悪役令嬢だったので、身の振り方を考えたい。

しぎ

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カーティア、対策を立てる。

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まず大事なのはシャルロットとカーティアが2人きりにならないことだ。
カーティアにシャルロットに突っかかっていくつもりはないがシャルロットはどう動くのか分からない。
「…ティア、卒業パーティのドレスはもう決めた?」
食堂にて、考え込んでいたカーティアは、テオフィラに聞かれ顔を上げた。テオフィラの隣にはセストが座り、4人前はありそうなパスタを綺麗に半分取り分けテオフィラに渡していた。肩がくっつきそうな距離で隣り合う仲の良い2人にカーティアは呆れながら口を綻ばせる。シャルロットに関する調査が終わったのかセストはテオフィラの元に戻ってきた。調査結果は聞いていないが大体の予想はつく。
「おおまかな所は決まりましたわ。後は多少の手直しがあるぐらいかしら。テオはどのようなものにしたの?」
「それは当日のお楽しみにしよう、お互いに」
にこりと微笑むテオフィラに、カーティアは少し顔を引き締める。
「当日のことなのですけれど、・・・私から離れないでいてほしいの。絶対に」
「?いやまぁそのつもりだけど。卒業したらお互い忙しくなるしね。最後のパーティは一緒に居ようよ。でも改めて聞くなんて何かあるの?」
首をかしげるテオフィラの隣でセストがほんの少しだけ顔をしかめる。思い当たる節があるのかもしれないが、カーティアはにっこりと笑いかけ何も言わせないようにした。友人に妙な心配はかけたくない。
「いいえ、何も」

後は、パーティ会場のバルコニーの補修ぐらいだろうか。ただ背中をもたれさせただけでバルコニーの手すりが崩れるようなずさんな状態はシャルロットのことが無くても見過ごせない。
会場の責任者に送る手紙に封をして、カーティアはため息を吐く。ただでさえやることが多い卒業前に考えることが増えて困る。子供でいられる最後の時間をもう少しだけカーティアも楽しんでいたかった。机の端においてあるドレスのデザイン画を見る。パーティではパートナー同士が同じ色を身に着けることが不文律となっている。カーティアとアルドは緑を基調としたドレスと礼服を着ることにしている。同じ色と似たデザインを身に着ける自分たちを想像してカーティアは口角が上がるのを感じた。面倒な最終局面でも、楽しみがあるのは良いことだ。

「・・・今まで考えていなかったけれど、そういえば、アルドはどうしてシャルロットの恋人の一人に数えられていたのかしら」
今度聞いてみようと考えながら、カーティアは新しい手紙にペンを走らせた。
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