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第三章 白と黒
第76話 命の道
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横穴に入っていくと、しばらくまっすぐ進んでいくの。少しすると突き当りが見えて、右に通路があって進んでいくと真っ黒な球が複数浮いているのが見えるの。白いクジラさんが白い球を同じ数出して相殺しているの。あれは罠だったみたいなの。真っ暗な道に真っ黒な球で罠を作るなんて賢いの。だけど、アイの精霊さんはもっと賢いから大丈夫なの。
「いたの!」
黒い球の通路からまっすぐ進んできたの。少し広い部屋の前に着くとダークシャドウが祭壇の上に座っているのが見えたの。
「来たねアイ。じゃあ始めようか」
「やっぱり、あなたは……」
「あれ? 神になったプラクティラじゃないか。来たのかい?」
ダークシャドウが白い歯を見せて話しかけてくるとアイの隣に真っ白なお人形さん、プラクティラ様が現れたの。
「力もなくしているくせにどうやってきたんだい?」
「あなたがやろうとしている事が分かったから降りたのです」
「神をやめたのかい? そりゃ凄い」
「そんなことはいいんです! あなたの目的は」
「あ~ばらすなよ。プラクティラ」
プラクティラ様がダークシャドウに近づいて声をあげると、ダークシャドウが首を横に振って話をきっているの。
「いいえ、言うわ。そのために来たんだもの」
「お前ってそういう所あるよな」
「あなたは時間を遡るつもりね! 神になって神である自分を犠牲にして、戻ったように」
プラクティラ様が怖いくらいに大きな声で話しているの。時間を遡るって戻るって事なの?
「……俺は思ったんだよ。創造主に復讐しても俺達のラルクは蘇らなかった。だから、最初までもどしてやろうってね」
「創造主たちの世界を戻すつもりなのでしょ……」
「流石だな」
「アイちゃんの両親を殺してしまったから、後悔しているのね」
「まあね、だって殺しても俺らの世界は変わらなかったからね」
「どういうことなの?」
アイはわけがわからないの。二人に疑問をぶつけるの。
「グランダークの魂と僕の魂を使って過去への道を開く。そして、君が道を進むんだよ」
「アイなの?」
「そうさ。君なら、あちらの世界の魂の器はいらないだろ。行くだけで世界に適応する」
アイが元の世界の過去に戻るの?
「ダメよ。成功するかもわからない。それにあなたは……」
「ああ、確実に死ぬね。それも輪廻からも外れる。因果応報ってやつだよ」
プラクティラ様は真っ白な涙を流しているの。ダークシャドウはその姿を見て微笑んでるの。
「アイちゃん、やってくれるかな……。アイちゃんのお父さんとお母さんを助けられるのは君だけなんだ」
「アイだけなの?」
「ああ」
ダークシャドウはそう言って頷いたの。アイだけしかできない事……だけど、これをやると、ルナちゃんにもう会えない……。
「ルナちゃん……ごめんなさい。約束は守れそうにないの……」
涙が止まらないの。ルナちゃんともう会えないなんて考えたくもないの。ウテナさんもアイゼンさんもとってもいい人だったの。学校のみんなにもゴルグィードじーじにも会えない……。
「ごめんね。アイちゃん。君の両親を殺してしまって……」
「許さないの……」
「はは、そう言ってくれると」
「でも、ありがとうなの」
「……なんだよそれ……お礼なんて言われたら、泣いちゃうじゃないか。アイちゃん、こちらこそありがとう」
ダークシャドウがお礼を言うと祭壇が黒と白に輝いていくの。始まったみたいなの。アイの精霊さんがアイの中に入っていくの。とってもあったかくて守ってくれているのがわかったの。
「あれ、おかしいな……」
「ふふ、あなたはいつもそうだったわよね。ラルクと私がいないとダメなんだから……」
「ああ、サンライトごめんな。こんな結末になっちゃって」
「いいのよ。ラルクがいない世界なんて私も嫌だったもの。だけど、アイちゃん達を巻き込んだのは許さないわよ」
