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第三章 白と黒
第74話 終わりじゃないの!
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「大丈夫かいアイ……」
「大丈夫なのお父さん」
お父さんはアイを抱きしめてくれたの。お父さんも泣いていて二人で泣いているの。だけど、今はそんなことしている場合じゃないの。
「メイギスはやっぱりサエカだったんだな。それに最後の言葉は、記憶を思い出したと思うべきかもしれないな」
「お父さん……。お母さんはどうなっちゃうの?」
「僕にもわからないよアイ」
お父さんにもわからないことがあるの。アイは涙が止まらないの。お父さんはアイを抱きしめてくれたの。
「グランダークは復活してしまったようじゃな」
「おじさん……」
ダイジロウおじさん達が傷だらけで帰ってきたの。ジロウさんに肩を支えられて歩いてきているの。
「こちらは余裕じゃった」
「何言ってんだよ親父! 片手を犠牲にしたんだろ」
「フォッフォッフォ、あの男を倒すにはこのくらい必要だったからの~」
ダイジロウおじさんは右腕が無くなっているの。
「この後、どうするんだよ親父……」
「大丈夫じゃよ。こちらにはエリクサーがあるんじゃから」
ダイジロウおじさんはすぐに水を懐から取り出して飲み干したの。飲み干すとみるみる切れている部位が輝きだして光が腕になっていくの。光が収まると腕が元に戻ったの。
「これで大丈夫じゃ! いくぞ」
「何処に行くの?」
「ん? 決まっているじゃろ。この地震の主の元じゃよ」
おじさんは屈伸をして走り出そうとしているの。おじさんはグランダークのいる場所を知っているみたいなの。
「お姉ちゃんが死んでしまったの」
「そのようじゃな。しかし、このままではこの世界は終わってしまう。終わらせていいのか?」
おじさんが真剣な顔になってアイに質問してきたの。アイは俯いてしまうの。お姉ちゃんが……お母さんが死んでしまったの。
「ダメなの! それは絶対にダメなの」
「ならば立って前を見よ! あなた様はこの世界に黄金の時を招く巫女! こんな所で座っていても誰もアイ様の代わりを務めることはできませぬ!」
おじさんはアイの両肩をつかんで言ってきたの。アイしかできないこと、世界を壊させない事。ルナちゃん達を守ること……。
「アイ……」
「行くの……。ルナちゃん達を守るの」
お母さんの事をあきらめるわけにはいかないけど、今はこの世界を救うの。
「お父さん行くの!」
「ああ」
「儂らは徒歩じゃから少し遅れてしまうが必ず駆け付けます」
アイ達が世界を救うの!
「ここか……」
「ダイジロウおじさんはこっちって言っていたからたぶんそうなの!」
おじさんが指さした方向にまっすぐ来たからあっているはずなの。空から見下ろす大きな穴、奈落って言っていた穴だと思うの。
「ダークシャドウの住まう穴、奈落。アイ、グレイテスハウルを持っているね」
「持っているの」
グランダークを倒せる唯一の武器のグレイテスハウル、それを使わなくても倒せた精霊さんはやっぱりすごかったの。
「ダークシャドウも同じさ。グレイテスハウルでしか倒せないはずだ。本当はアイーラの役目なんだけどね」
「アイーラちゃんはアイの中にいるの。同じなの」
「はは、そうだったね……」
「どうしたのお父さん?」
お父さんが俯いたの、とても悲しそうなの。
「ダークシャドウもサンライトも本当はラルクの精霊なんだよ。二人ともラルクの事を愛していた特別な精霊だったのさ」
「アイの精霊さんと一緒なの」
「そうだね」
お父さんはアイを抱き上げながら降下していくの。奈落の入り口に座って続けたの。
「……僕の漫画ではね。ラルクは最後死んでしまうんだよ」
「お兄ちゃんが!?」
「そうさ、それでアイーラが仇を取る……。なんで、僕らがこの世界に来たのか少しわかった気がするよ」
「分かったの?」
「……ああ、全ては僕のせいだったのかも」
「お父さんのせい?」
「さあ、行こうアイ」
「……」
お父さんがはぐらかすようにアイを抱き上げたまま奈落に入っていくの。お父さんのせいでアイ達はこの世界にやってきたの?
