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第三章 白と黒
第70話 メイギスお姉ちゃんとグランダーク
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黒と白のお城に入ると中は真っ暗、前と左右の通路があるのは見えて、吹き抜けの二階にも通路が見えるんだけど奥が見えないの。
「離れないでください」
「はいなの」
インクさんについていくの。どこに向かうかわからないけど、とにかくついていくの。
「正面の通路をまっすぐ行きましょう。それにしても兵士がいませんね」
インクさんは首を傾げているの。兵士さんがいないなら透明になっている意味がないの。
正面の通路をそのまま進んでいくの、その通路はまっすぐ続いているけど、何だかおかしいの。
「あれ? この建物ってこんなに大きかったっけ?」
お父さんが呟いているの。そうなの! このお城はこんなに縦長じゃないの。絶対におかしいの。
「空間圧縮だろう。黒き光ならば普通にできていておかしくない。ゴルグィードも普通にやっていたし」
「塔はそんな感じだったの」
じーじに入れてもらった塔も外で見た感じよりも大きかったの。それは魔法の力で大きくしているって説明してくれているの。インクさんは物知りなの。
「二人とも止まって!」
「ど、どうしたの?」
インクさんが急に手でアイ達を止めたの。お鼻が当たって痛いの。
「人がいました」
「メイギスお姉ちゃんなの!」
インクさんが見ている正面を見るとメイギスお姉ちゃんが扉から出て来たの。そのまま、アイ達とは反対の通路をまっすぐ歩いていくの。
「あれがメイギスなのか?」
「そうなの!」
「あれが……」
お父さんがメイギスお姉ちゃんを見て驚いているの。メイギスお姉ちゃんは美人さんだから、お父さんは目を奪われてるの。お母さんが見つかったら報告するの、浮気はダメなの。
そんなことを思ってるとメイギスお姉ちゃんが見えなくなってしまったの。アイ達は急いで追いかけるの。お姉ちゃんがマスターと言った人物がいるかもしれないから見失うわけにはいかないの。
「確かこっちのはず」
突き当りを左に曲がったのは見たの、その後も突き当りまで来て、インクさんが右に曲がったのを見ていたから来たんだけど、お姉ちゃんは見つからなかったの。
『ゴルグィードは死んだのだな?』
「ええ、霧散していったわ」
突き当りから少し進むと奥から声が聞こえて来たの。一つはお姉ちゃんの声でもう一つはとっても低い声で人の声とは思えない声なの。
『霧散だと? それは不死の魔法ではないのか?』
「不死?」
『知らんのか? 自分の命を別の器に分けて封印することで肉体が限界に至ると器に還るのだ。魂が器に還ると回復に時間がかかるが元に戻ることができる』
じーじはそんな凄い魔法を使っているの? 凄いの。
「そんなの知らなかったわよマスター。でも、知っていても器の場所が分からないと意味がないじゃない」
『ふむ、そうだな。今は目の前の敵と戦うことにしよう』
「敵?」
『ああ、お前の魂に似た匂いの子供と男だ』
声の方向に行くと大きな広間に大きな顔だけのおじさんとメイギスお姉ちゃんがいたの。大きな顔さんは宙に浮いていてこちらを睨んでいるの。二人とも目が赤く光って怖いの。
「出てきなさい。顔を見たいわ」
メイギスお姉ちゃんがそういって大きな鎌を地面から作り出したの。ブンブン振り回して肩に担いでいるの、かっこいいの。
「仕方ありません。ふたりともやりますよ」
「はいなの」
「……」
インクさんに言われてアイは透明になる魔法を解いたの。お父さんはメイギスお姉ちゃんを見て狼狽えているの。
「お父さん?」
「アイ……サエカだよ。あのメイギスさんはお母さんだよ」
「お母さんなの?」
お父さんが目に涙を溜めていたの。心配になって声をかけるとお父さんがお母さんだって言っているの。お姉ちゃんがお母さんなの?
