33 / 129
2章 魔術対抗試験編
第2試験開始
しおりを挟む
どうやら第2試験は模擬戦のようだ。
対戦相手はランダムで決められ、試合時間は10分、決着がつかなかった場合でも強制的に終了となる。
もちろん空気中の魔力が使えないというルールも継続。
会場は現在この街で1番印象深いであろうギルドの闘技場らしい。
あそこが観客も入ることを考えると1番場所的にはいいんだろうな。
ちなみに第2試験は今から3時間後だそうだ。
それまでは各自自由時間だ。
「春陽! 試験まで時間もあるし、飯でも食いに行くか! 」
「カイルくん……ご飯はちょっと早いよ……」
「そうか! はっはっはっ!」
ご飯か、たしか試験は昼過ぎだったよな。
「でも試験までには何か食べたいところだな 」
「……だったら私美味しいお店知ってるのでそこ行きますか?」
ミアがそう提案してきた。
「さすが、女の子だな。 そういうのに詳しいんだ 」
「……女の子 」
ミアはそう言うと頬を赤らめて口元を隠している。
何か恥ずかしくさせてしまうことを言ってしまったのだろうか。
見た目通り、おれは現実世界でも女の子と喋ったことがほとんどない。
だから女心というものを全くといっていいほど分からないのだ。
「よし、ミア! エレナお嬢も誘ってそこに行こう!! 」
◇
俺たちはミアがオススメしてくれたお店へと足を運んだ。
「あ~あぁ、エレナも第2試験受けたかったなぁ……」
「エレナお嬢、加減していただろ! 」
「そうだよ、エレナちゃん…… もったいない 」
「だって……主様がぁ 」
「え、ごめんって 」
「!? 春陽が加減しろと言ったのか!! 」
「春陽くん、本当ですか?? 」
なぜ俺が責められる形になったのだ。
俺はただ試験が始まる前に、ギルド認定試験みたいなことしちゃダメだぞって言っただけなのに。
だって皆エレナの力見たらびっくりしちゃうだろ。
「そ、それよりさ……ティアがどこ行ったか知らないか? 」
「主様、話変えた……」
「変えましたね……」
「うむ、変えたな!」
「……けどセレスティア様はこの3日間1度もお会いしてませんね。 そもそもそんな簡単に神様に会える方がおかしいんですけどね 」
「エレナも知らな~い 」
「もちろん俺も知らんぞ! 」
そうだよな。
久しぶりに会ったアーカシス様と積もる話でもあるのだろうか。
「ボクのこと呼んだかい? 」
目の前には3日ぶりに会った妖精……いや神様がいた。
「ティア! どこ行ってたんだ? 」
「春陽くん、心配した? ねぇ心配したの? 」
セレスティアは小さな肘で小突いてきながらそう言ってきた。
確かに心配してなかったと言えば嘘になる。
こっちの世界に来て、初めて会い、ずっと一緒に居たのだから。
「はいはい、心配しましたよ! で?どこ行ってたんだ? 」
すると、セレスティアの顔色が曇っていき、
「アーカシスに魔力障壁のこと、魔族のこと、魔力抗争のこと1から叩き込まれたんだ……」
よほどアーカシス様の指導がきつかったんだろうな。
◇
第2試験開始までもうすぐのため、俺たちは会場まで移動した。
ちなみに神は試験の公平性を期すために同席が禁じられているためアーカシスと共に試合をみるらしい。
そして待機室で模擬戦まで待てば良いらしい。
試合開始まであと10分、さすがにほとんど揃っており、ギルド試験の時はガラガラだった待機室もかなり混雑している。
だが、1人1人座る場所はあるようだ。
そうしているともう今は見慣れたモニターから、
『皆さんお集まり頂けたでしょうか? 第2試験 1試合目の組み合わせを発表いたします 』
アリアンサだな。
もう発表されるのか。
しかし25試合あるのだから気が遠くなるな。
『高橋 春陽 VS セリア・ウィンドウィスパー 』
……早速だし、エリートとじゃん。
空気中の魔力が使えない俺、どうしようか。
対戦相手はランダムで決められ、試合時間は10分、決着がつかなかった場合でも強制的に終了となる。
もちろん空気中の魔力が使えないというルールも継続。
会場は現在この街で1番印象深いであろうギルドの闘技場らしい。
あそこが観客も入ることを考えると1番場所的にはいいんだろうな。
ちなみに第2試験は今から3時間後だそうだ。
それまでは各自自由時間だ。
「春陽! 試験まで時間もあるし、飯でも食いに行くか! 」
「カイルくん……ご飯はちょっと早いよ……」
「そうか! はっはっはっ!」
ご飯か、たしか試験は昼過ぎだったよな。
「でも試験までには何か食べたいところだな 」
「……だったら私美味しいお店知ってるのでそこ行きますか?」
ミアがそう提案してきた。
「さすが、女の子だな。 そういうのに詳しいんだ 」
「……女の子 」
ミアはそう言うと頬を赤らめて口元を隠している。
何か恥ずかしくさせてしまうことを言ってしまったのだろうか。
見た目通り、おれは現実世界でも女の子と喋ったことがほとんどない。
だから女心というものを全くといっていいほど分からないのだ。
