13 / 55
第一章
第13話 ゴブリン
しおりを挟む
「ん~。ルファー君の氷は美味しい」
「ん、皮袋に水と一緒に入れておくと外でも美味しく飲める」
目的地に向かいながら街道を進んでいるとイレレイさんとベルルさんが話す。
氷ってこの時代くらいだと高級品だからな~。まあ、魔法のおかげで結構流通してるみたいだけどね。それでも氷魔法に適性がある人しか使えないから大銅貨一枚はすっごい安いとか。
そのうち商人ギルドに目をつけられてしまいそうだな。孤児院の話もしたいからその時に話してみるかな。
「そろそろ見えてくるんだな」
見晴らしのいい街道を進んでいるとワッタさんが声をあげた。
彼の視線の先を見ると大きな森が見えてきた。
「ん、近い森での狩り。新人はここから始まる」
「え? それじゃ私達の為に?」
「ふふ、ベルルは優しいわよね~。フィル君達ならもっと強いのでも大丈夫なのに」
ベルルさんが呟くとルリが質問する。それにこたえるようにイレレイさんが答えるとベルルさんがそっぽを向いた。
恥ずかしくて顔を背けたみたいだ。彼女は本当に優しいな。新人の僕らに合わせてくれるなんて。
「でも、それじゃみんなのランクの依頼よりも報酬が安いんじゃ?」
「何言ってるの。今日は見学じゃないんだから、フィル君もパーティーの一員でしょ。それならパーティーにあった依頼を受けないと」
「そう、今の私達はフィルたち同じランクのFってこと。Eランクのゴブリンが私達の依頼ってこと」
ははは、本当に優しいな。僕の疑問にイレレイさんとベルルさんが微笑んで答えてくれた。
ワッタさんもニッコリと笑って盾を掲げてる。
「早速見つけたんだな。討伐数はいくつで終わり?」
「ん、20体」
「巣に満たないくらいの数か。じゃあ先行するんだな」
依頼内容を確認するとワッタさんがゴブリンに近づいていく。
こっちに気づいていないゴブリンは背後からワッタさんに頭をかち割られて絶命していった。
「ん、ワッタ。フィルとルリにやらせてあげないと」
「あっ。そうだったんだな。ごめんフィル、ルリ」
ベルルさんが杖でワッタさんをつつく。
別に僕らは気にしてないんだけど、ワッタさんは真剣に謝ってくる。僕とルリは首を振って応えるとワッタさんは頭を掻いてもうしわけなさそうに笑ってる。
「ん、フィルはすべての魔法適性をもってる。マナよ。我が敵を撃て【ファイアバレット】って詠唱すれば使える。ルリは同じ詠唱で【ホーリーバレット】って唱えれば使える」
「「はい!」」
「ふふ、すっかりベルルが先生になったわね~。それ以上のことも教えちゃったりして~」
「ん、イレレイは黙ってて」
ベルルさんが魔法の詠唱を教えてくれているとニヤニヤとイレレイさんが彼女を揶揄いはじめた。それ以上って大魔法とか極大魔法のことかな? 普通に知りたいんだけど、まずは中級魔法だよね。今教わっているのは初級魔法だろうから。
「ベルルさん。僕、教わりたいです」
「「「ええ!?」」」
「中級魔法とか、大魔法とか!」
「あ、そういうことね……」
「よ、よかった……」
ベルルさんに目を輝かせて言うとルリと二人が驚き戸惑った。
魔法を教わりたいというとイレレイさんとルリが何かつぶやいてる。聞こえなかったけどイレレイさんは残念そうでルリはホッとしてる。何を想像していたんだろうか?
「ん、フィルはいい子だからそうだと思った」
顔を真っ赤にして顔を背けるベルルさんが呟いてる。なんだか艶めいてるように見える?
