異世界転移! 幼女の女神が世界を救う!?

カムイイムカ(神威異夢華)

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第二章 学校

第59話 オーリー

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「オーリー来てくれたんだな」

「ラ、ラルクが来いっていうから……」

 アイが狙われてからしばらくすると、ラルクの思い人がホワイトランスにやってきた。仲間のイデアとフランも一緒にやってきた。
 
 コンデフォートの屋敷の前でラルク達が出迎えている。

「ふふ、照れちゃって~」

「この子ったらラルクが呼んでるとか言って急いできたんだから~」

「イデア! フラン! 違う、違うからな!」

 オーリーを二人が揶揄うと彼女は顔を真っ赤にして否定した。

「とにかく、屋敷に入って話をしよう。立ち話もなんだしさ」

 いつまでも屋敷の前で話もなんだからとレザーが中に入るように促した。顔を真っ赤にしながらもそれに従うオーリー、自然と視線はラルクを向いていた。

「何だか大きくなった?」

「えっ? そうかな?」

 オーリーは思わず大人びたラルクを見てつぶやいた。その声を聞いたラルクは自分に視線を落とす。

「あ~、ラルクはかなり強くなったからな~。そう感じるのかもな」

「なんせ、Aランクに昇格したからな」

「え!? いつの間に?」

 アイに会ってからラルクの成長は著しかった。あっという間にAランクに昇りつめてしまったの。言うまでもなくアイの影響は大きい。

「ははは、まぐれだよ。俺がAランクなんておかしいもんな」

「何言ってんだよ。Sランクのマスターといい勝負してたじゃねえか」

「オーリーちゃん、こいつ、ギルドマスターに認められてAランクに飛び級したんだぜ」

「そ、そうなんだ~……」

 レザーとレッグからの言葉を聞いてオーリーは顔を惚けさせた。視線はラルクから離れずにいる。

「あらあら、熱い視線ね~」

「熱いわ~」

「……ば、ばか! 違」

「「ははは」顔に出てるわよ」

 視線を揶揄われてオーリーが二人に強めの拳を振り下ろした。揶揄った二人は痛い肩を抑えながらも笑い続けている。その後もラルク達は楽しく話して、今後のことを話し合うことに。

「ということで俺たちはコンデフォート様方を護衛し続けることになったんだ」

「凄いわね。専属冒険者って事よね」

「こんな大きな屋敷にも住めるし、最高じゃない」

 ラルク達の話を聞いてオーリー達は大きなソファーに座って周りを見渡す。吹き抜けのリビングで天井にはシャンデリアがぶら下がっている。到底、冒険者では築けない屋敷だというのは一目でわかる。

「俺たちも分不相応だっていうのは、分かってるんだ。そこで、オーリー達を呼んだってわけ」

「補うためにって事?」

「俺たちは魔法はてんでダメだからな」

「まあ、私たちは全員、魔法使えるけど……」

 オーリー達は首を傾げる。宰相の家柄に相応しいかと言うとオーリー達を入れても足りないと思っている。それもそのはず、国一のお家柄なのだから。

「オーリー、二人きりで話があるんだがいいか?」

「え!?」

 ラルクはもう一つの呼んだ理由を話すために別室へとオーリーを連れていく。急な変化にオーリーは戸惑ってイデアたちを見つめたが彼女たちは笑うのみだった。ラルクについていくオーリー、顔は真っ赤である。

「どうぞ」

「あ、ありがとう……」

 ラルクが椅子を差し出すとオーリーは素直に椅子に座った。少し合わない間に余裕のある態度のラルクに男らしさを感じてしまって、戸惑いを隠せずにいる。

「どうしたんだよオーリー。何だか、らしくないぞ」

「そ、そんなことないわよ。それよりも話って何?」

 ラルクがオーリーの心配をするとすぐに本題に入ろうとした。ため息をつきながらラルクは部屋にあるもう一つの椅子に座って頭を掻く。

「話っていうのはそのな……」

「?」

 急にいつものラルクに戻ったことにオーリーが首を傾げる。ラルクの顔が赤くなっていることに気づいてオーリーも顔を赤くした。

「俺と一緒になってほしい」

「えっ!? それって……」

「ああ、結婚してくれ」

「ちょ!? ちょっと待って」

 一足飛びで結婚を持ち掛けるラルクに焦ったオーリーは椅子から立ち上がって壁まで下がった。顔は真っ赤で狼狽えている。

「ダメか?」

「ダメじゃないけど、って何言わせんのよ」

 更に狼狽えるオーリー。彼女もラルクが好きなので結婚に反対ではないのだが、まだ付き合ってもいないので決心がつかない様子だ。

「まずはお付き合いから始めましょ」

「じゃあ、一緒のチームにはなってくれるんだな」

「ここまで来たのはその為よ。まさか、結婚してなんて言われるとは思わなかったわ。でも、勘違いしないでね。本当は私だってあなたと一緒になりたいけど、私はあなたの事をそんなに知らないし、あなたも私をそんなに知らないでしょ。だから、一緒に依頼を受けたり買い物したりしましょ」

 オーリーとラルクは真っ赤な顔で握手を交わした。彼らはこれからお互いを知って行くこととなった。
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