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第1章
第23話 建国!
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「食料が足りないぞ! すぐに出さないか!」
「そんなことを言っても。ないものはないんですよ!」
ウラスに食料を売るようになって2日程が経った。昨日は何も言われなかったが2日目で文句を言われるようになった。文句を言う兵士に答えるお父さん。食料は有限、王都一つを賄う程の量はない。それに決まった数を卸すことを決めたからそれ以上を求められても無理だ。
「文句があるのなら兵士全員で狩りをすればいいだろ!」
お父さんと兵士の間に入るダークさん。シデンさんも腕を組んでみていてくれる。美人で強い二人に見られている兵士さん。緊張してがちがちと震えてる……怖いのかな?
「ふんっ! 明日はしっかりと卸せよ!」
そう捨て台詞を吐いて去っていく兵士。まったく、教育がなってないな。
「まったく、教育がなっていないな。強いものにはひれ伏せと教えてやった方がいいかもしれん」
「ははは、ダークの教育は厳しそうだ」
ダークの声にシデンさんが笑ってる。確かに厳しそうだ。僕だったら余裕に耐えてしまうと思うけどね。
「……やはり国を立ち上げるしかないか」
「バブ」
農場の窓から僕らの様子を見ているライナ様が呟いてる。それを一押ししてあげたいんだけど、話せないからもどかしいな。
「エランさん。獲物も魔物も少なくなってきてる。昨日の卸した数がずっと続くと俺たちの分まで卸さないと足りないぞ」
報告をする青年、お父さんは困った様子でみんなと顔を見あう。
その様子を見てライナ様は大きなため息をついた。そんな困った様子のライナ様、更に次の日がやってきて爆発する。
「我々もやっと集めている食料だ! 決まった数よりも求められても困る!」
ライナ様の声が農場に響く。毎朝食料を回収に来る兵士がおびえてしりもちをつくほどの怒号。城壁上にまで聞こえているほどの声だろう。声量を張り過ぎてライナ様は息切れしてる。
「お、王に報告するからな!」
兵士はそう言って帰っていく。ライナ様はその場に座り込んで地面に拳を放つ。血が滲み指の隙間から赤色がのぞく。
「はは、男を見せたなライナ。見直した」
「ダークさん……」
ダークは気に入ったようでライナの肩に手を置く。確かに男らしかったな。お父さんも嬉しそうに頷いてる。
「おう! 町の中まで聞こえたぞ」
グライアスさんが農場にやってきて声をかけてくれる。話を聞くと、彼もウラスからの要求に飽き飽きしている様子。要求は日に日に強くなって更に金の払いもよくないらしい。
「このままじゃ俺の商会も我慢ならねえ。俺たちもウラスを離れることになる。その挨拶に来たんだが……。ライナ様、新たに町を作ることをどうお考えかな?」
「え?」
農場の建物の中に入って話を進める。グライアスさんの提案に唖然とするライナ様。
「ははは、ウラスはもうだめだ。王都でありながら王都の役目を果たせてない。商人も王都が安全だと思わなかったから逃げているんだからな。俺たちは最後は戦う覚悟だったが、王につぶされそうになったから逃げることにした。だがな、新たな”主人”が生まれれば別だ。信頼できる主人がな」
グライアスさんはそう言って周りを見渡す。農場で働くオクライナの兵士達。ライナ様を信頼して最後まで町を守ろうとしていた兵士達だ。
ライナ様はみんなに愛されている、彼らはその証人。グライアスさんもそれに気が付いて裏切りの噂も嘘だと信用したんだろうな。
「新たな町……。だが、そんな土地」
「そこは俺に任せてくれ。ここから2日程のところに開けた土地がある。川も近くていい土地なんだ。もう少し王都で稼げれば別荘を建てようと思っていたところだったんだが、今回の事で頓挫した。稼がせてくれないか?」
「……」
ライナ様はグライアスさんの提案に考え込んで僕らを見つめてくる。僕は迷わず頷いて見せる。僕も働くしダークも眷属を総動員してもらえば簡単に済むんじゃないか?
