薬師の名門ブレルスクに入学した私は、退学するまで暴れます。〜少年アレクの倫理で殴る学園ファンタジー〜

鮒捌ケコラ

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2章-1節.授業を荒らして停学処分を受けた私は……

11.冒険者ギルドに登録しました。

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「(ガチャッ…カランカランッ)おーい!リーシャは居るか?」
「あっ!ヴラド 君!いらっしゃ……あら?」

 入り口を入って右手側で受付嬢が出迎えてくれた。

 向かって左手側は酒場になっていて、昼間から酒を飲んでいる連中が居る。

 イメージ通りの冒険者ギルドだな。

「(テクテク)よぉ、ちょっと良いか?」
「えぇ……ヴラド 君、その子は?」
「コイツはアレク。冒険者登録をさせに来た。」
「どうも…アレクです。」
「初めまして。私はリーシャ、よろしくねアレク君。」
「はい。よろしくお願いします。」
「コイツは読み書きが出来るから代筆は不要だ。概要も来る時にしたから省いてくれ。あと、俺が保証人になるから俺にも書類を頼む。」
「あら……ふふふっ、わかったわ。」

 妙に気になる笑みを溢している。なんか、誤解されてる気もするけど………詮索するのは墓穴な気がするし辞めておこう。

「(スッ)じゃあ、この用紙に必要事項を記入してね。」
「はい。(スラスラスラスラ)」
「(スッ)こっちはヴラド 君の分。」
「あぁ。(スラスラ)」

 さっきヴラド から聞いた通りに書類を埋めていく。

「出来ました。(スッ)」
「俺も。(スッ)」
「はぁ~い。確認するから待っててね。」

 リーシャさんは書類を受け取り、不備が無いかを確認している。

「おい、見ろよ。またあのクソガキが来てるぜ。」
「おうおう。しかも今日はツレも居るんだな。」
「見ろよあの格好。薄気味悪い奴だな。」
「全くよぉ。ここが何処かわかってんのかねぇ?」

 その最中、背後からそんな声が聞こえる。

 どうやら、向こうの酒場からの様だ。

 何処の世界でも、飲んだくれは大体同じ様なもんだな。

「書類に不備は無いわ。それじゃあ最後に、(スッ)このカードに血判をお願い。」

 血判か。衛生面に目を瞑れば、指紋と血液認証の兼ね合いになってて合理的だ。

「はい。(カリッ…ペトッ)」
「このナイ…フで……」
「……あ。」

 もしかして、やらかした?そりゃそうだよな。噛んだら指紋の一部が掠れるかもだし、普通は針か刃物が差し出されるまで待つものだよな。

「す、すみません。ナイフでやり直しますか?」
「い…いいえ、問題ないわ。ただ……勇気があるのね。ほとんどの子は躊躇うのよ?」

 ……そりゃそうだ。普通の子供は自分から痛い思いをしようなんて思わないだろうからなぁ。

「いや、まぁ……昔から怪我が絶えなかったもので。」
「あら……ふふっ、意外とやんちゃだったのかしら?」
「いやぁ…はは………」

 何とか、誤魔化せたっぽいな。

「以上で手続きは終わりよ。(スッ)初めはFランクからね。」
「(ハシッ)ありがとうございます。」

 さて、これで私も晴れて冒険者って訳か。

「クエストの他にも、買い取りもこのカードが無いと申請出来ないから無くさない様に気を付けてね。あと、良い素材が手に入ったら、是非持って来てね!」
「はい。わかりました。」
「リーシャ、早速買い取りを頼みたいんだが……」
「あら、早速?何を採って来たのかしら?薬草?果物?ヴラド 君の獲物はいつも状態が良いから、蛇やトカゲでも大歓迎よ?」
「いや(スッ)……もうちょい大物だ。解体も済ませて来た。」
「あら、どんな……へ?」
「(コトッ…コトッ…コトッ……)まず、クラバスバードの素材一揃い。」
「……本当に、クラバスバード??」
「あと(ドサッ)帰りの昇降機に突っ込んで来たワイバーンだ。」
「わっ…ワイバーンっ!?!?」
「コイツは解体する間がなかったからそのまま買い取ってくれ。それと、これ全部アレクの獲物だから買取料はアレクに渡してくれ。」
「えっ?!あっ…ちょっ!ちょっと待って!!」
「ん?何だ?」
「話が、急展開過ぎて……理解が追いつかないわ……」
「だろうな。俺もクラバスバードの解体した辺りで深く考えるのを辞めた。」
「…………」

 やっぱり、普通はそうだよな。

「フゥ……スゥーッハァーッ………ちょっと待ってて貰えるかしら?」
「なる早で頼む。」
「直ぐに呼んで来るわ。(タタタッ)」
「………」

 思ったより大事になる予感がする。


***


「(ズシッ)こちら、素材買取料及び情報提供料の金貨12枚です。」
「「「「(ザワッ)」」」」
「金貨……12枚??」

 せいぜい金貨一枚にでもなればラッキーくらいに思ってたけど、随分膨れ上がったな。てか、情報提供料って?

「魔物の異常行動を報告すると、報奨金が貰えるんだよ。今回は、冒険者の命に関わる情報だったからかなり色を付けてくれたんだろうな。」

 ヴラド が説明してくれる。なるほど、それでこんな大金になるのか。にしても……

金貨12枚約12万円か……」

 あっさり大金が入って来て、金銭感覚がバグりそうだ。まだ登録して1時間も経って無いんだけど。

「ヴラド 君、後でギルマスから詳しい聴取があると思うから、後日改めて来てちょうだい。」
「分かった。」
「……私も、同行した方が良いですか?」
「いいえ、ヴラド 君だけで充分よ。アレク君、今回は本当にありがとう。お陰で何人もの冒険者が救われるわ。」
「……いえいえ、お役に立てた様で良かったです。」

 何にせよ、これでしばらくの生活資金には困らないな。

「にしても、景気が良い話だよなぁ?(ガバッ)せっかく金が入った事だし、メシでも食いに行かねぇか?」

 ヴラド が快活に肩を組んで話しかけて来た。

「あ……あぁ、色々とありがと…」
「(コソッ)アレク…誰に声掛けられても無視して外まで行くぞ。良いか?」
「………わかった。」

 急にトーンを下げたヴラド の声でこれから起こる出来事を悟った私は、ヴラド の指示に従う事にした。

「そんじゃ、行くぞ!何処にする?(テクテク)」
「おい、待ちな。」
「そうだな……まだ詳しく知らないからヴラド が教えてくれないか?」
「待てって言ってるだろ!!」
「オーケー、となると何処に……」
「聞こえ無いのか!!待ちやがれ!(ブンッ)」
「(ハシッ)純粋に肉食いたい気分だし、串焼き屋でも行くか。(カラン)」
「良いね。私もなんだか肉が食いたい気分だったんだ。」

 酒場の方から飛んで来る声や武器を無視して出口へ向かっていく。随分とまぁ……ガラの悪い連中だな。

 てか、ヴラド ……サラッとノールックで投擲武器を掴んだんだけど。

「よし!そうと決まったら早速……」
「(ズンッ)待ちな。」

 扉の前で男が仁王立ちして塞いでいる。

「…………」

 流石にこれは無視するのが難しい。

「よぉ久しいな、クソガキ。今日はツレも一緒とはな。」
「そこを退け。邪魔だ。」
「随分と舐めた口を聞きやがる。相変わらずだな。」

 不穏な空気が流れている。予感が的中したって事か。
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