薬師の名門ブレルスクに入学した私は、退学するまで暴れます。〜少年アレクの倫理で殴る学園ファンタジー〜

鮒捌ケコラ

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2章-3節. ヘルデス家の争族を切り抜けた私は…

28.また友人を匿います。

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「………とまぁ、色々あったけどここまで無事に辿り着いた。」
「無事かな?それ。」

 ここは屋敷。あの後、無事に着地出来た私は別ルートから断崖絶壁登りヘルクライムをして見つからない様にここまで駆け抜けて来た。

 今は、テルマとエリックに事の顛末を説明している所だ。

「なぁ、その追いかけて来た連中って……」
「あぁ、オルブと仲良しのあの3人だ。」
「ちょっと待て。お前ら、オルブを知ってるのか?」
「あれ?話して無かったっけ?ヘルデス邸での一件で一緒に巻き込まれて一緒に脱出したんだよ。」
「そんでもって、逃げた先の小屋の天井を突き破ってその3人が現れた訳よ。」
「物語でしか聞かないような登場の仕方だね。」
「アイツらなら充分あり得るってのが笑いを誘うよな。」
「ちな、今回のヘルデス家の"締め上げ"もオルブの提案。」
「あいっかわらずエグいなぁ。」
「というか、ヴラド も知ってたんだな。」
「当たり前だ。『鍵開け師ソルバーオルブ』、冒険者でその名を知らない奴なんか居ねぇよ。」

 そんなに有名人だったのか。

「それで?何故追われてたんだ?」
「順を追って話す。まず案の定、冒険者ギルドじゃ樹海の主を怒らせたって大騒ぎだった。」
「だろうな。で?ちゃんと報告は出来たのか?」
「あぁ、報告はした。例の獣が樹海の主じゃない事も、そいつを討伐した事もな。当然、お前の名前やお前に関するその他は全て伏せた。けど、それが問題だったんだよ。」
「何故だ?」
「タイミングが悪い事に、そこには例の樹海探索に同行した依頼主も居たんだよ。」
「………あー、なるほど。お前が討伐したと勘違いされたか。」
「そうだ。で、その貴族に雇われてたアイツらが命令より先に気を利かせて即座に追って来たからオレは逃げ出したって訳だ。」
「え?気を利かせて追いかけて来たの?」
「そうだ。そうする事でオレが追われる存在だって事を教えてくれたんだよ。」

 やっぱり、そういう事だったのね。

「ま、ヘルデス家の崩壊も時間の問題だし、暫く人前に出なけりゃほとぼりは冷めるだろう。」

 いわば、最後の足掻きみたいなもんだろうか。しかも、窮地の中で希望がチラついたのだから、必死にもがくだろう。有り金をはたいて冒険者達に捜索を依頼して……破滅が加速するって訳だ。

 我ながら、何とも惨い事になったな。同情はしないけど。

「それじゃ、これからどうする?下宿まで送ろうか?」
「いや、オレの宿はアイツらにバレてる。お前ん家で匿ってくれないか。」
「お安い御用だ。」

 しかし、結局泊まる事になるんだな。

「てことは、ヴラド とお泊まりだ!」
「あぁ、そうだな。所でアレク、風呂に入って来ても良いか?」
「別に構わないよ。緩ければ沸かし直してくれ。その間に、夕食を用意しておくよ。」
「ありがとう。じゃあ、俺は夕食前に風呂に入ってくるから。」
「うん、いってらっしゃい。」
「何言ってんだエリック。(ガシッ)おら、行くぞ。」
「へ?」
「お前まだ風呂に入ってないだろ?一緒に入るぞ。」
「へ!?いや、僕は……」
「大丈夫だ。ここの風呂はそこそこ広い。2人で湯船に浸かれるぞ。」
「いや、でも……」
「別々に入ったらその分だけ他の奴らを待たせる事になるだろ?良いじゃねぇか、別に減るもんじゃあるまいし。」
「……わかった。行くよ。」
「おう、行こうぜ!(バタンッ)」

 そんな会話をして、2人は風呂場へと向かった。

 お互いに同意してるなら大丈夫…だよな?

「それでテルマ、カンナさんは?」
「心配しなくても無事だよ。ただちょっと疲れて寝てるだけだ。」
「けど、あの子が出迎えどころか夕飯の支度まですっぽかすなんてありえない。万が一の事もあるから念のため……」
「(ガシッ)待て待て待て。」
「止めるな。手遅れになってからじゃ遅いんだ。軽く問診だけでも……」
「今はまずい。今お前が入ったら悪化する。」
「どういう事だ?説明しろ!」
「う~ん……直接俺の口から言って良いものか……」
「口止めされてるのか?だったら直接……」
「アレク、そういや数日前にも似た様なことがあったよな?」
「何の話だ?」
「あの日の晩飯は取って来たばかりのメタルリザードだったよな?で、今日の昼食もメタルリザードだった。そうだよな?」
「っ!メタルリザードが起因って事か。」
「多分な。で、メタルリザードって生き血だけでもすごい活力がみなぎるよな?」
「そうだな。けど、それが何だって言うんだ?」
「そして、カンナは女だ。体質が違う。それで何か心当たりはないかなぁ???」

 心当たり?滋養強壮…体質の違い……部屋から出られない……

「…………すまなかった。」
「わかってくれれば良い。」

 今後、鋼蜥蜴メタルリザードは料理に出さない方が良いな。

「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!????」


 そんな事を考えていると、風呂場の方から絹を割くような悲鳴が聞こえて来た。
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