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第2章 国
第42話 帰還した
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ボスも拝めたし、一度帰還しようと思う。時間も気になるところだからな。
ボスを倒してから現れた魔法陣ではなくて、俺達が入ってきた方の魔法陣に乗り込む。帰るにはこっちに乗ればいいんだってさ。この魔法陣は本当に便利だな~。うちの街にも欲しい。
とか思っていると見る見る視界がダンジョンの入り口に変わっていった。
どよっ!
俺達が転移されるとダンジョンの入り口にいる人たちがどよめきだった。目が点になっていたり冷や汗をかいていたり多種多様だ。そりゃそうだよな。こんなにリビングアーマーを引き連れているんだからな。
「えっと~。帰還したんですけど……」
「……はっ! すいません。えっと、何階から?」
「五階です」
「えっ……、も、もう一度」
「ですから、五階です」
「五階!」
ダンジョンに入るときに声をかけた受付の人に帰還を伝えて、何階から帰ったのかを伝えると驚いて立ち上がった。何か可笑しなことを言ってしまったか? 周りの目も凄いので落ち着いてほしいんだけどな。
「五階はボスフィールドですよね。嘘はいけませんよ。通常、五階に行くには何日も使って攻略するんですから。そんな半日で五階なんて聞いたことがありません」
そういって首を傾げている受付。
うむ、困った、そんな常識があったとはな~。確かにあの量の魔物と一気に戦うのは俺達くらいなものかもな。常識はずれな戦い方をしてしまった。やってしまったものはしょうがないのでサンドワームの牙と皮をバッグから取り出して見せよう。マジックバッグは小さなバッグなので牙のサイズなら怪しまれない。リビングアーマー達にもいくつか持たせているから分かる人は分かっていただろうけどな。
「た、確かにサンドワームの戦利品ですね……。じゃあ、やっぱり本当に倒してきたんですか」
「だから言ってるじゃないですか」
「……」
まだ納得しないのかこの人は? なんだかめんどくさいな~。冒険者になるつもりはないから冒険者はこれで終わりにしようかなと思ってしまうがダンジョン楽しかったんだよな~。
「この戦利品は買い取ってもらえます?」
「あっ! すいません。大丈夫ですよ。むしろ、買い取らせてください」
受付の人は頭を再起動させて、対応に当たってくれた。最初から人当たりのよさそうな人だったけど、更に輪をかけて優しい口調で了承してくれた。
「私はレリエラ。これからもエレベスダンジョンをよろしくお願いいたします」
「は、はあ……」
買取が終わると深くお辞儀をして、見送ってもらってしまった。レリエラは戦利品を全部出すと驚いていたが、すぐに気を取り直して、鑑定していってくれた。この金額で分かったんだが、かなり凄いことをしてしまった。半日程度でエレベスとの最初の貿易の買い取り額を軽く超えてしまった。あれだけでもなんでも買えると思う位の金額だったのに、それを超えてしまうとはね。因みに金額は金貨百枚。鎧とかはリビングアーマーに変えてしまいたいので売らなかったので主にサンドワームの素材だ。
一攫千金を夢見て、冒険者になってもあんなバケモノに会ったらひとたまりもないが、それだけの価値があるのかもしれないな。
「今日はどうするのお兄ちゃん?」
「そうだな~。宿屋もあるし、泊るかな」
「お泊り? やった~」
アイリはお泊りが嬉しいようでぴょんぴょん跳ねている。リックはそんなアイリを止めようと困っている。何だか和む光景だな。リビングアーマー達は五体だけ残して街に向かわせる。その時に馬車も一緒に帰させて無事を知らせておく。あっちの様子も心配だからな。
俺達が帰るときには本物の馬車を作って馬のマネキンも作って帰ればいいからな。改めて、便利な能力だな。
宿屋は二階建ての結構立派な家だ。ダンジョンの為の村なだけあって、繁盛しているのが伺えるな。
「いらっしゃい!」
「お客さんは四名様かい?」
「は~い」
宿屋に入ると夫婦が迎えてくれた。アイリが元気よく答えると二階に案内してくれる。みんなが案内される中、マイルは宿帳を書いてくれた、そういえばそんなものもあるのか。俺はまだ字が書けない、なんだから情けないな~。
「ヒフミ様、今度文字をお教えいたしますね」
「あ、ああ、お願いするよ」
「はい!」
マイルが文字を教えてくれると言うものだから返事を返すと嬉しそうに答えてくれた。そんな満面の笑みを返されるとこっちも嬉しくなってしまう。
なんだか、みんなを幸せにするために転移されたのかなと誤解してしまう程に嬉しくなってしまった。
そして、そんな妄想を打ち消すかのように奴の声が聞こえてきた。
『順位報告の時間だよ~』
ボスを倒してから現れた魔法陣ではなくて、俺達が入ってきた方の魔法陣に乗り込む。帰るにはこっちに乗ればいいんだってさ。この魔法陣は本当に便利だな~。うちの街にも欲しい。
とか思っていると見る見る視界がダンジョンの入り口に変わっていった。
どよっ!