「ああ、間違いない。あれはサエカだよ」
「メイギスお姉ちゃんは確かにアイとラルクお兄ちゃんを見て初めて会った気がしないって言っていたの。お姉ちゃんに触れた時もお兄ちゃんの時みたいにホッとしたの」
メイギスお姉ちゃんはお母さんかもしれないの。ラルクお兄ちゃんがお父さんだったみたいにメイギスお姉ちゃんに感じた同じ感情は本当だと思うの。アイを傷つけることができなかったのも納得できるの。
「離れないでください」
「はいなの」
インクさんについていくの。どこに向かうかわからないけど、とにかくついていくの。
「正面の通路をまっすぐ行きましょう。それにしても兵士がいませんね」
インクさんは首を傾げているの。兵士さんがいないなら透明になっている意味がないの。
正面の通路をそのまま進んでいくの、その通路はまっすぐ続いているけど、何だかおかしいの。
「あれ? この建物ってこんなに大きかったっけ?」
お父さんが呟いているの。そうなの! このお城はこんなに縦長じゃないの。絶対におかしいの。
「空間圧縮だろう。黒き光ならば普通にできていておかしくない。ゴルグィードも普通にやっていたし」
「塔はそんな感じだったの」
じーじに入れてもらった塔も外で見た感じよりも大きかったの。それは魔法の力で大きくしているって説明してくれているの。インクさんは物知りなの。
「二人とも止まって!」
「ど、どうしたの?」
インクさんが急に手でアイ達を止めたの。お鼻が当たって痛いの。
「人がいました」
「メイギスお姉ちゃんなの!」
インクさんが見ている正面を見るとメイギスお姉ちゃんが扉から出て来たの。そのまま、アイ達とは反対の通路をまっすぐ歩いていくの。
「あれがメイギスなのか?」
「そうなの!」
「あれが……」
お父さんがメイギスお姉ちゃんを見て驚いているの。メイギスお姉ちゃんは美人さんだから、お父さんは目を奪われてるの。お母さんが見つかったら報告するの、浮気はダメなの。
そんなことを思ってるとメイギスお姉ちゃんが見えなくなってしまったの。アイ達は急いで追いかけるの。お姉ちゃんがマスターと言った人物がいるかもしれないから見失うわけにはいかないの。
「確かこっちのはず」
突き当りを左に曲がったのは見たの、その後も突き当りまで来て、インクさんが右に曲がったのを見ていたから来たんだけど、お姉ちゃんは見つからなかったの。
『ゴルグィードは死んだのだな?』
「ええ、霧散していったわ」
突き当りから少し進むと奥から声が聞こえて来たの。一つはお姉ちゃんの声でもう一つはとっても低い声で人の声とは思えない声なの。
『霧散だと? それは不死の魔法ではないのか?』
「不死?」
『知らんのか? 自分の命を別の器に分けて封印することで肉体が限界に至ると器に還るのだ。魂が器に還ると回復に時間がかかるが元に戻ることができる』
じーじはそんな凄い魔法を使っているの? 凄いの。
「そんなの知らなかったわよマスター。でも、知っていても器の場所が分からないと意味がないじゃない」
『ふむ、そうだな。今は目の前の敵と戦うことにしよう』
「敵?」
『ああ、お前の魂に似た匂いの子供と男だ』
声の方向に行くと大きな広間に大きな顔だけのおじさんとメイギスお姉ちゃんがいたの。大きな顔さんは宙に浮いていてこちらを睨んでいるの。二人とも目が赤く光って怖いの。
「出てきなさい。顔を見たいわ」
メイギスお姉ちゃんがそういって大きな鎌を地面から作り出したの。ブンブン振り回して肩に担いでいるの、かっこいいの。
「仕方ありません。ふたりともやりますよ」
「はいなの」
「……」
インクさんに言われてアイは透明になる魔法を解いたの。お父さんはメイギスお姉ちゃんを見て狼狽えているの。
「お父さん?」
「アイ……サエカだよ。あのメイギスさんはお母さんだよ」
「お母さんなの?」
お父さんが目に涙を溜めていたの。心配になって声をかけるとお父さんがお母さんだって言っているの。お姉ちゃんがお母さんなの?
「ああ、間違いない。あれはサエカだよ」
「メイギスお姉ちゃんは確かにアイとラルクお兄ちゃんを見て初めて会った気がしないって言っていたの。お姉ちゃんに触れた時もお兄ちゃんの時みたいにホッとしたの」
メイギスお姉ちゃんはお母さんかもしれないの。ラルクお兄ちゃんがお父さんだったみたいにメイギスお姉ちゃんに感じた同じ感情は本当だと思うの。アイを傷つけることができなかったのも納得できるの。
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