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第2章 国
第56話 戦争
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街に帰ってきて三日。特に何もなく普通の朝を迎えた。
「はい! ここで突きいれます。やってみて」
『はい!』
アズとイズが来てからアダム達、エレベスの孤児達の訓練の声が木霊してる。その様子を見るのが朝の日課になりつつある。
「アズ、イズおはよう」
「「あ、ああ。……」」
アズとイズはまだまだ俺とは仲良くなれないようでぎこちなく声を漏らした。まあ、なれ合いをしようとは思っていないのでいいんだけど、子供の手前、挨拶はしっかりしてほしいもんだ。
「あ~先生達またヒフミに挨拶しない~」
「僕らには言うくせに~」
「「うるさい。これには色々あるんだ」」
子供達の指摘に双子は声をかぶせて言い訳を言っている。この数日のいつもの風景だな。
「これこれ、アズとイズをいじめんでくれよ」
グレイが笑いながら子供達の頭を撫でて話す。今ではグレイも子供達のおじいちゃんと言った感じだ。いきなり、お兄ちゃんお姉ちゃんを得て、更にお爺ちゃんまで得たことで子供達はかなりハイテンションになっている。剣術を教えさせているけど、みんな熱心に勉強しているよ。
アダムは帝王学みたいなものを教え込まれていて戦術なんかも学んでいるな。グレイは新たに将軍を生もうとしているようだ、伊達に年取っていないな。アダムは嫌じゃなさそうなのでそのままにしておく、もしかしたら俺が元の世界に戻った時にこの街を任せる存在が必要だしな。まあ、願いが叶ったらテセリウスに一矢報いるつもりだけどな。
「ヒフミ様! 何か見えます!」
「ん? なんだ?」
城壁の上からマイルが叫んでいる。焦っている様子なので急いで向かう、城壁に上って、マイルが指さす方を見ると土煙が上がっているのが見える。あの様子はレイグランドが来た時みたいだ。
「ヒフミ殿、どうやら、王は我々を許さないようだ」
「あ~やっぱり?」
グレイも城壁に上ってきて話す。思った通りレギントス帝国の軍みたいだ。
地平線がすべて騎兵で埋め尽くされている。まったく、自分の息子がやられたのを知らないのか? どんなに人を揃えようとも鉄騎士達には勝てないぞ。それとも勝てる見込みがあるのか?
「レギントス王は何か策があるのか?」
「……いや、ないだろう。レイグランドは卑劣な手段で殺されたと言っていたからな。生き残りからちゃんと情報を聞き取ることはしなかっただろう」
「まじか?」
「ふむ、儂はちゃんと聞き取りをしたんじゃがな。レギントス王は頭に血が上ってしまっていた。儂の言っていることも聞き取れていなかったようじゃな」
どうやら、レギントス王は碌なものじゃないようだ。グレイが出て来たのは嫌気がさしたのが大きいのかもしれないな。
「しかし、多いな~」
地平線を埋め尽くす騎兵。全身鎧で馬も装甲車のように着飾っているよ。できるだけ、馬は確保したいな。子供達にも馬術を教えてやりたい、できれば貿易に行けるくらいにはしてやりたいな。
「ん!? 弓君! 上空へ!」
「御意!」
レイグランドの時のようにドラゴン兵が空へと飛び立った。弓君を上空へと放ち、撃ち落とさせる。
しばらく、空でドラゴンの炎と弓君の矢の戦闘が繰り広げられる。前回よりもドラゴンは頑張っているな。
「ドラゴンも鎧を着ていて目を守るように戦ってきているな」
「ほ~、王もちゃんと聞き込みしていたようだ」
「ようだじゃねえよ。仕方ない……杖君、出番」
「御意!」
弓の攻略法を考えたんだろうけど、こっちには杖君がいるんだよな~。鉄の杖が空に飛んでいく。ドラゴンは20機はいるから50体ほど杖を送ったよ。圧倒的に勝とうじゃないの。
「って何あれ……」
「ドラゴン!?」
空にレギントスのドラゴンとは別のドラゴンが現れた。ドラゴンというよりも龍といった感じのものが空を舞っている。龍に触れたドラゴン兵が次々と落ちてくる。
「あれはまさか、魔法なのか?」
「あんな魔法聞いたことないぞ」
アズとイズが驚きながら見上げている。あれが魔法で作れるっていうのか? 魔法って事は杖達が作ったって事だよな。精霊達はどこまで行くんだ?
