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第三章 白と黒
第77話 過去なの?
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「アイ~、アイ~?」
「どうしたんだサエカ」
「ヒロト、アイがいないのよ」
「本当かい? おかしいな。さっきまでここにいたのに」
アイが気が付くとそんな声が聞こえてきたの。アイは押入れの中にいるみたい。お布団に寄りかかって眠っていたみたいなの。今までの事は夢だったの?
「……夢なわけがないの、そうだよね、精霊さん……」
自分の考えを否定して周りを見渡すと真っ暗な中、輝く精霊さん達が浮いていたの。いつもアイを守ってくれていた精霊さん達、みんなが微笑んで頷いているの。
「お父さんたちの声が聞こえたの。ダークシャドウが言っていたみたいに過去に戻ってきたの……」
ダークシャドウはアイに何をさせるために戻したのか、それはたぶんあれなの……。
「お父さんの漫画を見るの!」
ラルクお兄ちゃんが死んじゃう物語を変えれば、あんな未来は来ないの!
「あれ? サエカ? パソコンいじったかい?」
「ん? いじってないわよ」
「そう? ……おかしいな~。最後の絵がおかしくなってるんだよな~」
お父さんの声が聞こえてきたの。お父さんの漫画がおかしくなったみたいなの、すぐに行くの。
「おとうさ~ん」
「おっ、サエカ、アイは押入れにいたみたいだぞ。どうしたんだアイ?」
「お父さんのお仕事見せてほしいの」
お父さんの仕事は見たことなかったけど、凄いの。パソコン一杯に綺麗な人たちが描かれているの。
「ルナちゃんなの!」
「ん? 見たことあるのかい?」
「喋ったことあるの~」
「ははは、夢でかい?」
「夢じゃないの。私が守らないといけないの」
ルナちゃん達の世界はアイが守るの。
「アイ、どこにいたの?」
「押入れから出て来たんだよ」
「かくれんぼしてたのね。もう、呼んだら出てきてよね」
お母さんがアイを抱き上げてお鼻をつんつんしていってきたの。お母さんはいつものお母さんなの。やっと会えたの……。
「お母さん!」
「ちょっと、どうしたのよアイ」
やっと会えたお母さんに抱き着いて泣くの。お母さんは戸惑っているの、アイ以外はあの世界でのことは覚えていないみたいなの。
「メイギスお姉ちゃんと違ってお胸がないの、お胸なくて痛いの」
「ちょっとアイ」
「ははは」
「あなた~……」
「……」
お母さんはメイギスお姉ちゃんじゃないからお胸がないの。アイが抱き着いたら、お母さんは抱きしめてくれたの。本当は凄く嬉しかったけど、痛かったからしょうがないの。
お母さんに見つめられたお父さんは無言でパソコンを見ていたの。殺気を感じて、精霊さん達も怖がってアイの後ろに隠れているの。お母さんはメイギスお姉ちゃんになっていなくても強いの。
「お父さんは仕事するから外に出ようね~」
「あっ! お父さんにお願いがあるの~」
お母さんに抱き上げられて部屋の外に追い出されそうになったの。アイは一生懸命、声をあげるの。
「ん? 僕にお願い? どうしたんだい?」
「ラルクお兄ちゃんを殺さないでほしいの」
「え!? 何で知ってるんだい? 見せたことないよね?」
お父さんは驚いて聞いてきたの。アイはお父さんの仕事も知らなかったから知らないはずなの、不思議に思うのは当たり前なの。
「ダークシャドウとサンライトにお願いされたの……」
「……分かったよアイ。ラルクは死なないようにするよ」
「ありがとうなの! お父さん大好きなの!」
「ははは、アイ。危ないだろ」
「大丈夫なの。アイは飛べるの」
お母さんの腕から飛び出してお父さんに抱き着いたの。お父さんは驚いてたけど、喜んでくれているの。
アイが落ちることはないの、精霊さん達がついていれば大丈夫なの。
「ア~イ、お願いは終わったわよね。じゃあリビングに行きましょ」
「は~い」
「あら、いい返事ね」
お父さんにお願いを聞いてもらったからもう大丈夫なの。ラルクお兄ちゃんが無事なら全て大丈夫なの。
「ふ~、あなた……あんなお願い聞いて大丈夫なの?」
「大丈夫さ。それに押入れから出て来たアイは何かいつものアイと違う気がするんだよ。異世界から帰ってきたみたいな、そんな感じ」
「ふふ、ファンタジーも程々にね」
「ファンタジーじゃないさ。本当にあったらね」
「そういう所、好きよ」
「ありがとうサエカ」
「どうしたんだサエカ」
「ヒロト、アイがいないのよ」
「本当かい? おかしいな。さっきまでここにいたのに」
アイが気が付くとそんな声が聞こえてきたの。アイは押入れの中にいるみたい。お布団に寄りかかって眠っていたみたいなの。今までの事は夢だったの?
