無尽蔵の魔力で世界を救います~現実世界からやって来た俺は神より魔力が多いらしい~

甲賀流

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3章 空中都市編

第八席

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 いやぁ危なかった。
 少しでも遅れていたらシリウス含め、騎士団の皆を守ることができなかっただろう。
 しかしなんだ、あのちっちゃい娘は。
 エレナよりも幼そうな見た目、おそらく10歳くらいか。

「オマエ、今闇魔法使ったな? しかも【  アビスカース⠀】って上位魔族しか使えんのだぞ。人間にもおもろいやついるじゃ~ん  」

「やっぱり魔族なんだな。 この騒動、お前の仕業なのか? 」
「オレの仕業だっていったらどうすんだ~? 」
「……ここで倒すしかないだろ 」
「倒すだぁ~? このオレ『ダークオーダー』第八席、リシアン・シルバーレイスを? キャハハッ!おもろいやつだの~  」

 ダークオーダー?第八席?
 聞く感じ、どこかの組織の役職持ち的なものか?
 魔力量も今までと比べ物にならないし、おそらくは出会った中では最強格というやつだろう。
 ティアなら何か知ってるかも。
 
「ティア、あいつは何言ってんだ?? 」

「……『ダークオーダー』ってのは上位魔族だけで造られた組織で、第八席ってのは強さの順位だよっ! 第一席から十まであって、数字が少なくなるにつれて強くなるんだ。 上位魔族を見たのは魔力抗争以来だよ……  」

「おおっと!?  」と、セレスティアは翼が空回りしたのか、空中でバランスを崩したが間一髪で俺がすくい上げた。

「ティア、大丈夫か? 」
「……うん、ごめん 」

 上位魔族をみて、セレスティアも相当の衝撃らしい。
 それは他の仲間も例外ではない。
 実際に俺以外の仲間は皆、あのリシアンというやつをみて、立っているのがやっとといったところのようだ。
 ということは、ここで戦えるのは俺だけか。
 戦闘力だけでいえばエレナも戦えそうな範囲だとは思うが、あいつは魔族に対してトラウマを抱えている。
 今だって自分でなんとか震えを抑えようとしてるみたいだ。

 俺は仲間の中で1番意識を保てているやつに声をかけた。
「シリウス! 」
「……な、なんだ? 」
「カイル、ミア、エレナを連れて、騎士団の仕事をしていてくれ! 」
「しかし春陽、お前は…… 」
「俺はあいつを倒しておく 」
「……倒せるのか? 」
「ああ、多分あれくらいならなんとかなる 」

「ああっ? 聞き捨てならねぇこと言ってんなぁ~ オレを倒すなんてほざくヤツ初めて見たわ~ 」

 スパンッ───

 リシアンは闇の魔力で創造したであろう剣を、数十メートル離れているところから振りかぶり、闇の斬撃を飛ばしてきた。

 バシュッ───

「はぁぁ? 打ち消しただぁぁっ!? 」

 やっぱり見えるな。
 あれくらいの斬撃ならエーテルバフを纏うだけで対抗できると、咄嗟に感じることが出来た。
 というよりも取り込んだ魔力がそう教えてくれたのだが。

「……さすがだな、春陽 」
「……春陽さんありがとう 」
「主様…… 」

 皆、少しずつ正気に戻ったようだ。

「皆、シリウスについていってくれ! 」

「ああ、お前たちには住民の避難と救助の役を担ってもらう。 こっちだ!  」

 カイルやミア、エレナは少し戸惑っていたようだが、今の状況を見て判断したのかすぐにシリウスの元へ向かった。

「春陽、力になれず申し訳ない  」
「私も春陽さんを助けるためについてきたのに…… 」
「2人とも気にすんなよ! 代わりに街の人を頼むな  」
「「……わかった! 」」

 そう言って皆を見送った。

「春陽、ボクはノクティスのところへ向かうよ! 彼にこの街のこと、魔族のこと話してくる! 」
「わかった、頼んだよ 」

 セレスティアはその小さな羽をパタパタさせてスカイタワーへ向かっていった。

 よし、俺は戦いに集中……

「主様……」
「うわぁっ! びっくりした! 」

 後ろから、すでに去ったと思っていた仲間の声がしたため、めちゃくちゃビビった。
 何故かエレナがここにいる。
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