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第2章 天界と魔界
第53話 天界への扉
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◇
「わが教会に逆らう愚か者に死の救済を!」
ルインズの村が見えてきた。すると村の前で横3列に陣形を取る集団がいた。
声が聞こえてくるとあきれて声が出る。光星教会とかいうやつらだ。そういえば、こんな奴らもいたんだった。
魔王の方がインパクト強くて忘れていたよ。
「アキラ様の故郷は私が守る!」
「ははは、フィール。私もいるんだ。そんなに気を張らなくてもいいぞ」
村の前に出てきたフィールちゃんとグラフが腕を組んで立ちふさがる。司祭たちは警戒して動きを止めた。
「はははは、こんなもの共にわが教会の信徒がやられたというのか。お笑いだ。本気を出す前にやられたとみた。では我々は最初から本気で!」
「やらせないよ!」
横3列に並んでいた陣形の後ろで、声を上げていた偉そうな司祭を後ろから首を絞めて気絶させる。頸動脈を圧迫すると気絶させられる。この人達には色々としてもらいたいことがあるから生かしておく。
司祭を気絶させると横3列に並んでいた人たちが一緒に倒れ始める。どうやっていたのかわからないけど、人形のように操っていたみたいだ。
教会はどんだけ罪を重ねるんだ? 魔王の件が終わったら叱りに行かないとな。
「アキラ! 帰ってきたのか。レッグスとエミは? 一緒じゃないのか?」
「ウィド? 二人はいないの?」
ウィドが心配な表情で迎えてくれる。
色々話すこともあるだろうと彼の家に招かれる。フィールちゃん達家族も一緒に話をしてくれた。
どうやら、レッグスとエミは僕を救いにサダラーンに向かったらしい。プラナと一緒に行っているから大丈夫だと思うけど、すぐに迎えに行かないと。
「私も行きます! 私の付与があれば何があってもアキラ様を守れるはずです!」
早速旅立とうとウルドと顔を見あうとフィールちゃんも立ち上がる。グラフとフラムさんの顔を見ると首を横に振っていた。
「サターンの動きを見ただろ? 人質にされたらアキラ様の弱点となる。私でも危惧して一緒に行けないのだ。ここは我慢をしようフィール」
「そうよフィール。アキラ様の役に立ちたいのならこの村を手助けすることもその一つよ」
グラフとフラムさんが彼女の説得をしてくれる。僕も同意だ。人質にされる危険性は最初の頃はなかった。
サターンやグダスはそんなことをしてこないと思ったからだ。正々堂々と声をかけてから戦闘してくれてた。
だけど、手段を選ばないような。切羽詰まった状況になったらやってくるかもしれない。
サターンは僕の方が強いと言っていた。正に彼は切羽詰まっているはずだ。もしかしたらあの洞窟の魔物も、僕を骨抜きにするための罠だったのかも。
「いや! アキラ様はお父様と私を救ってくれた。お母さまと会わせてくれた。今度は私がアキラ様の力になる!」
「「フィール」」
フィールちゃんは力強く僕に抱き着いてくる。そんな彼女にグラフとフラムは感動した様子で目頭を押さえる。二人はひとしきり感動すると僕へと視線を向ける。
フィールちゃんがそんなに感謝していたとは思わなかった。彼女の付与魔法の凄さは実証済みだ。グラフを少し小突いただけで吹き飛ばしてしまった。
本気で戦ったらサターンも一瞬で倒せるだろう。ビーズを撃退するのにも一役買ってくれる。
「フィールちゃんの気持ちは分かった。一緒に行こう。ウルドに護衛を任せればある程度は安心だしね」
「ありがとうございますアキラ様!」
僕の答えを聞くとフィールちゃんは嬉しそうに頬をつけてくる。整った顔が凄い近いから惚れてしまうよ。
そんなことを思っているとフィールちゃんと僕の服の中が輝き始める。これはもしかして?