「えっと~そろそろいかないか?」
「は~い。ベルル先生行きましょう」
「もう! イレレイ!」
「痛、いたたた~。先生痛いよ~」
「まだ言う!」
ワッタさんが困惑しながら出発を急かすとイレレイさんが手をあげて声をあげた。またまたイレレイさんがベルルさんを揶揄って杖で叩かれてる。結構強く叩いているけど大丈夫なのかな?
ワッタさんを先頭に森の中に入る。さっきのゴブリンは見張りのような立場だったのかもしれない。
森の外で敵が来ないかを見張っていたんだろう。それにしては隙だらけだったけどね。
「ありゃ? 集落が出来てる?」
ワッタさんの背に乗ってイレレイさんが声をあげた。ワッタさんの身長は2メートルくらいはあるからよく見えるだろうな。ってそうじゃない。集落って大丈夫なのかな? この人数じゃ危ないんじゃ?
「ん、ゴブリンの報酬はあんまりよくないから間引きが滞ったみたい」
「ん~、少しきついかな。キングとかロードがいたらまず勝てないしね」
「ん、一時撤退かな。残念、フィル達に経験をつんでほしかったのに」
仕方なく撤退という判断になった。ベルルさんとイレレイさんが本当に残念そうにしてくれてる。
ゴブリンはこの世界のGの位置にいる存在。一匹いれば三十匹はいるって言われている存在だ。間引きを毎日に近いほどしていないと一気に増えてしまう。
ちゃんと間引きしないといけないけど、報酬が安いから新人くらいしかやらないんだろうな。
「あっ!? 気づかれたんだな!」
「「「「ええ!?」」」」
ワッタさんが声をあげた。みんなで顔を見合ってゴブリンの集落に視線を移す。ゴブリンがこん棒とかをもってこっちに向かってくる。
「ど、どうしよう」
「ルリちゃん落ち着いて」
「ん、一旦撃退する。勝てないと思ったらゴブリン達はリーダーを呼びに行くはず。その時に逃げよう」
ルリが困惑してるとイレレイさんが落ち着かせてる。ベルルがみんなに指示を飛ばすとみんな頷いて武器を構えた。
「ん、皮袋に水と一緒に入れておくと外でも美味しく飲める」
目的地に向かいながら街道を進んでいるとイレレイさんとベルルさんが話す。
氷ってこの時代くらいだと高級品だからな~。まあ、魔法のおかげで結構流通してるみたいだけどね。それでも氷魔法に適性がある人しか使えないから大銅貨一枚はすっごい安いとか。
そのうち商人ギルドに目をつけられてしまいそうだな。孤児院の話もしたいからその時に話してみるかな。
「そろそろ見えてくるんだな」
見晴らしのいい街道を進んでいるとワッタさんが声をあげた。
彼の視線の先を見ると大きな森が見えてきた。
「ん、近い森での狩り。新人はここから始まる」
「え? それじゃ私達の為に?」
「ふふ、ベルルは優しいわよね~。フィル君達ならもっと強いのでも大丈夫なのに」
ベルルさんが呟くとルリが質問する。それにこたえるようにイレレイさんが答えるとベルルさんがそっぽを向いた。
恥ずかしくて顔を背けたみたいだ。彼女は本当に優しいな。新人の僕らに合わせてくれるなんて。
「でも、それじゃみんなのランクの依頼よりも報酬が安いんじゃ?」
「何言ってるの。今日は見学じゃないんだから、フィル君もパーティーの一員でしょ。それならパーティーにあった依頼を受けないと」
「そう、今の私達はフィルたち同じランクのFってこと。Eランクのゴブリンが私達の依頼ってこと」
ははは、本当に優しいな。僕の疑問にイレレイさんとベルルさんが微笑んで答えてくれた。
ワッタさんもニッコリと笑って盾を掲げてる。
「早速見つけたんだな。討伐数はいくつで終わり?」
「ん、20体」
「巣に満たないくらいの数か。じゃあ先行するんだな」
依頼内容を確認するとワッタさんがゴブリンに近づいていく。
こっちに気づいていないゴブリンは背後からワッタさんに頭をかち割られて絶命していった。
「ん、ワッタ。フィルとルリにやらせてあげないと」
「あっ。そうだったんだな。ごめんフィル、ルリ」
ベルルさんが杖でワッタさんをつつく。
別に僕らは気にしてないんだけど、ワッタさんは真剣に謝ってくる。僕とルリは首を振って応えるとワッタさんは頭を掻いてもうしわけなさそうに笑ってる。
