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第二章
第36話 黒い
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教会には鐘をつくための塔が建ってる。潜入するにはそこがいいと思ってそこに舞い降りる。ステータスがすごいことになってるからひとっ飛びだ。流石に正面から入るわけには行かないからね。まあ、できなくもないけど、無駄な争いをしてもね~。
「大司祭様! どうされますか?」
「私に聞くな!」
「ですが」
「うるさい! 自室に戻る。誰も通さないようにな!」
ガストはそういって扉を勢いよくしめた。
塔から潜入して螺旋階段を降りるとすぐ目の前がガストの自室だった。
司祭の男にお怒りのガスト。多くの司祭が冒険者になっちゃったから怒ってるんだろうな。
あれには僕らも驚きだったからな~。
「ん~、自室にこもられちゃうと調べられないな~」
部屋がどこかわかったのは良かったけど、ガストがいない間に入らないと調べられないな~。いっそのこと気絶させて。
「ああ、そうか。眠らせてしまえばいいのか」
前にアライアを眠らせた魔法があった。早速使おう。
『マスター。私の名前を呼んでください』
「ええ? 誰!」
魔法のことを考えていると声が聞こえてきた。驚きながら名を聞くとゲームなんかで聞いたことのある名前を告げられる。
『【ウンディーネ】です!』
「ははは、また大精霊さんからのご指名か……【ウンディーネ】」
塔の螺旋階段でウンディーネの名を呼んだ。急に呼ばれたから驚いたけど、思わず呼んでしまった。
水が僕の手から出てきて人の形を作っていく。イフリートやシルフよりもしっかりとした人になってる? 少し僕の力が強くなったから大精霊達もクッキリと形どっているのかもしれない。
「マスター。お呼びいただきありがとうございます」
「あ、うん。呼んでって言ったから呼んでみたんだけど?」
ウンディーネは可愛く微笑んでくれる。だけど、なんで来てくれたんだろう?
「水の魔法を使おうとしてくれたので折角だから私自ら使おうかと思いまして」
「そ、そんなことでわざわざ……ありがとうございます?」
畏まってお礼を言うとウンディーネは『いえいえ』って首をブンブン横に振って応えてくれた。少し僕に対して遠慮があるように見えるけど、どうしたんだろうか? まあ、それは置いておいてすぐにでも眠らせてもらおう。
「じゃあ、眠らせてくれる?」
「はい! 【エターナルスリープ】」
「ええ!? エターナルって!?」
英語読みの魔法ばかりでエターナルって永遠ってことでしょ! そんなたいそうなものはいらないんだけど、と思って声をあげたんだけど、時すでに遅し。
教会全体に霧が立ち込めてドサドサとあたりで音がする。少し歩いて教会内を見てみると司祭の服を着た人が何人か倒れてるのが見える。流石にやりすぎだと思っていると誇らしげにしてるウンディーネが見えた。
「どうですかマスター! 私使えますよね?」
「あ~うん。ありがとう」
キラキラした瞳で褒めてほしそうにするウンディーネ。褒めないと泣いちゃうんじゃないかと思って何も言わずにお礼を言った。
彼女は嬉しそうにガッツポーズをしてる。僕なんかに褒められて嬉しがるなんて変わった精霊さんだな~。
「さて、あれ? 鍵がかかってる?」
大司祭の部屋に入ろうと思ったら扉に鍵がかかってる。誰もいれるなと言っていたけど、鍵をかけてるなら入れないだろうに。
「開けますか?」
「いやいや。大丈夫だよ。自力で開けるからね~」
「そ、そうですか……」
シュンと明らかに落ち込むウンディーネ。扉あけるのに極大魔法とか使ってきそうだから遠慮しておいてもらう。眠らせてって言って永遠の眠りとかいう危ない魔法をつかった前科があるからな~。って言うかこの眠り魔法は解けるのかな? 少し不安だ。
「よっと! 壊れた壊れた」
扉を力強く押し込む。鍵の部分が壊れて普通に扉が開く。中に入ると机の前で前のめりに倒れてるガストがいた。顔から倒れてるよ、痛そう……。
「私の魔法は問答無用で眠らせますからね」
「す、凄いですね」
そんな様子を見たウンディーネがまたもや褒めてほしそうに目を輝かせる。褒めると嬉しそうに体をくねらせる。
「ああ、至高のマスターに褒められっぱなし。私とっても嬉しいです」
「至高のマスター?」
「はい! この世界一の精霊王です」
ウンディーネが変なことを言ってるぞ。精霊王って何のことだ?
