強い赤子……」
皆に言っても信じてもらえないような話だ。仲間と一緒に協力してやっと勝てるかどうかの魔物をいとも簡単に葬り去ったものがいる。それが赤子と女。
誰が信じてくれるだろうか。
「どうなっているんだ」
ダークとあの赤子は何者なんだ。自問自答しながら私はヒュドラの解体を始めた。
「綺麗に解体するんだぞ。避難民のこれからの生活に役立てるからな」
「隊長! 我々の戦利品にしないんですか?」
「私達が倒したんじゃないからな」
「え? でも! 隊長がやったんじゃ?」
「……」
あの距離からならばそう思ってしまうかもしれないな。
仲間達は疑うこともせずに目をキラキラさせて見つめてくる。やっていないことで尊敬されても困る。
しかし、ダークさんとあの赤子は名乗り出ていない。それを鑑みると隠したがっているのが伺える。下手に言いふらして嫌われるのは避けたいところだ。
今は私がやったということにしておいたほうが得策かもしれないな。
黙っていれば私がやったということになるだろう。嘘はつかないで済む。
「朝までには済ませるぞ」
『応っ!』
案の定、【ヒュドラキラーシデン】と言われるようになるのだった。
これはあの二人のためだ。わかっていても恥ずかしいものだな。
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