16 / 60
第1章 新たな始まり
第16話 母国エレービアとオーランス
しおりを挟む
「がはは、本当にありがとうレッグス殿!」
ゴーレム達を倒して次の日。領主様のレグルス様の屋敷に呼ばれて祝勝会。貴族の服まで用意してくれて、着飾っているレッグス。僕も綺麗な服を着せてもらってる。
「しかし、レッグス殿は凄い。剣の腕も一流で召喚もできるなんて。今までは能ある鷹は爪を隠すといったところだったのだろう?」
「は、はは。そんなようなものです……」
レグルス様の問いかけに複雑な表情で答えるレッグス。僕の手柄を取ってしまっているようで嫌なんだろうな。でも、僕みたいな赤ん坊が召喚をしたなんて知られたら色々と危険だ。色んな組織から狙われてしまう。人さらいも普通にいる世界だからね。まあ、倒してしまえばいいとは思うけど。
「オーランスのことを考えると笑いが止まらんよ。あの丘の上で戦場を見て顔を青くさせたのだろう。なんせ、ブラックゴーレムを赤子の手をひねるように倒してしまう従魔を使役しているのだから! ガハハ!」
レグルス様はそう言って大笑い。オーランスの軍隊は勝ちを確信して姿を現した。それなのに撤退をしたんだから笑いが止まらなくなるのも無理はない。顔を真っ赤にしている姿が僕でも想像できる。
「今頃、ゴーレムを召喚した召喚士達のせいにしているのだろうな。馬鹿なオーランス王のことだからな! ガハハ」
更に笑いが止まらない様子のレグルス様。周りの貴族の人達もニッコリと微笑んでる。兵士も何人か招待されているんだけど、その人たちも満面の笑みだ。
「ではレッグス殿。改めて今回の救援本当にありがとう。レグルスエイドの民を代表してお礼申し上げる。そして、そなたには準子爵の位を授ける」
「ええ!? 爵位ですか?」
レグルス様はニッコリと微笑んで爵位を証明する証明書を手渡してくる。レッグスは驚きながらも受け取ると跪く。
跪くレッグスの肩に手を置くレグルス様。レグルス様は煌びやかな剣を彼に手渡す。
「我が王国、【エレービア】は頼もしい勇者を得た。喜ばしい事だ。この剣はエレービアお抱えのドワーフが精錬した【ドワーフメタル】で作られたものだ。ブラックゴーレムは流石に傷つける程度のものだが、ミスリルよりかは強いものだ。使ってくれ」
「はっ! ありがたく頂戴いたします」
レグルス様の声に答えるレッグス。周りも拍手をする音だけが聞こえてくる。
「ははは、このような勇者の息子。未来が楽しみじゃな」
「あ、はい。それはもうすごく楽しみですよ」
レグルス様は僕を優しく見つめて話すとレッグスが苦笑いで答える。既に凄い事になっていたりするから複雑なんだろうな~。
それから祝勝会は夜まで続いた。次の日の朝になると頭を抑えるレッグスが出来上がっていた。
「うあ~、頭いてぇ~」
美味しい美味しいとワインをがぶ飲みしていたレッグス。そりゃ二日酔いになるよ。すぐに帰えると思ったら祝勝会なんかに参加しちゃって。お姫様みたいな、かわい子にも声を掛けられて浮かれるんだからどうしようもない。これも因果応報というやつだろう。
僕はもっとゴーレムの魔石が欲しかったんだけど、魔石のほとんどは町の復興に使われる事になった。祝勝会の費用もそこからきてる。
僕がもらえたのはウルドとプラナの強化に使った魔石と【ブラックゴーレムの魔石】だけだ。折角なのでブラックゴーレムは普通に召喚して使おうと思う。
「あぁ~! 頭いたいからもっとゆっくり!」
「ダメだ。マスターがもっと早くと言っている」
「アキラ~」
プラナの背に乗るレッグスが頭を抑えながら声をあげる。それにNOを突きつけるプラナは口角をあげて速度を上げる。ウルドもそうだけど、若干レッグスに強く当たるよな~。僕の親だから嫉妬してるのかな?