「よし、ミア! エレナお嬢も誘ってそこに行こう!! 」
◇
俺たちはミアがオススメしてくれたお店へと足を運んだ。
「あ~あぁ、エレナも第2試験受けたかったなぁ……」
「エレナお嬢、加減していただろ! 」
「そうだよ、エレナちゃん…… もったいない 」
「だって……主様がぁ 」
「え、ごめんって 」
「!? 春陽が加減しろと言ったのか!! 」
「春陽くん、本当ですか?? 」
なぜ俺が責められる形になったのだ。
俺はただ試験が始まる前に、ギルド認定試験みたいなことしちゃダメだぞって言っただけなのに。
だって皆エレナの力見たらびっくりしちゃうだろ。
「そ、それよりさ……ティアがどこ行ったか知らないか? 」
「主様、話変えた……」
「変えましたね……」
「うむ、変えたな!」
「……けどセレスティア様はこの3日間1度もお会いしてませんね。 そもそもそんな簡単に神様に会える方がおかしいんですけどね 」
「エレナも知らな~い 」
「もちろん俺も知らんぞ! 」
そうだよな。
久しぶりに会ったアーカシス様と積もる話でもあるのだろうか。
「ボクのこと呼んだかい? 」
目の前には3日ぶりに会った妖精……いや神様がいた。
「ティア! どこ行ってたんだ? 」
「春陽くん、心配した? ねぇ心配したの? 」
セレスティアは小さな肘で小突いてきながらそう言ってきた。
確かに心配してなかったと言えば嘘になる。
こっちの世界に来て、初めて会い、ずっと一緒に居たのだから。
「はいはい、心配しましたよ! で?どこ行ってたんだ? 」
すると、セレスティアの顔色が曇っていき、
「アーカシスに魔力障壁のこと、魔族のこと、魔力抗争のこと1から叩き込まれたんだ……」
よほどアーカシス様の指導がきつかったんだろうな。
◇
第2試験開始までもうすぐのため、俺たちは会場まで移動した。
ちなみに神は試験の公平性を期すために同席が禁じられているためアーカシスと共に試合をみるらしい。
そして待機室で模擬戦まで待てば良いらしい。
試合開始まであと10分、さすがにほとんど揃っており、ギルド試験の時はガラガラだった待機室もかなり混雑している。
だが、1人1人座る場所はあるようだ。
そうしているともう今は見慣れたモニターから、
『皆さんお集まり頂けたでしょうか? 第2試験 1試合目の組み合わせを発表いたします 』
アリアンサだな。
もう発表されるのか。
しかし25試合あるのだから気が遠くなるな。
『高橋 春陽 VS セリア・ウィンドウィスパー 』
……早速だし、エリートとじゃん。
空気中の魔力が使えない俺、どうしようか。
16
あなたにおすすめの小説
異世界転生した俺は、産まれながらに最強だった。
桜花龍炎舞
ファンタジー
主人公ミツルはある日、不慮の事故にあい死んでしまった。
だが目がさめると見知らぬ美形の男と見知らぬ美女が目の前にいて、ミツル自身の身体も見知らぬ美形の子供に変わっていた。
そして更に、恐らく転生したであろうこの場所は剣や魔法が行き交うゲームの世界とも思える異世界だったのである。
異世界転生 × 最強 × ギャグ × 仲間。
チートすぎる俺が、神様より自由に世界をぶっ壊す!?
“真面目な展開ゼロ”の爽快異世界バカ旅、始動!
スキルで最強神を召喚して、無双してしまうんだが〜パーティーを追放された勇者は、召喚した神達と共に無双する。神達が強すぎて困ってます〜
東雲ハヤブサ
ファンタジー
勇者に選ばれたライ・サーベルズは、他にも選ばれた五人の勇者とパーティーを組んでいた。
ところが、勇者達の実略は凄まじく、ライでは到底敵う相手ではなかった。
「おい雑魚、これを持っていけ」
ライがそう言われるのは日常茶飯事であり、荷物持ちや雑用などをさせられる始末だ。
ある日、洞窟に六人でいると、ライがきっかけで他の勇者の怒りを買ってしまう。
怒りが頂点に達した他の勇者は、胸ぐらを掴まれた後壁に投げつけた。
いつものことだと、流して終わりにしようと思っていた。
だがなんと、邪魔なライを始末してしまおうと話が進んでしまい、次々に攻撃を仕掛けられることとなった。
ハーシュはライを守ろうとするが、他の勇者に気絶させられてしまう。
勇者達は、ただ痛ぶるように攻撃を加えていき、瀕死の状態で洞窟に置いていってしまった。
自分の弱さを呪い、本当に死を覚悟した瞬間、視界に突如文字が現れてスキル《神族召喚》と書かれていた。
今頃そんなスキル手を入れてどうするんだと、心の中でつぶやくライ。
だが、死ぬ記念に使ってやろうじゃないかと考え、スキルを発動した。
その時だった。
目の前が眩く光り出し、気付けば一人の女が立っていた。
その女は、瀕死状態のライを最も簡単に回復させ、ライの命を救って。
ライはそのあと、その女が神達を統一する三大神の一人であることを知った。
そして、このスキルを発動すれば神を自由に召喚出来るらしく、他の三大神も召喚するがうまく進むわけもなく......。
これは、雑魚と呼ばれ続けた勇者が、強き勇者へとなる物語である。
