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第1章 異世界
第11話 最悪の制作レベル20
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「おっ、帰ってきたか~」
道なき道を向かわせた木のマネキンが戻ってきた。鉄のマネキンよりも先に帰ってきたって事はこっちの方角の方が近かったようだ。こっちに向かわせて正解だったな。
木のマネキンの話ではここから三日程の距離に人里があるらしい。
町の大きさはそれほど大きくないみたいで、人口100人いないくらいの集落があったようだ。とにかく、人が近くにいてホッとしたよ。
村の住人たちは人に慣れていないドワーフの集落で、人形であるこの子が来てもそれほど驚いていなかったらしい。
人形を使ってお使いをさせる魔女の様な存在があるようで、それだと思ったんだと、凄い魔女もいたもんだ。まあ、そのおかげでマネキンは攻撃されずに歓迎されたんだってさ、魔女に感謝だな。
拠点の規模もマネキンが帰ってくるまでに大きく変わった。地下鉱山は一キロ程深く掘ってまだまだ加工できないミスリルや金などが取れるようになってきた。
この世界は深く掘れば掘るほど、いい鉱脈に当たるようになっているみたいで簡単に良い鉱石が掘れるようになっている。改めてゲームの様な世界だと思ったよ。テセリウスは完全に遊んでいるな。
製作レベルは19レベルまで上がった。あと1で20レベルに上がるというのに家や小屋を作っても上がらなくなってしまった。19になってから相当、製作物を作っていたんだが全然上がらないんだよな。何かキーアイテムみたいなものがあるのか?
そうこうしているうちに拠点に招かれざる客がやってきた。
「なんじゃここは……」
「おお~? 変な石や道具が動いてるぜ」
一目で盗賊だと分かる連中だ。斧や槍を装備していて、何とも汚らしい連中。
そんな奴らが俺に気づいて近づいてきた。敵意むき出しで近づいてくるものだから剣君達を集合させて剣先で壁を作って脅してやった。全員、おもらしして土下座してきたよ。
「すいやせん。どうか命だけは~」
先頭にいた男、ハチマキをした男が大きな声で謝ってきた。しかし、許すわけにもいかない。
「俺を殺そうとしたよな?」
「ち、違うんです。こんな所にいるもんだから迷子かな~って」
嘘つくなよ。それなら、槍を向けたり斧を振り上げたりしないだろ。明らかに俺を舐めていた。
元の世界では学生だし、軽鎧を着ているが、細い体で何とも頼りないもんな。なめるのも少しは分かる。
この世界ではやられる前にやれが基本だとこいつらから学んだよ。この後もこんな奴らと会うかもしれない。今のうちに人の殺し方を学んでおいた方が良さそうだな。
「剣君、こいつを殺せ」
「御意」
一本の剣君に命令をして、その剣君を握る。いざ、剣を人に向けたら怖じ気つきそうなので剣君に自動で殺してもらう。ちゃんと命を意識する為に盗賊から目を離さないようにした。盗賊は5人いたので2人、手にかけた。別々の剣君に命令して、しっかりと目を見て殺させた...いや、殺した。剣君からタイヤに包丁を突き刺した様な抵抗が伝わり鮮血が顔に少しかかった。
2人の息の根を止めると流石に吐き気が襲ってきた。残りの盗賊は剣君達に処分させて、死体はスライム井戸へと捨てるように指示を飛ばした。命乞いをしてきていた盗賊の姿が目に焼き付いた。精神衛生上よろしくないな。
今俺は最悪な顔をしているんだろう事がハッキリと分かる。人を殺すという事はこういう事なんだな。
鮮血を拭って、胃の内容物をすべて吐き出す。胃液しか出なくなっても何度も嗚咽する。あれが、人が最後を悟った目、盗賊の最後の顔を思い出しながら嗚咽する。そんな最悪の夜が過ぎ去ると空気を読まない音が聞こえてくる。
ピンポン!
