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第三部第二章 ダンジョン
解決策
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石柱につかまると、さっきまで走っていた道がどんどん崩れていった。もう後がない事が分かったけど、長年ここにあったはずのダンジョンが今もなおあるというこということは、なんだかの理由で修復されているのだろう。
そして、ネズミが踏んだ罠のところはなぜか修復されている。つまり魔力で修復されているという事だ。
テレポーションの魔力に加えて、修復魔力なかなか魔力消費が激しい事だろう。だから、数十人以上が潜伏している可能性がある。
それに、長老が言っていた通り古代の魔法使いがいると思う。理由は古い建物に潜伏しているし出てきた事も少ないだろうから、古代の人物がいて長生きだろう。
「少しの間このままだから我慢してね!」
彼女は頷いた、純粋な子だからすぐに頷いてくれる。これほど仲間にしたい人物は他に居ないと思う。
そんな子をどうしてか運がよくて手に入れれた。そして足手まといには絶対にならなくて、逆に私が足手まといかと思ってしまう。それはいいことだけど、現実を突きつけられると、落ち込みそうになってしまう。
「はい! でも、これだんだん戻ってきていますけど、また罠を踏んでしまったら元もこうもないですよ?」
「そうね、でも頑張ろう! 飛行呪文とかも使いたいけど、魔力消費はしたくないしね!」
意気投合したような会話でも命懸けでこの石柱に抱きついている。軽い会話を続けていたら、本当に落ちてしまいそうだ。
それにまだ私の足元には石畳が作られてなくて渓谷が晒されている。いつ落ちてしまうのかと涙を流したら、手汗が出てきて石柱を掴みにくくなっている。
ふんと鼻息でもしたら汗が込み上げてきそうで怖い。いつになったら、石畳ができるかなんて分からない。それにできるかなんてなおさら分からない。
「ああ限界ですね」
アンは手を離しそうになっているけれど、だんだん石畳が戻ってきている。ここで諦めやたら確実に死亡だ。
心拍数が早鐘を鳴らす。私が死ぬ恐怖よりも彼女が死んでしまうのが悲しかった。
「大丈夫、もう少しだけ待って! 後たぶん二分くらい」
そして、二分が経つとようやく、私とアンは地面に降りれた。この恐怖はまだ続く。もしかしたら次の罠の方が殺傷力があるかもしれない。
「ようやくですね・・・・・。手を離してしまうところでしたよ」
アンは疲れたようにこめかみに汗を流していた。
それに関節も痛むくらい手に力を入れていたから、痛みが後から走る。とても痛いと感じた。
「そうだね、まあ進むよ」
そして、進んでいくと罠がなくなった。今度はどんな罠かわからない。
罠がなくなったのは、まるで不気味な静けさが広がるかのようだった。いつも感じていた、あの魔力の微かな流れが途切れた。私たちは疲れた体を引きずりながらも、慎重に前へと進む。
「ここ、妙に静かですね・・・」アンが不安げに言った。
「うん・・・まるで何かを隠しているみたいな感じがする」私も同感だった。何もない場所が一番危険だ。特にこのダンジョンでは。
石畳が戻り、歩けるようになったものの、その先には何の変哲もない通路が続いている。罠はないのか?それとも罠そのものが、ここでは存在しないのか?疑念が頭を過る。
「でも、いくら罠がなくても警戒は怠らないで。何かあるに違いない」そう言いながら、私は魔力探知を試みた。だが、反応はない。
「もしかしたら・・・この先には罠じゃなくて、もっと大きな何かが待ってるかも」そう呟くと、アンも真剣な表情で頷いた。
私たちは石畳の上を慎重に進む。歩くたびに響く足音が、ますます不安を煽る。周りの空気が重く、じわじわと緊張感が肌に貼り付くようだった。
しばらく歩くと、突如として目の前に巨大な扉が現れた。黒い鉄でできた重厚な扉は、どこか異様な存在感を放っている。
「これ・・・ただの扉じゃないわね」私は冷や汗を拭いながら呟いた。扉に近づくと、微かに古代の文字が刻まれているのが見えた。
「なんて書いてあるんでしょうか?」アンが興味深そうに文字を眺める。
古代文字は、長老がかつて教えてくれた知識の中にあったものだ。だが、完全に解読するのは困難だ。
「『ここより先、全ては・・・』」私は慎重に読み解こうとした。「『ここより先、全ては試練と化す』」
「試練?」アンが訝しげに顔をしかめる。「罠じゃなくて試練ってことですか?」
「かもしれない・・・でも、試練って具体的に何だろう?」私は扉の表面に手を伸ばし、そっと触れてみた。冷たい金属の感触が指先に伝わり、同時に小さな震動が走る。
その瞬間、扉がゆっくりと音を立てて開き始めた。
「気をつけて、アン」私は一歩引き、身構える。
扉の向こうに広がるのは、広大な空間だった。暗闇の中で微かに光る何かが見えたが、その正体は分からない。
「行くしかないみたいね・・・」私はアンに合図し、二人で慎重に足を踏み入れた。
中に入ると、突然足元が揺れた。そして、目の前に巨大な影が現れた。闇の中から浮かび上がったその姿は、明らかにただの魔物ではない。
「これは・・・試練ってこと?」私は武器を構え、アンも緊張した面持ちで杖を握りしめる。
試練がどんな形で襲ってくるのか、それはまだ分からない。ただ一つ言えるのは、ここで立ち止まっている余裕はないということだ。