僕らはその日に帰路にたった。兵士達に温かく見送られてルインズの村への街道を走り去る。
来る時よりも早くなった二人は一日でルインズに到着する。
「ただいま!」
「お帰りなさい!」
早々に帰ってきて家に入るとエミが迎えてくれる。涙目になって僕を抱くレッグスに抱き着いてくる。二人に挟まれて苦しいけれど、なんだか嬉しい。
「早!?」
「おいおい。本当にいるよ……」
しばらくレッグスとエミが抱き着いてイチャイチャしているとライリーとウィドが様子を見に来る。村の入り口からちゃんと入ってきたから見た人がいたんだろうな。
二人は呆れた表情で迎えてくれてハイタッチを交わす。
「それで? どういう状況だった?」
家に入って椅子に座るとみんなにレグルスエイドで起きたことを話す。
「オーランス!? 国と国の戦争だったってわけか? 魔物じゃなくて?」
「ああ、ゴーレムの魔石を買いあさっていた時期があったらしい」
ライリーが驚いて声をあげる。町で噂されていた話をレッグスが話すとウィドが考えこむ。
「オーランスには行ったことがある。確かにゴーレムの魔石が急に高く売れるようになった時期があったな」
ウィドが話してくれるとライリーが首をかしげる。
「召喚って魔石があれば簡単にできるものなのか? 何千ものゴーレムを作り出すなんておかしいだろ?」
「普通は魔物によってINTが必要だったりMNDが必要だったりするわ。普通のゴーレムはINTが1体につき1必要だと思うわよ」
ライリーの疑問にエミが答える。
そんな制約みたいなものがあったのか。プラナとウルドはどのくらい使ってるのかな?
「まあなんだ。無事に帰ってきたことを今日はお祝いしようぜ。みんなも集めてな」
難しい話になってきてライリーが考えるのを放棄した。そして、村でパーティーをすることに。
村の明かりが消えない一日だった。
ゴーレム達を倒して次の日。領主様のレグルス様の屋敷に呼ばれて祝勝会。貴族の服まで用意してくれて、着飾っているレッグス。僕も綺麗な服を着せてもらってる。
「しかし、レッグス殿は凄い。剣の腕も一流で召喚もできるなんて。今までは能ある鷹は爪を隠すといったところだったのだろう?」
「は、はは。そんなようなものです……」
レグルス様の問いかけに複雑な表情で答えるレッグス。僕の手柄を取ってしまっているようで嫌なんだろうな。でも、僕みたいな赤ん坊が召喚をしたなんて知られたら色々と危険だ。色んな組織から狙われてしまう。人さらいも普通にいる世界だからね。まあ、倒してしまえばいいとは思うけど。
「オーランスのことを考えると笑いが止まらんよ。あの丘の上で戦場を見て顔を青くさせたのだろう。なんせ、ブラックゴーレムを赤子の手をひねるように倒してしまう従魔を使役しているのだから! ガハハ!」
レグルス様はそう言って大笑い。オーランスの軍隊は勝ちを確信して姿を現した。それなのに撤退をしたんだから笑いが止まらなくなるのも無理はない。顔を真っ赤にしている姿が僕でも想像できる。
「今頃、ゴーレムを召喚した召喚士達のせいにしているのだろうな。馬鹿なオーランス王のことだからな! ガハハ」
更に笑いが止まらない様子のレグルス様。周りの貴族の人達もニッコリと微笑んでる。兵士も何人か招待されているんだけど、その人たちも満面の笑みだ。
「ではレッグス殿。改めて今回の救援本当にありがとう。レグルスエイドの民を代表してお礼申し上げる。そして、そなたには準子爵の位を授ける」
「ええ!? 爵位ですか?」
レグルス様はニッコリと微笑んで爵位を証明する証明書を手渡してくる。レッグスは驚きながらも受け取ると跪く。
跪くレッグスの肩に手を置くレグルス様。レグルス様は煌びやかな剣を彼に手渡す。
「我が王国、【エレービア】は頼もしい勇者を得た。喜ばしい事だ。この剣はエレービアお抱えのドワーフが精錬した【ドワーフメタル】で作られたものだ。ブラックゴーレムは流石に傷つける程度のものだが、ミスリルよりかは強いものだ。使ってくれ」
「はっ! ありがたく頂戴いたします」
レグルス様の声に答えるレッグス。周りも拍手をする音だけが聞こえてくる。
「ははは、このような勇者の息子。未来が楽しみじゃな」
「あ、はい。それはもうすごく楽しみですよ」
レグルス様は僕を優しく見つめて話すとレッグスが苦笑いで答える。既に凄い事になっていたりするから複雑なんだろうな~。
それから祝勝会は夜まで続いた。次の日の朝になると頭を抑えるレッグスが出来上がっていた。
「うあ~、頭いてぇ~」
美味しい美味しいとワインをがぶ飲みしていたレッグス。そりゃ二日酔いになるよ。すぐに帰えると思ったら祝勝会なんかに参加しちゃって。お姫様みたいな、かわい子にも声を掛けられて浮かれるんだからどうしようもない。これも因果応報というやつだろう。
僕はもっとゴーレムの魔石が欲しかったんだけど、魔石のほとんどは町の復興に使われる事になった。祝勝会の費用もそこからきてる。
僕がもらえたのはウルドとプラナの強化に使った魔石と【ブラックゴーレムの魔石】だけだ。折角なのでブラックゴーレムは普通に召喚して使おうと思う。
「あぁ~! 頭いたいからもっとゆっくり!」
「ダメだ。マスターがもっと早くと言っている」
「アキラ~」
プラナの背に乗るレッグスが頭を抑えながら声をあげる。それにNOを突きつけるプラナは口角をあげて速度を上げる。ウルドもそうだけど、若干レッグスに強く当たるよな~。僕の親だから嫉妬してるのかな?
