悪役令嬢だったので、身の振り方を考えたい。

しぎ

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カーティア、戦う。

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カーティアは一瞬呆然とした。階段をのぼりきった先、パーティ会場の扉の前にシャルロットが立っていた。隣に困ったように眉を寄せるダレンが並んでいる。同じく困ったように小首をかしげ唇を引き結びながら、しかし目に怒りを宿らせてシャルロットはカーティアを見ていた。一瞬飛びかけた意識をカーティアは無理やり引き戻す。カーティアがベランダには向かわないだろうと踏んで無理やりこの場で仕掛けてきたのだ。それならば無視して通り過ぎるよりもこの場で済ませてしまうべきだろう。会場内で騒がれても困ってしまう。生徒たちがほとんど入場したのか新しく階段をのぼってくる者はいなかった。深く深呼吸をしてカーティアは隣を向く。
「・・・アルド、お願いがあるの。手を握っていてくれないかしら」
「・・・あ、あぁ」
アルドに両手を差し出すと不思議そうな顔をしながらもどちらの手も握ってくれた。万が一シャルロットが階段から落ちるようなことがあっても婚約者に両手を握られている令嬢が突き飛ばしたとは主張できないだろう。何があっても離さないようにカーティアはアルドの手を強く握りしめた。
会場の中から騒ぎを聞きつけたのか幾人かがこちらを見ていた。その中に心配そうな顔をしたテオフィラの顔が覗く。カーティアはアイコンタクトでそのまま出てこないように伝えた。何も知らないテオフィラをこの場面で巻き込むわけにはいかない。セストが隣にいるだろうから彼女のことは守ってくれるだろう。
「カーティアさん!」
苛立ったように叫ぶシャルロットの顔を見据える。緊張と少しばかりの高揚感。長かった学校生活も今日で終わりなのだ。彼女との縁もできればこれで終わりにしたい。傲然と顔をあげ悪役令嬢カーティアらしく振舞って見せる。「白銀の騎士と癒しの姫君」。大好きだった物語もこれで終わるのだから、最後ぐらいは悪役らしく振舞って見せよう。隣の婚約者と仲良く両手を握りあっていては悪役令嬢として恰好もつかないが。
「あら。私は何も知りませんわ。あなたと話すことなどなくてよ」
思いのほか傲慢な調子になってしまい眉を顰める。そこに怒りを感じたのかシャルロットの顔がわずかに赤くなる。
「カーティアさんが話があるからって手を引っ張ったんでしょう!それにまだアルドを解放していないんですね。アルドはあなたの物じゃないんですよ!」
「・・・私は今この会場に来たばかりなの。あなたの手を引っ張ったりなんてしていないわ。物語と混同しているんじゃなくて?それに・・・」
ふんと顎をあげ見下して見せる。
「私のものを私の好きに扱って、何がいけませんの?」
原作のカーティアのセリフだ。これでシャルロットにカーティアにも原作の知識があることがはっきりと伝わっただろう。
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