異世界転移! 幼女の女神が世界を救う!?

カムイイムカ(神威異夢華)

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第二章 学校

第40話 風船割り

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「では皆さん、あちらが見えますか?」

 リエッタ先生に連れられて中庭にみんなと一緒に来たの。リエッタ先生の指さしている方向を見ると七色の風船みたいなのがいっぱい浮いているの。大きさは手に収まるくらいの大きさなの。

「見ていてください。水の精霊よ。力を貸しなさい。[ウォータ]」

 パン!

 リエッタ先生が水の魔法を使って水色の風船に当てたの。風船が音を立てて破裂したの。結構大きな音だったの。

「こうなります。そして、赤の風船に[ウォータ]をかけても消えません。これで時間以内にどれだけ消せるかを競います」

「リエッタ先生、複数の属性を使える人が有利ですわ」

「そうですね。ですから一種類を決めてやってもらいます。それ以外に魔法が当たると減点です。」

 じゃあ、アイはキリンさんにするの。黄色のキリンさんの力を見てみたいの。

「黄色にするの~」

「黄色という事は雷属性ですね。わかりました。では最初はワエル様から」

「えっ! 最初?」

「そうですよ。先ほどの罰として、ワエル様はこの競争で3位以内に入らないとお仕置きですのでお忘れなく」

「そんな事聞いてないわ~。先生酷いわ~」

 ワエルちゃんが先生にお仕置きの条件を言われているの。ワエルちゃんが時計いじったのがいけないけどお仕置きは怖いの。

「酷くありませんよワエル様。あなたが不正をしたからいけないのです。罪には罰を、常識です」

「は~、暴力反対だわ~」

「誰が暴力でお仕置きすると言いました?」

「お尻ぺんぺんじゃないん?」

「そんな事致しませんよ。反省文を書いて発表してもらいます」

「発表!?」

 ワエルちゃんが叫んでいるの。驚愕でムンクさんになっているの。

「皆さんも不正をした時は覚悟してくださいね」

「..怖いの」

 リエッタ先生の顔が薄く黒くなっているの。みんなも怖そうにしていてアイは思わず呟いちゃったの。

「ではワエル様。やりましょうか」

「やるっきゃないわ~。茶色でいいんでしょ!」

「はい、木の精霊ですからね」

 ワエルちゃんは覚悟を決めたみたいなの。

「地の精霊よ。力を貸すといいわ~」

「それでは始めてください」

「やってやるわ! [ショット]」

 ワエルちゃんが手をかざして茶色の魔法の弾を撃ち出して風船を割っていっているの。みんな魔法が使えて凄いの。

「あ~! 貫いて別のに当たった!」

「減点一ですね」

「く~! 次々! [ショット][ショット]!」

「はい、もう一つ減点」

 ワエルちゃんが頑張るんだけど魔法が風船を貫いて別の風船に弾かれているの。結構難しいの。

「リエッタ先生、楽しそうね」

「わいも先生の立場がええな~。いじり倒して泣かせたいわ」

 イリエラちゃんとアゲハちゃんが薄黒い顔をしているリエッタ先生を見て羨ましそうに呟いているの。先生も怖いけど、二人共怖いの。

「ハァハァ、もう魔力切れるわ~..」

「丁度時間ですね。中々の魔力ですね」

 ワエルちゃんは結構頑張ったの。地面に座り込んで息を切らせているの。魔法を使いすぎると疲れちゃうみたいなの。アイも気を付けるの。

「では次は誰がやりますか?」

「じゃあ俺から」

「ライリー様ですね」

 リエッタ先生の言葉にルーツ君の友達のライリー君が手を挙げたの。ライリー君はやる気十分なの。

 ライリー君が終わると次からは手をあげる人がいなかったからリエッタ先生の指名になったの。みんなが終わってアイの前にルナちゃんが風船を割ったの。今の所、ルナちゃんが一番みたいなの。

「火の魔法を複数操って正確性もある。やはり、ルナ様は魔法の才能があるようですね」

「フンっこのくらい当然よ」

「では最後はアイ様ですね」

「アイの番なの~。思いっきりやるの~」

 やっとアイの番なの、すっごいのを見せるの~。

「ちょっとアイ! 思いっきりやっちゃダメよ。また壊しちゃうわ」

「あう~。ダメなの?」

「ダメよ。手加減するか、精霊に任せなさい」

 思いっきりやろうと思ったらルナちゃんに怒られたの。魔法は使っちゃダメだから黄色いキリンさんにお願いするの。

「準備はいいですか?」

「はいなの」

「詠唱は先にやっても構いませんよ」

「詠唱はしたの」

「そうでしたか、では始めてください」

「は~いなの...」

 思いっきりできないから気が緩んでいるの。キリンさんにお願いしながら返事するとキリンさんの二つの角からバチバチと電気が走っていたの。何だか怖いの。

「何もしないのですか?」

「やっているの、少し待つの~」

 アイは何もしていないからリエッタ先生が首を傾げているの。アイはやれないの、まだまだ、魔法の扱いが悪いから仕方ないの。

「記録は0でいいのですか?」

「始まるの..」

「アイさま?」

 心配したリエッタ先生がアイの肩に手を置いた瞬間、目の前に光が走ったの。

 バチバチ、パパパパパパパパパパパパパパン!

『えっ?』

「終わったみたいなの」

 キリンさんの角から放たれた電気が一瞬で黄色の風船を割っていったの。目に見える黄色の風船は全部割ったの、流石キリンさんなの。

「な、何や今の...」

「光で見えなかったけど、雷属性の魔法だよな」

 アゲハちゃんとライリー君が驚き戸惑っているの。

「す、素晴らしいです。アイ様は類まれない才能をお持ちのようですね」

「アイは凄いの~。あ~一個残っていたの」

 キリンさんが一個壊し忘れていたの。アイはそれを指さすとキリンさんが再度魔法を放ってくれたの。至れり尽くせりなの。

「はは、見えないね」

「アイちゃんは規格外とは思っていたけど、これほどとは」

 ジーク君とツィエナちゃんがため息交じりで呟いているの。アイは規格外さんみたいなの。
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