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第2章 国
第28話 レベルキャップ……
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「離せ! 離せ~」
鉄騎士に捉えさせたレイ何とかさんは無事に捕獲できた。その時に抵抗してきたのがドワーフの集落に置いてきた騎士だったんだけど、そいつは死んでいった。前回拾った命をここで散らしたようだ。
「よくもゲシュリアを! 許さないぞ」
縄で縛ったレイ何とかさんは俺を睨みつけて言ってきた。ゲシュリアっていうのはあの死んだ騎士の事なのかな?
ちなみにこいつらの部下の兵士たちは逃げていった。最初の衝突で五百は死んだと思うけど、それ以外は逃げて言ったから生きているだろうな。魔物にいくらかやられても四百は生き残るかな。
「俺も忙しいから手短に言うぞ。俺達とドワーフ達に今後一切関わらない、そう誓ってくれればそのまま逃がしてあげるよ」
「復讐するに決まっているだろう!」
……馬鹿なのかな? 嘘でもしないっていうでしょ。
「じゃあ、死んでもらうね」
「ヒィ」
剣君を握る、首元に剣先を突きつけると悲鳴をあげた。
「マイル、アイリとリックと家の中に入っていてくれるか?」
「はい」
こんな最悪な奴でも人だ。あんまり、リックやアイリに見せたくないよな。
「大丈夫だよヒフミ様。私達もちゃんと見る」
「アイリ、俺が大丈夫じゃないんだよ。子供である君たちが人の死を見るべきじゃないと思っているんだ」
「ヒフミ様が言うなら……」
アイリは見るといったけど、元の世界の人間としては許容できないんだよな。アイリとリックは納得してくれたみたいで家に入ってもらった。逆にドワーフ達には見てもらう、こいつが自分たちの集落を住めなくしたやつだと認識してもらって人族にはいい奴、悪い奴がいると意識してもらうんだ。まあ、ドワーフ達は最初から分かっていたけどね。改めて、意識してもらうためだな。
「呪ってやる!」
「叶うといいな、その願い」
金髪の首を切り裂いた。盗賊を殺した時のような罪悪感が襲ってきたがすぐにスッキリとした気持ちになる。初めて人を殺した時よりは気持ち悪くならなかったな。
「ヒフミ様、鎧は脱がしておきますね」
「ああ、ありがとうレイニー」
レイニーがレイグランドの鎧を脱がせて並べていく。他の鎧たちとは違う、金ぴかな鎧に精霊生成薬をぶっかけると立ち上がった。こいつをリーダーにして、リビングアーマーを運営していくかな。
「命令あるまで門の前で待機してくれ」
ゴールデンアーマーに命令すると大きくうなづいて走っていった。従順な感じは主人とは違うな。
「ヒフミ様、戦場の掃除は俺達がやるよ」
「休んでいてくれ」
「ああ、ありがとう。鎧は今みたいに置いておいてくれれば、あとで精霊化するから」
ガーツとダーツに休むように促された、俺はその優しさに甘えさせてもらって休むことにした。なれたとは言え、人を殺すということに完全に適応しているわけじゃない。少し精神が病んでいるのを感じるよ。
ガーツとダーツに任せると二人は胸を叩いて頷いてくれた。彼らも俺の為に色々と働いてくれて助かる。
「みんな、聞いただろ。外でアイテムを回収するぞ」
『お~』
ドワーフ達は総出で回収してくれるみたいだ。俺は石君にも命令して、手伝うように指示しておいた。五百人の戦利品だからな。ドワーフ達は三十人もいないから大変だろう。レイニー達もてつだってくれるけど、それでも四十人にも満たないからな。
みんな、本当にいい人達だよな。こんな細目の何を考えているのかわからない奴にさ、本当にありがたいよ。
「ヒフミ様、肩もんであげる~」
「ん? アイリ?」
ソファーに座るとアイリが肩をもみだした。
「何だアイリ?」
「えへへ、何でもないよ」
「僕は足と手をやりますね」
「おいおい……」
アイリとリックが全身マッサージを始めた。
「あの、ヒフミ様」
「ん? リック、どうした?」
「その~、レギントス帝国を追い払ったって事は明日にはエレベスに行くんですよね?」
「ああ、そうだな~。欲しいものもあるからな~。これはさすがにメモだけじゃ、ヤンバもわからないだろうからな~」
リックが足をもみながら言ってきた。流石のヤンバでも、この世界にないかもしれないものをメモだけじゃわからないだろう。それに偶には顔を出さないと悪いからな。結局、最初の一回しか会っていないしな。
「僕も連れていってほしいんです」
「私も~」
二人はもむのをやめて言ってきた。なるほどね、行きたかったわけね。
「二人とも、あまりヒフミ様に」
「じゃあ行くか?」
「「やった~」」
二人のおねだりを聞いてあげているとアイリが困った顔して二人の頭を撫でた。二人のおねだりを肯定すると二人は元気に飛び上がって喜んだ。そんなに行きたかったのか、リックは行っていないから分かるけど、アイリは行ったことあるからそこまでじゃないだろ。
「本当にいいのですか?」
「ああ、他にも行きたい人がいたら言ってくれって伝えてくれる?」
「分かりました。そういえばレイニーも行きたいようなことを言っていましたね」
「レイニーが? そうか~道がしっかりしていないから道中は大変って言っておいてな。馬車は三台もあれば大丈夫かな」
帰りの荷物とかも多くなるだろうからな。三台もあれば大丈夫だろう。
厄介ごとも終わったことだし、明日はお買い物へと出かけよう。
明日へと思いを馳せると待ち望んでいた音が聞こえてきた。
ピンポン!