「ん、フィルはすべての魔法適性をもってる。マナよ。我が敵を撃て【ファイアバレット】って詠唱すれば使える。ルリは同じ詠唱で【ホーリーバレット】って唱えれば使える」
「「はい!」」
「ふふ、すっかりベルルが先生になったわね~。それ以上のことも教えちゃったりして~」
「ん、イレレイは黙ってて」
ベルルさんが魔法の詠唱を教えてくれているとニヤニヤとイレレイさんが彼女を揶揄いはじめた。それ以上って大魔法とか極大魔法のことかな? 普通に知りたいんだけど、まずは中級魔法だよね。今教わっているのは初級魔法だろうから。
「ベルルさん。僕、教わりたいです」
「「「ええ!?」」」
「中級魔法とか、大魔法とか!」
「あ、そういうことね……」
「よ、よかった……」
ベルルさんに目を輝かせて言うとルリと二人が驚き戸惑った。
魔法を教わりたいというとイレレイさんとルリが何かつぶやいてる。聞こえなかったけどイレレイさんは残念そうでルリはホッとしてる。何を想像していたんだろうか?
「ん、フィルはいい子だからそうだと思った」
顔を真っ赤にして顔を背けるベルルさんが呟いてる。なんだか艶めいてるように見える?
「えっと~そろそろいかないか?」
「は~い。ベルル先生行きましょう」
「もう! イレレイ!」
「痛、いたたた~。先生痛いよ~」
「まだ言う!」
ワッタさんが困惑しながら出発を急かすとイレレイさんが手をあげて声をあげた。またまたイレレイさんがベルルさんを揶揄って杖で叩かれてる。結構強く叩いているけど大丈夫なのかな?
ワッタさんを先頭に森の中に入る。さっきのゴブリンは見張りのような立場だったのかもしれない。
森の外で敵が来ないかを見張っていたんだろう。それにしては隙だらけだったけどね。
「ありゃ? 集落が出来てる?」
ワッタさんの背に乗ってイレレイさんが声をあげた。ワッタさんの身長は2メートルくらいはあるからよく見えるだろうな。ってそうじゃない。集落って大丈夫なのかな? この人数じゃ危ないんじゃ?
「ん、ゴブリンの報酬はあんまりよくないから間引きが滞ったみたい」
「ん~、少しきついかな。キングとかロードがいたらまず勝てないしね」
「ん、一時撤退かな。残念、フィル達に経験をつんでほしかったのに」
仕方なく撤退という判断になった。ベルルさんとイレレイさんが本当に残念そうにしてくれてる。
ゴブリンはこの世界のGの位置にいる存在。一匹いれば三十匹はいるって言われている存在だ。間引きを毎日に近いほどしていないと一気に増えてしまう。
ちゃんと間引きしないといけないけど、報酬が安いから新人くらいしかやらないんだろうな。
「あっ!? 気づかれたんだな!」
「「「「ええ!?」」」」
ワッタさんが声をあげた。みんなで顔を見合ってゴブリンの集落に視線を移す。ゴブリンがこん棒とかをもってこっちに向かってくる。
「ど、どうしよう」
「ルリちゃん落ち着いて」
「ん、一旦撃退する。勝てないと思ったらゴブリン達はリーダーを呼びに行くはず。その時に逃げよう」
ルリが困惑してるとイレレイさんが落ち着かせてる。ベルルがみんなに指示を飛ばすとみんな頷いて武器を構えた。
95
あなたにおすすめの小説
ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。
追放されたので田舎でスローライフするはずが、いつの間にか最強領主になっていた件
言諮 アイ
ファンタジー
「お前のような無能はいらない!」
──そう言われ、レオンは王都から盛大に追放された。
だが彼は思った。
「やった!最高のスローライフの始まりだ!!」
そして辺境の村に移住し、畑を耕し、温泉を掘り当て、牧場を開き、ついでに商売を始めたら……
気づけば村が巨大都市になっていた。
農業改革を進めたら周囲の貴族が土下座し、交易を始めたら王国経済をぶっ壊し、温泉を作ったら各国の王族が観光に押し寄せる。
「俺はただ、のんびり暮らしたいだけなんだが……?」
一方、レオンを追放した王国は、バカ王のせいで経済崩壊&敵国に占領寸前!
