無尽蔵の魔力で世界を救います~現実世界からやって来た俺は神より魔力が多いらしい~

甲賀流

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2章 魔術対抗試験編

次なる目的地

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 相変わらず本棚がたくさん並んでるな、ここは。
 そう、俺が今いるのはアーカシス様の領域である。

 次の目的地をアーカシス様に伺うために、再び足を踏み入れたのだ。
 いや、細かくいうと踏み入れた、というより連れてこられたという方が正しいか。
 なにせ足元に突然魔法陣が現れてここまで来たのだから。

 「久しぶりだねぇ春陽くんっ  」
 相変わらず不敵な笑みを浮かべている。
 そういえば以前は、この笑みを浮かべたアーカシス様に『魔術対抗試験』に誘われたのだった。
「魔術対抗試験も春陽くんのおかげで楽しかったよっ 優勝もおめでとうね 」
「え、おれが優勝!? 」
「うん、あんな化け物倒したんだから誇っていいよ! 後でお祝いしようね~ 」

 俺が優勝か。
 今思えば何かで優勝したなんて初めての経験だ。
 しかしヤバいこともあったが、試験自体は楽しかったし、友達を助けることもできた。
 満足ということである。

「それでアーカシス様、次の目的地というのは? 」
「ちょっと!2人で話進めようとしてるけど、ボクがいるのも忘れないでね! 」

 転移してまもなくだったため、セレスティアもここにいること自体気づかなかった。

「ごめん、ティア。 本気で気づかなかった 」
「もう! 春陽のバカバカ! 」
 そう言ってぽかぽか叩いてくるが、全然痛くない。

「はい、2人とも遊んでないで話をするよ~ 」
 ようやく話をする流れになったな。

「アーカシス様、話の続きですけど次の目的地って? 」
「ああ、それなんだけどアークスカイに行くといい 」
「アークスカイ? 」
「……ここのことだよ! 」

 アーカシス様が指を指したのは、彼が空中に魔法か何かで出したTVでいう100インチは優に超えるほど大きい画面である。
 そこに写し出されたのは、空中都市だ。
 確かダンジョンを抜けた日、空に島が浮いている風景を見た気がするがあれのことか。

「春陽もこの世界に来た日、空に浮いてる島みたでしょ? 」
「やっぱりか。 どうりで見たことがあると思った 」

 だが、そこに一体何があるのだろう。
 アーカシス様が言うということは神様がいるのか?

「空中都市アークスカイには『ノクティス』という神がいる。 彼とは長い付き合いでね、何か裏切り者についね知ってるかもしれない 。 それと近々、魔力障壁を貼り直すから手を貸せと言っといてくれ 」
「分かりました 」

 アーカシス様からのおつかいも受けたわけだし、目的地は空中都市アークスカイに決まりだな。

「よし、春陽っ! アークスカイへ行こうっ!! 」
 セレスティアは乗り気なのか、グイグイ引っ張ってくる。
 そんな急いでどうするつもりなのだ。
 そもそも行き方を知ってるのだろうか。
「ティア、待てって。 そもそもどうやって行くんだ? 」
「それは大丈夫だよっ春陽! 」
 どうもセレスティアは自信満々なようだ。

「ああ、アルカナに転移装置がある。 そこから直接アークスカイへは行けるぞ 」
 しかしそう答えてくれたのはアーカシス様のため、セレスティアの案ではなさそうだ。

「で、いつ出発するんだ? 」
 俺としてはもう少しゆっくりしてから行きたいなと思うところだが。
 ここでできた友達にもちゃんと挨拶したいし。
「んーそだねぇ……」

「春陽くん 」
 唐突にアーカシス様からお呼びがかかった。
 またもや不敵な笑みを浮かべている。
 何かしら考えがあって声をかけてきたのだろう。
「……はい? 」
 俺は恐る恐る返事をした。

「春陽くんの優勝と君たちの旅立ちをかねてパーティでも開こうかっ! 」
 パーティ?
 確かに最近戦い続きだったし、ここを去るのだからアルカナの人達にもお別れをしたいと思っていた。
 俺としてはありがたい申し出だ。
 突然の提案だったが、俺は快く首を縦に振った。
 
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