制作レベルが28に上がった。
やっぱり、レベルキャップみたいなものが存在していそうだな。人を殺すことでキャップが上がるか、テセリウスが考えそうなことだな。
鉄騎士に捉えさせたレイ何とかさんは無事に捕獲できた。その時に抵抗してきたのがドワーフの集落に置いてきた騎士だったんだけど、そいつは死んでいった。前回拾った命をここで散らしたようだ。
「よくもゲシュリアを! 許さないぞ」
縄で縛ったレイ何とかさんは俺を睨みつけて言ってきた。ゲシュリアっていうのはあの死んだ騎士の事なのかな?
ちなみにこいつらの部下の兵士たちは逃げていった。最初の衝突で五百は死んだと思うけど、それ以外は逃げて言ったから生きているだろうな。魔物にいくらかやられても四百は生き残るかな。
「俺も忙しいから手短に言うぞ。俺達とドワーフ達に今後一切関わらない、そう誓ってくれればそのまま逃がしてあげるよ」
「復讐するに決まっているだろう!」
……馬鹿なのかな? 嘘でもしないっていうでしょ。
「じゃあ、死んでもらうね」
「ヒィ」
剣君を握る、首元に剣先を突きつけると悲鳴をあげた。
「マイル、アイリとリックと家の中に入っていてくれるか?」
「はい」
こんな最悪な奴でも人だ。あんまり、リックやアイリに見せたくないよな。
「大丈夫だよヒフミ様。私達もちゃんと見る」
「アイリ、俺が大丈夫じゃないんだよ。子供である君たちが人の死を見るべきじゃないと思っているんだ」
「ヒフミ様が言うなら……」
アイリは見るといったけど、元の世界の人間としては許容できないんだよな。アイリとリックは納得してくれたみたいで家に入ってもらった。逆にドワーフ達には見てもらう、こいつが自分たちの集落を住めなくしたやつだと認識してもらって人族にはいい奴、悪い奴がいると意識してもらうんだ。まあ、ドワーフ達は最初から分かっていたけどね。改めて、意識してもらうためだな。
「呪ってやる!」
「叶うといいな、その願い」
金髪の首を切り裂いた。盗賊を殺した時のような罪悪感が襲ってきたがすぐにスッキリとした気持ちになる。初めて人を殺した時よりは気持ち悪くならなかったな。
「ヒフミ様、鎧は脱がしておきますね」
「ああ、ありがとうレイニー」
レイニーがレイグランドの鎧を脱がせて並べていく。他の鎧たちとは違う、金ぴかな鎧に精霊生成薬をぶっかけると立ち上がった。こいつをリーダーにして、リビングアーマーを運営していくかな。
「命令あるまで門の前で待機してくれ」
ゴールデンアーマーに命令すると大きくうなづいて走っていった。従順な感じは主人とは違うな。
「ヒフミ様、戦場の掃除は俺達がやるよ」
「休んでいてくれ」
「ああ、ありがとう。鎧は今みたいに置いておいてくれれば、あとで精霊化するから」
ガーツとダーツに休むように促された、俺はその優しさに甘えさせてもらって休むことにした。なれたとは言え、人を殺すということに完全に適応しているわけじゃない。少し精神が病んでいるのを感じるよ。
ガーツとダーツに任せると二人は胸を叩いて頷いてくれた。彼らも俺の為に色々と働いてくれて助かる。
「みんな、聞いただろ。外でアイテムを回収するぞ」
『お~』
ドワーフ達は総出で回収してくれるみたいだ。俺は石君にも命令して、手伝うように指示しておいた。五百人の戦利品だからな。ドワーフ達は三十人もいないから大変だろう。レイニー達もてつだってくれるけど、それでも四十人にも満たないからな。
みんな、本当にいい人達だよな。こんな細目の何を考えているのかわからない奴にさ、本当にありがたいよ。
「ヒフミ様、肩もんであげる~」
「ん? アイリ?」
ソファーに座るとアイリが肩をもみだした。
「何だアイリ?」
「えへへ、何でもないよ」
「僕は足と手をやりますね」
「おいおい……」
アイリとリックが全身マッサージを始めた。
「あの、ヒフミ様」
「ん? リック、どうした?」
「その~、レギントス帝国を追い払ったって事は明日にはエレベスに行くんですよね?」
「ああ、そうだな~。欲しいものもあるからな~。これはさすがにメモだけじゃ、ヤンバもわからないだろうからな~」
リックが足をもみながら言ってきた。流石のヤンバでも、この世界にないかもしれないものをメモだけじゃわからないだろう。それに偶には顔を出さないと悪いからな。結局、最初の一回しか会っていないしな。
「僕も連れていってほしいんです」
「私も~」
二人はもむのをやめて言ってきた。なるほどね、行きたかったわけね。
「二人とも、あまりヒフミ様に」
「じゃあ行くか?」
「「やった~」」
二人のおねだりを聞いてあげているとアイリが困った顔して二人の頭を撫でた。二人のおねだりを肯定すると二人は元気に飛び上がって喜んだ。そんなに行きたかったのか、リックは行っていないから分かるけど、アイリは行ったことあるからそこまでじゃないだろ。
「本当にいいのですか?」
「ああ、他にも行きたい人がいたら言ってくれって伝えてくれる?」
「分かりました。そういえばレイニーも行きたいようなことを言っていましたね」
「レイニーが? そうか~道がしっかりしていないから道中は大変って言っておいてな。馬車は三台もあれば大丈夫かな」
帰りの荷物とかも多くなるだろうからな。三台もあれば大丈夫だろう。
厄介ごとも終わったことだし、明日はお買い物へと出かけよう。
明日へと思いを馳せると待ち望んでいた音が聞こえてきた。
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