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第3章
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町に着いた剣吾達は、村との違いに驚く。
城下町には人が多く、市場は繁盛しており村では見かけた事がない高級な食べ物まで売っていたのである。彼らは、稽古の練習場所を探す目的で町に来たのを忘れ、市場を満喫している。
「おい、剣吾。あっちに行って見ようぜ!」
「良いね~!みんな行こう」
剣吾達は稽古場と書かれた看板を見つけたが、外観は古びた建物であった。入り口の扉も壊れる寸前で、もう使われてない。誰もが思っていた。
中へ入ると暗闇で何も見えない状況が続いている。扉を閉めるとすぐに明かりが付き、見えるようになる。
「すっげぇぇぇ!」
「これは、カラクリか?」
「とりあえず奥に行こうよ」
剣吾を先頭に突き当たりにある扉へと向かう。彼は笑顔で向かっているのに対して、友達3人は怖くて帰りたそうな顔をしている。
扉に着くと文字が書いてあった。
「これは何と書いてるんだ?」
「どれどれ?」
気の弱そうな痩せ細った友達が解読する。
「この扉を開くには、忍者を倒せ。って書いてあるけど、忍者って何処に居てるんだ?」
「このパターンは屋根の上や後方、壁に隠れてる事が多いって、父上が言っていた」
「だったら、辺りに注意しようぜ」
まだ子供という事は、忍者は隠れながら知っている。辺りには壁と正面に扉しかない。何処に隠れているのかが子供達には分からない。
剣吾は適当に木刀を振ったり、壁を叩いてみたりと色々と試していると「痛っ」という声が聞こえた。
頭脳派の友達が隠れている場所を分かってしまったのである。周りの友達が、教えてくれ、と頼む。
「忍者は壁に張り付いている可能性が高い」
「よし、皆で壁を叩け!」
剣吾を主に木刀で壁を叩き出す。
すると、壁から今にも転けそうに忍者が倒れて来たのである。すぐに態勢を整えた忍は、子供達を迎え撃つ構えを取る。
だが、子供達は4対1という事もあり勝てると自信に満ち溢れていた。
「俺だけが相手してやろう!」
「ふん!俺も舐められたものだ。名を名乗れ」
「俺は剣吾。父上は先日亡くなった将軍だ」
「将軍様の.........息子かぁ」
忍は剣吾に突撃をする。
周りの壁や得意のフェイントを使い、優勢に戦っている姿を見た友達は、援護するために忍びに攻撃を仕掛ける。
4人の連携プレーに忍びも降参をする。
「剣吾様、奥で首領がお待ちです」
扉が開き、奥へと進む。
お頭が2人、上忍が4人、中忍が10人が散らばって座っている。階段は正面で20m先にあり、その上に玉座のような椅子に1人座っていた。
「小僧がまとまって、ここへ何しに参った」
「剣の稽古がしたくて町にやって来た。古びた建物を見つけて、興味津々で入りました」
「小僧、名は何と申す」
「俺は剣吾。亡くなった将軍が父上だ」
「なっ、なんだと!」
首領は驚きを隠し切る事は出来ず、その場に勢い立ってしまった。階段下に居る忍び達は、すぐに頭を下げる。
首領は他の忍者とは違い、黒装束や顔を隠しておらず、派手な着物を着ている。階段下まで下りて来ると、剣吾の近くに寄る。
「若様の到来を、お待ちしておりました」
「えっ!?俺の到来を?」
その場に居た他の友達は驚きのあまり、何も言葉が出ない。剣吾自身も驚いていた。
「何故、俺の到来を待っていたのだ」
「将軍様に若(剣吾)様を頼むとお願いされ、将軍様が使われていた本拠地のここで待っていました」
「我々を若様の部下にお願いします」
「嫌だ。俺は信頼する者しか部下にはしない」
「若様、我々は将軍様を殺した者が誰かが知っています」
「本当か!?誰が父上を殺したのだ」
「我々は情報を主君にしか報告しません。なので、誰かが知りたければ我々の主君にお願いします」
「うーん........、わかった」
「有難き幸せに存じます。本題に入りますが、将軍様を殺したのは、この国の王です」
「王だと........。じゃあ今から殺しに行く」
「駄目です。今から行っても返り討ちに遭うだけです。まずは王に従い、将軍になるのです。そしたら、部下や兵も居ていますので仇討ちが出来るようになります」
「わかった。今回ばかりは言う事を聞こう」
友達3人は元々、剣吾の友達でもあり部下でもある。若の為にと皆は稽古を付けている。
今よりも力を付ける為に、将軍の元部下を探すという事になった。手がかりは首領の従える忍者を使うという話になっていた。
~それから数日後の夜中~
首領は剣吾の屋敷に、使用人や母にバレないように侵入し、若の部屋へと入る。
「首領、どうしてここに?」
「国王に近づく方法が分かりました」
「その方法とは何だ?」
「1週間後に、少年剣術大会が王宮にて開かれます。そこで勝てば、何処かの軍に加入されます」
「当然、子供の護衛として部下も入れますので、もし参加されるのでしたらお供致します」
「わかった。母上に相談してから報せよう」
「はっ、承知致しました」
首領は自身のアジトへと戻り、剣吾は布団を敷いて寝た。
次日となり、若は母の部屋に入る。
「剣吾、こんな朝早くからどうしたの?」
「母上、お話があります」
「どうしたの?話って........」
「実は、1週間後に開かれる少年剣術大会に参加しようと思うんだ。そこで勝てば、何処かの軍に加入されるから。父上みたいになりたいんだ」
「..........本気なの?」
「俺は本気だよ!」
「..........わかったわ。ただし条件があるの」
「条件って何?」
「それは、絶対に勝つこと」
「母上、有難うございます!」
こうして、剣吾は友達3人も参加させる事とし4人で出場する事が決定したのである。大会当日までは、首領に鍛えて貰うという話でまとまった。
城下町には人が多く、市場は繁盛しており村では見かけた事がない高級な食べ物まで売っていたのである。彼らは、稽古の練習場所を探す目的で町に来たのを忘れ、市場を満喫している。
「おい、剣吾。あっちに行って見ようぜ!」
「良いね~!みんな行こう」
剣吾達は稽古場と書かれた看板を見つけたが、外観は古びた建物であった。入り口の扉も壊れる寸前で、もう使われてない。誰もが思っていた。
中へ入ると暗闇で何も見えない状況が続いている。扉を閉めるとすぐに明かりが付き、見えるようになる。
「すっげぇぇぇ!」
「これは、カラクリか?」
「とりあえず奥に行こうよ」
剣吾を先頭に突き当たりにある扉へと向かう。彼は笑顔で向かっているのに対して、友達3人は怖くて帰りたそうな顔をしている。
扉に着くと文字が書いてあった。
「これは何と書いてるんだ?」
「どれどれ?」
気の弱そうな痩せ細った友達が解読する。
「この扉を開くには、忍者を倒せ。って書いてあるけど、忍者って何処に居てるんだ?」
「このパターンは屋根の上や後方、壁に隠れてる事が多いって、父上が言っていた」
「だったら、辺りに注意しようぜ」
まだ子供という事は、忍者は隠れながら知っている。辺りには壁と正面に扉しかない。何処に隠れているのかが子供達には分からない。
剣吾は適当に木刀を振ったり、壁を叩いてみたりと色々と試していると「痛っ」という声が聞こえた。
頭脳派の友達が隠れている場所を分かってしまったのである。周りの友達が、教えてくれ、と頼む。
「忍者は壁に張り付いている可能性が高い」
「よし、皆で壁を叩け!」
剣吾を主に木刀で壁を叩き出す。
すると、壁から今にも転けそうに忍者が倒れて来たのである。すぐに態勢を整えた忍は、子供達を迎え撃つ構えを取る。
だが、子供達は4対1という事もあり勝てると自信に満ち溢れていた。
「俺だけが相手してやろう!」
「ふん!俺も舐められたものだ。名を名乗れ」
「俺は剣吾。父上は先日亡くなった将軍だ」
「将軍様の.........息子かぁ」
忍は剣吾に突撃をする。
周りの壁や得意のフェイントを使い、優勢に戦っている姿を見た友達は、援護するために忍びに攻撃を仕掛ける。
4人の連携プレーに忍びも降参をする。
「剣吾様、奥で首領がお待ちです」
扉が開き、奥へと進む。
お頭が2人、上忍が4人、中忍が10人が散らばって座っている。階段は正面で20m先にあり、その上に玉座のような椅子に1人座っていた。
「小僧がまとまって、ここへ何しに参った」
「剣の稽古がしたくて町にやって来た。古びた建物を見つけて、興味津々で入りました」
「小僧、名は何と申す」
「俺は剣吾。亡くなった将軍が父上だ」
「なっ、なんだと!」
首領は驚きを隠し切る事は出来ず、その場に勢い立ってしまった。階段下に居る忍び達は、すぐに頭を下げる。
首領は他の忍者とは違い、黒装束や顔を隠しておらず、派手な着物を着ている。階段下まで下りて来ると、剣吾の近くに寄る。
「若様の到来を、お待ちしておりました」
「えっ!?俺の到来を?」
その場に居た他の友達は驚きのあまり、何も言葉が出ない。剣吾自身も驚いていた。
「何故、俺の到来を待っていたのだ」
「将軍様に若(剣吾)様を頼むとお願いされ、将軍様が使われていた本拠地のここで待っていました」
「我々を若様の部下にお願いします」
「嫌だ。俺は信頼する者しか部下にはしない」
「若様、我々は将軍様を殺した者が誰かが知っています」
「本当か!?誰が父上を殺したのだ」
「我々は情報を主君にしか報告しません。なので、誰かが知りたければ我々の主君にお願いします」
「うーん........、わかった」
「有難き幸せに存じます。本題に入りますが、将軍様を殺したのは、この国の王です」
「王だと........。じゃあ今から殺しに行く」
「駄目です。今から行っても返り討ちに遭うだけです。まずは王に従い、将軍になるのです。そしたら、部下や兵も居ていますので仇討ちが出来るようになります」
「わかった。今回ばかりは言う事を聞こう」
友達3人は元々、剣吾の友達でもあり部下でもある。若の為にと皆は稽古を付けている。
今よりも力を付ける為に、将軍の元部下を探すという事になった。手がかりは首領の従える忍者を使うという話になっていた。
~それから数日後の夜中~
首領は剣吾の屋敷に、使用人や母にバレないように侵入し、若の部屋へと入る。
「首領、どうしてここに?」
「国王に近づく方法が分かりました」
「その方法とは何だ?」
「1週間後に、少年剣術大会が王宮にて開かれます。そこで勝てば、何処かの軍に加入されます」
「当然、子供の護衛として部下も入れますので、もし参加されるのでしたらお供致します」
「わかった。母上に相談してから報せよう」
「はっ、承知致しました」
首領は自身のアジトへと戻り、剣吾は布団を敷いて寝た。
次日となり、若は母の部屋に入る。
「剣吾、こんな朝早くからどうしたの?」
「母上、お話があります」
「どうしたの?話って........」
「実は、1週間後に開かれる少年剣術大会に参加しようと思うんだ。そこで勝てば、何処かの軍に加入されるから。父上みたいになりたいんだ」
「..........本気なの?」
「俺は本気だよ!」
「..........わかったわ。ただし条件があるの」
「条件って何?」
「それは、絶対に勝つこと」
「母上、有難うございます!」
こうして、剣吾は友達3人も参加させる事とし4人で出場する事が決定したのである。大会当日までは、首領に鍛えて貰うという話でまとまった。
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