天威矛鳳

こーちゃん

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第16章

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既に皇鳳国の大将軍2万、将軍1万5千、副将軍5千、大官3千の計4万3千は支城を2つ取っていた。
戦場の経験が豊富の大将軍は、頭が賢く1度戦闘した相手の心が分かるようになり、部下には的確な指示を出す。春雷国も皇鳳国が大将軍を進軍させたと聞き、都は大慌てであった。

「剣十郎、我らも敵を攻めるぞ!」

将軍が言った数分後に、大将軍からの使者がやって来る。すぐに話を聞いた皆が、声に出して驚く。

「貴様、将軍様に対して無礼であるぞ」
「副将軍、別に良い!」
「ですがら将軍様!!」
「俺は良いと言ってるのだ」
「はっ、失礼致しました」
「では、将軍様。この城は民兵と最低限の武将を配置して、将軍様は大将軍様の駒として動いて貰います。なので、我が主君の陣営に居らして下さい」
「大将軍様の命に従います」

こうして、将軍は城に剣吾とその部下を置き、自身は大将軍の陣営に向かったのである。
剣吾は民兵達の士気を高める為に、相撲大会を開催すると言う。勝利品は金100枚、銀80枚と大金。それを聞いた民は、優勝する為に参加すると剣吾に願い出る。剣吾は願い出た者は全員参加させた。この2日後に大会は開催された。
一方、大将軍の陣営に向かう将軍達は、使者の案内で本陣に向かっている。
城に残った剣吾達は、民が幸せに暮らせるように天守閣にある広場に集結させた。何故呼ばれたのかは分からない民。

「今日、民を呼んだのには協力して欲しい事がある。それは、改革についてだ。国に対して遠慮している事があれば、俺に申してみよ!全部が全部出来る訳ではないが、全力で民達をサポートする」
「貴方様は、そこまでの権力ありますか?」
「俺には権力はまだないが、民が居ての国だと俺は思っている。民は一生懸命働き年貢を収めてくれているのに、この国の貴族達は金と女で遊んでいる。俺は、この世界を変えたい。皆が平等に暮らせる世の中を作り上げたい。だから、少しだけでも良い。俺に力を貸してくれ」

民達は頭の中で必死に考える。ここで改革を行えば反逆罪として、国から殺される。死ぬのが怖い民達は考える。
しかし、村長が協力する。と願い出た。これに合わせて次々と、協力する。という言葉が飛び交う。剣吾と、その部下達は心の底から喜ぶ。

「みんな本当に有難う!」
「将軍様、頭を下げないで下さい。我々みたいな下級の者達などに......」
「その通りです、将軍様」
「それが駄目なのだ。同じ人間なのに、差別が出来ている。俺達の前では、友達のうように見てくれ!」
「そっ、それは駄目です!」
「頼む、この通りだ.......」

土下座までした剣吾に困る民。
剣吾の心を受け止めた村長は、分かりました、と頭を下げる。これを聞いて喜ぶ剣吾を見た民衆は、彼の事を兄貴と呼び始める。

「俺と共に世界を変えようぜ、弟達よ!」
「おぉーーーー!!」

こうして、民達は正式に民兵から剣吾の黒報隊に加入する事になった。しかし、国王にバレてしまえば謀反として捕らえられ処刑される為、都には内緒にする。
剣吾は今よりも部下達と親密になる為に、月に1度宴を開く事にした。この噂を聞きつけた商人や旅人などが入城する事を志願するようになってしまう。これは、またたくまに都に噂される事となった。
その数日後、王宮から使者が城門前にやって来る。城壁上で見張っている兵長は、すぐに剣吾に報告。
剣吾の許可で中へ通し、主君の居る本丸の玄関まで兵長が案内し、玄関からは親衛長が案内する。

「兄貴、使者を連れて参りました」
「中へ通すのだ」

剣吾の命を受けた親衛長は、襖(ふすま)を開け使者を中へ通す。入るのを確認すると、襖を閉め自身の持ち場へと戻る。
右には首領、大男、左衛門が座っており、左に賢太郎、韓栄、黄山が座っている。そして、正面に座っているのが噂の剣吾だと使者は確信する。

「都からの遠路はるばるのお越し、さぞお疲れでございましょう。城内で泊まって行って下され!」
「フンッ、何を偉そうに。俺は、皇鳳国の大将軍だそ!!俺はお前よりも格上だ

「それは失礼致しました、大将軍様」
「くっ.......、まぁ良い。本題に入るが、貴様は謀反でも企んでおるのか?」
「謀反など滅相もございません。俺は、ただ民達が幸せに暮らせるように改革をしたまででございます」
「お前の変な改革のせいで、都の民や商人までが約半数くらい出て行った」
「それは申し訳ない事をしました」
「この事を王様に報告する」

怒りに満ち溢れている大将軍は、すぐに本丸から出ていく。これには流石の部下達は驚く。

「若様、奴を始末しましょう。出なければ我々は謀反人として包囲されます。味方も居ない今は、控えた方がよろしいかと」
「そうだな.....。韓栄、左衛門、黄山。兵を引き連れて、大将軍を始末せよ!」
「はっ、承知致しました」

韓栄、左衛門、黄山は約200名程の兵を引き連れて馬で駆け出す。剣吾は門兵に、門を開けるな、という指示をする為に早馬を出す。
まだ城門まで来ていない大将軍に喜ぶ兵。早速、主君の命を門兵に指示。
その20分後に、部下20名を率いて大将軍が城門前にやって来る。

「門兵、今すぐ城門を開けよ!」
「主君の命により、城門は開けない」
「なっ、なんだと!?お前ら謀反人として、死にたいのか?」
「俺達は死よりも主君の命に従う」

そこへ、兵を引き連れた韓栄達がやって来る。気付いた大将軍は驚き、部下達に戦闘準備を整えさせる。200名に包囲された大将軍達は、急に笑い出す。

「俺は1人で最低でも300名は倒せる。その俺に楯突くのか?」
「主君の命だ!包囲してる、この者達を殺すのだ」

韓栄の声を聞いた城壁上の守備兵は、下に居る大将軍達に矢を向ける。死を覚悟した大将軍は、韓栄達目掛けて突撃する。城壁上に居る弓兵は一斉射撃を行い、大将軍の部下達は次々と殺られていく。彼も背中に数本の矢が刺さるが、それでも耐え韓栄達目掛けて攻撃を仕掛ける。通常よりも攻撃のスピードが衰える大将軍の突撃は恐れる事ではなかった。

韓栄、左衛門、黄山の連続攻撃に耐えようとするが身体が付いて行かず、斬られてしまう。呆気ない最期を遂げてしまったのである。すぐに本丸に戻り、剣吾に殺った事を報告。

「都には、大将軍様から救援の依頼を貰い助けに行くと、既に春雷軍に殺られて助けに向かうのが遅れてしまった。とだけ伝えておけ!」
「若様、近くには山賊などか出る噂がありますので、それを利用しましょう。城から帰る道中で山賊に遭遇し、殺られてしまった。と旅人から報告がありました。なので、報告させて戴きましたという風にしませんか?」
「ハハハ、流石は首領だな!そのように報告させるように、王宮に使いを送れ」

この報告を聞いた王は、近くにある山やその周辺を徹底的に調べさせ、山賊を皆殺しにしたのである。
こうして、剣吾は助かったのであった。
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