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2章-3節. ヘルデス家の争族を切り抜けた私は…
27.ヴラド と共に追手を巻きます。
しおりを挟む「(シュタッ)よし、到着!」
「………(グッタリ)」
今朝の火事で品薄となっているであろう薬草を提供するために冒険者ギルドを訪れた私は、ヴラド に連れられて樹海へと降りた。
話によると、冒険者が樹海の主を怒らせたらしく、交渉の為の通訳として私が必要だと判断したらしい。
だが、それは冒険者の誤解で、実際は黒獣が暴れていた。
その結果、私の役割は通訳から討伐へと変わった訳だ。
今は、その帰り。昇降機は降りで壊れたので断崖絶壁登りで帰って来た。
「おい、大丈夫か?」
「………だい…じょう……(うぷっ)」
「あぁ無理するな………取り敢えず降ろすから。」
無理もないよなぁ。心なしか目も虚だ。
故郷では、しょっちゅうこの方法でカイルを連れ回してたし、あまり問題ないと思ってたけど………大アリだったみたいだな。
そう考えると、アイツを基準にしない方が良いな、色々と。
まぁ、何はともあれこれで一件落着だ。
「……ふぅ。やっぱり慣れないな。」
「慣れる必要は無いよ?」
「けど、今後も頼むかもしれないし。」
「金輪際無いことを願うよ。」
……なんか、さっきまでと違うな。開き直ってんのか?
「さて、じゃあ早速ギルマスに話を付けて来る。」
「それじゃあ、私も………」
「いや、ついでにリーシャにも話を付けてくる。何か問い詰められてたろ?」
「良いのか?」
「かまやしねぇよ。昇降機の報告ついでだ。けど、そうだなぁ……例の串焼き屋で奢りって事で手を打とう。」
「よし乗った!」
「んじゃ、手早く済ませるから待っててくれ。」
そう言って、冒険者ギルドへと駆けていく。
「………ふぅ。」
それにしても、結局ヤツらは何処から来たんだ?
考えてみれば奇妙な話だ。魔の森からここまで来るにはバークレー領を超えた上でバンデンクラット領を縦断しなきゃならない。その間に黒獣共による被害どころか痕跡すらも発見されてない。一体、どうやってここまで……
いや、そもそもの発想が違うのかもしれない。
こういう時は逆に考えるんだ。例えば……
「(タタタタタタッ)」
「ん?」
土煙をあげてヴラド が走ってくる。随分と早いな。
「よしヴラド 、早速……」
「(ガシッ)来い!!(タタタッ)」
「へ?」
ヴラド に連れられて走る。そんなに空腹だったのか?
「お…おい、何もそんなに急がなくても……」
「説明は後だ!とにかくこの場から……」
「居たぞ!追え!!」
「「よっしゃあーっ!!」」
何故だろう?後ろの方から聞き覚えのある声がするけど……顔は見ない方が良いな。
「あー…ヴラド ?アイツらって知り合い?」
「そうだけど今は違う!とにかく今は逃げるぞ!!」
「オッケィ」
詳しくは聞くまい。けど……
「ヴラド ?そっちって……」
「それじゃあアレク(タッ)」
「へ?」
「何とかしてくれ!!」
ありのまま、今起こった事を話す。
崖下に飛び降りやがった。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!!?」
そうして、遥か下方へと落ちて行った。
「「「…………」」」
追手は呆然と立ち尽くすばかりだった。
「………なんて報告する?これ。」
「普通に逃げられたって伝えよう。」
「あぁ……誰も信じやしないだろうからな。」
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