「知らないのですか? あなた様は今、三柱の大精霊を召喚なさいました。これは人類が今だなしえなかった偉業でございます」
「ええ!?」
いやいや、名前を呼んでって言うから呼んでいるだけだよ、毎回君たちが呼んでって言うから言ってるだけなのに偉業とか言われても……。
「我々の言葉をしっかりと聞ける器、レベルを所持しているということなのです。目をつけても言葉が届かないものも多くて私達は人間界に下りれないことが多いのです。ですがあなた様は大変大きな器をお持ちのようで、快適でございます」
は~、器ね~。確かにレベルは超越者となってしまって限界突破したみたいだけど、そんな実感ないんだけどな~。
まあ、それはまた今度考えるとして、今はガストのことを調べていこうか。
「アライアの時と同じように紙の書類をしまって行こうかな」
全部調べてると時間がいくらあっても足りない。とにかく、書類を全部持っていっちゃおう。
「むむ、この男から精霊の香りが致します」
「え? 精霊の香り?」
「はい!」
書類をしまってると床とキスしてるガストを指さしてウンディーネが声をあげた。
精霊の香りってそんなものあるの?
「これは精霊の卵の可能性がありますね。それも高位な精霊です」
「高位?」
「我々大精霊とまではいかないでしょうがそれに近い精霊のことです」
ふふんと胸を張るウンディーネが説明してくれる。へ~、大精霊の下の精霊か~。気になるな~。
ということでガストのポケットを調べる。
あんまり男のポケットをまさぐるのは嫌な感じだけど致し方ない。
「あった! えっと? 黒い卵?」
ズボンのポケットから黒い卵が見つかった。ポケットに入れてるなんて割れたらどうするんだろうか?
「そ、それは! 黒龍の卵!?」
「黒龍?」
「は、早く放してくださいマスター!」
「え? 何をそ、んなにあせって……」
ウンディーネの言葉が薄れていく。なぜか意識が遠のいて目の前が真っ暗になっていく。
なぜだろう……眠くなってきた。
「大司祭様! どうされますか?」
「私に聞くな!」
「ですが」
「うるさい! 自室に戻る。誰も通さないようにな!」
ガストはそういって扉を勢いよくしめた。
塔から潜入して螺旋階段を降りるとすぐ目の前がガストの自室だった。
司祭の男にお怒りのガスト。多くの司祭が冒険者になっちゃったから怒ってるんだろうな。
あれには僕らも驚きだったからな~。
「ん~、自室にこもられちゃうと調べられないな~」
部屋がどこかわかったのは良かったけど、ガストがいない間に入らないと調べられないな~。いっそのこと気絶させて。
「ああ、そうか。眠らせてしまえばいいのか」
前にアライアを眠らせた魔法があった。早速使おう。
『マスター。私の名前を呼んでください』
「ええ? 誰!」
魔法のことを考えていると声が聞こえてきた。驚きながら名を聞くとゲームなんかで聞いたことのある名前を告げられる。
『【ウンディーネ】です!』
「ははは、また大精霊さんからのご指名か……【ウンディーネ】」
塔の螺旋階段でウンディーネの名を呼んだ。急に呼ばれたから驚いたけど、思わず呼んでしまった。
水が僕の手から出てきて人の形を作っていく。イフリートやシルフよりもしっかりとした人になってる? 少し僕の力が強くなったから大精霊達もクッキリと形どっているのかもしれない。
「マスター。お呼びいただきありがとうございます」
「あ、うん。呼んでって言ったから呼んでみたんだけど?」
ウンディーネは可愛く微笑んでくれる。だけど、なんで来てくれたんだろう?
