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第一章
第27話 完勝
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「そ、空?」
「フィル? 私達洞窟にいたんだよね?」
みんな天を見上げて呟く。ルリの言葉に頷くことしかできない。流石にこんなことになるとは思わなかった。
「じゃあもう大丈夫だよね。僕は帰るよマスター」
「あ、うん。ありがとうシルフ」
シルフが僕らに手を振って別れを告げる。空に飛んでいくとすぐに消えていった。流石は風の精霊だな。こんな威力の爆発を逸らしちゃうんだからね。
「!? イレレイは! イレレイは無事なのか?」
ジムさんが血相を変えて叫ぶ。
奥深くまで潜っていた僕らの上にはイレレイさんがいたはず。僕らの居た位置から上の大地がなくなったってことはもしかしたら……。
「ああ~! 無事だった~。良かったよ~。急に洞窟から炎の光が空まで伸びたから心配したよ~」
「イレレイ!」
壁の上からイレレイさんが僕らに声をかけてくる。ジムさんは目に涙を浮かべて叫んでる。
みんな無事でよかった。
「ありがとうございました!」
ホッと胸を撫でおろしてるとウサギ耳の少女がお礼を言って来た。彼女の後ろには子供が10人以上いる。僕らよりも小さな子供ばかりだ。
「無事でよかったよ」
「はい……ですが……。この後私達はどうなるんでしょうか」
ジムさんが優しく話しかけるとウサギ耳の少女は俯いて呟いた。奴隷として売られた彼女達は主人がいなくなった。
この場合、決まりがある。
「ん、フィルのものになるかな……」
「ええ!? なんで?」
ベルルさんが僕を見つめて話す。
この世界の奴隷はものとして見られる。物の持ち主がいなくなったらそれを拾った人が次の持ち主になる……前世の記憶がある僕としては拾った人のものになるって言うところに違和感が凄いんだけど、そうなるみたい。
でも、なんで僕になるの? ジムさんとかベルルさんじゃ?
「フィル。今回は完全に君のおかげだよ」
「ああ、あの状況じゃ死んでたからな。俺も賛成だ」
「おいらも文句はないよ。あ~早く帰ってお腹いっぱい食べ物が食べたいんだな~」
ジムさん達もベルルさんと同じ意見みたいだ。ワッタさんなんか当たり前かのように帰った後のことを話してるよ。
「で、でも……」
「フィル。いいんじゃないかな?」
「ルリ?」
「だって、孤児院を作るんでしょ?」
孤児院を作るんだから彼女達を手に入れてもいいってこと? なんだか卵が先か鶏が先か的な話になってきたな。
「僕らもルリに賛成かな」
「うん。とにかく孤児院を手に入れないといけないわけだもんね。働ける人が増えればもっと早く手に入れられるはずだもんね」
ルファーとリファも賛成みたい。ん~、そうなんだけど……。
「なるほどな。よし分かったフィル! 帰ったら俺達に奢れ」
「ふぁ、ファバルさん?」
「ようはこうだろ? 僕らだけ儲かって俺達が損してるって言いたいんだろ」
悩んでいるとファバルさんがポンと手を叩いて話しだす。
そうなんだよね。苦労したのはジムさん達の方だった。それなのに爆発から助けたシルフのマスターって言うだけで得をするのはおかしいと思ったんだ。ファバルさんはそんな僕の考えを読んでくれたみたい。
「ありがとうございますファバルさん」
「おいおい。俺は何も」
「ファバルは優しいんだな」
「ワッタ! おちょくってるのか」
「おちょくってないよファバル」
「ふ、ふん」
お礼を言うと顔を赤くするファバルさん。ワッタさんが褒めると照れ隠しに手を振り上げてる。それでも手をあげないのはファバルさんらしい。
「えっと」
「レイチェルです」
ウサギ耳の少女に近づいて口ごもると名乗ってくれた。
「僕が君たちの主人になることになったけど大丈夫かな?」
「はい! あなたは私達の命の恩人です。あなたがいなかったらみんな死んでいました」
レイチェルはそういって僕の手を握る。レイチェルは僕と同い年くらいかな?
「レイチェルお姉ちゃんお腹空いた」
「ああ、そうだったね。すぐにゲルグガルドに帰ろう」
レイチェルと話してると彼女に後ろにいた子が声をあげる。三歳くらいの子供もいて、本当に助けられてよかったよ。
「みんな~。ゲルグガルドの方から人が来てるよ~」
「え?」
イレレイさんが声をあげた。街の方から誰か来てるみたいだ。もしかして敵かな?
「何じゃこれは!」
首を傾げて考えていると声が聞こえてきた。
この声は聞いたことがあるような?
「ギルベンさん!」
ギルベンさんも情報を僕らから聞いていたから来ていたみたい。彼の後ろには多くの兵士達が並んでる。
「何があったんじゃおぬしら!」
血相を変えて聞いてくるギルベンさん。
「ん、ギルベンさん。すみません。とりあえず、私達を出してもらっていいですか?」
「お、そうじゃな」
ベルルさんが質問を遮って話す。ギルベンさんと兵士達が僕らを引き上げてくれる。
簡易でテントを作ってくれるギルベンさん。テントが出来上がると僕らは集められてギルベンさんと話すことになった。
「フィル? 私達洞窟にいたんだよね?」
みんな天を見上げて呟く。ルリの言葉に頷くことしかできない。流石にこんなことになるとは思わなかった。
「じゃあもう大丈夫だよね。僕は帰るよマスター」
「あ、うん。ありがとうシルフ」
シルフが僕らに手を振って別れを告げる。空に飛んでいくとすぐに消えていった。流石は風の精霊だな。こんな威力の爆発を逸らしちゃうんだからね。
「!? イレレイは! イレレイは無事なのか?」
ジムさんが血相を変えて叫ぶ。
奥深くまで潜っていた僕らの上にはイレレイさんがいたはず。僕らの居た位置から上の大地がなくなったってことはもしかしたら……。
「ああ~! 無事だった~。良かったよ~。急に洞窟から炎の光が空まで伸びたから心配したよ~」
「イレレイ!」
壁の上からイレレイさんが僕らに声をかけてくる。ジムさんは目に涙を浮かべて叫んでる。
みんな無事でよかった。
「ありがとうございました!」
ホッと胸を撫でおろしてるとウサギ耳の少女がお礼を言って来た。彼女の後ろには子供が10人以上いる。僕らよりも小さな子供ばかりだ。
「無事でよかったよ」
「はい……ですが……。この後私達はどうなるんでしょうか」
ジムさんが優しく話しかけるとウサギ耳の少女は俯いて呟いた。奴隷として売られた彼女達は主人がいなくなった。
この場合、決まりがある。
「ん、フィルのものになるかな……」
「ええ!? なんで?」
ベルルさんが僕を見つめて話す。
この世界の奴隷はものとして見られる。物の持ち主がいなくなったらそれを拾った人が次の持ち主になる……前世の記憶がある僕としては拾った人のものになるって言うところに違和感が凄いんだけど、そうなるみたい。
でも、なんで僕になるの? ジムさんとかベルルさんじゃ?
「フィル。今回は完全に君のおかげだよ」
「ああ、あの状況じゃ死んでたからな。俺も賛成だ」
「おいらも文句はないよ。あ~早く帰ってお腹いっぱい食べ物が食べたいんだな~」
ジムさん達もベルルさんと同じ意見みたいだ。ワッタさんなんか当たり前かのように帰った後のことを話してるよ。
「で、でも……」
「フィル。いいんじゃないかな?」
「ルリ?」
「だって、孤児院を作るんでしょ?」
孤児院を作るんだから彼女達を手に入れてもいいってこと? なんだか卵が先か鶏が先か的な話になってきたな。
「僕らもルリに賛成かな」
「うん。とにかく孤児院を手に入れないといけないわけだもんね。働ける人が増えればもっと早く手に入れられるはずだもんね」
ルファーとリファも賛成みたい。ん~、そうなんだけど……。
「なるほどな。よし分かったフィル! 帰ったら俺達に奢れ」
「ふぁ、ファバルさん?」
「ようはこうだろ? 僕らだけ儲かって俺達が損してるって言いたいんだろ」
悩んでいるとファバルさんがポンと手を叩いて話しだす。
そうなんだよね。苦労したのはジムさん達の方だった。それなのに爆発から助けたシルフのマスターって言うだけで得をするのはおかしいと思ったんだ。ファバルさんはそんな僕の考えを読んでくれたみたい。
「ありがとうございますファバルさん」
「おいおい。俺は何も」
「ファバルは優しいんだな」
「ワッタ! おちょくってるのか」
「おちょくってないよファバル」
「ふ、ふん」
お礼を言うと顔を赤くするファバルさん。ワッタさんが褒めると照れ隠しに手を振り上げてる。それでも手をあげないのはファバルさんらしい。
「えっと」
「レイチェルです」
ウサギ耳の少女に近づいて口ごもると名乗ってくれた。
「僕が君たちの主人になることになったけど大丈夫かな?」
「はい! あなたは私達の命の恩人です。あなたがいなかったらみんな死んでいました」
レイチェルはそういって僕の手を握る。レイチェルは僕と同い年くらいかな?
「レイチェルお姉ちゃんお腹空いた」
「ああ、そうだったね。すぐにゲルグガルドに帰ろう」
レイチェルと話してると彼女に後ろにいた子が声をあげる。三歳くらいの子供もいて、本当に助けられてよかったよ。
「みんな~。ゲルグガルドの方から人が来てるよ~」
「え?」
イレレイさんが声をあげた。街の方から誰か来てるみたいだ。もしかして敵かな?
「何じゃこれは!」
首を傾げて考えていると声が聞こえてきた。
この声は聞いたことがあるような?
「ギルベンさん!」
ギルベンさんも情報を僕らから聞いていたから来ていたみたい。彼の後ろには多くの兵士達が並んでる。
「何があったんじゃおぬしら!」
血相を変えて聞いてくるギルベンさん。
「ん、ギルベンさん。すみません。とりあえず、私達を出してもらっていいですか?」
「お、そうじゃな」
ベルルさんが質問を遮って話す。ギルベンさんと兵士達が僕らを引き上げてくれる。
簡易でテントを作ってくれるギルベンさん。テントが出来上がると僕らは集められてギルベンさんと話すことになった。
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