俺達が転移されるとダンジョンの入り口にいる人たちがどよめきだった。目が点になっていたり冷や汗をかいていたり多種多様だ。そりゃそうだよな。こんなにリビングアーマーを引き連れているんだからな。
「えっと~。帰還したんですけど……」
「……はっ! すいません。えっと、何階から?」
「五階です」
「えっ……、も、もう一度」
「ですから、五階です」
「五階!」
ダンジョンに入るときに声をかけた受付の人に帰還を伝えて、何階から帰ったのかを伝えると驚いて立ち上がった。何か可笑しなことを言ってしまったか? 周りの目も凄いので落ち着いてほしいんだけどな。
「五階はボスフィールドですよね。嘘はいけませんよ。通常、五階に行くには何日も使って攻略するんですから。そんな半日で五階なんて聞いたことがありません」
そういって首を傾げている受付。
うむ、困った、そんな常識があったとはな~。確かにあの量の魔物と一気に戦うのは俺達くらいなものかもな。常識はずれな戦い方をしてしまった。やってしまったものはしょうがないのでサンドワームの牙と皮をバッグから取り出して見せよう。マジックバッグは小さなバッグなので牙のサイズなら怪しまれない。リビングアーマー達にもいくつか持たせているから分かる人は分かっていただろうけどな。
「た、確かにサンドワームの戦利品ですね……。じゃあ、やっぱり本当に倒してきたんですか」
「だから言ってるじゃないですか」
「……」
まだ納得しないのかこの人は? なんだかめんどくさいな~。冒険者になるつもりはないから冒険者はこれで終わりにしようかなと思ってしまうがダンジョン楽しかったんだよな~。
「この戦利品は買い取ってもらえます?」
「あっ! すいません。大丈夫ですよ。むしろ、買い取らせてください」
受付の人は頭を再起動させて、対応に当たってくれた。最初から人当たりのよさそうな人だったけど、更に輪をかけて優しい口調で了承してくれた。
「私はレリエラ。これからもエレベスダンジョンをよろしくお願いいたします」
「は、はあ……」
買取が終わると深くお辞儀をして、見送ってもらってしまった。レリエラは戦利品を全部出すと驚いていたが、すぐに気を取り直して、鑑定していってくれた。この金額で分かったんだが、かなり凄いことをしてしまった。半日程度でエレベスとの最初の貿易の買い取り額を軽く超えてしまった。あれだけでもなんでも買えると思う位の金額だったのに、それを超えてしまうとはね。因みに金額は金貨百枚。鎧とかはリビングアーマーに変えてしまいたいので売らなかったので主にサンドワームの素材だ。
一攫千金を夢見て、冒険者になってもあんなバケモノに会ったらひとたまりもないが、それだけの価値があるのかもしれないな。
「今日はどうするのお兄ちゃん?」
「そうだな~。宿屋もあるし、泊るかな」
「お泊り? やった~」
アイリはお泊りが嬉しいようでぴょんぴょん跳ねている。リックはそんなアイリを止めようと困っている。何だか和む光景だな。リビングアーマー達は五体だけ残して街に向かわせる。その時に馬車も一緒に帰させて無事を知らせておく。あっちの様子も心配だからな。
俺達が帰るときには本物の馬車を作って馬のマネキンも作って帰ればいいからな。改めて、便利な能力だな。
宿屋は二階建ての結構立派な家だ。ダンジョンの為の村なだけあって、繁盛しているのが伺えるな。
「いらっしゃい!」
「お客さんは四名様かい?」
「は~い」
宿屋に入ると夫婦が迎えてくれた。アイリが元気よく答えると二階に案内してくれる。みんなが案内される中、マイルは宿帳を書いてくれた、そういえばそんなものもあるのか。俺はまだ字が書けない、なんだから情けないな~。
「ヒフミ様、今度文字をお教えいたしますね」
「あ、ああ、お願いするよ」
「はい!」
マイルが文字を教えてくれると言うものだから返事を返すと嬉しそうに答えてくれた。そんな満面の笑みを返されるとこっちも嬉しくなってしまう。
なんだか、みんなを幸せにするために転移されたのかなと誤解してしまう程に嬉しくなってしまった。
そして、そんな妄想を打ち消すかのように奴の声が聞こえてきた。
『順位報告の時間だよ~』
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