人を殺す...それが20レベルの壁を解き放つ鍵だったようだ。テセリウスは最低な野郎だよ。
道なき道を向かわせた木のマネキンが戻ってきた。鉄のマネキンよりも先に帰ってきたって事はこっちの方角の方が近かったようだ。こっちに向かわせて正解だったな。
木のマネキンの話ではここから三日程の距離に人里があるらしい。
町の大きさはそれほど大きくないみたいで、人口100人いないくらいの集落があったようだ。とにかく、人が近くにいてホッとしたよ。
村の住人たちは人に慣れていないドワーフの集落で、人形であるこの子が来てもそれほど驚いていなかったらしい。
人形を使ってお使いをさせる魔女の様な存在があるようで、それだと思ったんだと、凄い魔女もいたもんだ。まあ、そのおかげでマネキンは攻撃されずに歓迎されたんだってさ、魔女に感謝だな。
拠点の規模もマネキンが帰ってくるまでに大きく変わった。地下鉱山は一キロ程深く掘ってまだまだ加工できないミスリルや金などが取れるようになってきた。
この世界は深く掘れば掘るほど、いい鉱脈に当たるようになっているみたいで簡単に良い鉱石が掘れるようになっている。改めてゲームの様な世界だと思ったよ。テセリウスは完全に遊んでいるな。
製作レベルは19レベルまで上がった。あと1で20レベルに上がるというのに家や小屋を作っても上がらなくなってしまった。19になってから相当、製作物を作っていたんだが全然上がらないんだよな。何かキーアイテムみたいなものがあるのか?
そうこうしているうちに拠点に招かれざる客がやってきた。
「なんじゃここは……」
「おお~? 変な石や道具が動いてるぜ」
一目で盗賊だと分かる連中だ。斧や槍を装備していて、何とも汚らしい連中。
そんな奴らが俺に気づいて近づいてきた。敵意むき出しで近づいてくるものだから剣君達を集合させて剣先で壁を作って脅してやった。全員、おもらしして土下座してきたよ。
「すいやせん。どうか命だけは~」
先頭にいた男、ハチマキをした男が大きな声で謝ってきた。しかし、許すわけにもいかない。
「俺を殺そうとしたよな?」
「ち、違うんです。こんな所にいるもんだから迷子かな~って」
嘘つくなよ。それなら、槍を向けたり斧を振り上げたりしないだろ。明らかに俺を舐めていた。
元の世界では学生だし、軽鎧を着ているが、細い体で何とも頼りないもんな。なめるのも少しは分かる。
この世界ではやられる前にやれが基本だとこいつらから学んだよ。この後もこんな奴らと会うかもしれない。今のうちに人の殺し方を学んでおいた方が良さそうだな。
「剣君、こいつを殺せ」
「御意」
一本の剣君に命令をして、その剣君を握る。いざ、剣を人に向けたら怖じ気つきそうなので剣君に自動で殺してもらう。ちゃんと命を意識する為に盗賊から目を離さないようにした。盗賊は5人いたので2人、手にかけた。別々の剣君に命令して、しっかりと目を見て殺させた...いや、殺した。剣君からタイヤに包丁を突き刺した様な抵抗が伝わり鮮血が顔に少しかかった。
2人の息の根を止めると流石に吐き気が襲ってきた。残りの盗賊は剣君達に処分させて、死体はスライム井戸へと捨てるように指示を飛ばした。命乞いをしてきていた盗賊の姿が目に焼き付いた。精神衛生上よろしくないな。
今俺は最悪な顔をしているんだろう事がハッキリと分かる。人を殺すという事はこういう事なんだな。
鮮血を拭って、胃の内容物をすべて吐き出す。胃液しか出なくなっても何度も嗚咽する。あれが、人が最後を悟った目、盗賊の最後の顔を思い出しながら嗚咽する。そんな最悪の夜が過ぎ去ると空気を読まない音が聞こえてくる。
ピンポン!
人を殺す...それが20レベルの壁を解き放つ鍵だったようだ。テセリウスは最低な野郎だよ。
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