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カーティア、入場しようとする。
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「どうしてアルドはシャルロットの恋人の1人として扱われていたの?」
と、カーティアに聞かれ、アルドは顔を顰めた。
同じくカーティアも顔を顰める。侍女にコルセットをキツく締め上げられたので。
「…それは、今しなくちゃいけない話か」
「いいえ、ただ聞こうと思っていたから」
シャツの襟もとを直していたアルドがカーティアの方を振り返る。互いに着付けは大体終わっていた。
「卒業パーティ30分前に聞くことなのかと言ってるんだ」
「でも終わってからだとしばらく忙しいからそんな話する時間はないわ。・・・それに婚約者が別の人の恋人として扱われていた理由なんて、知ってから結婚したいのが普通じゃないかしら」
ぐ、とアルドは黙り込み深いため息を吐いた。
「・・・大した理由じゃない。勝手に彼女が付きまとって来ていただけだ。休み時間にも昼食中にも図書館でも。ただただ君の悪口を垂れ流し、『あなたを救いたいの!』なんて言って離れなかった。本を読んで聞き流していれば近くに座ってずっと話していたから、傍から見れば仲がいいように見えたかもしれない。・・・セストはにやにや笑って助けてくれなかったし」
それに。とアルドはカーティアを睨む。
「君は気にしないだろうと思ったんだ。婚約者が別の女性と仲良くしているように見えても。なんなら好きにしろと言ったらしいからな。彼女は嬉々としていたぞ」
す、とカーティアは視線を逸らす。そこに関しては全く言い訳が出来ない。
その時のカーティアは本当にアルドを自分から解放するつもりだったのだから。
「とにかく、俺が自分から彼女に近寄った事実はない。・・・だから今更俺を押し付けようとしたりするな」
アルドがカーティアの腕をとりエスコートの態勢をとる。そろそろ卒業パーティの開始時刻だった。
「・・・あなたのこと、彼女に押し付けたりなんてしないわ。私の婚約者だもの」
「・・・それならいい」
顔を向けずにお互いに前だけを見て話す。心からの言葉を伝え合うには場所も時間も悪い。
カーティアは少し後悔した。確かに聞く場面は選ぶべきだった。
卒業パーティの会場に通じる階段をのぼる。高めのヒールでもアルドに支えられているので安心感がある。
会場の扉をくぐる前、一瞬深呼吸をした瞬間。
「カーティアさん!お話って何ですか!」
少女の高い声が響いた。
と、カーティアに聞かれ、アルドは顔を顰めた。
同じくカーティアも顔を顰める。侍女にコルセットをキツく締め上げられたので。
「…それは、今しなくちゃいけない話か」
「いいえ、ただ聞こうと思っていたから」
シャツの襟もとを直していたアルドがカーティアの方を振り返る。互いに着付けは大体終わっていた。
「卒業パーティ30分前に聞くことなのかと言ってるんだ」
「でも終わってからだとしばらく忙しいからそんな話する時間はないわ。・・・それに婚約者が別の人の恋人として扱われていた理由なんて、知ってから結婚したいのが普通じゃないかしら」
ぐ、とアルドは黙り込み深いため息を吐いた。
「・・・大した理由じゃない。勝手に彼女が付きまとって来ていただけだ。休み時間にも昼食中にも図書館でも。ただただ君の悪口を垂れ流し、『あなたを救いたいの!』なんて言って離れなかった。本を読んで聞き流していれば近くに座ってずっと話していたから、傍から見れば仲がいいように見えたかもしれない。・・・セストはにやにや笑って助けてくれなかったし」
それに。とアルドはカーティアを睨む。
「君は気にしないだろうと思ったんだ。婚約者が別の女性と仲良くしているように見えても。なんなら好きにしろと言ったらしいからな。彼女は嬉々としていたぞ」
す、とカーティアは視線を逸らす。そこに関しては全く言い訳が出来ない。
その時のカーティアは本当にアルドを自分から解放するつもりだったのだから。
「とにかく、俺が自分から彼女に近寄った事実はない。・・・だから今更俺を押し付けようとしたりするな」
アルドがカーティアの腕をとりエスコートの態勢をとる。そろそろ卒業パーティの開始時刻だった。
「・・・あなたのこと、彼女に押し付けたりなんてしないわ。私の婚約者だもの」
「・・・それならいい」
顔を向けずにお互いに前だけを見て話す。心からの言葉を伝え合うには場所も時間も悪い。
カーティアは少し後悔した。確かに聞く場面は選ぶべきだった。
卒業パーティの会場に通じる階段をのぼる。高めのヒールでもアルドに支えられているので安心感がある。
会場の扉をくぐる前、一瞬深呼吸をした瞬間。
「カーティアさん!お話って何ですか!」
少女の高い声が響いた。
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