※小説家になろうにて掲載中
はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~
緋色優希
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。
レベルアップに魅せられすぎた男の異世界探求記(旧題カンスト厨の異世界探検記)
荻野
ファンタジー
ハーデス 「ワシとこの遺跡ダンジョンをそなたの魔法で成仏させてくれぬかのぅ?」
俺 「確かに俺の神聖魔法はレベルが高い。神様であるアンタとこのダンジョンを成仏させるというのも出来るかもしれないな」
ハーデス 「では……」
俺 「だが断る!」
ハーデス 「むっ、今何と?」
俺 「断ると言ったんだ」
ハーデス 「なぜだ?」
俺 「……俺のレベルだ」
ハーデス 「……は?」
俺 「あともう数千回くらいアンタを倒せば俺のレベルをカンストさせられそうなんだ。だからそれまでは聞き入れることが出来ない」
ハーデス 「レベルをカンスト? お、お主……正気か? 神であるワシですらレベルは9000なんじゃぞ? それをカンスト? 神をも上回る力をそなたは既に得ておるのじゃぞ?」
俺 「そんなことは知ったことじゃない。俺の目標はレベルをカンストさせること。それだけだ」
ハーデス 「……正気……なのか?」
俺 「もちろん」
異世界に放り込まれた俺は、昔ハマったゲームのように異世界をコンプリートすることにした。
たとえ周りの者たちがなんと言おうとも、俺は異世界を極め尽くしてみせる!
異世界に転生したけど、頭打って記憶が・・・え?これってチート?
よっしぃ
ファンタジー
よう!俺の名はルドメロ・ララインサルって言うんだぜ!
こう見えて高名な冒険者・・・・・になりたいんだが、何故か何やっても俺様の思うようにはいかないんだ!
これもみんな小さい時に頭打って、記憶を無くしちまったからだぜ、きっと・・・・
どうやら俺は、転生?って言うので、神によって異世界に送られてきたらしいんだが、俺様にはその記憶がねえんだ。
周りの奴に聞くと、俺と一緒にやってきた連中もいるって話だし、スキルやらステータスたら、アイテムやら、色んなものをポイントと交換して、15の時にその、特別なポイントを取得し、冒険者として成功してるらしい。ポイントって何だ?
俺もあるのか?取得の仕方がわかんねえから、何にもないぜ?あ、そう言えば、消えないナイフとか持ってるが、あれがそうなのか?おい、記憶をなくす前の俺、何取得してたんだ?
それに、俺様いつの間にかペット(フェンリルとドラゴン)2匹がいるんだぜ!
よく分からんが何時の間にやら婚約者ができたんだよな・・・・
え?俺様チート持ちだって?チートって何だ?
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
話を進めるうちに、少し内容を変えさせて頂きました。
追放された最強賢者は悠々自適に暮らしたい
桐山じゃろ
ファンタジー
魔王討伐を成し遂げた魔法使いのエレルは、勇者たちに裏切られて暗殺されかけるも、さくっと逃げおおせる。魔法レベル1のエレルだが、その魔法と魔力は単独で魔王を倒せるほど強力なものだったのだ。幼い頃には親に売られ、どこへ行っても「貧民出身」「魔法レベル1」と虐げられてきたエレルは、人間という生き物に嫌気が差した。「もう人間と関わるのは面倒だ」。森で一人でひっそり暮らそうとしたエレルだったが、成り行きで狐に絆され姫を助け、更には快適な生活のために行ったことが切っ掛けで、その他色々が勝手に集まってくる。その上、国がエレルのことを探し出そうとしている。果たしてエレルは思い描いた悠々自適な生活を手に入れることができるのか。※小説家になろう、カクヨムでも掲載しています
外れギフト魔石抜き取りの奇跡!〜スライムからの黄金ルート!婚約破棄されましたのでもうお貴族様は嫌です〜
KeyBow
ファンタジー
この世界では、数千年前に突如現れた魔物が人々の生活に脅威をもたらしている。中世を舞台にした典型的なファンタジー世界で、冒険者たちは剣と魔法を駆使してこれらの魔物と戦い、生計を立てている。
人々は15歳の誕生日に神々から加護を授かり、特別なギフトを受け取る。しかし、主人公ロイは【魔石操作】という、死んだ魔物から魔石を抜き取るという外れギフトを授かる。このギフトのために、彼は婚約者に見放され、父親に家を追放される。
運命に翻弄されながらも、ロイは冒険者ギルドの解体所部門で働き始める。そこで彼は、生きている魔物から魔石を抜き取る能力を発見し、これまでの外れギフトが実は隠された力を秘めていたことを知る。
ロイはこの新たな力を使い、自分の運命を切り開くことができるのか?外れギフトを当りギフトに変え、チートスキルを手に入れた彼の物語が始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる