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カーティア、未来を見据える。
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「・・・閉館時間だ」
ソファに座り俯きながら本に集中するカーティアの肩が軽く叩かれた。
顔をあげたカーティアをアルドが覗き込んだ。
「・・・『夢を追う鹿』の続巻か。もう出ていたんだな」
「・・・えぇ。とっても面白くて集中してしまってたわ。もうそんな時間なのね」
送ってくれる?とカーティアが差し出した手をアルドはそっと掴んで立ち上がらせた。
学外訓練の後、カーティアとアルドの関係は大きく変化したわけではなかった。
日中は今まで通り別々に行動している。ただ、図書館の閉館時間まで利用者対応をしているアルドを待つためにカーティアは図書館に居座るようになっていた。
2人の間にあまり会話はない。共通の話題が少ないからだ。自然と本のことばかり話すことになる。カーティアが読んでいる本はたいていアルドも読んでいて、好みのジャンルは意外と似通っていた。少し焦ったようにわざとではないとアルドは弁解していたが。隣に並んで馬車までの5分ほどの距離をぽつぽつと本の話をしながら歩く。長い事婚約関係が続いているとは思えないようなぎこちない二人の関係を、きっともう少ししたら心地よいものに変えることが出来るだろうと、カーティアとアルドはお互いに思えるようになってきていた。お互いをもっと知ることが出来れば話題も増えてくることだろう。
一瞬の沈黙の後に思い出したようにアルドが口を開いた。
「・・・卒業パーティのパートナーを申し込んでもいいだろうか」
カーティアは一瞬悩んだ末に微笑んだ。
「・・・えぇ。もちろん。アルドがいいわ」
一月後、カーティアは学園を卒業する。学園で行われる卒業記念のパーティはパートナー同伴が規則となっている。大体の生徒は婚約者をパートナーに選ぶし何かしらのトラブルの末に相手のいない卒業生同士で組むこともある。
今までの関係性ならば「アルドが婚約者だし」という理由でカーティアはアルドにパートナーを頼むか、適当な理由をでっちあげて卒業生同士でパートナーを選んでいただろう。
今のカーティアは違う。記念すべき卒業記念のパーティで、自分の隣にはアルドがいてほしい。
それに、カーティアは決めたのだ。アルドと共にあることを決めたから。
街中でのデート。学外訓練での魔獣襲撃。悪役令嬢カーティア・メラーニが物語に関わるイベントはもう一つ。
卒業記念パーティでのシャルロット殺害未遂。
最後のイベントを起こさないため。アルドとの未来のために。カーティアは卒業記念パーティを待っていた。
ソファに座り俯きながら本に集中するカーティアの肩が軽く叩かれた。
顔をあげたカーティアをアルドが覗き込んだ。
「・・・『夢を追う鹿』の続巻か。もう出ていたんだな」
「・・・えぇ。とっても面白くて集中してしまってたわ。もうそんな時間なのね」
送ってくれる?とカーティアが差し出した手をアルドはそっと掴んで立ち上がらせた。
学外訓練の後、カーティアとアルドの関係は大きく変化したわけではなかった。
日中は今まで通り別々に行動している。ただ、図書館の閉館時間まで利用者対応をしているアルドを待つためにカーティアは図書館に居座るようになっていた。
2人の間にあまり会話はない。共通の話題が少ないからだ。自然と本のことばかり話すことになる。カーティアが読んでいる本はたいていアルドも読んでいて、好みのジャンルは意外と似通っていた。少し焦ったようにわざとではないとアルドは弁解していたが。隣に並んで馬車までの5分ほどの距離をぽつぽつと本の話をしながら歩く。長い事婚約関係が続いているとは思えないようなぎこちない二人の関係を、きっともう少ししたら心地よいものに変えることが出来るだろうと、カーティアとアルドはお互いに思えるようになってきていた。お互いをもっと知ることが出来れば話題も増えてくることだろう。
一瞬の沈黙の後に思い出したようにアルドが口を開いた。
「・・・卒業パーティのパートナーを申し込んでもいいだろうか」
カーティアは一瞬悩んだ末に微笑んだ。
「・・・えぇ。もちろん。アルドがいいわ」
一月後、カーティアは学園を卒業する。学園で行われる卒業記念のパーティはパートナー同伴が規則となっている。大体の生徒は婚約者をパートナーに選ぶし何かしらのトラブルの末に相手のいない卒業生同士で組むこともある。
今までの関係性ならば「アルドが婚約者だし」という理由でカーティアはアルドにパートナーを頼むか、適当な理由をでっちあげて卒業生同士でパートナーを選んでいただろう。
今のカーティアは違う。記念すべき卒業記念のパーティで、自分の隣にはアルドがいてほしい。
それに、カーティアは決めたのだ。アルドと共にあることを決めたから。
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最後のイベントを起こさないため。アルドとの未来のために。カーティアは卒業記念パーティを待っていた。
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