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2章 魔術対抗試験編
第3試験のために
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闘技場へ集まった俺たちは、アリアンサのアナウンスを待っている。
なんとなく皆、ここで勝ちを喜んではいけないと思っているのか待機室からまだ誰も話していない。
客席に偉いさん達が座っていることも関係しているのだろう。
『えー皆さん、試験お疲れ様でした。 ここまで勝ち残ったということは、魔術学院でも非常に優れた数限りない魔道士だということです。それをしっかり自覚してこの場に立ってください。 では第3試験についてですが、今日はもう遅いので明日の開催に致します。 内容に関しても、公平性を期すために明日説明致します。 第3試験は魔術学院地下演習場で行うため、明日は学院の1階ロビーに集まってください。 』
「地下演習場? 聞いたことあるか? 」
「いや?初めて聞くな 」
「去年の魔術対抗試験で第3までいったやつなら分かんじゃねーの? 」
サイラス、ローラン、ガレンがそう言って俺たちの方を見ている。
おそらくそれはセリアやカイル、ミアのことだろう。
「……分かるのか? 」
俺がそう聞くと、
「い~え、少なくとも去年はそのような場所を使って試合など行ってなかったわ 」
セリアが言うなら間違いないか。
カイルとミアも頷いている。
「確か、去年は学院の屋上庭園だったか? 」
「……そうそう、お宝探しだったかな 」
ライラとミアがご丁寧に去年の試験内容を教えてくれる形となった。
明日の参考になるかもしれないな。
もし去年の同様に宝探し的なものになるのであれば、かなりの時間魔力を使うことになる。
何にせよ第3試験がすぐに終わるわけはない。
少しでも長く戦うことの出来る魔法を明日までに考えよう。
◇
あれから皆外に出て、何人かは行くべき場所があるらしく、ここで解散した。
そして残るはいつものメンツ+セリア、ライラという珍しい構図となった。
「えーっと、とりあえず学院に帰りますか? 」
「ええ、私も帰るつもりよ 」
「ワシは先に帰るぞっ! 」
セリアは俺の案に同意し、同じ歩幅で帰ろうとしているが、ライラはせっかちなのか屋根を縦横無尽に駆けて帰って行った。
「あれは……速いな 」
「……もう、ライラちゃん! 」
カイルは目をパックリと見開いており、ミアは友達ながらに呆れているようだ。
疲れもあることだし、俺たちはゆっくりと学院まで戻るのだった。
◇
女性陣は各自寮へと戻り、残るは俺とカイルのみとなった。
「春陽、俺たちも寮に……」
「カイル! 少し付き合ってくれないか? 」
「ん? なんだ? 」
「少し試したいことがあってさ」
「おっ!いいぞ! では演習場に行こう! 」
◇
「演習場に着いたのはいいけど、何を試すんだ? 」
「1度纏ったエーテルバフがどれくらい保てるかをね! 」
「ほう、それはおもしろい 」
今回試すのは明日使うつもりの無属性エーテルバフだ。
セリアと戦った感覚でいうと、属性を決めて纏うよりも無属性の方が威力が高かったように感じたからだ。
第3試験はこれを纏い続けるだけ続けたいが、まずは限界を知りたい。
「……てことで俺は無属性を纏う! カイル! 行くぞ! 」
「オッケーだ! 春陽! 」
カイルが雷のエーテルバフを纏った。
なら俺から仕掛けるか。
「オラッ! 」
「なにをっ! 」
近接攻撃の打ち合いをすると、やはり少しカイルが上回ってくるな。
周りから見ると互角に見えるかもしれないが、こちらの攻撃は上手く通らず、向こうの攻撃が何発に1回かは僅かに触れてくる。
ちょうど30分ほど攻防を繰り返した頃、
「春陽、ちょっと休むか 」
「ああ、そうだな 」
「……って春陽! エーテルバフ解かないのか? 」
「いや、俺魔法使い始めて日が浅いからさ、どれくらい保てるのか知りたくて! 」
「なるほど! ちなみに俺は1回に30分程度が限界だ! 少し休めばまた使えるがな! 」
「カイルでも30分か。 にしても単純な殴り合いなら多分カイルには勝てないなぁ。 はははっ! 」
「雷属性の特性は速さだからな! それ以外は無属性の方が性能は高く感じるぞ? 」
「属性によって特性があるのか…… 」
「ああ、そうだ。 よし!春陽、もう30分頑張ってみるか? 」
「おう! 頼む! 」
俺たちはこの後もう30分打ち合ったが、やはり速さでは敵わず、だがしかし今回は何度か攻撃を当てることができた。
ただ当初の目的であるエーテルバフの持続時間が1時間以上ということが分かったから良しとしよう。
「カイル! 今日はありがとう! 明日に備えて休もう 」
「おうよ! お互いの健闘を祈ろうぜ!」
◇
次の日、ロビーで集合した。
「皆さん、おはようございます 」
「「「おはようございます!!」」」
昨日のメンツが全員揃ってるな。
教員達は今まで以上に多くいて、何かを準備している。
あれは魔法陣か?
「えー皆さん目の前の魔法陣を見てもらったら分かると思いますが、これで地下演習場まで転移します! 」
───!?
なんとなく皆、ここで勝ちを喜んではいけないと思っているのか待機室からまだ誰も話していない。
客席に偉いさん達が座っていることも関係しているのだろう。
『えー皆さん、試験お疲れ様でした。 ここまで勝ち残ったということは、魔術学院でも非常に優れた数限りない魔道士だということです。それをしっかり自覚してこの場に立ってください。 では第3試験についてですが、今日はもう遅いので明日の開催に致します。 内容に関しても、公平性を期すために明日説明致します。 第3試験は魔術学院地下演習場で行うため、明日は学院の1階ロビーに集まってください。 』
「地下演習場? 聞いたことあるか? 」
「いや?初めて聞くな 」
「去年の魔術対抗試験で第3までいったやつなら分かんじゃねーの? 」
サイラス、ローラン、ガレンがそう言って俺たちの方を見ている。
おそらくそれはセリアやカイル、ミアのことだろう。
「……分かるのか? 」
俺がそう聞くと、
「い~え、少なくとも去年はそのような場所を使って試合など行ってなかったわ 」
セリアが言うなら間違いないか。
カイルとミアも頷いている。
「確か、去年は学院の屋上庭園だったか? 」
「……そうそう、お宝探しだったかな 」
ライラとミアがご丁寧に去年の試験内容を教えてくれる形となった。
明日の参考になるかもしれないな。
もし去年の同様に宝探し的なものになるのであれば、かなりの時間魔力を使うことになる。
何にせよ第3試験がすぐに終わるわけはない。
少しでも長く戦うことの出来る魔法を明日までに考えよう。
◇
あれから皆外に出て、何人かは行くべき場所があるらしく、ここで解散した。
そして残るはいつものメンツ+セリア、ライラという珍しい構図となった。
「えーっと、とりあえず学院に帰りますか? 」
「ええ、私も帰るつもりよ 」
「ワシは先に帰るぞっ! 」
セリアは俺の案に同意し、同じ歩幅で帰ろうとしているが、ライラはせっかちなのか屋根を縦横無尽に駆けて帰って行った。
「あれは……速いな 」
「……もう、ライラちゃん! 」
カイルは目をパックリと見開いており、ミアは友達ながらに呆れているようだ。
疲れもあることだし、俺たちはゆっくりと学院まで戻るのだった。
◇
女性陣は各自寮へと戻り、残るは俺とカイルのみとなった。
「春陽、俺たちも寮に……」
「カイル! 少し付き合ってくれないか? 」
「ん? なんだ? 」
「少し試したいことがあってさ」
「おっ!いいぞ! では演習場に行こう! 」
◇
「演習場に着いたのはいいけど、何を試すんだ? 」
「1度纏ったエーテルバフがどれくらい保てるかをね! 」
「ほう、それはおもしろい 」
今回試すのは明日使うつもりの無属性エーテルバフだ。
セリアと戦った感覚でいうと、属性を決めて纏うよりも無属性の方が威力が高かったように感じたからだ。
第3試験はこれを纏い続けるだけ続けたいが、まずは限界を知りたい。
「……てことで俺は無属性を纏う! カイル! 行くぞ! 」
「オッケーだ! 春陽! 」
カイルが雷のエーテルバフを纏った。
なら俺から仕掛けるか。
「オラッ! 」
「なにをっ! 」
近接攻撃の打ち合いをすると、やはり少しカイルが上回ってくるな。
周りから見ると互角に見えるかもしれないが、こちらの攻撃は上手く通らず、向こうの攻撃が何発に1回かは僅かに触れてくる。
ちょうど30分ほど攻防を繰り返した頃、
「春陽、ちょっと休むか 」
「ああ、そうだな 」
「……って春陽! エーテルバフ解かないのか? 」
「いや、俺魔法使い始めて日が浅いからさ、どれくらい保てるのか知りたくて! 」
「なるほど! ちなみに俺は1回に30分程度が限界だ! 少し休めばまた使えるがな! 」
「カイルでも30分か。 にしても単純な殴り合いなら多分カイルには勝てないなぁ。 はははっ! 」
「雷属性の特性は速さだからな! それ以外は無属性の方が性能は高く感じるぞ? 」
「属性によって特性があるのか…… 」
「ああ、そうだ。 よし!春陽、もう30分頑張ってみるか? 」
「おう! 頼む! 」
俺たちはこの後もう30分打ち合ったが、やはり速さでは敵わず、だがしかし今回は何度か攻撃を当てることができた。
ただ当初の目的であるエーテルバフの持続時間が1時間以上ということが分かったから良しとしよう。
「カイル! 今日はありがとう! 明日に備えて休もう 」
「おうよ! お互いの健闘を祈ろうぜ!」
◇
次の日、ロビーで集合した。
「皆さん、おはようございます 」
「「「おはようございます!!」」」
昨日のメンツが全員揃ってるな。
教員達は今まで以上に多くいて、何かを準備している。
あれは魔法陣か?
「えー皆さん目の前の魔法陣を見てもらったら分かると思いますが、これで地下演習場まで転移します! 」
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