「水の魔法を使おうとしてくれたので折角だから私自ら使おうかと思いまして」
「そ、そんなことでわざわざ……ありがとうございます?」
畏まってお礼を言うとウンディーネは『いえいえ』って首をブンブン横に振って応えてくれた。少し僕に対して遠慮があるように見えるけど、どうしたんだろうか? まあ、それは置いておいてすぐにでも眠らせてもらおう。
「じゃあ、眠らせてくれる?」
「はい! 【エターナルスリープ】」
「ええ!? エターナルって!?」
英語読みの魔法ばかりでエターナルって永遠ってことでしょ! そんなたいそうなものはいらないんだけど、と思って声をあげたんだけど、時すでに遅し。
教会全体に霧が立ち込めてドサドサとあたりで音がする。少し歩いて教会内を見てみると司祭の服を着た人が何人か倒れてるのが見える。流石にやりすぎだと思っていると誇らしげにしてるウンディーネが見えた。
「どうですかマスター! 私使えますよね?」
「あ~うん。ありがとう」
キラキラした瞳で褒めてほしそうにするウンディーネ。褒めないと泣いちゃうんじゃないかと思って何も言わずにお礼を言った。
彼女は嬉しそうにガッツポーズをしてる。僕なんかに褒められて嬉しがるなんて変わった精霊さんだな~。
「さて、あれ? 鍵がかかってる?」
大司祭の部屋に入ろうと思ったら扉に鍵がかかってる。誰もいれるなと言っていたけど、鍵をかけてるなら入れないだろうに。
「開けますか?」
「いやいや。大丈夫だよ。自力で開けるからね~」
「そ、そうですか……」
シュンと明らかに落ち込むウンディーネ。扉あけるのに極大魔法とか使ってきそうだから遠慮しておいてもらう。眠らせてって言って永遠の眠りとかいう危ない魔法をつかった前科があるからな~。って言うかこの眠り魔法は解けるのかな? 少し不安だ。
「よっと! 壊れた壊れた」
扉を力強く押し込む。鍵の部分が壊れて普通に扉が開く。中に入ると机の前で前のめりに倒れてるガストがいた。顔から倒れてるよ、痛そう……。
「私の魔法は問答無用で眠らせますからね」
「す、凄いですね」
そんな様子を見たウンディーネがまたもや褒めてほしそうに目を輝かせる。褒めると嬉しそうに体をくねらせる。
「ああ、至高のマスターに褒められっぱなし。私とっても嬉しいです」
「至高のマスター?」
「はい! この世界一の精霊王です」
ウンディーネが変なことを言ってるぞ。精霊王って何のことだ?
「知らないのですか? あなた様は今、三柱の大精霊を召喚なさいました。これは人類が今だなしえなかった偉業でございます」
「ええ!?」
いやいや、名前を呼んでって言うから呼んでいるだけだよ、毎回君たちが呼んでって言うから言ってるだけなのに偉業とか言われても……。
「我々の言葉をしっかりと聞ける器、レベルを所持しているということなのです。目をつけても言葉が届かないものも多くて私達は人間界に下りれないことが多いのです。ですがあなた様は大変大きな器をお持ちのようで、快適でございます」
は~、器ね~。確かにレベルは超越者となってしまって限界突破したみたいだけど、そんな実感ないんだけどな~。
まあ、それはまた今度考えるとして、今はガストのことを調べていこうか。
「アライアの時と同じように紙の書類をしまって行こうかな」
全部調べてると時間がいくらあっても足りない。とにかく、書類を全部持っていっちゃおう。
「むむ、この男から精霊の香りが致します」
「え? 精霊の香り?」
「はい!」
書類をしまってると床とキスしてるガストを指さしてウンディーネが声をあげた。
精霊の香りってそんなものあるの?
「これは精霊の卵の可能性がありますね。それも高位な精霊です」
「高位?」
「我々大精霊とまではいかないでしょうがそれに近い精霊のことです」
ふふんと胸を張るウンディーネが説明してくれる。へ~、大精霊の下の精霊か~。気になるな~。
ということでガストのポケットを調べる。
あんまり男のポケットをまさぐるのは嫌な感じだけど致し方ない。
「あった! えっと? 黒い卵?」
ズボンのポケットから黒い卵が見つかった。ポケットに入れてるなんて割れたらどうするんだろうか?
「そ、それは! 黒龍の卵!?」
「黒龍?」
「は、早く放してくださいマスター!」
「え? 何をそ、んなにあせって……」
ウンディーネの言葉が薄れていく。なぜか意識が遠のいて目の前が真っ暗になっていく。
なぜだろう……眠くなってきた。
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