慌てて「レオン様、助けてください!!」と泣きついてくるが……
「ん? ちょっと待て。俺に無能って言ったの、どこのどいつだっけ?」
もはや世界最強の領主となったレオンは、
「好き勝手やった報い? しらんな」と華麗にスルーし、
今日ものんびり温泉につかるのだった。
ついでに「真の愛」まで手に入れて、レオンの楽園ライフは続く──!
辺境のスローライフを満喫したいのに、料理が絶品すぎて冷酷騎士団長に囲い込まれました
腐ったバナナ
恋愛
異世界に転移した元会社員のミサキは、現代の調味料と調理技術というチート能力を駆使し、辺境の森で誰にも邪魔されない静かなスローライフを送ることを目指していた。
しかし、彼女の作る絶品の料理の香りは、辺境を守る冷酷な「鉄血」騎士団長ガイウスを引き寄せてしまった。
最強の赤ん坊! 異世界に来てしまったので帰ります!
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
病弱な僕は病院で息を引き取った
お母さんに親孝行もできずに死んでしまった僕はそれが無念でたまらなかった
そんな僕は運がよかったのか、異世界に転生した
魔法の世界なら元の世界に戻ることが出来るはず、僕は絶対に地球に帰る
異世界でのんびり暮らしたいけど、なかなか難しいです。
kakuyuki
ファンタジー
交通事故で死んでしまった、三日月 桜(みかづき さくら)は、何故か異世界に行くことになる。
桜は、目立たず生きることを決意したが・・・
初めての投稿なのでよろしくお願いします。
余命半年のはずが?異世界生活始めます
ゆぃ♫
ファンタジー
静波杏花、本日病院で健康診断の結果を聞きに行き半年の余命と判明…
不運が重なり、途方に暮れていると…
確認はしていますが、拙い文章で誤字脱字もありますが読んでいただけると嬉しいです。
ジャングリラ~悪魔に屠られ魔王転生。死の森を楽園に変える物語~
とんがり頭のカモノハシ
ファンタジー
「別の世界から勇者を召喚する卑怯な手口」に業を煮やした堕天使・ルシファーにより、異世界へ魔王として転生させられた大学生・左丹龍之介。
先代・魔王が勇者により討伐されて100年――。
龍之介が見たものは、人魔戦争に敗れた魔族が、辺境の森で厳しい生活を余儀なくされている姿だった。
魔族の生活向上を目指し、龍之介は元魔王軍の四天王、悪魔公のリリス、フェンリルのロキア、妖狐の緋魅狐、古代龍のアモンを次々に配下に収めていく。
バラバラだった魔族を再び一つにした龍之介は、転生前の知識と異世界の人間の暮らしを参考に、森の中へ楽園を作るべく奔走するのだが……
荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明
まったりー
ファンタジー
主人公はダンジョンに向かう冒険者の荷物を持つポーターと言う職業、その職業に必須の収納魔法を持っていないことで悲惨な毎日を過ごしていました。
そんなある時仕事中に前世の記憶がよみがえり、ステータスを確認するとユニークスキルを持っていました。
その中に前世で好きだったゲームに似た空間魔法があり街づくりを始めます、そしてそこから人生が思わぬ方向に変わります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる