12 / 57
第一章
第12話 エレステナ
しおりを挟む
「シスター!」
「ティル? どうしたのそんなに焦って?」
グレンさんの話を聞いて焦って孤児院に走ってきた。転生を何度も繰り返した結果、かなり早く走れるようになった。街のはずれにある孤児院に一瞬で着くことが出来た。
孤児院に勢いよく入るとシスターが心配そうにしてる。
子供達も心配そうに僕に近づいてきて、頭を撫でてあげると笑顔になった。
「シスター。何か困っていることがあるんじゃないですか?」
「え?」
「冒険者ギルドの仲間が言っていたんです。孤児院が金銭問題を抱えているって」
シスターは僕に迷惑をかけないように黙っていたに違いない。そう思って聞いたけど、シスターは笑顔で僕を抱きしめた。
「大丈夫よティル。それは私が何とかするから
」
「やっぱり! なんで黙っていたんですか!」
「これは私の問題だからよ。自分の不始末くらい自分で」
「違います! これは僕の問題でもある! 僕らを育てるために借金をしていたんでしょ」
「なんでそれを……」
シスターはみんなにわからないようにしていたと思っているだろうけど、僕は知ってた。
お金を商人ギルドのロジードっていう人に借りてることを。まさか、返済に困っていたとは知らなかったけどね。
お金が必要だった。たくさんのお金を得て孤児院に寄付し続けた。
だけど、シスターは優しい人だから孤児が増えて……自分は満足に食べられなくてもエルフだから大丈夫って言って我慢してた。
エルフでも食べないと生きていけないのは僕でもわかる。シスター……僕が守る。守れるちからを得たから。
「シスター。ロジードに借金を返そう」
「ロジードのことも知っているのね」
「うん。小さな頃、話しているところを見たから」
「そう……なら知っているでしょ。とても返せる額じゃない」
大金貨3枚。やつがあの時に口にしていた額だ。今での僕の所持金じゃ全然足りない。
孤児もあの時よりもかなり増えてる。どれだけ借金が増えているかわからない。
というかロジードのやつ、シスターの足元を見て利子が高いんだ。大金貨3枚なんて街の住人全員の税収よりも高いんじゃないか?
絶対に返せない額にして、エルフであるシスターを奴隷にしようとしてるんだ。
エルフを奴隷として持つことをステータスと思っている奴もいる。
王族に売ってお近づきになろうとしてるんだ。絶対そうだ。
「だから、ティルは自分の人生を歩んで」
「僕の人生は僕が決めます! 僕は育ててくれたあなたを助けたい、それが僕の人生です。エレステナ!」
「ティル……」
涙を堪えて両手で顔を覆うシスター。
「エレステナ、頼ってください。僕らはあなたの子供なんだから」
「はい、ティル」
頬を赤く染めたエレステナ。恥ずかしそうに頬を指で掻いてる。
まったく、僕らのお母さんは……でもそんなところも好きなんだよな~。告白する勇気はないけどね……。
「それじゃとりあえず、はい」
どさっと金貨入りの皮袋を机にだす。シスターや子供達がびっくりしてそれを見つめた。
「てぃ、ティル!? これ」
「今日の報奨金だよ。ワーウルフを倒してきたから結構高くなったみたいなんだ」
僕が報告するとエレステナは目を潤ませて抱きしめてきた。
「ワーウルフなんて……とても大変だったでしょ」
「うん、まあね。でも僕も強くなったから」
「危なくなったらすぐに帰ってきてね。あなたがいなくなるなんて考えたくないわ」
「うん。大丈夫だよ。グレンさんもいるしね」
抱きしめる力を強めるエレステナ。
死ぬ気はないから危なかったら逃げることだけを考えるよ。
「じゃあ、シスター。そろそろ帰るね。急いできたからグレンさんと飲む約束を忘れてたんだ」
「ティル。その、エレステナって呼んで」
「え?」
「その、名前で言われた方が嬉しいから」
さっきから名前で呼んでしまっていたのをシスターと言い直すとエレステナが恥ずかしそうに名前で呼んでほしいと言って来た。
これは僕の事を男と思ってくれたってことかな? それなら嬉しいな。
でも、いざ名前で呼んでと言われると、緊張するな。
「じゃ、じゃあ。え、エレステナ……さん」
「呼び捨てでいいよティル」
「え、エレステナ」
「うん。またね」
「シスターもティルお兄ちゃんも顔真っ赤~」
「おもしろ~い」
子供達に笑われてしまうほど二人で顔を真っ赤にしてしまった。
顔が熱くてしょうがないから駆け足で孤児院から出てきちゃったよ。
でも、これからもっと頑張らないとな。借金がどれだけあるかわからないけど、大金貨3枚以上を返さないといけないわけだからね。
「ティル? どうしたのそんなに焦って?」
グレンさんの話を聞いて焦って孤児院に走ってきた。転生を何度も繰り返した結果、かなり早く走れるようになった。街のはずれにある孤児院に一瞬で着くことが出来た。
