7 / 57
第一章
第7話 いつもの風景
しおりを挟む
グレンさんと別れてギルドを後にする。
報酬は二人で分けて銀貨20枚。
これは僕の解体業の半年分くらいに当たる。
宿屋は一日大銅貨一枚で泊まれるから軽く2000日泊まれる。
通貨は日本と違ってコインが使われてる。
銅貨から始まって大銅貨、銀貨、大銀貨、金貨、大金貨、白金貨と上がる。100枚で次のコインに変えてもらえる。
通貨の両替とかは商人ギルドで出来るらしい。今まではお世話にならなかったけど、これからは行くことになるかもね。
「あ~ティルお兄ちゃんだ~」
「ん?」
宿屋に向かっていると女の子が声をかけてきた。
この子は僕を育ててくれた孤児院の女の子。シスターと一緒に買い物をしてたみたい、シスターが笑顔で手を振ってる。
「シスター。お買い物ですか?」
「ん、みんなでお買い物。ティルは?」
「僕はギルドに報告した帰りです」
「報告?」
シスターは首を傾げてる。みんなで買い物していたみたいで子供達も一緒に首を傾げてるな。
「仕事は解体だよね。報告はいらないんじゃ?」
あ~そういえば、今日から冒険者としてデビューしたからシスターは知らないんだった。それで不思議そうに聞いてたのか。
「実はギルドの手違いで死んでない魔物が解体室にきまして」
話ながら広場のベンチに座る。子供達は広場で遊びだした。
シスターに今日の事を告げると顔がどんどん怖くなっていった。
「ティル。そんな危険な仕事やめなさい」
「ちょ、ちょっとシスター」
「やめて、お願い」
シスターに抱きしめられて耳元で囁かれる。
彼女は転生した僕が初めて恋した存在、エルフで緑色の髪が腰まで伸びていてすっごい美人なんだよな~。
そんな人に耳元で囁かれたら聞かざる負えない状況なんだけど、ここは僕も男だ。グレンさんも裏切れないしね。
「シスター。僕ももう大人なんですよ。それにほら、お金が必要でしょ」
「それはそうだけど、そんな危険な仕事をしなくても解体業をしていればいいじゃない」
「僕も最初はそう思ったんだ。だけど、それじゃお金を稼いでシスターに楽させてあげられないんだ」
「ティル……そんなことを思っていてくれたの」
育ての親であり、初恋の相手でもあるシスター、エレステナさん。僕はこの人のために強くなる。強くなれるってわかったらそんな決意が芽生えた。手始めに銀貨を、
「やっと寄付ができます。シスター受け取ってください」
「ぎ、銀貨!? でもこれは初めての討伐報酬でしょ?」
「シスターのために、じゃなかった。孤児院の為に頑張りたいんです。なんて言っても僕の育った孤児院ですから」
「ティル……大きくなったわね」
シスターは顔を赤く染めて僕を抱きしめてくれた。男としてではなくてまだまだ息子って感じだけど、いつしか男として見てほしいな。
エルフの彼女にとって、僕はまだまだ子供なんだろうな。
「ティルの初めての討伐報酬。大事に飾っておくわね」
「シスター! 使ってくださいよ」
「ふふ、冗談よ。みんなに美味しいものでも買ってあげるわ。毎日パンとシチューじゃ味気ないものね」
シスターは遊んでいる子供達を見て微笑む。
孤児の子供達は毎日食べられているけど、同じものを食べることが多い。
僕がいたころは毎日芋だったな~。前世の記憶があった僕は率先して畑仕事をして、物々交換なんかを近所の人としてたっけ。近所の人との交流を得て、今の食生活になっていったらしい。
結構、孤児院の役に立ててたみたい、なんだか嬉しい。
「シスター。お腹空いた~」
「あら、もうこんな時間」
お腹を摩りながら男の子がシスターに声をかける。幸せな時間はすぐに過ぎちゃうんだよな。
「ほんとだ。じゃあ、僕も帰りますね」
「ん。おやすみなさいティル」
「おやすみなさいシスター」
シスターと子供達に手を振って別れる。みんな元気よく振っていて可愛らしい。僕の可愛い兄弟達だな。
泊めてもらっている宿屋について中に入る。宿屋はこの街でも一番安い宿屋。
宿屋の女将さんと娘さんには良くしてもらってる。
「おや、お帰りティル」
「お帰りなさいティル」
