制作スキル持ちのリビングマスター ~異世界覇者への道~

カムイイムカ(神威異夢華)

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第2章 国

第41話 砂漠の定番

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 制作レベルが上がったのでみんなには休憩しておいてもらって、新しく作れるものを確認する。

【新制作物】

 ミスリルの槍
 ミスリルの斧
 ミスリルの杖
 クロスボウ
 ミスリル壁
 普通の馬車(馬無し)
 石の塔
 精霊生成薬(大)
 マジックバッグ
 ミスリルのマネキン
 ミスリルの馬マネキン

 おいおい……、噂をすればマジックバッグが作れるようになりました。マイルから聞いた話的にはかなりの反則アイテムっぽいが大丈夫なのか? かなり便利でもあるから早速、作るのかな?

「核を五十個? ……簡単すぎる」

 なんとマジックバッグを作る素材は核のみ。五十個という凄い量の核が必要だが、素材自体の入手難度は低いのでいくらでも作れるぞ。改めて、自分のチートが恐ろしくなった。早速、核でマジックバッグを制作……と思ったけど、精霊生成薬に変えてしまったので次の機会だな。どうせ、次の階層で核は手に入るだろう。

「そろそろ次に行こうか」

「もういいんですか?」

「ああ、作れなかったよ」

 座って休んでいたみんなに告げる。何とか、この階層で得たものはリビングアーマー達に持たせられる。ギリギリ荷物は大丈夫だ。

 魔法陣に入って次の階層へ……。

「ん? なんかさっきまでの階層と違うな……」

「あっ! 五階だからボスが出てくるかも?」

 魔法陣で転移されると部屋ではなくて、野外に移動させられた。さっきまでと違うから戸惑っているとマイルが教えてくれた。ボスというとボスフィールドって事か。って事は大型の魔物がいるんだろうな。

「暑いな~」

「砂漠ですね」

 日差しが強くて地面がサラサラの砂だ。日本的な蒸し暑さではなくて、日がジリジリと焼いてくる暑さ。ハッキリ言って死ねるな……。

「全員、急いで魔物見つけて倒してくれ。装備がないと死ねる……」

「とりあえず、魔法で氷を【アイシクルランス】」

「おお!」

 リビングアーマー達に指示を出すとマイルが大きなツララを作り出してくれた。あ~ヒエヒエで気持ち~。

「アイリも使ってみたい」

「アイリはまだ無理よ。魔力が足りないわ」

 アイリが指をくわえてツララを見ている。マイルは中級の魔法も容易に扱えるようだ。才能なのか、杖の強さなのか、わからないがマイルはかなり優秀だったんだな。

 Gyaaaaaaa!!

「なんだ!」

 ツララで涼んでいると遠くから生き物の物とは思えない声が聞こえてきた。声のする方を見ると、砂煙に黒い影の塔が立っているのが見える。

「塔か?」

「あれはサンドワーム! 大きい!」

 砂煙に大きなミミズの影がかかっていて塔のように見えていたようだ。マイルが驚愕して見つめている。砂漠でミミズって定番だな~。って言ってる場合か!

「どこかに逃げるか!」

「砂漠ではどこに逃げても同じです。私が何とかします。ヒフミ様は動きの止まったところをお願いします」

「お、おお」

 慌てる俺にマイルが冷静に指示を出した。これではどっちがリーダーかわからんな。

「来ます!」

「こえ~」

 砂煙を吐き出しながらこちらに這ってくるミミズ。すごい迫力で今にも腰が抜ける。しかし、みんなを守らないと男が廃る!

「【アイシクルウォール】!」

 かなりの速度で迫ってきていたミミズにマイルが氷の壁を作り出した。ミミズは氷の壁に衝突して動かなくなった。

「やったか?」

 フラグのような言葉をつぶやいてミミズを見やる。すると、ミミズの体の中からリビングアーマーが数体現れた……。

「仕留めました」

 リビングアーマーが答えられないので代わりに剣君が答えてくれた。どうやら、最初の叫び声の時に仕留めていたようだ。一生懸命、運んできてくれていたのを襲ってきたと俺達が勘違いしてしまったみたいだ。剣君達は本当にいい子達だな。

「核が百五十個か……。ではでは」

 この大ミミズは核を百五十個おとしてくれた数えるのだるい。後はサンドワームの皮と牙が五十個、何に使うのか分からないけど、とりあえず、ゲットしておきたい。戦利品を確認したところで……マジックバッグの作成だ!
 五十個でマジックバッグが出来る……って事は二個作って俺のとマイル達で分けるか。という事で二個作成。素材が簡単なものなので一瞬で出来上がると一個をマイルに手渡す。手渡されるとキョトンとするマイル。

「あのこれは?」

「マジックバッグだよ」

「こここ! こんな高価な物、受け取れません」

 なんでキョトンとしているのか分からなかったけど、どうやら、高価な物に反応していたようだ。俺がいない時に大物と出会ったら便利だろうから持っていて欲しいんだけどな。

「もう一個作れるから大丈夫だよ」

「そ、そういう問題では……」

「これから先もこんな大物が現れないとも言い切れないだろ。それに罠で俺達を引き離すものもあるかもしれないし」

 転移の罠とか結構定番だからな。そういう時に仕留めた魔物を保管できる物をそれぞれで持っていた方がいい。

「分かりました……」

「うん」

 納得したマイルは大事そうにマジックバッグを抱きしめる。

 こうして、無事に五階のボスを倒すことが出来た。

「ヒフミお兄ちゃん! 宝箱~」

 アイリが指さす方を見ると大きな宝箱が見える。サンドワームのドロップとは別に宝箱が出たようだ。早速、中身を見てみよう。

「ん? 髪飾りかな?」

 中には鳥を形どった髪飾りが入っていた。困った、髪飾りなんて俺は要らないぞ。
 マイルなら、似合うか?

「マイルにあげるよ」

「えっ」

「マイルなら似合うだろ」

 男には似合わないし、アイリには少し大きいかな。
 そう思ってマイルに手渡すと顔を真っ赤にして受け取ってくれた。マジックバッグの時よりも嬉しそうなんだが、何かあったのか? 疑問に思って首を傾げていると、

「お兄ちゃん優し~」

「ヒフミ様、カッコイイ!」

 アイリとリックからの熱い眼差しがそそがれた。俺には似合わないと思って、あげただけなのだが?
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