制作スキル持ちのリビングマスター ~異世界覇者への道~

カムイイムカ(神威異夢華)

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第2章 国

第49話 ハーピー

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「キィキィ!」

 猿のような鳴き声で迫ってくるハーピー。接近戦と風魔法が得意なようだけど、難なく処理出来てきた。
 マジックバッグから取り出したリビングアーマーと鉄騎士をおとりにマイルとアイリが魔法で撃ち落とした。マジックバッグを手に入れてから帰るときはリビングアーマー達をそのまま出していて驚かれていたけど、カイジョウの街に帰す以外のリビングアーマーと鉄騎士は回収しておいたんだよね。
 マジックバッグは生物は入れられないけど、リビングアイテム達は大丈夫みたいだ。これはいい誤算。

「これで最後! 【ファイアボール】」

「ギイィ!?」

 最後のハーピーを撃ち落とすマイル。彼女の魔法はかなりの域に達してきたように感じるな。アイリも見事な魔法で撃ち落としていたよ、まあ、剣君とリックにガードされてだけどね。

「終わりましたね」

「アイテム回収するね~」

 戦闘が終わって、アイテムドロップを確認する。
 ハーピーの羽が大体で肉は落ちていない。さすがにあんなに人間に似ている魔物の肉は食いたくないので良かった。だけど、一つ気になるアイテムが落ちていた。

「ハーピーの卵?」

 卵が落ちていたのだ。たぶん、無精卵だと思う。だって、ドロップ品だからね。流石に有精卵がアイテムドロップって可笑しいと思う。

「ハーピーの卵は美味しいんですよ。それに万病に効くと聞きます」

「へ~。じゃあ食べてみようか」

 ひょいと拾って話す。どうやら、美味しいらしい。そう言えば卵を手に入れる伝手が欲しかったんだよな。トーストに目玉焼き、うん、食べたいな。

「お兄ちゃん!?」

「卵が割れてますよ!?」

「え?」

 マイルとアイリの指摘で手に持った卵を見つめる。卵に亀裂が走ってパカッと開いた。
 卵の中から二匹の手のひらサイズのハーピーが現れた。赤と青の羽の色がきれいな双子が生まれたようだ。

「「ピ~? ピピ~」」

「おう……」

「なついてますね」

 双子のハーピーが俺の顔面に飛びついてきた。なつかれてしまったらしい
 鳥の習性でそんなのあったな~。何だっけ刷り込みだっけか? それで初めに見た相手を親だと思い込むんだよな。

「いい加減離れなさい」

「「ピ~?」」

 おう、手のひらサイズのハーピーは最高にかわいいな。戦ったハーピーは目を血走らせていたけど、この子達は普通の人間のような瞳で見つめてくる。元の世界で例えるとまんまフィギュアって感じだな。ハーピーのフィギュアが指くわえて俺の言う事を守って抱き着くのをやめているのはかなり可愛い。

「食べ物どうしよう?」

「ハーピーは肉食なだけで人肉じゃなくても大丈夫ですよ」

 疑問に思ったのでマイルに聞くと、人肉じゃなくても大丈夫なようだ。よかった。

「お兄ちゃん! ハーピー飼うの?」

「ん? ああ、羽化しちゃったならちゃんと育てないとな。それに空の戦力は多い方がいい」

 アイリが目を輝かせて聞いてきたので答える。レイグランドの軍みたいにドラゴンを使ってくる敵は多いだろ。あんな軍でも使ってきたんだからもっとすごい所はもっといっぱいいるかもしれない。まあ、うちのミスリルの弓君達には勝てないだろうけどな。

「ガンジさんに作ってもらった白いパンとステーキだけど、食べれるか?」

「「ピピ~」」

 うむ、食べられるようだ。勢いよくかぶりついている。

 可愛いんだけど、言葉は話せないのか?

「言葉は話せないんですかね?」

「話せるようにならないのかな?」

 マイルも思っていたようで呟いている。リックも見つめて話している。すると、双子のハーピーの青いほうがリックの口を見つめている。

「あれ? 僕に何か?」

「ピピ? ぴゃぴゃにゃ?」

 んん? リックの口を真似しているのか?

「言葉が分かるのか?」

「こ……ことばがピピニャラ……」

「賢いな」

 何度か試すが言葉はまだまだといった様子の青い子。青い子はすぐにでも言葉が話せるようになりそうだな。赤い方はお肉に夢中でまだ食べている。役割としては赤はお馬鹿で青は賢いといった感じか、これもテンプレっぽいな。

 思いもよらぬ所で仲間が増えました。

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