「……成功する保証はない」
「ふんっ! ここにいても搾取されるだけだ。もう少しでもここにいたら私が王を殺すぞ」
「……はは、楽しそうな脅しですね。ランネローゼさんが悲しみそうだ」
ライナさんがみんなの心配をして声を漏らす。するとダークが鼻息荒く答えると彼は苦笑いで答えた。
僕らもランネローゼさんの事は心配してる。彼女は優しいから愚王である父の心配までしてしまうと思うんだ。彼女だけでも助けてあげたいんだけど。
「おはようございます。今日も働きます」
そう思っているとランネローゼさんがやってくる。クリスさんも後ろにいて、首をかしげてる。
「あ、また食料の要求ですか? 働かない人達が迷惑をかけてごめんなさい。その分私が頑張りますから」
みんなが挨拶を交わさないものだから不安になってるランネローゼさん。可愛く首をかしげながら話すものだからみんな笑みがこぼれる。
「ランネローゼ様。少しお話を」
笑みをこぼしながらライナ様がそう言うとランネローゼ様は素直に椅子に座る。
「なるほど……。王都を離れるというわけですね」
話を聞くとランネローゼ様は頷いて考え込む。クリスさんはいらだって足踏みが煩くなってるな。
「国を捨てるなどあり得ん。私は死んでもここから逃げないぞ」
忠義心の高いクリスさんならそういうだろうな。ランネローゼ様は凄く考え込んでる。
「ランネローゼ様! 考える必要はありません。引き留めましょう。彼らがいなくては王都は守れません」
「わかってる。だけど、王都を維持することは難しいは。今動かないとすべてがダメになる。ガストゥーレに全て取られて終わりになる」
クリスさんの声にランネローゼ様は更に考え込む。もう彼女も王都の終わりを感じているみたいだ。商人がグライアスさんだけになってるからね。
人が多いってことは消費するものも多いっていうこと。それを維持するには商人が必要だもんな。維持できなくなるに決まってる。彼女はその状況を早く打開したいと思ってるんだな。でも、流石に無理がある。僕らでもできないから。
「……お父様には私が話を付けます。皆さんはすぐにでも町を作ってください。早くした方がいい」
ランネローゼ様はそう言って農場に後にする。クリスさんは彼女の急変に焦りながらもついていく。
「ランネローゼ様は何を考えているんだ?」
「さあ? でも、俺たちの背中を押された。彼女のためにも俺たちは町を作る」
「エラン……。そうだな。グライアスさんやりましょう!」
ライナ様が首をかしげて呟くとエランが決意を口にする。それに頷いたライナ様はグライアスさんと握手を交わして街づくりの準備に動き出す。
「そんなことを言っても。ないものはないんですよ!」
ウラスに食料を売るようになって2日程が経った。昨日は何も言われなかったが2日目で文句を言われるようになった。文句を言う兵士に答えるお父さん。食料は有限、王都一つを賄う程の量はない。それに決まった数を卸すことを決めたからそれ以上を求められても無理だ。
「文句があるのなら兵士全員で狩りをすればいいだろ!」
お父さんと兵士の間に入るダークさん。シデンさんも腕を組んでみていてくれる。美人で強い二人に見られている兵士さん。緊張してがちがちと震えてる……怖いのかな?
「ふんっ! 明日はしっかりと卸せよ!」
そう捨て台詞を吐いて去っていく兵士。まったく、教育がなってないな。
「まったく、教育がなっていないな。強いものにはひれ伏せと教えてやった方がいいかもしれん」
「ははは、ダークの教育は厳しそうだ」
ダークの声にシデンさんが笑ってる。確かに厳しそうだ。僕だったら余裕に耐えてしまうと思うけどね。
「……やはり国を立ち上げるしかないか」
「バブ」
農場の窓から僕らの様子を見ているライナ様が呟いてる。それを一押ししてあげたいんだけど、話せないからもどかしいな。
「エランさん。獲物も魔物も少なくなってきてる。昨日の卸した数がずっと続くと俺たちの分まで卸さないと足りないぞ」
報告をする青年、お父さんは困った様子でみんなと顔を見あう。
その様子を見てライナ様は大きなため息をついた。そんな困った様子のライナ様、更に次の日がやってきて爆発する。
「我々もやっと集めている食料だ! 決まった数よりも求められても困る!」
ライナ様の声が農場に響く。毎朝食料を回収に来る兵士がおびえてしりもちをつくほどの怒号。城壁上にまで聞こえているほどの声だろう。声量を張り過ぎてライナ様は息切れしてる。
「お、王に報告するからな!」
兵士はそう言って帰っていく。ライナ様はその場に座り込んで地面に拳を放つ。血が滲み指の隙間から赤色がのぞく。