女将さんのルラさんと娘さんのフラさん。二人とも赤毛のショートカットで素朴な感じ。二人とも胸が大きい、フラさんはよく抱き着いてくるので色々と困ってたりする。
「今日は遅かったね。どうしたの?」
「実は初めて討伐に参加して」
「へ~、凄いじゃないか。じゃあ、豪勢に祝わないとね」
フラさんの疑問に答えるとルラさんがフライパンを叩いて喜んでくれた。
ルラさんは豪快に肉を炒め始めた。銀貨をフラさんに手渡そうと思ったら断られちゃった。
「家族みたいなものだからいいよ。今日は私達のおごり」
「いいんですか?」
「いいよティル。出世した子を祝いたいだけだからね」
フラさんとルラさんは本当に良くしてくれる。
「みんな! ティルが出世したよ。今日は奢ってやるから盛大に祝っておくれよ」
「お~。ルラさん! 太っ腹だね」
「胸だけだと思ってたが腹も膨れたのか~」
「おっと、そこの二人は奢れないね~」
「わ~ごめんって~」
宿の別のお客さんに茶化されて女将さんが包丁をかざした。
この後宿のお客さんも含めたみんなで僕を祝ってくれた。美味しいごはんと温かい人たちに囲まれて幸せだ。
自室に戻って眠りにつく。ベッドに横になるとすぐに意識を手放す。死が間近に迫った状況を逃れたことで疲れがたまったのかもしれない。
は~生きてるって素晴らしい。
報酬は二人で分けて銀貨20枚。
これは僕の解体業の半年分くらいに当たる。
宿屋は一日大銅貨一枚で泊まれるから軽く2000日泊まれる。
通貨は日本と違ってコインが使われてる。
銅貨から始まって大銅貨、銀貨、大銀貨、金貨、大金貨、白金貨と上がる。100枚で次のコインに変えてもらえる。
通貨の両替とかは商人ギルドで出来るらしい。今まではお世話にならなかったけど、これからは行くことになるかもね。
「あ~ティルお兄ちゃんだ~」
「ん?」
宿屋に向かっていると女の子が声をかけてきた。
この子は僕を育ててくれた孤児院の女の子。シスターと一緒に買い物をしてたみたい、シスターが笑顔で手を振ってる。
「シスター。お買い物ですか?」
「ん、みんなでお買い物。ティルは?」
「僕はギルドに報告した帰りです」
「報告?」
シスターは首を傾げてる。みんなで買い物していたみたいで子供達も一緒に首を傾げてるな。
「仕事は解体だよね。報告はいらないんじゃ?」
あ~そういえば、今日から冒険者としてデビューしたからシスターは知らないんだった。それで不思議そうに聞いてたのか。
「実はギルドの手違いで死んでない魔物が解体室にきまして」
話ながら広場のベンチに座る。子供達は広場で遊びだした。
シスターに今日の事を告げると顔がどんどん怖くなっていった。
「ティル。そんな危険な仕事やめなさい」
「ちょ、ちょっとシスター」
「やめて、お願い」
シスターに抱きしめられて耳元で囁かれる。
彼女は転生した僕が初めて恋した存在、エルフで緑色の髪が腰まで伸びていてすっごい美人なんだよな~。
そんな人に耳元で囁かれたら聞かざる負えない状況なんだけど、ここは僕も男だ。グレンさんも裏切れないしね。
「シスター。僕ももう大人なんですよ。それにほら、お金が必要でしょ」
「それはそうだけど、そんな危険な仕事をしなくても解体業をしていればいいじゃない」
「僕も最初はそう思ったんだ。だけど、それじゃお金を稼いでシスターに楽させてあげられないんだ」
「ティル……そんなことを思っていてくれたの」
育ての親であり、初恋の相手でもあるシスター、エレステナさん。僕はこの人のために強くなる。強くなれるってわかったらそんな決意が芽生えた。手始めに銀貨を、
「やっと寄付ができます。シスター受け取ってください」
「ぎ、銀貨!? でもこれは初めての討伐報酬でしょ?」
「シスターのために、じゃなかった。孤児院の為に頑張りたいんです。なんて言っても僕の育った孤児院ですから」
「ティル……大きくなったわね」
シスターは顔を赤く染めて僕を抱きしめてくれた。男としてではなくてまだまだ息子って感じだけど、いつしか男として見てほしいな。
