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第一章
第2話 転生
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しかし、転生システムがあるのが分かったわけだけど、レベルをあげるすべがない。どうしよう。
解体のノルマを終えたので解体室から出て、冒険者ギルドに併設されている酒場でオレンジを絞ったジュースをのんで考え込む。
今回は運が良かった。普通のウルフよりも強い個体が生きた状態で解体に持ち込まれたからね。体が動かなくなっていたって言うのも運が良かった。って本当は運が悪いことに含まれそうだけど。
だけど、こんなことはあり得ないんだよな~。だって解体に持ち込まれるときにちゃんと検査されるはずなんだ。検査した人がサボったかな。
「あら? 解体は終わったのティル君」
「あっ、はい。ノルマは終わったので駆け込みがあってもいいようにここでジュースを飲んでました」
「ふふ、偉いわね。じゃあ、私も少し休憩しようかしら」
青い髪で小さい眼鏡をかけている女性、シーラさん。いつも優しくしてくれる彼女が向かいの椅子に座って僕と同じジュースを飲んでる。
「美味しいわね。体に染み渡る」
「は、はい。僕も好きです」
ジュースを一口飲んでシーラさんが呟く。肯定するとニッコリと微笑んでくれた。
天気の話や解体の数なんかを聞いてきたシーラさんに答える。そんな日常的な会話でこの幸せな時間は過ぎていった。
「そろそろ仕事に戻るわね。解体する魔物が生きていたことは上に言っておくから」
「あ、はい。お願いします」
「そうだ。レベルアップおめでとう」
「ありがとうございます」
シーラさんにウルフが生きていたことを伝えておいた。今回は運が良かったけど、またあったら僕は死んでいるかもしれないから、注意してもらうことにしたんだ。
レベルアップしたことは伝えたけど、転生したことは言ってない。今までの冒険者で転生をしたって言う人は聞いたことがない、というか上限なんて行った人はいないんだから。
もしもこの事が公になったら弱い僕じゃ身を守れそうもないから、だまっていることにしたんだ。強くなったらシーラさんにも知らせるつもりだ。
「ティル。解体してくれ」
「ああ、グレンさん。こんにちは」
大剣使いのグレンさんが大きな袋を引きずって冒険者ギルドにやってきた。グレンさんは一人で冒険者をしてる強者。赤い髪でとてもカッコいいお兄さんだ。
レベルも確か60にあがったって言ってたっけかな。
「ん? ティル、強くなったのか? ステータスが上がってるじゃないか」
グレンさんは僕を覗き込むように見てきて話す。彼は相手の強さがわかるスキル【鑑定】を持っている。
彼が強くなれたのはこれのおかげと彼自身が言ってた。自分一人で勝てる相手と戦い続けて強くなったんだってさ。
「はい、実は」
魔物が生きていたことを言うと机をどんと叩いて憤りを露わにする。
「まったく、何してんだ。魔物の息の根をとめるのを忘れるなんて、冒険者の風上にも置いておけんやつらだ」
「ははは」
グレンさんに愚痴を聞いてもらうと同意して怒ってくれた。
魔物の入った袋を確認しながら笑う。魔物はワイバーンだった。翼竜と言われるワイバーンはウルフの三倍は強い相手だ。
火は吐かないものの空を飛んでいるから厄介な相手なんだよな。僕もこんな奴を狩れればもっと早くレベルが上がるんだけど。
「しかし、運がよかったな。そうだ! ティル、俺とパーティーを組まないか?」
「えっ! 僕がグレンさんと?」
「ああ」
グレンさんは満面の笑みで僕を誘ってくれる。グレンさんみたいな冒険者のトップランカーとパーティーを組んでいいのだろうか? 僕みたいな雑魚が……
「おいおい、解体士に何言ってんだよグレン」
「そうだぜ。雑魚解体士とパーティーを組んだら雑魚が移る」
悩んでいるとさっきウルフを持ってきたザックっていう冒険者のパーティーが声をかけてきた。
「俺に話しかけてるのか? ザック」
「は?」
「ティルは雑魚じゃねえよ。解体中級を持ってるやつが他にどれだけいると思ってんだ。それに次会う時にはお前よりも強くなってるかもしれねえぞ」
「はぁ? ティルが俺より?」
「「ぷっ。はははは」」
「笑える冗談だな」
にらみ合うグレンさんとザック達。グレンさんの強さに嫉妬しているザックはいつも目の敵のようにいがみ合うんだ。
ザックは僕にいつも嫌みを言ってくるしね。あまりいい奴じゃない。取り巻きと一緒になって笑っているよ。
「じゃあ、勝負と行こうぜ」
「勝負?」
「ああ、ティルと俺で決闘だ。三日後に勝負ってのはどうよ」
ザックは笑みを浮かべて僕とグレンさんを交互に見て提案してきた。
僕がザックと決闘、ザックは確かこの間25レベルになったって言っていたっけ。グレンさんの半分にも満たないけど、それでも冒険者としては強い方だ。三日後なんて絶対に無理!