「大丈夫なのお父さん」
お父さんはアイを抱きしめてくれたの。お父さんも泣いていて二人で泣いているの。だけど、今はそんなことしている場合じゃないの。
「メイギスはやっぱりサエカだったんだな。それに最後の言葉は、記憶を思い出したと思うべきかもしれないな」
「お父さん……。お母さんはどうなっちゃうの?」
「僕にもわからないよアイ」
お父さんにもわからないことがあるの。アイは涙が止まらないの。お父さんはアイを抱きしめてくれたの。
「グランダークは復活してしまったようじゃな」
「おじさん……」
ダイジロウおじさん達が傷だらけで帰ってきたの。ジロウさんに肩を支えられて歩いてきているの。
「こちらは余裕じゃった」
「何言ってんだよ親父! 片手を犠牲にしたんだろ」
「フォッフォッフォ、あの男を倒すにはこのくらい必要だったからの~」
ダイジロウおじさんは右腕が無くなっているの。
「この後、どうするんだよ親父……」
「大丈夫じゃよ。こちらにはエリクサーがあるんじゃから」
ダイジロウおじさんはすぐに水を懐から取り出して飲み干したの。飲み干すとみるみる切れている部位が輝きだして光が腕になっていくの。光が収まると腕が元に戻ったの。
「これで大丈夫じゃ! いくぞ」
「何処に行くの?」
「ん? 決まっているじゃろ。この地震の主の元じゃよ」
おじさんは屈伸をして走り出そうとしているの。おじさんはグランダークのいる場所を知っているみたいなの。
「お姉ちゃんが死んでしまったの」
「そのようじゃな。しかし、このままではこの世界は終わってしまう。終わらせていいのか?」
おじさんが真剣な顔になってアイに質問してきたの。アイは俯いてしまうの。お姉ちゃんが……お母さんが死んでしまったの。
「ダメなの! それは絶対にダメなの」
「ならば立って前を見よ! あなた様はこの世界に黄金の時を招く巫女! こんな所で座っていても誰もアイ様の代わりを務めることはできませぬ!」
おじさんはアイの両肩をつかんで言ってきたの。アイしかできないこと、世界を壊させない事。ルナちゃん達を守ること……。
「アイ……」
「行くの……。ルナちゃん達を守るの」
お母さんの事をあきらめるわけにはいかないけど、今はこの世界を救うの。
「お父さん行くの!」
「ああ」
「儂らは徒歩じゃから少し遅れてしまうが必ず駆け付けます」
アイ達が世界を救うの!
「ここか……」
「ダイジロウおじさんはこっちって言っていたからたぶんそうなの!」
おじさんが指さした方向にまっすぐ来たからあっているはずなの。空から見下ろす大きな穴、奈落って言っていた穴だと思うの。
「ダークシャドウの住まう穴、奈落。アイ、グレイテスハウルを持っているね」
「持っているの」
グランダークを倒せる唯一の武器のグレイテスハウル、それを使わなくても倒せた精霊さんはやっぱりすごかったの。
「ダークシャドウも同じさ。グレイテスハウルでしか倒せないはずだ。本当はアイーラの役目なんだけどね」
「アイーラちゃんはアイの中にいるの。同じなの」
「はは、そうだったね……」
「どうしたのお父さん?」
お父さんが俯いたの、とても悲しそうなの。
「ダークシャドウもサンライトも本当はラルクの精霊なんだよ。二人ともラルクの事を愛していた特別な精霊だったのさ」
「アイの精霊さんと一緒なの」
「そうだね」
お父さんはアイを抱き上げながら降下していくの。奈落の入り口に座って続けたの。
「……僕の漫画ではね。ラルクは最後死んでしまうんだよ」
「お兄ちゃんが!?」
「そうさ、それでアイーラが仇を取る……。なんで、僕らがこの世界に来たのか少しわかった気がするよ」
「分かったの?」
「……ああ、全ては僕のせいだったのかも」
「お父さんのせい?」
「さあ、行こうアイ」
「……」
お父さんがはぐらかすようにアイを抱き上げたまま奈落に入っていくの。お父さんのせいでアイ達はこの世界にやってきたの?
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