婚約者にざまぁしない話(ざまぁ有り)

しぎ

文字の大きさ
1 / 19

卒業パーティ

しおりを挟む
「ガブリエーレ・グラオ!前に出てこい!」
王子アラン・ホロウが叫ぶ。心地よいざわめきが広がっていた卒業パーティは途端にしんと静まり返ってしまった。

「早く出てこい!逃げる気か!」
「ここにいます。アラン様。」
叫び散らす王子に凛とした女性の声が返す。王子のいるパーティー会場の中心に一人の女性が静かに現れた。
灰色の髪と瞳をした長身の女性ーガブリエーレ・グラオ公爵令嬢は王子に向け静かに礼をした。
「お呼びでしょうか。」
「あぁ、お前を呼んだ。お前とその取り巻きを断罪するためだ!さぁ、ベルンハルト、コリン。お前たちの番だぞ。」
王子のそばに二人の男が寄る。赤髪の男ベルンハルト・スリーズ侯爵令息とコリン・テーラー子爵令息だった。二人は王子の左右に控える騎士のように立つ。
ベルンハルトが吠える。コリンが静かに呼びかける。
「伯爵令嬢エメライン・ブラウン!さっさと来い!呼ばれるのは分かっているだろう!」
「伯爵令嬢サンティナ・ヴィオーラ。なぜ呼ばれるのかはわかっていますね。」
呼びつけられた二人の令嬢が静かに現れる。茶色の髪をしたエメラインはかすかに眉を顰め、薄紫色の髪のサンティナはバレない程度にため息をつき、静かに礼をした。
ガブリエーレが呆れたようにつぶやく。
「最初から二人も一緒に呼び出せばこんな手間はなかったでしょうに。」
「うるさい!お前はこんな時にまで殊勝にはできないのだな!だからこんな目に合うんだ。自業自得だ。さぁ、もう一人主役を紹介しよう。おいでローザ!」
少女がぱたぱたと王子に走り寄りぎゅうっと腕にしがみつく。ピンク色の髪にピンク色のドレスを着た見た目はかわいらしい少女だ。三人の令嬢を見てにやりとほくそ笑む姿は全くかわいらしさなどないが。
「だから最初から全員呼んでおけばこのように集める手間もなかったでしょう。」
ガブリエーレが再び嘆息した。
「己の罪深さを理解できないお前たちに俺達が叩き込んでやろう。俺達の友人であるローザに嫉妬し、彼女をいじめたお前たちと一緒になることはできない。虫唾が走る。
ガブリエーレ!お前とは婚約破棄する!」

「かしこまりました。アラン様。婚約破棄を受け入れます。」
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

【完結】婚約破棄した王子と男爵令嬢のその後……は幸せ?……な訳ない!

たろ
恋愛
「エリザベス、君との婚約を破棄する」 「どうしてそんな事を言うのですか?わたしが何をしたと言うのでしょう」 「君は僕の愛するイライザに対して嫌がらせをしただろう、そんな意地の悪い君のことは愛せないし結婚など出来ない」 「……愛せない……わかりました。殿下……の言葉を……受け入れます」 なんで君がそんな悲しそうな顔をするんだ? この話は婚約破棄をして、父親である陛下に嘘で固めて公爵令嬢のエリザベスを貶めたと怒られて 「そんなにその男爵令嬢が好きなら王族をやめて男爵に婿に行け」と言われ、廃嫡される王子のその後のお話です。 頭脳明晰、眉目秀麗、みんなが振り向くかっこいい殿下……なのにエリザベスの前では残念な男。 ★軽い感じのお話です そして、殿下がひたすら残念です 広ーい気持ちで読んでいただけたらと思います

ブチ切れ公爵令嬢

Ryo-k
恋愛
突然の婚約破棄宣言に、公爵令嬢アレクサンドラ・ベルナールは、画面の限界に達した。 「うっさいな!! 少し黙れ! アホ王子!」 ※完結まで執筆済み

王太子から婚約破棄……さぁ始まりました! 制限時間は1時間 皆様……今までの恨みを晴らす時です!

Ryo-k
恋愛
王太子が婚約破棄したので、1時間限定でボコボコにできるわ♪ ……今までの鬱憤、晴らして差し上げましょう!!

【完結】『私に譲って?』と言っていたら、幸せになりましたわ。{『私に譲って?』…の姉が主人公です。}

まりぃべる
恋愛
『私に譲って?』 そう私は、いつも妹に言うの。だって、私は病弱なんだもの。 活発な妹を見ていると苛つくのよ。 そう言っていたら、私、いろいろあったけれど、幸せになりましたわ。 ☆★ 『私に譲って?』そう言うお姉様はそれで幸せなのかしら?譲って差し上げてたら、私は幸せになったので良いですけれど!の作品で出てきた姉がおもな主人公です。 作品のカラーが上の作品と全く違うので、別作品にしました。 多分これだけでも話は分かると思います。 有難い事に読者様のご要望が思いがけずありましたので、短いですが書いてみました。急いで書き上げたので、上手く書けているかどうか…。 期待は…多分裏切ってしまって申し訳ないですけれど。 全7話です。出来てますので随時更新していきます。 読んで下さると嬉しいです。

王族に婚約破棄させたらそりゃそうなるよね? ……って話

ノ木瀬 優
恋愛
ぽっと出のヒロインが王族に婚約破棄させたらこうなるんじゃないかなって話を書いてみました。 完全に勢いで書いた話ですので、お気軽に読んで頂けたらなと思います。

殿下はご存じないのでしょうか?

7
恋愛
「お前との婚約を破棄する!」 学園の卒業パーティーに、突如婚約破棄を言い渡されてしまった公爵令嬢、イディア・ディエンバラ。 婚約破棄の理由を聞くと、他に愛する女性ができたという。 その女性がどなたか尋ねると、第二殿下はある女性に愛の告白をする。 殿下はご存じないのでしょうか? その方は――。

私だけが赤の他人

有沢真尋
恋愛
 私は母の不倫により、愛人との間に生まれた不義の子だ。  この家で、私だけが赤の他人。そんな私に、家族は優しくしてくれるけれど……。 (他サイトにも公開しています)

【完結】こんな所で言う事!?まぁいいですけどね。私はあなたに気持ちはありませんもの。

まりぃべる
恋愛
私はアイリーン=トゥブァルクと申します。お父様は辺境伯爵を賜っておりますわ。 私には、14歳の時に決められた、婚約者がおりますの。 お相手は、ガブリエル=ドミニク伯爵令息。彼も同じ歳ですわ。 けれど、彼に言われましたの。 「泥臭いお前とはこれ以上一緒に居たくない。婚約破棄だ!俺は、伯爵令息だぞ!ソニア男爵令嬢と結婚する!」 そうですか。男に二言はありませんね? 読んでいただけたら嬉しいです。

処理中です...