「……夢なわけがないの、そうだよね、精霊さん……」
自分の考えを否定して周りを見渡すと真っ暗な中、輝く精霊さん達が浮いていたの。いつもアイを守ってくれていた精霊さん達、みんなが微笑んで頷いているの。
「お父さんたちの声が聞こえたの。ダークシャドウが言っていたみたいに過去に戻ってきたの……」
ダークシャドウはアイに何をさせるために戻したのか、それはたぶんあれなの……。
「お父さんの漫画を見るの!」
ラルクお兄ちゃんが死んじゃう物語を変えれば、あんな未来は来ないの!
「あれ? サエカ? パソコンいじったかい?」
「ん? いじってないわよ」
「そう? ……おかしいな~。最後の絵がおかしくなってるんだよな~」
お父さんの声が聞こえてきたの。お父さんの漫画がおかしくなったみたいなの、すぐに行くの。
「おとうさ~ん」
「おっ、サエカ、アイは押入れにいたみたいだぞ。どうしたんだアイ?」
「お父さんのお仕事見せてほしいの」
お父さんの仕事は見たことなかったけど、凄いの。パソコン一杯に綺麗な人たちが描かれているの。
「ルナちゃんなの!」
「ん? 見たことあるのかい?」
「喋ったことあるの~」
「ははは、夢でかい?」
「夢じゃないの。私が守らないといけないの」
ルナちゃん達の世界はアイが守るの。
「アイ、どこにいたの?」
「押入れから出て来たんだよ」
「かくれんぼしてたのね。もう、呼んだら出てきてよね」
お母さんがアイを抱き上げてお鼻をつんつんしていってきたの。お母さんはいつものお母さんなの。やっと会えたの……。
「お母さん!」
「ちょっと、どうしたのよアイ」
やっと会えたお母さんに抱き着いて泣くの。お母さんは戸惑っているの、アイ以外はあの世界でのことは覚えていないみたいなの。
「メイギスお姉ちゃんと違ってお胸がないの、お胸なくて痛いの」
「ちょっとアイ」
「ははは」
「あなた~……」
「……」
お母さんはメイギスお姉ちゃんじゃないからお胸がないの。アイが抱き着いたら、お母さんは抱きしめてくれたの。本当は凄く嬉しかったけど、痛かったからしょうがないの。
お母さんに見つめられたお父さんは無言でパソコンを見ていたの。殺気を感じて、精霊さん達も怖がってアイの後ろに隠れているの。お母さんはメイギスお姉ちゃんになっていなくても強いの。
「お父さんは仕事するから外に出ようね~」
「あっ! お父さんにお願いがあるの~」
お母さんに抱き上げられて部屋の外に追い出されそうになったの。アイは一生懸命、声をあげるの。
「ん? 僕にお願い? どうしたんだい?」
「ラルクお兄ちゃんを殺さないでほしいの」
「え!? 何で知ってるんだい? 見せたことないよね?」
お父さんは驚いて聞いてきたの。アイはお父さんの仕事も知らなかったから知らないはずなの、不思議に思うのは当たり前なの。
「ダークシャドウとサンライトにお願いされたの……」
「……分かったよアイ。ラルクは死なないようにするよ」
「ありがとうなの! お父さん大好きなの!」
「ははは、アイ。危ないだろ」
「大丈夫なの。アイは飛べるの」
お母さんの腕から飛び出してお父さんに抱き着いたの。お父さんは驚いてたけど、喜んでくれているの。
アイが落ちることはないの、精霊さん達がついていれば大丈夫なの。
「ア~イ、お願いは終わったわよね。じゃあリビングに行きましょ」
「は~い」
「あら、いい返事ね」
お父さんにお願いを聞いてもらったからもう大丈夫なの。ラルクお兄ちゃんが無事なら全て大丈夫なの。
「ふ~、あなた……あんなお願い聞いて大丈夫なの?」
「大丈夫さ。それに押入れから出て来たアイは何かいつものアイと違う気がするんだよ。異世界から帰ってきたみたいな、そんな感じ」
「ふふ、ファンタジーも程々にね」
「ファンタジーじゃないさ。本当にあったらね」
「そういう所、好きよ」
「ありがとうサエカ」
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