「ありがとう。僕の為に許してくれないで……」
真っ白な光に包まれたアイはそんな声を聞いたの。ダークシャドウとプラクティラ様が力を合わせてアイを送ってくれたの。二人の命の輝きはとても綺麗なの……。
「いたの!」
黒い球の通路からまっすぐ進んできたの。少し広い部屋の前に着くとダークシャドウが祭壇の上に座っているのが見えたの。
「来たねアイ。じゃあ始めようか」
「やっぱり、あなたは……」
「あれ? 神になったプラクティラじゃないか。来たのかい?」
ダークシャドウが白い歯を見せて話しかけてくるとアイの隣に真っ白なお人形さん、プラクティラ様が現れたの。
「力もなくしているくせにどうやってきたんだい?」
「あなたがやろうとしている事が分かったから降りたのです」
「神をやめたのかい? そりゃ凄い」
「そんなことはいいんです! あなたの目的は」
「あ~ばらすなよ。プラクティラ」
プラクティラ様がダークシャドウに近づいて声をあげると、ダークシャドウが首を横に振って話をきっているの。
「いいえ、言うわ。そのために来たんだもの」
「お前ってそういう所あるよな」
「あなたは時間を遡るつもりね! 神になって神である自分を犠牲にして、戻ったように」
プラクティラ様が怖いくらいに大きな声で話しているの。時間を遡るって戻るって事なの?
「……俺は思ったんだよ。創造主に復讐しても俺達のラルクは蘇らなかった。だから、最初までもどしてやろうってね」
「創造主たちの世界を戻すつもりなのでしょ……」
「流石だな」
「アイちゃんの両親を殺してしまったから、後悔しているのね」
「まあね、だって殺しても俺らの世界は変わらなかったからね」
「どういうことなの?」
アイはわけがわからないの。二人に疑問をぶつけるの。
「グランダークの魂と僕の魂を使って過去への道を開く。そして、君が道を進むんだよ」
「アイなの?」
「そうさ。君なら、あちらの世界の魂の器はいらないだろ。行くだけで世界に適応する」
アイが元の世界の過去に戻るの?
「ダメよ。成功するかもわからない。それにあなたは……」
「ああ、確実に死ぬね。それも輪廻からも外れる。因果応報ってやつだよ」
プラクティラ様は真っ白な涙を流しているの。ダークシャドウはその姿を見て微笑んでるの。
「アイちゃん、やってくれるかな……。アイちゃんのお父さんとお母さんを助けられるのは君だけなんだ」
「アイだけなの?」
「ああ」
ダークシャドウはそう言って頷いたの。アイだけしかできない事……だけど、これをやると、ルナちゃんにもう会えない……。
「ルナちゃん……ごめんなさい。約束は守れそうにないの……」
涙が止まらないの。ルナちゃんともう会えないなんて考えたくもないの。ウテナさんもアイゼンさんもとってもいい人だったの。学校のみんなにもゴルグィードじーじにも会えない……。
「ごめんね。アイちゃん。君の両親を殺してしまって……」
「許さないの……」
「はは、そう言ってくれると」
「でも、ありがとうなの」
「……なんだよそれ……お礼なんて言われたら、泣いちゃうじゃないか。アイちゃん、こちらこそありがとう」
ダークシャドウがお礼を言うと祭壇が黒と白に輝いていくの。始まったみたいなの。アイの精霊さんがアイの中に入っていくの。とってもあったかくて守ってくれているのがわかったの。
「あれ、おかしいな……」
「ふふ、あなたはいつもそうだったわよね。ラルクと私がいないとダメなんだから……」
「ああ、サンライトごめんな。こんな結末になっちゃって」
「いいのよ。ラルクがいない世界なんて私も嫌だったもの。だけど、アイちゃん達を巻き込んだのは許さないわよ」
「ありがとう。僕の為に許してくれないで……」
真っ白な光に包まれたアイはそんな声を聞いたの。ダークシャドウとプラクティラ様が力を合わせてアイを送ってくれたの。二人の命の輝きはとても綺麗なの……。
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