「準備はいい? アン」
「はい、いつでも!」アンは気合いを入れた声で応えた。
扉の向こうに広がる闇が、私たちに向かって牙を剥き始めたように感じた。
そして、ネズミが踏んだ罠のところはなぜか修復されている。つまり魔力で修復されているという事だ。
テレポーションの魔力に加えて、修復魔力なかなか魔力消費が激しい事だろう。だから、数十人以上が潜伏している可能性がある。
それに、長老が言っていた通り古代の魔法使いがいると思う。理由は古い建物に潜伏しているし出てきた事も少ないだろうから、古代の人物がいて長生きだろう。
「少しの間このままだから我慢してね!」
彼女は頷いた、純粋な子だからすぐに頷いてくれる。これほど仲間にしたい人物は他に居ないと思う。
そんな子をどうしてか運がよくて手に入れれた。そして足手まといには絶対にならなくて、逆に私が足手まといかと思ってしまう。それはいいことだけど、現実を突きつけられると、落ち込みそうになってしまう。
「はい! でも、これだんだん戻ってきていますけど、また罠を踏んでしまったら元もこうもないですよ?」
「そうね、でも頑張ろう! 飛行呪文とかも使いたいけど、魔力消費はしたくないしね!」
意気投合したような会話でも命懸けでこの石柱に抱きついている。軽い会話を続けていたら、本当に落ちてしまいそうだ。
それにまだ私の足元には石畳が作られてなくて渓谷が晒されている。いつ落ちてしまうのかと涙を流したら、手汗が出てきて石柱を掴みにくくなっている。
ふんと鼻息でもしたら汗が込み上げてきそうで怖い。いつになったら、石畳ができるかなんて分からない。それにできるかなんてなおさら分からない。
「ああ限界ですね」
アンは手を離しそうになっているけれど、だんだん石畳が戻ってきている。ここで諦めやたら確実に死亡だ。
心拍数が早鐘を鳴らす。私が死ぬ恐怖よりも彼女が死んでしまうのが悲しかった。
「大丈夫、もう少しだけ待って! 後たぶん二分くらい」
そして、二分が経つとようやく、私とアンは地面に降りれた。この恐怖はまだ続く。もしかしたら次の罠の方が殺傷力があるかもしれない。
「ようやくですね・・・・・。手を離してしまうところでしたよ」
アンは疲れたようにこめかみに汗を流していた。
それに関節も痛むくらい手に力を入れていたから、痛みが後から走る。とても痛いと感じた。
「そうだね、まあ進むよ」
そして、進んでいくと罠がなくなった。今度はどんな罠かわからない。
罠がなくなったのは、まるで不気味な静けさが広がるかのようだった。いつも感じていた、あの魔力の微かな流れが途切れた。私たちは疲れた体を引きずりながらも、慎重に前へと進む。
「ここ、妙に静かですね・・・」アンが不安げに言った。
「うん・・・まるで何かを隠しているみたいな感じがする」私も同感だった。何もない場所が一番危険だ。特にこのダンジョンでは。
石畳が戻り、歩けるようになったものの、その先には何の変哲もない通路が続いている。罠はないのか?それとも罠そのものが、ここでは存在しないのか?疑念が頭を過る。
「でも、いくら罠がなくても警戒は怠らないで。何かあるに違いない」そう言いながら、私は魔力探知を試みた。だが、反応はない。
「もしかしたら・・・この先には罠じゃなくて、もっと大きな何かが待ってるかも」そう呟くと、アンも真剣な表情で頷いた。
私たちは石畳の上を慎重に進む。歩くたびに響く足音が、ますます不安を煽る。周りの空気が重く、じわじわと緊張感が肌に貼り付くようだった。
しばらく歩くと、突如として目の前に巨大な扉が現れた。黒い鉄でできた重厚な扉は、どこか異様な存在感を放っている。
「これ・・・ただの扉じゃないわね」私は冷や汗を拭いながら呟いた。扉に近づくと、微かに古代の文字が刻まれているのが見えた。
「なんて書いてあるんでしょうか?」アンが興味深そうに文字を眺める。
古代文字は、長老がかつて教えてくれた知識の中にあったものだ。だが、完全に解読するのは困難だ。
「『ここより先、全ては・・・』」私は慎重に読み解こうとした。「『ここより先、全ては試練と化す』」
「試練?」アンが訝しげに顔をしかめる。「罠じゃなくて試練ってことですか?」
「かもしれない・・・でも、試練って具体的に何だろう?」私は扉の表面に手を伸ばし、そっと触れてみた。冷たい金属の感触が指先に伝わり、同時に小さな震動が走る。
その瞬間、扉がゆっくりと音を立てて開き始めた。
「気をつけて、アン」私は一歩引き、身構える。
扉の向こうに広がるのは、広大な空間だった。暗闇の中で微かに光る何かが見えたが、その正体は分からない。
「行くしかないみたいね・・・」私はアンに合図し、二人で慎重に足を踏み入れた。
中に入ると、突然足元が揺れた。そして、目の前に巨大な影が現れた。闇の中から浮かび上がったその姿は、明らかにただの魔物ではない。
「これは・・・試練ってこと?」私は武器を構え、アンも緊張した面持ちで杖を握りしめる。
試練がどんな形で襲ってくるのか、それはまだ分からない。ただ一つ言えるのは、ここで立ち止まっている余裕はないということだ。
「準備はいい? アン」
「はい、いつでも!」アンは気合いを入れた声で応えた。
扉の向こうに広がる闇が、私たちに向かって牙を剥き始めたように感じた。
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