『え!?』
僕とフィールちゃんの真上に大きな大きな扉が現れる。家を貫通して蜃気楼のように現れた扉。みんなで言葉にならない声を上げて見上げる。
「こ、これが天界への扉?」
思わず呟いてしまう僕。家の外に出てみると扉が少し開く。
『扉を開くことは禁忌とされている。一度だけならば許そう。次は人類の排除を意味する。禁忌を犯すな』
少し開いた扉からそんな声が聞こえてくる。エコーのかかったような声、これが天界の人の声なのかな。女性のような声だったけれど。
声が聞こえなくなると少し開いた扉が閉まっていく。扉が閉まりきると扉は消えていく。ウィドの家の屋根がすべて壊されちゃった。
「はぁ~、ほんと信じられないことばかり起きるな」
「ははは、飽きなくていいことだよ」
騒ぎで家の中から出てきていたライリーとエンリャさんが声を上げてる。
フィールちゃんが天使の羽根に触れただけで少しだけ扉が開いたってことなのかな。サターンの言っていた通りってことか。
「触るだけでって言っていたから嘘だと思っていたけど、本当だったんだな」
サターンがなんで開きたくないのかもわかった。彼は人類を守るためにしていたんだ。実はいい人なのかもしれない。
「とりあえず、ウィドの家を直そう」
「任せてください! 私の力で一瞬で新しい家を」
ウィドの家を直そうと声を上げるとグラフが一瞬で家を作っていく。かやぶき屋根も作れるのは凄いな。グラフは村づくりのチート能力者みたいだ。
「わが教会に逆らう愚か者に死の救済を!」
ルインズの村が見えてきた。すると村の前で横3列に陣形を取る集団がいた。
声が聞こえてくるとあきれて声が出る。光星教会とかいうやつらだ。そういえば、こんな奴らもいたんだった。
魔王の方がインパクト強くて忘れていたよ。
「アキラ様の故郷は私が守る!」
「ははは、フィール。私もいるんだ。そんなに気を張らなくてもいいぞ」
村の前に出てきたフィールちゃんとグラフが腕を組んで立ちふさがる。司祭たちは警戒して動きを止めた。
「はははは、こんなもの共にわが教会の信徒がやられたというのか。お笑いだ。本気を出す前にやられたとみた。では我々は最初から本気で!」
「やらせないよ!」
横3列に並んでいた陣形の後ろで、声を上げていた偉そうな司祭を後ろから首を絞めて気絶させる。頸動脈を圧迫すると気絶させられる。この人達には色々としてもらいたいことがあるから生かしておく。
司祭を気絶させると横3列に並んでいた人たちが一緒に倒れ始める。どうやっていたのかわからないけど、人形のように操っていたみたいだ。
教会はどんだけ罪を重ねるんだ? 魔王の件が終わったら叱りに行かないとな。
「アキラ! 帰ってきたのか。レッグスとエミは? 一緒じゃないのか?」
「ウィド? 二人はいないの?」
ウィドが心配な表情で迎えてくれる。
色々話すこともあるだろうと彼の家に招かれる。フィールちゃん達家族も一緒に話をしてくれた。
どうやら、レッグスとエミは僕を救いにサダラーンに向かったらしい。プラナと一緒に行っているから大丈夫だと思うけど、すぐに迎えに行かないと。
「私も行きます! 私の付与があれば何があってもアキラ様を守れるはずです!」
早速旅立とうとウルドと顔を見あうとフィールちゃんも立ち上がる。グラフとフラムさんの顔を見ると首を横に振っていた。
「サターンの動きを見ただろ? 人質にされたらアキラ様の弱点となる。私でも危惧して一緒に行けないのだ。ここは我慢をしようフィール」
「そうよフィール。アキラ様の役に立ちたいのならこの村を手助けすることもその一つよ」
グラフとフラムさんが彼女の説得をしてくれる。僕も同意だ。人質にされる危険性は最初の頃はなかった。
サターンやグダスはそんなことをしてこないと思ったからだ。正々堂々と声をかけてから戦闘してくれてた。
だけど、手段を選ばないような。切羽詰まった状況になったらやってくるかもしれない。
サターンは僕の方が強いと言っていた。正に彼は切羽詰まっているはずだ。もしかしたらあの洞窟の魔物も、僕を骨抜きにするための罠だったのかも。
「いや! アキラ様はお父様と私を救ってくれた。お母さまと会わせてくれた。今度は私がアキラ様の力になる!」
「「フィール」」
フィールちゃんは力強く僕に抱き着いてくる。そんな彼女にグラフとフラムは感動した様子で目頭を押さえる。二人はひとしきり感動すると僕へと視線を向ける。
フィールちゃんがそんなに感謝していたとは思わなかった。彼女の付与魔法の凄さは実証済みだ。グラフを少し小突いただけで吹き飛ばしてしまった。
本気で戦ったらサターンも一瞬で倒せるだろう。ビーズを撃退するのにも一役買ってくれる。
「フィールちゃんの気持ちは分かった。一緒に行こう。ウルドに護衛を任せればある程度は安心だしね」
「ありがとうございますアキラ様!」
僕の答えを聞くとフィールちゃんは嬉しそうに頬をつけてくる。整った顔が凄い近いから惚れてしまうよ。
そんなことを思っているとフィールちゃんと僕の服の中が輝き始める。これはもしかして?
『え!?』
僕とフィールちゃんの真上に大きな大きな扉が現れる。家を貫通して蜃気楼のように現れた扉。みんなで言葉にならない声を上げて見上げる。
「こ、これが天界への扉?」
思わず呟いてしまう僕。家の外に出てみると扉が少し開く。
『扉を開くことは禁忌とされている。一度だけならば許そう。次は人類の排除を意味する。禁忌を犯すな』
少し開いた扉からそんな声が聞こえてくる。エコーのかかったような声、これが天界の人の声なのかな。女性のような声だったけれど。
声が聞こえなくなると少し開いた扉が閉まっていく。扉が閉まりきると扉は消えていく。ウィドの家の屋根がすべて壊されちゃった。
「はぁ~、ほんと信じられないことばかり起きるな」
「ははは、飽きなくていいことだよ」
騒ぎで家の中から出てきていたライリーとエンリャさんが声を上げてる。
フィールちゃんが天使の羽根に触れただけで少しだけ扉が開いたってことなのかな。サターンの言っていた通りってことか。
「触るだけでって言っていたから嘘だと思っていたけど、本当だったんだな」
サターンがなんで開きたくないのかもわかった。彼は人類を守るためにしていたんだ。実はいい人なのかもしれない。
「とりあえず、ウィドの家を直そう」
「任せてください! 私の力で一瞬で新しい家を」
ウィドの家を直そうと声を上げるとグラフが一瞬で家を作っていく。かやぶき屋根も作れるのは凄いな。グラフは村づくりのチート能力者みたいだ。
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