エルフの彼女にとって、僕はまだまだ子供なんだろうな。
「ティルの初めての討伐報酬。大事に飾っておくわね」
「シスター! 使ってくださいよ」
「ふふ、冗談よ。みんなに美味しいものでも買ってあげるわ。毎日パンとシチューじゃ味気ないものね」
シスターは遊んでいる子供達を見て微笑む。
孤児の子供達は毎日食べられているけど、同じものを食べることが多い。
僕がいたころは毎日芋だったな~。前世の記憶があった僕は率先して畑仕事をして、物々交換なんかを近所の人としてたっけ。近所の人との交流を得て、今の食生活になっていったらしい。
結構、孤児院の役に立ててたみたい、なんだか嬉しい。
「シスター。お腹空いた~」
「あら、もうこんな時間」
お腹を摩りながら男の子がシスターに声をかける。幸せな時間はすぐに過ぎちゃうんだよな。
「ほんとだ。じゃあ、僕も帰りますね」
「ん。おやすみなさいティル」
「おやすみなさいシスター」
シスターと子供達に手を振って別れる。みんな元気よく振っていて可愛らしい。僕の可愛い兄弟達だな。
泊めてもらっている宿屋について中に入る。宿屋はこの街でも一番安い宿屋。
宿屋の女将さんと娘さんには良くしてもらってる。
「おや、お帰りティル」
「お帰りなさいティル」
女将さんのルラさんと娘さんのフラさん。二人とも赤毛のショートカットで素朴な感じ。二人とも胸が大きい、フラさんはよく抱き着いてくるので色々と困ってたりする。
「今日は遅かったね。どうしたの?」
「実は初めて討伐に参加して」
「へ~、凄いじゃないか。じゃあ、豪勢に祝わないとね」
フラさんの疑問に答えるとルラさんがフライパンを叩いて喜んでくれた。
ルラさんは豪快に肉を炒め始めた。銀貨をフラさんに手渡そうと思ったら断られちゃった。
「家族みたいなものだからいいよ。今日は私達のおごり」
「いいんですか?」
「いいよティル。出世した子を祝いたいだけだからね」
フラさんとルラさんは本当に良くしてくれる。
「みんな! ティルが出世したよ。今日は奢ってやるから盛大に祝っておくれよ」
「お~。ルラさん! 太っ腹だね」
「胸だけだと思ってたが腹も膨れたのか~」
「おっと、そこの二人は奢れないね~」
「わ~ごめんって~」
宿の別のお客さんに茶化されて女将さんが包丁をかざした。
この後宿のお客さんも含めたみんなで僕を祝ってくれた。美味しいごはんと温かい人たちに囲まれて幸せだ。
自室に戻って眠りにつく。ベッドに横になるとすぐに意識を手放す。死が間近に迫った状況を逃れたことで疲れがたまったのかもしれない。
は~生きてるって素晴らしい。
142
あなたにおすすめの小説
ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。
スマホアプリで衣食住確保の異世界スローライフ 〜面倒なことは避けたいのに怖いものなしのスライムと弱気なドラゴンと一緒だとそうもいかず〜
もーりんもも
ファンタジー
命より大事なスマホを拾おうとして命を落とした俺、武田義経。
ああ死んだと思った瞬間、俺はスマホの神様に祈った。スマホのために命を落としたんだから、お慈悲を!
目を開けると、俺は異世界に救世主として召喚されていた。それなのに俺のステータスは平均よりやや上といった程度。
スキル欄には見覚えのある虫眼鏡アイコンが。だが異世界人にはただの丸印に見えたらしい。
何やら漂う失望感。結局、救世主ではなく、ただの用無しと認定され、宮殿の使用人という身分に。
やれやれ。スキル欄の虫眼鏡をタップすると検索バーが出た。
「ご飯」と検索すると、見慣れたアプリがずらずらと! アプリがダウンロードできるんだ!
ヤバくない? 不便な異世界だけど、楽してダラダラ生きていこう――そう思っていた矢先、命を狙われ国を出ることに。
ひょんなことから知り合った老婆のお陰でなんとか逃げ出したけど、気がつけば、いつの間にかスライムやらドラゴンやらに囲まれて、どんどん不本意な方向へ……。
2025/04/04-06 HOTランキング1位をいただきました! 応援ありがとうございます!
