異世界転移! 幼女の女神が世界を救う!?

カムイイムカ(神威異夢華)

文字の大きさ
9 / 79
第一章 愛

第9話 ステータスなの?

しおりを挟む
「可愛いの~」

「アイ様、あんまり暴れないでください」

 お洋服を着せ替えられながらお猿さんとリスさんと遊んでるの。とっても小さいからアイの指と指を行ったり来たりしてるの。とっても可愛いからいくら見ても飽きないの。

「黄色い子も来たの」

「えっ?」

 黄色いキリンさんが飛んできたの。アイが声をあげるとインクさんが驚いてるの。何だか楽しいの。

「...驚いちゃダメ、驚いちゃダメ」

 インクさんがブツブツ言いながらお洋服を着せてくれてるの。白いフリフリの付いたドレスみたいな服なの、動きにくいの。

「追いかけっこしてるの。アイもしたいの」

「...」

 インクさんが反応しないようになったの。何だか、寂しいの、

「あっ...なの」

「...」

 また、新しい子が来たの。だけど、今度は声に出さなかったの。アイはインクさんを困らせたいわけじゃないの、我慢なの!

「これで10セットです...ハァハァ」

「ありがとうなの~」

 色々な服を10着全部着させて見せてくれたの。動きやすいパンツも買ったの。これで戦えるの! お母さんが買い物する時はいつもそう言ってるの。お母さんの真似なの。

「結局7になったの」

「えっ? 10セットですよ」

「...10なの」

「はい...」

 試着室から出てついつい声に出しちゃったの。精霊さん達は全部で7になってしまったの。リスさんはインクさんの肩に戻ったけど、他の猿さん、キリンさんはアイの肩にいるの。
 新しく来た、緑のオットセイさんと黒色の猫さんと茶色の犬さんと白いクジラさんはアイの周りを回っているの。いつでもこの子達と遊べるの。リスさんも欲しいけど、インクさんの子だから、諦めるの、アイは聞き分けのいい子なの。

「アイ、可愛いわよ」

「ルナちゃんありがとうなの。でも、ルナちゃんも可愛いの」

「ありがと」

 試着室から出てくるとルナちゃんが褒めてくれたの。ルナちゃんもやっぱり、自分の服を買っていて、服装が変わっていたの。青と白が綺麗なお空みたいな服ですっごく綺麗なの。

「じゃあ、次はどこに行こうかしら」

「ルナ様、それよりもアイ様の登録をした方がいいんじゃ?」

「...そうね。ここなら大っぴらにしないで済むし、やっておこうかしら」

「登録なの?」

 インクさんが焦るようにルナちゃんに登録って言っているの。登録って何なの?

「アイの登録よ。身分証明書みたいなもので自分のステータスを表示できるのよ。ってアイじゃ分からないわよね」

「ステータスなの?」

 ルナちゃんが難しい事を言ってきたの。アイは全然分からないから精霊さんと遊んでるの。

「何をしているのアイ?」

「精霊さんと遊んでるの。輪っかを作ってくぐってもらってるの。とっても面白いの」

「そ、そう...」

 ルナちゃんが顔を引きつらせているの。折角楽しいのにルナちゃんは見えないの。残念なの。

「ルナ様、持ってきました」

「ありがと、じゃあ、やるわよアイ」

「やるの?」

「そうよ。ここに親指を差し込むのよ」

「差し込むの!」

 インクさんが持ってきたお父さん達が電車に乗る時に使うMELONカードみたいなカードに親指を差し込んだの。カードには親指が入るほどの穴が開いているの。親指をはめるとクルクル回りだしたの、面白いの。