「はは、男を見せたなライナ。見直した」
「ダークさん……」
ダークは気に入ったようでライナの肩に手を置く。確かに男らしかったな。お父さんも嬉しそうに頷いてる。
「おう! 町の中まで聞こえたぞ」
グライアスさんが農場にやってきて声をかけてくれる。話を聞くと、彼もウラスからの要求に飽き飽きしている様子。要求は日に日に強くなって更に金の払いもよくないらしい。
「このままじゃ俺の商会も我慢ならねえ。俺たちもウラスを離れることになる。その挨拶に来たんだが……。ライナ様、新たに町を作ることをどうお考えかな?」
「え?」
農場の建物の中に入って話を進める。グライアスさんの提案に唖然とするライナ様。
「ははは、ウラスはもうだめだ。王都でありながら王都の役目を果たせてない。商人も王都が安全だと思わなかったから逃げているんだからな。俺たちは最後は戦う覚悟だったが、王につぶされそうになったから逃げることにした。だがな、新たな”主人”が生まれれば別だ。信頼できる主人がな」
グライアスさんはそう言って周りを見渡す。農場で働くオクライナの兵士達。ライナ様を信頼して最後まで町を守ろうとしていた兵士達だ。
ライナ様はみんなに愛されている、彼らはその証人。グライアスさんもそれに気が付いて裏切りの噂も嘘だと信用したんだろうな。
「新たな町……。だが、そんな土地」
「そこは俺に任せてくれ。ここから2日程のところに開けた土地がある。川も近くていい土地なんだ。もう少し王都で稼げれば別荘を建てようと思っていたところだったんだが、今回の事で頓挫した。稼がせてくれないか?」
「……」
ライナ様はグライアスさんの提案に考え込んで僕らを見つめてくる。僕は迷わず頷いて見せる。僕も働くしダークも眷属を総動員してもらえば簡単に済むんじゃないか?
「……成功する保証はない」
「ふんっ! ここにいても搾取されるだけだ。もう少しでもここにいたら私が王を殺すぞ」
「……はは、楽しそうな脅しですね。ランネローゼさんが悲しみそうだ」
ライナさんがみんなの心配をして声を漏らす。するとダークが鼻息荒く答えると彼は苦笑いで答えた。
僕らもランネローゼさんの事は心配してる。彼女は優しいから愚王である父の心配までしてしまうと思うんだ。彼女だけでも助けてあげたいんだけど。
「おはようございます。今日も働きます」
そう思っているとランネローゼさんがやってくる。クリスさんも後ろにいて、首をかしげてる。
「あ、また食料の要求ですか? 働かない人達が迷惑をかけてごめんなさい。その分私が頑張りますから」
みんなが挨拶を交わさないものだから不安になってるランネローゼさん。可愛く首をかしげながら話すものだからみんな笑みがこぼれる。
「ランネローゼ様。少しお話を」
笑みをこぼしながらライナ様がそう言うとランネローゼ様は素直に椅子に座る。
「なるほど……。王都を離れるというわけですね」
話を聞くとランネローゼ様は頷いて考え込む。クリスさんはいらだって足踏みが煩くなってるな。
「国を捨てるなどあり得ん。私は死んでもここから逃げないぞ」
忠義心の高いクリスさんならそういうだろうな。ランネローゼ様は凄く考え込んでる。
「ランネローゼ様! 考える必要はありません。引き留めましょう。彼らがいなくては王都は守れません」
「わかってる。だけど、王都を維持することは難しいは。今動かないとすべてがダメになる。ガストゥーレに全て取られて終わりになる」
クリスさんの声にランネローゼ様は更に考え込む。もう彼女も王都の終わりを感じているみたいだ。商人がグライアスさんだけになってるからね。
人が多いってことは消費するものも多いっていうこと。それを維持するには商人が必要だもんな。維持できなくなるに決まってる。彼女はその状況を早く打開したいと思ってるんだな。でも、流石に無理がある。僕らでもできないから。
「……お父様には私が話を付けます。皆さんはすぐにでも町を作ってください。早くした方がいい」
ランネローゼ様はそう言って農場に後にする。クリスさんは彼女の急変に焦りながらもついていく。
「ランネローゼ様は何を考えているんだ?」
「さあ? でも、俺たちの背中を押された。彼女のためにも俺たちは町を作る」
「エラン……。そうだな。グライアスさんやりましょう!」
ライナ様が首をかしげて呟くとエランが決意を口にする。それに頷いたライナ様はグライアスさんと握手を交わして街づくりの準備に動き出す。
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