孤児院に勢いよく入るとシスターが心配そうにしてる。
子供達も心配そうに僕に近づいてきて、頭を撫でてあげると笑顔になった。
「シスター。何か困っていることがあるんじゃないですか?」
「え?」
「冒険者ギルドの仲間が言っていたんです。孤児院が金銭問題を抱えているって」
シスターは僕に迷惑をかけないように黙っていたに違いない。そう思って聞いたけど、シスターは笑顔で僕を抱きしめた。
「大丈夫よティル。それは私が何とかするから
」
「やっぱり! なんで黙っていたんですか!」
「これは私の問題だからよ。自分の不始末くらい自分で」
「違います! これは僕の問題でもある! 僕らを育てるために借金をしていたんでしょ」
「なんでそれを……」
シスターはみんなにわからないようにしていたと思っているだろうけど、僕は知ってた。
お金を商人ギルドのロジードっていう人に借りてることを。まさか、返済に困っていたとは知らなかったけどね。
お金が必要だった。たくさんのお金を得て孤児院に寄付し続けた。
だけど、シスターは優しい人だから孤児が増えて……自分は満足に食べられなくてもエルフだから大丈夫って言って我慢してた。
エルフでも食べないと生きていけないのは僕でもわかる。シスター……僕が守る。守れるちからを得たから。
「シスター。ロジードに借金を返そう」
「ロジードのことも知っているのね」
「うん。小さな頃、話しているところを見たから」
「そう……なら知っているでしょ。とても返せる額じゃない」
大金貨3枚。やつがあの時に口にしていた額だ。今での僕の所持金じゃ全然足りない。
孤児もあの時よりもかなり増えてる。どれだけ借金が増えているかわからない。
というかロジードのやつ、シスターの足元を見て利子が高いんだ。大金貨3枚なんて街の住人全員の税収よりも高いんじゃないか?
絶対に返せない額にして、エルフであるシスターを奴隷にしようとしてるんだ。
エルフを奴隷として持つことをステータスと思っている奴もいる。
王族に売ってお近づきになろうとしてるんだ。絶対そうだ。
「だから、ティルは自分の人生を歩んで」
「僕の人生は僕が決めます! 僕は育ててくれたあなたを助けたい、それが僕の人生です。エレステナ!」
「ティル……」
涙を堪えて両手で顔を覆うシスター。
「エレステナ、頼ってください。僕らはあなたの子供なんだから」
「はい、ティル」
頬を赤く染めたエレステナ。恥ずかしそうに頬を指で掻いてる。
まったく、僕らのお母さんは……でもそんなところも好きなんだよな~。告白する勇気はないけどね……。
「それじゃとりあえず、はい」
どさっと金貨入りの皮袋を机にだす。シスターや子供達がびっくりしてそれを見つめた。
「てぃ、ティル!? これ」
「今日の報奨金だよ。ワーウルフを倒してきたから結構高くなったみたいなんだ」
僕が報告するとエレステナは目を潤ませて抱きしめてきた。
「ワーウルフなんて……とても大変だったでしょ」
「うん、まあね。でも僕も強くなったから」
「危なくなったらすぐに帰ってきてね。あなたがいなくなるなんて考えたくないわ」
「うん。大丈夫だよ。グレンさんもいるしね」
抱きしめる力を強めるエレステナ。
死ぬ気はないから危なかったら逃げることだけを考えるよ。
「じゃあ、シスター。そろそろ帰るね。急いできたからグレンさんと飲む約束を忘れてたんだ」
「ティル。その、エレステナって呼んで」
「え?」
「その、名前で言われた方が嬉しいから」
さっきから名前で呼んでしまっていたのをシスターと言い直すとエレステナが恥ずかしそうに名前で呼んでほしいと言って来た。
これは僕の事を男と思ってくれたってことかな? それなら嬉しいな。
でも、いざ名前で呼んでと言われると、緊張するな。
「じゃ、じゃあ。え、エレステナ……さん」
「呼び捨てでいいよティル」
「え、エレステナ」
「うん。またね」
「シスターもティルお兄ちゃんも顔真っ赤~」
「おもしろ~い」
子供達に笑われてしまうほど二人で顔を真っ赤にしてしまった。
顔が熱くてしょうがないから駆け足で孤児院から出てきちゃったよ。
でも、これからもっと頑張らないとな。借金がどれだけあるかわからないけど、大金貨3枚以上を返さないといけないわけだからね。
138
あなたにおすすめの小説
ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。
スマホアプリで衣食住確保の異世界スローライフ 〜面倒なことは避けたいのに怖いものなしのスライムと弱気なドラゴンと一緒だとそうもいかず〜
もーりんもも
ファンタジー
命より大事なスマホを拾おうとして命を落とした俺、武田義経。
ああ死んだと思った瞬間、俺はスマホの神様に祈った。スマホのために命を落としたんだから、お慈悲を!
目を開けると、俺は異世界に救世主として召喚されていた。それなのに俺のステータスは平均よりやや上といった程度。
スキル欄には見覚えのある虫眼鏡アイコンが。だが異世界人にはただの丸印に見えたらしい。
何やら漂う失望感。結局、救世主ではなく、ただの用無しと認定され、宮殿の使用人という身分に。
やれやれ。スキル欄の虫眼鏡をタップすると検索バーが出た。
「ご飯」と検索すると、見慣れたアプリがずらずらと! アプリがダウンロードできるんだ!
ヤバくない? 不便な異世界だけど、楽してダラダラ生きていこう――そう思っていた矢先、命を狙われ国を出ることに。
ひょんなことから知り合った老婆のお陰でなんとか逃げ出したけど、気がつけば、いつの間にかスライムやらドラゴンやらに囲まれて、どんどん不本意な方向へ……。
2025/04/04-06 HOTランキング1位をいただきました! 応援ありがとうございます!
オバちゃんだからこそ ~45歳の異世界珍道中~
鉄 主水
ファンタジー
子育ても一段落した40過ぎの訳あり主婦、里子。
そんなオバちゃん主人公が、突然……異世界へ――。
そこで里子を待ち構えていたのは……今まで見たことのない奇抜な珍獣であった。
「何がどうして、なぜこうなった! でも……せっかくの異世界だ! 思いっ切り楽しんじゃうぞ!」
オバちゃんパワーとオタクパワーを武器に、オバちゃんは我が道を行く!
ラブはないけど……笑いあり、涙ありの異世界ドタバタ珍道中。
いざ……はじまり、はじまり……。
※この作品は、エブリスタ様、小説家になろう様でも投稿しています。
平凡なサラリーマンが異世界に行ったら魔術師になりました~科学者に投資したら異世界への扉が開発されたので、スローライフを満喫しようと思います~
金色のクレヨン@釣りするWeb作家
ファンタジー
夏井カナタはどこにでもいるような平凡なサラリーマン。
そんな彼が資金援助した研究者が異世界に通じる装置=扉の開発に成功して、援助の見返りとして異世界に行けることになった。
カナタは準備のために会社を辞めて、異世界の言語を学んだりして準備を進める。
やがて、扉を通過して異世界に着いたカナタは魔術学校に興味をもって入学する。
魔術の適性があったカナタはエルフに弟子入りして、魔術師として成長を遂げる。
これは文化も風習も違う異世界で戦ったり、旅をしたりする男の物語。
エルフやドワーフが出てきたり、国同士の争いやモンスターとの戦いがあったりします。
第二章からシリアスな展開、やや残酷な描写が増えていきます。
旅と冒険、バトル、成長などの要素がメインです。
ノベルピア、カクヨム、小説家になろうにも掲載
[完結]前世引きこもりの私が異世界転生して異世界で新しく人生やり直します
mikadozero
ファンタジー
私は、鈴木凛21歳。自分で言うのはなんだが可愛い名前をしている。だがこんなに可愛い名前をしていても現実は甘くなかった。
中高と私はクラスの隅で一人ぼっちで生きてきた。だから、コミュニケーション家族以外とは話せない。
私は社会では生きていけないほどダメ人間になっていた。
そんな私はもう人生が嫌だと思い…私は命を絶った。
自分はこんな世界で良かったのだろうかと少し後悔したが遅かった。次に目が覚めた時は暗闇の世界だった。私は死後の世界かと思ったが違かった。
目の前に女神が現れて言う。
「あなたは命を絶ってしまった。まだ若いもう一度チャンスを与えましょう」
そう言われて私は首を傾げる。
「神様…私もう一回人生やり直してもまた同じですよ?」
そう言うが神は聞く耳を持たない。私は神に対して呆れた。
神は書類を提示させてきて言う。
「これに書いてくれ」と言われて私は書く。
「鈴木凛」と署名する。そして、神は書いた紙を見て言う。
「鈴木凛…次の名前はソフィとかどう?」
私は頷くと神は笑顔で言う。
「次の人生頑張ってください」とそう言われて私の視界は白い世界に包まれた。
ーーーーーーーーー
毎話1500文字程度目安に書きます。
たまに2000文字が出るかもです。
最強の赤ん坊! 異世界に来てしまったので帰ります!
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
病弱な僕は病院で息を引き取った
お母さんに親孝行もできずに死んでしまった僕はそれが無念でたまらなかった
そんな僕は運がよかったのか、異世界に転生した
魔法の世界なら元の世界に戻ることが出来るはず、僕は絶対に地球に帰る
明日を信じて生きていきます~異世界に転生した俺はのんびり暮らします~
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生した主人公は、新たな冒険が待っていることを知りながらも、のんびりとした暮らしを選ぶことに決めました。
彼は明日を信じて、異世界での新しい生活を楽しむ決意を固めました。
最初の仲間たちと共に、未知の地での平穏な冒険が繰り広げられます。
一種の童話感覚で物語は語られます。
童話小説を読む感じで一読頂けると幸いです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる