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第5章
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会場に着いた彼らは、その狭さに驚く。直径約10mほどの広さであった。周りには各軍の司令官が座る席が設けられ、正面には王と王妃が座る席が設けられている。
「こんな所で、誰かと対決するのか」
「緊張するな、皆に見られるとは」
「剣吾は緊張せず、勝ち進んで行くよな」
「まだ分からんなぁ........。強い奴も出て来るかも知れないしな」
彼らは待機場所へと向かう。
行く道中の門や通路には兵士、大臣が数人王宮に出入りをしている。彼らも剣術大会を見に来たのかと剣吾達は、疑問に感じる。
待機場所に着くと、そこには出場する大勢の人が木刀を振ったり、目を瞑る者や出場者同士で話す者など数多く居た。剣吾達は端っこの方で、それぞれが扱う武器を持ち、稽古する。
「若様、我々は外でお待ちしております」
「分かった、また後でな!」
首領と大男は外に出る。
その数分後に、出場者の発表をするために兵士2人がやって来る。大会に出る子供達は兵の元に近寄っていくが、剣吾達は皆の後ろの方で聞く事にした。
第1試合目が剣吾、第2試合目が黄山、第3試合
目が韓栄、第4試合目が賢太郎と続けて出場する事が分かったのである。
「以上になります。第1試合目に出場する子供は、準備を終わらせて会場に集まって下さい」
兵士は大声で言う。
剣吾達は自分が使い易そうな木製の武器を選ぶ。持ちやすさ、武器の長さなど若は細かい所までチェックしている。
「よし、これが良い」
剣吾は選び終えると、すぐに会場に向かう。
緊張は解れており、ただ勝ち進んで軍に加入をし、父上の仇討ちを成したい。これしか思っていなかった。
隣には対戦相手が歩いている。身長が高く、肩幅もあり頑丈な体つきで、なんなとなく力強い感じに溢れていた。
「お前、俺よりも身長が低いな。すぐに終わらせてやるから、安心しても良いぜ!」
「それは、こっちのセリフだ。数秒で終わらせてやる。俺は実行に移すのが得意なんだ」
2人が会場に出ると、周りからの歓声が聞こえてくる。審判を勤める兵士の誘導に従って、会場に上がる。
大男と首領は、この様子を見ていた。心中では勝て。としか思っていない。
戦闘開始の合図が出される。すぐに相手が剣吾に攻撃を仕掛ける。若も突撃をし、相手の繰り出す横斬りよりも低い態勢で横斬りをくらわせる。
「ぐはッ........クソッ」
相手が振り返った瞬間を狙い、剣吾は態勢をすぐに整え左から右と回し蹴りをする。すると、攻撃を受けた相手は立たなくなった。
「第1試合目勝者、剣吾~!」
この勢いに乗るために黄山、韓栄、賢太郎が勝ち進み、剣吾も順調に勝ち進む。
しかし、賢太郎と黄山は準々決勝を決める対戦で負けてしまう。一方の剣吾と韓栄は準々決勝も勝ち進み、準決勝に出る事が決まる。
待機場所に帰って来た剣吾は、友達の元に向かう。
「剣吾、準決勝でも頑張ってくれ!」
「俺達の分までな。あと韓栄もな!」
「なんだよ、それ。ついでにな見たいな感じで、何か腹立つなぁ」
「ハハハ、そんな事はないぜ!」
「韓栄君、会場に向かって下さい」
兵士が近づいて言う。
韓栄は兵士に対戦相手と共に会場へと向かう。相手は日陰で伸びた植物のように頼りなげな体つきをしている。
韓栄は、その体つきを見て勝てる。そう思ってしまったのである。
会場に着いた2人は、対戦する場所へと上がる。
「準決勝、始め!」
兵士が合図をした瞬間に、韓栄は攻撃を仕掛ける。縦斬り、横斬り、斜め斬りと攻撃を繰り出すが全て受け流しをされ、なかなか攻撃を当てる事が出来ない。
一旦、後方へ下がる韓栄。それを見計らった相手は、反撃に出た
「返り討ちにしてやる」
韓栄が返り討ちにしようとしたが、相手の速い攻撃を受け、必死に防御するしかなかった。なかなか攻撃を与える隙がない。逆に自身が隙を与えてしまい、左横腹に攻撃を受ける韓栄。
「もう諦めたらどうだ?戦場であれば、死ぬ直前だからな。痛い目に遭う前に辞めてしまえ」
「ぐはッ........。俺は諦めない!」
韓栄は反撃に出る。
攻撃を繰り出すスピードを速め、必死に攻撃を与えようと全力で木槍を振る。
「1つ教えといてやろう。槍は間合いに入られたら、勝ち目はなくなる。そこの対処は学んだか?」
「なんだと!?」
間合いに入った相手は蹴りで韓栄を転ばせ、木刀の刀先を転んだ彼に向ける。ここで試合終了となってしまう。
相手は韓栄に手を差し伸べるが、彼はその手を振り払い自分で立ち上がり、会場から出ていく。
待機場所へと向かう道中で壁に右手を付ける。
「クソッ.......。俺は今よりも、もっと強くなってみせる!」
韓栄は力強く言う。
待機場所に着いた彼の元に、剣吾達が近寄る。しかし、韓栄は近づいて来る友達を止め、八つ当たりをする。
「俺達は慰めようとしただけだ」
「それが要らないんだよ。剣吾は負けた人の悔しさというのを知らないだけだ」
「俺は指導官に負けて悔しかった」
「指導官に負けただけでは意味ない。自分と同じ年頃に負けたら、どれだけ悔しいか」
剣吾は自分と同じ年頃の人に負けた事がないため、どれだけ悔しいかが分からない。韓栄に言い返す言葉がなかった。
次の出場者の名前を兵士が呼ぶ。剣吾は優勝する。という言葉しか頭に入っていない。
「剣吾、絶対に勝てよ」
「そうだぞ!負けたら承知しないからな」
「俺が負けると思うか?」
「俺は負けないと思うな」
「剣吾が負けたら夢みてるって思うな」
「だろ?だから、ほどほどに期待してくれ」
剣吾は対戦相手と共に、会場へと向かう。
「こんな所で、誰かと対決するのか」
「緊張するな、皆に見られるとは」
「剣吾は緊張せず、勝ち進んで行くよな」
「まだ分からんなぁ........。強い奴も出て来るかも知れないしな」
彼らは待機場所へと向かう。
行く道中の門や通路には兵士、大臣が数人王宮に出入りをしている。彼らも剣術大会を見に来たのかと剣吾達は、疑問に感じる。
待機場所に着くと、そこには出場する大勢の人が木刀を振ったり、目を瞑る者や出場者同士で話す者など数多く居た。剣吾達は端っこの方で、それぞれが扱う武器を持ち、稽古する。
「若様、我々は外でお待ちしております」
「分かった、また後でな!」
首領と大男は外に出る。
その数分後に、出場者の発表をするために兵士2人がやって来る。大会に出る子供達は兵の元に近寄っていくが、剣吾達は皆の後ろの方で聞く事にした。
第1試合目が剣吾、第2試合目が黄山、第3試合
目が韓栄、第4試合目が賢太郎と続けて出場する事が分かったのである。
「以上になります。第1試合目に出場する子供は、準備を終わらせて会場に集まって下さい」
兵士は大声で言う。
剣吾達は自分が使い易そうな木製の武器を選ぶ。持ちやすさ、武器の長さなど若は細かい所までチェックしている。
「よし、これが良い」
剣吾は選び終えると、すぐに会場に向かう。
緊張は解れており、ただ勝ち進んで軍に加入をし、父上の仇討ちを成したい。これしか思っていなかった。
隣には対戦相手が歩いている。身長が高く、肩幅もあり頑丈な体つきで、なんなとなく力強い感じに溢れていた。
「お前、俺よりも身長が低いな。すぐに終わらせてやるから、安心しても良いぜ!」
「それは、こっちのセリフだ。数秒で終わらせてやる。俺は実行に移すのが得意なんだ」
2人が会場に出ると、周りからの歓声が聞こえてくる。審判を勤める兵士の誘導に従って、会場に上がる。
大男と首領は、この様子を見ていた。心中では勝て。としか思っていない。
戦闘開始の合図が出される。すぐに相手が剣吾に攻撃を仕掛ける。若も突撃をし、相手の繰り出す横斬りよりも低い態勢で横斬りをくらわせる。
「ぐはッ........クソッ」
相手が振り返った瞬間を狙い、剣吾は態勢をすぐに整え左から右と回し蹴りをする。すると、攻撃を受けた相手は立たなくなった。
「第1試合目勝者、剣吾~!」
この勢いに乗るために黄山、韓栄、賢太郎が勝ち進み、剣吾も順調に勝ち進む。
しかし、賢太郎と黄山は準々決勝を決める対戦で負けてしまう。一方の剣吾と韓栄は準々決勝も勝ち進み、準決勝に出る事が決まる。
待機場所に帰って来た剣吾は、友達の元に向かう。
「剣吾、準決勝でも頑張ってくれ!」
「俺達の分までな。あと韓栄もな!」
「なんだよ、それ。ついでにな見たいな感じで、何か腹立つなぁ」
「ハハハ、そんな事はないぜ!」
「韓栄君、会場に向かって下さい」
兵士が近づいて言う。
韓栄は兵士に対戦相手と共に会場へと向かう。相手は日陰で伸びた植物のように頼りなげな体つきをしている。
韓栄は、その体つきを見て勝てる。そう思ってしまったのである。
会場に着いた2人は、対戦する場所へと上がる。
「準決勝、始め!」
兵士が合図をした瞬間に、韓栄は攻撃を仕掛ける。縦斬り、横斬り、斜め斬りと攻撃を繰り出すが全て受け流しをされ、なかなか攻撃を当てる事が出来ない。
一旦、後方へ下がる韓栄。それを見計らった相手は、反撃に出た
「返り討ちにしてやる」
韓栄が返り討ちにしようとしたが、相手の速い攻撃を受け、必死に防御するしかなかった。なかなか攻撃を与える隙がない。逆に自身が隙を与えてしまい、左横腹に攻撃を受ける韓栄。
「もう諦めたらどうだ?戦場であれば、死ぬ直前だからな。痛い目に遭う前に辞めてしまえ」
「ぐはッ........。俺は諦めない!」
韓栄は反撃に出る。
攻撃を繰り出すスピードを速め、必死に攻撃を与えようと全力で木槍を振る。
「1つ教えといてやろう。槍は間合いに入られたら、勝ち目はなくなる。そこの対処は学んだか?」
「なんだと!?」
間合いに入った相手は蹴りで韓栄を転ばせ、木刀の刀先を転んだ彼に向ける。ここで試合終了となってしまう。
相手は韓栄に手を差し伸べるが、彼はその手を振り払い自分で立ち上がり、会場から出ていく。
待機場所へと向かう道中で壁に右手を付ける。
「クソッ.......。俺は今よりも、もっと強くなってみせる!」
韓栄は力強く言う。
待機場所に着いた彼の元に、剣吾達が近寄る。しかし、韓栄は近づいて来る友達を止め、八つ当たりをする。
「俺達は慰めようとしただけだ」
「それが要らないんだよ。剣吾は負けた人の悔しさというのを知らないだけだ」
「俺は指導官に負けて悔しかった」
「指導官に負けただけでは意味ない。自分と同じ年頃に負けたら、どれだけ悔しいか」
剣吾は自分と同じ年頃の人に負けた事がないため、どれだけ悔しいかが分からない。韓栄に言い返す言葉がなかった。
次の出場者の名前を兵士が呼ぶ。剣吾は優勝する。という言葉しか頭に入っていない。
「剣吾、絶対に勝てよ」
「そうだぞ!負けたら承知しないからな」
「俺が負けると思うか?」
「俺は負けないと思うな」
「剣吾が負けたら夢みてるって思うな」
「だろ?だから、ほどほどに期待してくれ」
剣吾は対戦相手と共に、会場へと向かう。
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