「はい! ここで突きいれます。やってみて」
『はい!』
アズとイズが来てからアダム達、エレベスの孤児達の訓練の声が木霊してる。その様子を見るのが朝の日課になりつつある。
「アズ、イズおはよう」
「「あ、ああ。……」」
アズとイズはまだまだ俺とは仲良くなれないようでぎこちなく声を漏らした。まあ、なれ合いをしようとは思っていないのでいいんだけど、子供の手前、挨拶はしっかりしてほしいもんだ。
「あ~先生達またヒフミに挨拶しない~」
「僕らには言うくせに~」
「「うるさい。これには色々あるんだ」」
子供達の指摘に双子は声をかぶせて言い訳を言っている。この数日のいつもの風景だな。
「これこれ、アズとイズをいじめんでくれよ」
グレイが笑いながら子供達の頭を撫でて話す。今ではグレイも子供達のおじいちゃんと言った感じだ。いきなり、お兄ちゃんお姉ちゃんを得て、更にお爺ちゃんまで得たことで子供達はかなりハイテンションになっている。剣術を教えさせているけど、みんな熱心に勉強しているよ。
アダムは帝王学みたいなものを教え込まれていて戦術なんかも学んでいるな。グレイは新たに将軍を生もうとしているようだ、伊達に年取っていないな。アダムは嫌じゃなさそうなのでそのままにしておく、もしかしたら俺が元の世界に戻った時にこの街を任せる存在が必要だしな。まあ、願いが叶ったらテセリウスに一矢報いるつもりだけどな。
「ヒフミ様! 何か見えます!」
「ん? なんだ?」
城壁の上からマイルが叫んでいる。焦っている様子なので急いで向かう、城壁に上って、マイルが指さす方を見ると土煙が上がっているのが見える。あの様子はレイグランドが来た時みたいだ。
「ヒフミ殿、どうやら、王は我々を許さないようだ」
「あ~やっぱり?」
グレイも城壁に上ってきて話す。思った通りレギントス帝国の軍みたいだ。
地平線がすべて騎兵で埋め尽くされている。まったく、自分の息子がやられたのを知らないのか? どんなに人を揃えようとも鉄騎士達には勝てないぞ。それとも勝てる見込みがあるのか?
「レギントス王は何か策があるのか?」
「……いや、ないだろう。レイグランドは卑劣な手段で殺されたと言っていたからな。生き残りからちゃんと情報を聞き取ることはしなかっただろう」
「まじか?」
「ふむ、儂はちゃんと聞き取りをしたんじゃがな。レギントス王は頭に血が上ってしまっていた。儂の言っていることも聞き取れていなかったようじゃな」
どうやら、レギントス王は碌なものじゃないようだ。グレイが出て来たのは嫌気がさしたのが大きいのかもしれないな。
「しかし、多いな~」
地平線を埋め尽くす騎兵。全身鎧で馬も装甲車のように着飾っているよ。できるだけ、馬は確保したいな。子供達にも馬術を教えてやりたい、できれば貿易に行けるくらいにはしてやりたいな。
「ん!? 弓君! 上空へ!」
「御意!」
レイグランドの時のようにドラゴン兵が空へと飛び立った。弓君を上空へと放ち、撃ち落とさせる。
しばらく、空でドラゴンの炎と弓君の矢の戦闘が繰り広げられる。前回よりもドラゴンは頑張っているな。
「ドラゴンも鎧を着ていて目を守るように戦ってきているな」
「ほ~、王もちゃんと聞き込みしていたようだ」
「ようだじゃねえよ。仕方ない……杖君、出番」
「御意!」
弓の攻略法を考えたんだろうけど、こっちには杖君がいるんだよな~。鉄の杖が空に飛んでいく。ドラゴンは20機はいるから50体ほど杖を送ったよ。圧倒的に勝とうじゃないの。
「って何あれ……」
「ドラゴン!?」
空にレギントスのドラゴンとは別のドラゴンが現れた。ドラゴンというよりも龍といった感じのものが空を舞っている。龍に触れたドラゴン兵が次々と落ちてくる。
「あれはまさか、魔法なのか?」
「あんな魔法聞いたことないぞ」
アズとイズが驚きながら見上げている。あれが魔法で作れるっていうのか? 魔法って事は杖達が作ったって事だよな。精霊達はどこまで行くんだ?
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