「はい、これで完成よ」

「楽しかったの!」

「ふふ、初めての人はみんな感動するわ。はい、身分証明書だから、大切にしてね」

「はいなの!」

 インクさんがカードを手渡してくれたの。クルクル回ったカードが飛んでいったからびっくりしたけど、インクさんが受け止めてくれたの。

「これにはお金も入るのよ。はい、アイのお小遣い」

「お金が入るの? 何だか、MELONカードみたいなの!」

 お母さんとお父さんがよく買い物とかに使ってたの。現金を使わなくても会計が出来るって喜んでいたの。

「メロンカード? そんな呼び方する地域があるのね」

「ルナ様、私も聞いたことないですよ」

「そ、そうよね。アイはどこから来たのかしらね」

 ルナちゃんとインクさんが一緒に首を曲げているの。アイを見て呆れた顔をしているの。アイは押し入れから来たの、それ以外は分からないの、真っ白なお人形さんを追いかけたら真っ白になってそれであの噴水の前に居たの。アイもよくわからないの。

「それよりもアイ、カードに向かってステータスって叫んでみて」

「ステータスなの?」

 ルナちゃんに言われてステータスって言ってみたの。

「わっなの!」

 アイの目の前に文字が出たのびっくりしたの。アイの名前と数字、それに英語が映っているの。英語も少しは分かるの。

「どう?」

「よくわからないの」

「レベルって言う所の数字は読める? 紙に書いてあげるからそれと同じものの数字を書いてみて」

「アイは数字は読めるの」

 ルナちゃんがアイの事を見くびっているの。目にもの見せてあげるの!

「レからのが1でSからのが1なの」

「レベルが1でSTRが1って事?」

「可笑しいですね」

「そうね。STRが1なんて聞いたことがないわ」

 指で字を書いて話すの。
 ルナちゃんとインクさんがまた首を曲げているの。何だか楽しいの。

「それ以外はどう?」

「う~、全部1なの。これって凄いの?」

 STR、VIT、DEX、AGI、INT、MNDの順番で書いてるの、その全ての横には1が書いてあるの。アイが一番って意味なの?

「ある意味凄いわ。全てが1なんて...」

「初めて聞きましたよ」

「凄いの~」

 ルナちゃんとインクさんが凄いって言ってくれたの。アイはやっぱりすごいの。

「レベルが1なのはわかるのよ。訓練もしていないだろうし、経験値は入っていないと思うから」

「そうですね。STRやVITなどのステータスが1なのはあり得ません。生まれた時から3以上はすべてあるはず、それが生物としての標準です」

「アイは常識では測れないのかもしれないわね。だって、魔法適性が高いのにMNDやINTが低いなんてあり得ないもの」

「そうですね」

 二人は顎に手を当てて首を曲げているの。考えているみたいなの。

「とにかく、登録カードありがとうね。また、買い物に来るからよろしくね」

「はい。またのお越しをお待ちしておりますルナ様、アイ様」

 カードを貰ってインクさんとはお別れなの。インクさんのお店をルナちゃんと一緒に出たの。精霊さんはみんな一緒にアイの肩に居たの。いつの間にかリスさんも来ていたの、インクさんのリスさんかと思ったけど、ちょっと違うから大丈夫だと思うの。
しおりを挟む
感想 78

あなたにおすすめの小説

勝手に召喚され捨てられた聖女さま。~よっしゃここから本当のセカンドライフの始まりだ!~

楠ノ木雫
ファンタジー
 IT企業に勤めていた25歳独身彼氏無しの立花菫は、勝手に異世界に召喚され勝手に聖女として称えられた。確かにステータスには一応〈聖女〉と記されているのだが、しばらくして偽物扱いされ国を追放される。まぁ仕方ない、と森に移り住み神様の助けの元セカンドライフを満喫するのだった。だが、彼女を追いだした国はその日を境に天気が大荒れになり始めていき…… ※他の投稿サイトにも掲載しています。

『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?