「よし、いいだろう」
「ぷふっ。本当に承諾しやがった」
「だが三日後じゃなくて一週間後だ」
「ああ、いいぜ。逃げるなよ」
グレンさんは自信満々に腕を組んで言い放った。僕の命も一週間か、短い命だったな。
ザックが笑うのも分かるよ。僕は本当に弱いからね。
「ぐ、グレンさん」
「はは、そんなに困った顔をするなよ。一週間もあるんだからな。強くなればいいんだ」
グレンさんは困った表情の僕を慰めてくれる。一週間もじゃなくて、一週間しかないんだよ。一週間じゃ普通の冒険者は五レベルも上げられないよ。どうするのこの状況、
「レベルが上がった経緯を聞いて思いついたんだよ。俺が寸止めしてティルがとどめを刺す。そうすれば簡単に上がるだろ」
「あっ!? そうか……」
前世で結構やったことがあるパワーレベリングだ。完全に忘れてた。
「よし。じゃあ行こうぜ」
「ええ! 解体は?」
「そんなもん後でいい。金もたんまりあるしな」
「ええ~」
困惑する僕を引きずりながらグレンさんはギルドを出る。なぜか笑顔のシーラさんが見送ってくれる。なんでこの状況で満面の笑みなのシーラさん?
解体のノルマを終えたので解体室から出て、冒険者ギルドに併設されている酒場でオレンジを絞ったジュースをのんで考え込む。
今回は運が良かった。普通のウルフよりも強い個体が生きた状態で解体に持ち込まれたからね。体が動かなくなっていたって言うのも運が良かった。って本当は運が悪いことに含まれそうだけど。
だけど、こんなことはあり得ないんだよな~。だって解体に持ち込まれるときにちゃんと検査されるはずなんだ。検査した人がサボったかな。
「あら? 解体は終わったのティル君」
「あっ、はい。ノルマは終わったので駆け込みがあってもいいようにここでジュースを飲んでました」
「ふふ、偉いわね。じゃあ、私も少し休憩しようかしら」
青い髪で小さい眼鏡をかけている女性、シーラさん。いつも優しくしてくれる彼女が向かいの椅子に座って僕と同じジュースを飲んでる。
「美味しいわね。体に染み渡る」
「は、はい。僕も好きです」
ジュースを一口飲んでシーラさんが呟く。肯定するとニッコリと微笑んでくれた。
天気の話や解体の数なんかを聞いてきたシーラさんに答える。そんな日常的な会話でこの幸せな時間は過ぎていった。
「そろそろ仕事に戻るわね。解体する魔物が生きていたことは上に言っておくから」
「あ、はい。お願いします」
「そうだ。レベルアップおめでとう」
「ありがとうございます」
シーラさんにウルフが生きていたことを伝えておいた。今回は運が良かったけど、またあったら僕は死んでいるかもしれないから、注意してもらうことにしたんだ。
レベルアップしたことは伝えたけど、転生したことは言ってない。今までの冒険者で転生をしたって言う人は聞いたことがない、というか上限なんて行った人はいないんだから。
もしもこの事が公になったら弱い僕じゃ身を守れそうもないから、だまっていることにしたんだ。強くなったらシーラさんにも知らせるつもりだ。
「ティル。解体してくれ」
「ああ、グレンさん。こんにちは」
大剣使いのグレンさんが大きな袋を引きずって冒険者ギルドにやってきた。グレンさんは一人で冒険者をしてる強者。赤い髪でとてもカッコいいお兄さんだ。
レベルも確か60にあがったって言ってたっけかな。
「ん? ティル、強くなったのか? ステータスが上がってるじゃないか」
グレンさんは僕を覗き込むように見てきて話す。彼は相手の強さがわかるスキル【鑑定】を持っている。