僕らはその日に帰路にたった。兵士達に温かく見送られてルインズの村への街道を走り去る。
来る時よりも早くなった二人は一日でルインズに到着する。
「ただいま!」
「お帰りなさい!」
早々に帰ってきて家に入るとエミが迎えてくれる。涙目になって僕を抱くレッグスに抱き着いてくる。二人に挟まれて苦しいけれど、なんだか嬉しい。
「早!?」
「おいおい。本当にいるよ……」
しばらくレッグスとエミが抱き着いてイチャイチャしているとライリーとウィドが様子を見に来る。村の入り口からちゃんと入ってきたから見た人がいたんだろうな。
二人は呆れた表情で迎えてくれてハイタッチを交わす。
「それで? どういう状況だった?」
家に入って椅子に座るとみんなにレグルスエイドで起きたことを話す。
「オーランス!? 国と国の戦争だったってわけか? 魔物じゃなくて?」
「ああ、ゴーレムの魔石を買いあさっていた時期があったらしい」
ライリーが驚いて声をあげる。町で噂されていた話をレッグスが話すとウィドが考えこむ。
「オーランスには行ったことがある。確かにゴーレムの魔石が急に高く売れるようになった時期があったな」
ウィドが話してくれるとライリーが首をかしげる。
「召喚って魔石があれば簡単にできるものなのか? 何千ものゴーレムを作り出すなんておかしいだろ?」
「普通は魔物によってINTが必要だったりMNDが必要だったりするわ。普通のゴーレムはINTが1体につき1必要だと思うわよ」
ライリーの疑問にエミが答える。
そんな制約みたいなものがあったのか。プラナとウルドはどのくらい使ってるのかな?
「まあなんだ。無事に帰ってきたことを今日はお祝いしようぜ。みんなも集めてな」
難しい話になってきてライリーが考えるのを放棄した。そして、村でパーティーをすることに。
村の明かりが消えない一日だった。
499
あなたにおすすめの小説
間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ
ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。
間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。
多分不具合だとおもう。
召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。
そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます
◇
四巻が販売されました!
今日から四巻の範囲がレンタルとなります
書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます
追加場面もあります
よろしくお願いします!
一応191話で終わりとなります
最後まで見ていただきありがとうございました
コミカライズもスタートしています
毎月最初の金曜日に更新です
お楽しみください!
ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。
最強の異世界やりすぎ旅行記
萩場ぬし
ファンタジー
主人公こと小鳥遊 綾人(たかなし あやと)はある理由から毎日のように体を鍛えていた。
そんなある日、突然知らない真っ白な場所で目を覚ます。そこで綾人が目撃したものは幼い少年の容姿をした何か。そこで彼は告げられる。
「なんと! 君に異世界へ行く権利を与えようと思います!」
バトルあり!笑いあり!ハーレムもあり!?
最強が無双する異世界ファンタジー開幕!
神の加護を受けて異世界に
モンド
ファンタジー
親に言われるまま学校や塾に通い、卒業後は親の進める親族の会社に入り、上司や親の進める相手と見合いし、結婚。
その後馬車馬のように働き、特別好きな事をした覚えもないまま定年を迎えようとしている主人公、あとわずか数日の会社員生活でふと、何かに誘われるように会社を無断で休み、海の見える高台にある、神社に立ち寄った。
そこで野良犬に噛み殺されそうになっていた狐を助けたがその際、野良犬に喉笛を噛み切られその命を終えてしまうがその時、神社から不思議な光が放たれ新たな世界に生まれ変わる、そこでは自分の意思で何もかもしなければ生きてはいけない厳しい世界しかし、生きているという実感に震える主人公が、力強く生きるながら信仰と奇跡にに導かれて神に至る物語。
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~
石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。
ありがとうございます
主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。
転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。
ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。
『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。
ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする
「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。
いきなり異世界って理不尽だ!
みーか
ファンタジー
三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。
自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!
荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明
まったりー
ファンタジー
主人公はダンジョンに向かう冒険者の荷物を持つポーターと言う職業、その職業に必須の収納魔法を持っていないことで悲惨な毎日を過ごしていました。
そんなある時仕事中に前世の記憶がよみがえり、ステータスを確認するとユニークスキルを持っていました。
その中に前世で好きだったゲームに似た空間魔法があり街づくりを始めます、そしてそこから人生が思わぬ方向に変わります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる