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コリン・テーラー
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コリン・テーラーは子爵家の三男である。貧乏だったテーラー子爵家は領地の存続のために政略結婚の相手を探した。家を継ぐために残った長男の他、次男である兄と姉二人は政略結婚をして家を出た。彼らが結婚した相手の家の援助でテーラー子爵家は成り立っていた。
次いでコリンはヴィオーラ伯爵家の令嬢と政略結婚をすることになった。テーラー子爵領の一部をヴィオーラ伯爵家に貸し出す代わりにテーラー子爵家が援助をもらえる契約だ。
コリンがヴィオーラ家に婿入りすればテーラー子爵家に金が入る。
「これからよろしく、コリン」
楽しげに笑うサンティナにコリンは静かにほほ笑んで見せた。
ヴィオーラ伯爵家にふさわしい婿になるためにコリンは努力をかかさなかった。勉学優秀、剣術もかなり得意なコリンがサンティナにとっては自慢のようだった。
「コリン、あなたはとっても優秀なのね、自慢の婚約者だわ!」
きらきらと目を輝かせるサンティナにコリンは微笑んで返した。
薄紫の髪と瞳を星空のように輝かせる美しい婚約者の評判は高かった。立場が下の令息を金で買った婚約者だと陰口を叩かれることもあったけれど。
「コリン、私あなたのことが大好きよ!」
「僕もだよ」
微笑みあう婚約者たちを周囲は微笑まし気に見た。
学園入学後、生徒会に入ったコリンは一人の少女と出会った。
ピンク色の髪にピンクの瞳のその少女は、いつも一緒にいる王子と侯爵令息から離れ一人コリンに話しかけた。
「コリンは政略結婚なんて嫌じゃないの?」
小首をかしげていう少女にコリンは目を見開いた。
「政略結婚なんておかしいわ。人は本当に好きな人と恋愛するべきだもの。」
微笑む少女からコリンは目が離せなかった。
生徒会の仕事をしなくなったコリンをサンティナは怒りの目で見つめた。
「あなたはどういうつもりなの?」
「どういうつもりもないよ。君と一緒にいる気がなくなったんだ。それとフクシア男爵令嬢に関わらないでくれ」
冷たく返すコリンにサンティナはそう、とだけ言い、それからは話しかけてこなくなった。
そして卒業パーティーの日、二人の令息が婚約破棄をされた後、サンティナに婚約破棄を宣言しようとしたコリンは、
「本当にいいの?」
言葉を失っていた。
「本当にいいの?」
「あなたは本当に私と婚約破棄をするつもりなのね。」
「いいわよ。受け入れてあげる。あなたの家に対する援助のお金は心配しなくていいわ。お父様に言ってあげる。必要なら契約は続けてあげる。」
「でも、もう絶対にあなたと婚約はしないわよ。」
「あなたが何を言おうと、お父様が言おうと、あなたと婚約だけは絶対にしない」
「それでも、本当にいいの?コリン」
「ごめんなさい、ティナ」
大股で近づいたコリンはサンティナの足元にひざまずいた。
「謝るから。それだけは勘弁してくれ・・・」
「・・・は?」
ローザの裏返った声がパーティー会場に響いた。
次いでコリンはヴィオーラ伯爵家の令嬢と政略結婚をすることになった。テーラー子爵領の一部をヴィオーラ伯爵家に貸し出す代わりにテーラー子爵家が援助をもらえる契約だ。
コリンがヴィオーラ家に婿入りすればテーラー子爵家に金が入る。
「これからよろしく、コリン」
楽しげに笑うサンティナにコリンは静かにほほ笑んで見せた。
ヴィオーラ伯爵家にふさわしい婿になるためにコリンは努力をかかさなかった。勉学優秀、剣術もかなり得意なコリンがサンティナにとっては自慢のようだった。
「コリン、あなたはとっても優秀なのね、自慢の婚約者だわ!」
きらきらと目を輝かせるサンティナにコリンは微笑んで返した。
薄紫の髪と瞳を星空のように輝かせる美しい婚約者の評判は高かった。立場が下の令息を金で買った婚約者だと陰口を叩かれることもあったけれど。
「コリン、私あなたのことが大好きよ!」
「僕もだよ」
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「コリンは政略結婚なんて嫌じゃないの?」
小首をかしげていう少女にコリンは目を見開いた。
「政略結婚なんておかしいわ。人は本当に好きな人と恋愛するべきだもの。」
微笑む少女からコリンは目が離せなかった。
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「あなたはどういうつもりなの?」
「どういうつもりもないよ。君と一緒にいる気がなくなったんだ。それとフクシア男爵令嬢に関わらないでくれ」
冷たく返すコリンにサンティナはそう、とだけ言い、それからは話しかけてこなくなった。
そして卒業パーティーの日、二人の令息が婚約破棄をされた後、サンティナに婚約破棄を宣言しようとしたコリンは、
「本当にいいの?」
言葉を失っていた。
「本当にいいの?」
「あなたは本当に私と婚約破棄をするつもりなのね。」
「いいわよ。受け入れてあげる。あなたの家に対する援助のお金は心配しなくていいわ。お父様に言ってあげる。必要なら契約は続けてあげる。」
「でも、もう絶対にあなたと婚約はしないわよ。」
「あなたが何を言おうと、お父様が言おうと、あなたと婚約だけは絶対にしない」
「それでも、本当にいいの?コリン」
「ごめんなさい、ティナ」
大股で近づいたコリンはサンティナの足元にひざまずいた。
「謝るから。それだけは勘弁してくれ・・・」
「・・・は?」
ローザの裏返った声がパーティー会場に響いた。
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