悪役令嬢だったので、身の振り方を考えたい。

しぎ

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カーティア、物語の結末を思い出す。

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卒業パーティは、学園所有の大きな会場で行われる。

ダレンのパートナーとして参加するシャルロットは初めて見るような豪華なパーティ会場に圧倒され、ダレンに微笑ましげな顔で見られ、頬を膨らませた。美味しい食事にシャンパン、友人達との会話、夢のようなダンス。
楽しい時間はあっという間に過ぎ、夢見心地で風に当たるためにバルコニーに出たシャルロットは、後ろから声を掛けられた。
悪役令嬢、カーティア。
彼女はシャルロットに怒鳴り付ける。アルドが自分に反抗するようになったのも、父親に叱られたのも全部シャルロットが悪いのだ、と。憎々しげに顔を歪めたカーティアに詰め寄られ、シャルロットは後退りする。事態に気づいたのかダレンが近づいてくるのにほっとして表情を緩めたシャルロットに激昂したのか、肩をドンと突かれてバルコニーの手すりに背を預けた瞬間、シャルロットは浮遊感を感じた。突然バルコニーの手すりが折れてしまったのだ。シャルロットは思い出す。この会場は3階の高さにあることを。恐怖に目を瞑ったシャルロットを突然温かいものが包み込んだ。どすんと響いた大きな音にシャルロットは目を見開く。シャルロットはダレンに抱きしめられ庇われていた。3階の高さから落ちたのに怪我をしていないのはダレンが下になって守ってくれたからだ。その代わりにダレンは受け身を取ることもできずにそのまま地面に体を打ちつけたようだった。ダラダラと頭から流れ落ちる血に、どんどん弱くなっていく呼吸。それなのにダレンはシャルロットが無事なのを見てほっとしたように微笑んだ。
「・・・いや。嫌!いかないで!」
地面に横たわるダレンの胸に縋り付く。心の底からダレンを助けたいと思った瞬間、シャルロットの体に力が満ちた。何も考えないままダレンに口づける。ダレンが最後の息を吐く前に。唇から注ぎ込まれた癒しの力がダレンの怪我を癒していく。閉じかけていた目を見開いたダレンに、大粒の涙を流しながらシャルロットはしがみついた。

というのが、卒業パーティ、カーティアが最後に関わってくるイベントの内容だ。
その後、シャルロットは騎士を助けたことで王太子との面会をし、こっそりと兄妹として仲良くすることになり、シャルロットの卒業を待ってダレンと結婚をし、大勢の人に囲まれ祝福の中で物語を終える。
カーティアはシャルロットを突き飛ばしたが意図的に地面に突き落とそうとしたわけではないので、大きなおとがめはなかったが、この一件で完全にアルドとの関係が破綻し、公にはされていないとはいえ王族の血筋の人間を傷つけかけた事の責任を取るということで修道院に行くことになる。

今のカーティアは修道院に行くつもりはもうない。このイベントを起こさないために準備が必要だった。
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