彼が強くなれたのはこれのおかげと彼自身が言ってた。自分一人で勝てる相手と戦い続けて強くなったんだってさ。
「はい、実は」
魔物が生きていたことを言うと机をどんと叩いて憤りを露わにする。
「まったく、何してんだ。魔物の息の根をとめるのを忘れるなんて、冒険者の風上にも置いておけんやつらだ」
「ははは」
グレンさんに愚痴を聞いてもらうと同意して怒ってくれた。
魔物の入った袋を確認しながら笑う。魔物はワイバーンだった。翼竜と言われるワイバーンはウルフの三倍は強い相手だ。
火は吐かないものの空を飛んでいるから厄介な相手なんだよな。僕もこんな奴を狩れればもっと早くレベルが上がるんだけど。
「しかし、運がよかったな。そうだ! ティル、俺とパーティーを組まないか?」
「えっ! 僕がグレンさんと?」
「ああ」
グレンさんは満面の笑みで僕を誘ってくれる。グレンさんみたいな冒険者のトップランカーとパーティーを組んでいいのだろうか? 僕みたいな雑魚が……
「おいおい、解体士に何言ってんだよグレン」
「そうだぜ。雑魚解体士とパーティーを組んだら雑魚が移る」
悩んでいるとさっきウルフを持ってきたザックっていう冒険者のパーティーが声をかけてきた。
「俺に話しかけてるのか? ザック」
「は?」
「ティルは雑魚じゃねえよ。解体中級を持ってるやつが他にどれだけいると思ってんだ。それに次会う時にはお前よりも強くなってるかもしれねえぞ」
「はぁ? ティルが俺より?」
「「ぷっ。はははは」」
「笑える冗談だな」
にらみ合うグレンさんとザック達。グレンさんの強さに嫉妬しているザックはいつも目の敵のようにいがみ合うんだ。
ザックは僕にいつも嫌みを言ってくるしね。あまりいい奴じゃない。取り巻きと一緒になって笑っているよ。
「じゃあ、勝負と行こうぜ」
「勝負?」
「ああ、ティルと俺で決闘だ。三日後に勝負ってのはどうよ」
ザックは笑みを浮かべて僕とグレンさんを交互に見て提案してきた。
僕がザックと決闘、ザックは確かこの間25レベルになったって言っていたっけ。グレンさんの半分にも満たないけど、それでも冒険者としては強い方だ。三日後なんて絶対に無理!
「よし、いいだろう」
「ぷふっ。本当に承諾しやがった」
「だが三日後じゃなくて一週間後だ」
「ああ、いいぜ。逃げるなよ」
グレンさんは自信満々に腕を組んで言い放った。僕の命も一週間か、短い命だったな。
ザックが笑うのも分かるよ。僕は本当に弱いからね。
「ぐ、グレンさん」
「はは、そんなに困った顔をするなよ。一週間もあるんだからな。強くなればいいんだ」
グレンさんは困った表情の僕を慰めてくれる。一週間もじゃなくて、一週間しかないんだよ。一週間じゃ普通の冒険者は五レベルも上げられないよ。どうするのこの状況、
「レベルが上がった経緯を聞いて思いついたんだよ。俺が寸止めしてティルがとどめを刺す。そうすれば簡単に上がるだろ」
「あっ!? そうか……」
前世で結構やったことがあるパワーレベリングだ。完全に忘れてた。
「よし。じゃあ行こうぜ」
「ええ! 解体は?」
「そんなもん後でいい。金もたんまりあるしな」
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困惑する僕を引きずりながらグレンさんはギルドを出る。なぜか笑顔のシーラさんが見送ってくれる。なんでこの状況で満面の笑みなのシーラさん?
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