オバちゃんだからこそ ~45歳の異世界珍道中~
鉄 主水
ファンタジー
子育ても一段落した40過ぎの訳あり主婦、里子。
そんなオバちゃん主人公が、突然……異世界へ――。
そこで里子を待ち構えていたのは……今まで見たことのない奇抜な珍獣であった。
「何がどうして、なぜこうなった! でも……せっかくの異世界だ! 思いっ切り楽しんじゃうぞ!」
オバちゃんパワーとオタクパワーを武器に、オバちゃんは我が道を行く!
ラブはないけど……笑いあり、涙ありの異世界ドタバタ珍道中。
いざ……はじまり、はじまり……。
※この作品は、エブリスタ様、小説家になろう様でも投稿しています。
平凡なサラリーマンが異世界に行ったら魔術師になりました~科学者に投資したら異世界への扉が開発されたので、スローライフを満喫しようと思います~
金色のクレヨン@釣りするWeb作家
ファンタジー
夏井カナタはどこにでもいるような平凡なサラリーマン。
そんな彼が資金援助した研究者が異世界に通じる装置=扉の開発に成功して、援助の見返りとして異世界に行けることになった。
カナタは準備のために会社を辞めて、異世界の言語を学んだりして準備を進める。
やがて、扉を通過して異世界に着いたカナタは魔術学校に興味をもって入学する。
魔術の適性があったカナタはエルフに弟子入りして、魔術師として成長を遂げる。
これは文化も風習も違う異世界で戦ったり、旅をしたりする男の物語。
エルフやドワーフが出てきたり、国同士の争いやモンスターとの戦いがあったりします。
第二章からシリアスな展開、やや残酷な描写が増えていきます。
旅と冒険、バトル、成長などの要素がメインです。
ノベルピア、カクヨム、小説家になろうにも掲載
[完結]前世引きこもりの私が異世界転生して異世界で新しく人生やり直します
mikadozero
ファンタジー
私は、鈴木凛21歳。自分で言うのはなんだが可愛い名前をしている。だがこんなに可愛い名前をしていても現実は甘くなかった。
中高と私はクラスの隅で一人ぼっちで生きてきた。だから、コミュニケーション家族以外とは話せない。
私は社会では生きていけないほどダメ人間になっていた。
そんな私はもう人生が嫌だと思い…私は命を絶った。
自分はこんな世界で良かったのだろうかと少し後悔したが遅かった。次に目が覚めた時は暗闇の世界だった。私は死後の世界かと思ったが違かった。
目の前に女神が現れて言う。
「あなたは命を絶ってしまった。まだ若いもう一度チャンスを与えましょう」
そう言われて私は首を傾げる。
「神様…私もう一回人生やり直してもまた同じですよ?」
そう言うが神は聞く耳を持たない。私は神に対して呆れた。
神は書類を提示させてきて言う。
「これに書いてくれ」と言われて私は書く。
「鈴木凛」と署名する。そして、神は書いた紙を見て言う。
「鈴木凛…次の名前はソフィとかどう?」
私は頷くと神は笑顔で言う。
「次の人生頑張ってください」とそう言われて私の視界は白い世界に包まれた。
ーーーーーーーーー
毎話1500文字程度目安に書きます。
たまに2000文字が出るかもです。
最強の赤ん坊! 異世界に来てしまったので帰ります!
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
病弱な僕は病院で息を引き取った
お母さんに親孝行もできずに死んでしまった僕はそれが無念でたまらなかった
そんな僕は運がよかったのか、異世界に転生した
魔法の世界なら元の世界に戻ることが出来るはず、僕は絶対に地球に帰る
明日を信じて生きていきます~異世界に転生した俺はのんびり暮らします~
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生した主人公は、新たな冒険が待っていることを知りながらも、のんびりとした暮らしを選ぶことに決めました。
彼は明日を信じて、異世界での新しい生活を楽しむ決意を固めました。
最初の仲間たちと共に、未知の地での平穏な冒険が繰り広げられます。
一種の童話感覚で物語は語られます。
童話小説を読む感じで一読頂けると幸いです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる