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第19章
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将軍が敵の退路を断ったという事は、既に剣吾に報告されていた。
「黄山、すぐに将軍の元へと向かえ。退路は俺の部下、首領と大男に任せていると。こう伝えよ」
「承知致しました」
黄山は兵6人を連れて、将軍の元へと急ぐ。帰って来るのを待たずに、剣吾は敵本陣へと総攻撃を仕掛ける。
いきなりの夜襲に驚いた敵軍は、次々と殺られていく。敵総大将も焦り撤退を始める。剣吾は深追いを命じた。
6000余りの兵は敵の後を追う。事前に退路を確保していた首領の大男の率いる3000余りの兵が、敵軍に奇襲を仕掛ける。不意を付かれた敵は、一気に総崩れとなってしまう。
この時、既に敵の主力部隊に包囲されていたのである。
「予備部隊が上手く敵を引きつけてくれた。全軍突撃!」
敵の主力部隊が剣吾の率いる部隊に攻撃を仕掛けてきた。しかし、上手く後方に回れた将軍が、主力部隊に突撃する。
攻防一進一退が繰り広げられた。
剣吾は壁キックのように木を蹴り空中に飛んで、敵に縦斬りを食らわす。彼の獅子奮迅の勢いを見た黒報隊は、反撃に出る。敵の予備部隊、約2千余りの兵も皇鳳軍に攻撃を仕掛ける。
この乱戦の中に将軍は、4千余りの兵を率いて突撃し、剣吾を助ける事に成功する。撤退を命じようとするが、彼がそれを止める。
「剣十郎、ここは一旦撤退しよう」
「ここで、撤退してしまえば亡くなった味方の死が無駄になってしまいます」
「気持ちは分かる。だが、剣十郎まで死んでしまっては、必死に守った彼らの死も無駄になる」
将軍の援軍により、助かった皇鳳軍であったが更に奇跡が起こる。勝ち目がないと確信した騎馬民族が、春雷軍に攻撃を仕掛けたのであった。
予想外の裏切りに遭った春雷軍は、一気に総崩れとなり敵の総大将は僅かな兵と共に撤退を始める。騎馬民族は、深追いを命じたが、剣吾は命じなかった。敵の策略に遭うのを防ぐ為である。
一時、城に戻り春雷国に攻める策略を将軍や部下と共に練っていた。
「国王様、次々と皇鳳軍に撃破されており、更には騎馬民族の裏切り遭い我が軍は総崩れとなりました」
これを聞いた春雷国王は、持っていた盃を投げ飛ばし、偵察兵に怒りをぶつける。玉座の側にある宝剣を抜き、偵察兵を殺そうとした。
親衛隊長は、この刃を止める。国王は隊長に八つ当たりし、偵察兵は助かり王室から慌てて出ていく。
「国王様、あの偵察兵を殺してはなりませぬ。春雷国の中でも一流の偵察兵たでございます」
「くっ........!!では、皇鳳軍をどう撃破すれば良いというのだ」
国王は宝剣を落とし、隊長に大臣を集めるようにと指示を出す。気を引き締め直した彼は、すぐに部下を使い大臣達を集めだす。
彼らは急に開かれた会議が、どんな内容かは知らない。恐る恐る大広間へと向かっていた。
「あれは、古精族ではありませんか?」
「そうだな.....我ら新精族が優勢に立てるように、今回の会議は積極的にやろう」
春雷国の大臣は、大きく分けて2つある。古くから王に仕える古精族、王が即位してから仕えた新精族。
国の政治は古精族が実権を持っており、新精族は彼らに抵抗する力は持っていない。しかし、政治に対する前向きな姿勢は古精族に劣らなかった。これは、国王も認めている。
大広間に集まった大臣達は、自分達の位置に着く。彼らは国王の前でも仲が悪かった。今もお互いに睨み合っていた。
「王様のおな~~り~!」
宦官の言葉に合わせて、大臣達はその場で頭を下げ国王を迎える。玉座に座ると、王は面を上げよ。と命を下す。
大臣達は命令通りに頭を上げる。
「本日、大臣達を呼んだのは他でもない。我が軍は次々と皇鳳国に撃破されており、亡国の危機に陥っている。そこで、君達の意見を伺いたい」
「王様、では宰相の私が申し上げます。報告によれば騎馬民族の裏切りに遭ったと聞きました。ここは一旦、皇鳳国と同盟を結ぶのが、最善かと思います」
古精族を仕切る宰相が提案する。心拍精族以外の大臣が、次々と提案に賛成していく。新しく入った大臣達が賛成しなかった為、国王が新精族に問いかける。
「ここは瑠璃国、水郷之国、夏溟国に使者を送り、同盟を結びましょう!これを機に皇鳳国を滅亡させるのです」
「新精族、古精族。どちらの意見も実行に移したい。しかし、今回は新精族の提案を受け入れる。古精族は良いか?」
「たしかに、新精族の提案は良いと思います。ですが、三国が潔く同盟を結ぶとは思えませぬ」
宰相の言葉に、他の大臣が騒ぎ始める。
新精族を仕切る元帥は、既に三国に使者を送っていたのであった。
「皆さん、問題は要りませぬ。既に、瑠璃国、水郷之国は同盟に賛成しております。夏溟国は、まだ返信はありません」
「おぉ、流石は元帥だ」
国王は、すぐに新精族の提案を受け入れ会議を強制終了した。王が大広間から出てから、各大臣達も部屋から出ていく。
通路で宰相は元帥を遠目で見つけ、古精族の大臣と共に彼らの近くへと向かう。近付いてくる事が分かった元帥も、新精族の大臣を連れて、宰相に近付く。
「今回は我々古精族の負けだ。それは認めよう。しかし、このまま引き下がる訳にはいかない」
「引き下がられては、我々が困りますよ!対決する相手が居なくなるので」
新精族は強気に出た。
怒りたい気持ちを無理矢理胸に閉まった、宰相は古精族を連れて何処かへと行ってしまったのである。元帥も新精族を連れて、自身の屋敷へと帰って行く。
春雷国内では、民にまで噂が広がっている。これを抑える為に、国王は親衛隊長に指示を出し、必死に噂を消そうとしていたのである。
「黄山、すぐに将軍の元へと向かえ。退路は俺の部下、首領と大男に任せていると。こう伝えよ」
「承知致しました」
黄山は兵6人を連れて、将軍の元へと急ぐ。帰って来るのを待たずに、剣吾は敵本陣へと総攻撃を仕掛ける。
いきなりの夜襲に驚いた敵軍は、次々と殺られていく。敵総大将も焦り撤退を始める。剣吾は深追いを命じた。
6000余りの兵は敵の後を追う。事前に退路を確保していた首領の大男の率いる3000余りの兵が、敵軍に奇襲を仕掛ける。不意を付かれた敵は、一気に総崩れとなってしまう。
この時、既に敵の主力部隊に包囲されていたのである。
「予備部隊が上手く敵を引きつけてくれた。全軍突撃!」
敵の主力部隊が剣吾の率いる部隊に攻撃を仕掛けてきた。しかし、上手く後方に回れた将軍が、主力部隊に突撃する。
攻防一進一退が繰り広げられた。
剣吾は壁キックのように木を蹴り空中に飛んで、敵に縦斬りを食らわす。彼の獅子奮迅の勢いを見た黒報隊は、反撃に出る。敵の予備部隊、約2千余りの兵も皇鳳軍に攻撃を仕掛ける。
この乱戦の中に将軍は、4千余りの兵を率いて突撃し、剣吾を助ける事に成功する。撤退を命じようとするが、彼がそれを止める。
「剣十郎、ここは一旦撤退しよう」
「ここで、撤退してしまえば亡くなった味方の死が無駄になってしまいます」
「気持ちは分かる。だが、剣十郎まで死んでしまっては、必死に守った彼らの死も無駄になる」
将軍の援軍により、助かった皇鳳軍であったが更に奇跡が起こる。勝ち目がないと確信した騎馬民族が、春雷軍に攻撃を仕掛けたのであった。
予想外の裏切りに遭った春雷軍は、一気に総崩れとなり敵の総大将は僅かな兵と共に撤退を始める。騎馬民族は、深追いを命じたが、剣吾は命じなかった。敵の策略に遭うのを防ぐ為である。
一時、城に戻り春雷国に攻める策略を将軍や部下と共に練っていた。
「国王様、次々と皇鳳軍に撃破されており、更には騎馬民族の裏切り遭い我が軍は総崩れとなりました」
これを聞いた春雷国王は、持っていた盃を投げ飛ばし、偵察兵に怒りをぶつける。玉座の側にある宝剣を抜き、偵察兵を殺そうとした。
親衛隊長は、この刃を止める。国王は隊長に八つ当たりし、偵察兵は助かり王室から慌てて出ていく。
「国王様、あの偵察兵を殺してはなりませぬ。春雷国の中でも一流の偵察兵たでございます」
「くっ........!!では、皇鳳軍をどう撃破すれば良いというのだ」
国王は宝剣を落とし、隊長に大臣を集めるようにと指示を出す。気を引き締め直した彼は、すぐに部下を使い大臣達を集めだす。
彼らは急に開かれた会議が、どんな内容かは知らない。恐る恐る大広間へと向かっていた。
「あれは、古精族ではありませんか?」
「そうだな.....我ら新精族が優勢に立てるように、今回の会議は積極的にやろう」
春雷国の大臣は、大きく分けて2つある。古くから王に仕える古精族、王が即位してから仕えた新精族。
国の政治は古精族が実権を持っており、新精族は彼らに抵抗する力は持っていない。しかし、政治に対する前向きな姿勢は古精族に劣らなかった。これは、国王も認めている。
大広間に集まった大臣達は、自分達の位置に着く。彼らは国王の前でも仲が悪かった。今もお互いに睨み合っていた。
「王様のおな~~り~!」
宦官の言葉に合わせて、大臣達はその場で頭を下げ国王を迎える。玉座に座ると、王は面を上げよ。と命を下す。
大臣達は命令通りに頭を上げる。
「本日、大臣達を呼んだのは他でもない。我が軍は次々と皇鳳国に撃破されており、亡国の危機に陥っている。そこで、君達の意見を伺いたい」
「王様、では宰相の私が申し上げます。報告によれば騎馬民族の裏切りに遭ったと聞きました。ここは一旦、皇鳳国と同盟を結ぶのが、最善かと思います」
古精族を仕切る宰相が提案する。心拍精族以外の大臣が、次々と提案に賛成していく。新しく入った大臣達が賛成しなかった為、国王が新精族に問いかける。
「ここは瑠璃国、水郷之国、夏溟国に使者を送り、同盟を結びましょう!これを機に皇鳳国を滅亡させるのです」
「新精族、古精族。どちらの意見も実行に移したい。しかし、今回は新精族の提案を受け入れる。古精族は良いか?」
「たしかに、新精族の提案は良いと思います。ですが、三国が潔く同盟を結ぶとは思えませぬ」
宰相の言葉に、他の大臣が騒ぎ始める。
新精族を仕切る元帥は、既に三国に使者を送っていたのであった。
「皆さん、問題は要りませぬ。既に、瑠璃国、水郷之国は同盟に賛成しております。夏溟国は、まだ返信はありません」
「おぉ、流石は元帥だ」
国王は、すぐに新精族の提案を受け入れ会議を強制終了した。王が大広間から出てから、各大臣達も部屋から出ていく。
通路で宰相は元帥を遠目で見つけ、古精族の大臣と共に彼らの近くへと向かう。近付いてくる事が分かった元帥も、新精族の大臣を連れて、宰相に近付く。
「今回は我々古精族の負けだ。それは認めよう。しかし、このまま引き下がる訳にはいかない」
「引き下がられては、我々が困りますよ!対決する相手が居なくなるので」
新精族は強気に出た。
怒りたい気持ちを無理矢理胸に閉まった、宰相は古精族を連れて何処かへと行ってしまったのである。元帥も新精族を連れて、自身の屋敷へと帰って行く。
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