釈 余白(しやく)
ファンタジー
 毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。  その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。  最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。 連載時、HOT 1位ありがとうございました! その他、多数投稿しています。 こちらもよろしくお願いします! https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394

巻き込まれて異世界召喚? よくわからないけど頑張ります。  〜JKヒロインにおばさん呼ばわりされたけど、28才はお姉さんです〜

トイダノリコ
ファンタジー
会社帰りにJKと一緒に異世界へ――!? 婚活のために「料理の基本」本を買った帰り道、28歳の篠原亜子は、通りすがりの女子高生・星野美咲とともに突然まぶしい光に包まれる。 気がつけばそこは、海と神殿の国〈アズーリア王国〉。 美咲は「聖乙女」として大歓迎される一方、亜子は「予定外に混ざった人」として放置されてしまう。 けれど世界意識(※神?)からのお詫びとして特殊能力を授かった。 食材や魔物の食用可否、毒の有無、調理法までわかるスキル――〈料理眼〉! 「よし、こうなったら食堂でも開いて生きていくしかない!」 港町の小さな店〈潮風亭〉を拠点に、亜子は料理修行と新生活をスタート。 気のいい夫婦、誠実な騎士、皮肉屋の魔法使い、王子様や留学生、眼帯の怪しい男……そして、彼女を慕う男爵令嬢など個性豊かな仲間たちに囲まれて、"聖乙女イベントの裏側”で、静かに、そしてたくましく人生を切り拓く異世界スローライフ開幕。 ――はい。静かに、ひっそり生きていこうと思っていたんです。私も.....(アコ談) *AIと一緒に書いています*

家ごと異世界転移〜異世界来ちゃったけど快適に暮らします〜

奥野細道
ファンタジー
都内の2LDKマンションで暮らす30代独身の会社員、田中健太はある夜突然家ごと広大な森と異世界の空が広がるファンタジー世界へと転移してしまう。 パニックに陥りながらも、彼は自身の平凡なマンションが異世界においてとんでもないチート能力を発揮することを発見する。冷蔵庫は地球上のあらゆる食材を無限に生成し、最高の鮮度を保つ「無限の食料庫」となり、リビングのテレビは異世界の情報をリアルタイムで受信・翻訳する「異世界情報端末」として機能。さらに、お風呂の湯はどんな傷も癒す「万能治癒の湯」となり、ベランダは瞬時に植物を成長させる「魔力活性化菜園」に。 健太はこれらの能力を駆使して、食料や情報を確保し、異世界の人たちを助けながら安全な拠点を築いていく。

転生幼女は幸せを得る。

泡沫 呉羽
ファンタジー
私は死んだはずだった。だけど何故か赤ちゃんに!? 今度こそ、幸せになろうと誓ったはずなのに、求められてたのは魔法の素質がある跡取りの男の子だった。私は4歳で家を出され、森に捨てられた!?幸せなんてきっと無いんだ。そんな私に幸せをくれたのは王太子だった−−

子育てスキルで異世界生活 ~かわいい子供たち(人外含む)と楽しく暮らしてます~

九頭七尾
ファンタジー
 子供を庇って死んだアラサー女子の私、新川沙織。  女神様が異世界に転生させてくれるというので、ダメもとで願ってみた。 「働かないで毎日毎日ただただ可愛い子供と遊んでのんびり暮らしたい」 「その願い叶えて差し上げましょう!」 「えっ、いいの?」  転生特典として与えられたのは〈子育て〉スキル。それは子供がどんどん集まってきて、どんどん私に懐き、どんどん成長していくというもので――。 「いやいやさすがに育ち過ぎでしょ!?」  思ってたよりちょっと性能がぶっ壊れてるけど、お陰で楽しく暮らしてます。

巻添え召喚されたので、引きこもりスローライフを希望します!

あきづきみなと
ファンタジー
階段から女の子が降ってきた!? 資料を抱えて歩いていた紗江は、階段から飛び下りてきた転校生に巻き込まれて転倒する。気がついたらその彼女と二人、全く知らない場所にいた。 そしてその場にいた人達は、聖女を召喚したのだという。 どちらが『聖女』なのか、と問われる前に転校生の少女が声をあげる。 「私、ガンバる!」 だったら私は帰してもらえない?ダメ? 聖女の扱いを他所に、巻き込まれた紗江が『食』を元に自分の居場所を見つける話。 スローライフまでは到達しなかったよ……。 緩いざまああり。 注意 いわゆる『キラキラネーム』への苦言というか、マイナス感情の描写があります。気にされる方には申し訳ありませんが、作中人物の説明には必要と考えました。

【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~

きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。 前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。

処理中です...