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第一章 春 ~事の発端、すべての元凶~
その52 写真
しおりを挟む「みんなー、見て見てー!」
「なんですか先輩……って、なんですか、それ」
望子先輩がこちらへ見せてくるのは、大きな眼を持った一眼レフカメラだった。
一体それをどこから持ち出したのか、それとも自宅から持ってきたのかは知らないが、望子先輩の手に収まっているものはまさしく、一眼レフカメラだった。
先輩はそれを誇らしげに両手で大事そうに持っている。
「いいでしょー」
「いいでしょー、じゃなくて! それ、高いんでしょ? どうしてそんなの持ってるんですか」
「へへー。お父さんのを借りてきたんだー。勝手に」
「……先輩、それは借りてきたというより持ち出したって言うんですよ」
それも勝手にだが、と思いつつ、僕はその一眼レフカメラをまじまじと凝視する。
その黒い姿は勇ましく、見る人を魅了させるほどの勢いがあった。
まるでその瞬間だけを切り取ると言わんばかりに。
「それで、そんなの持ってきてなにするんですか?」
僕は素朴な疑問を先輩に投げかける。
まさか、それを自慢するためだけにわざわざ勝手に持ち出し、こうして見せびらかしている訳ではないだろう。
そうでなければ、わざわざ勝手に持ち出した意味がない。
しかし、先輩はきょとんとした顔でこう言ったのだ。
「え? 別にこれと言って理由はないけど……?」
「……じゃあ、なんでわざわざ持ってきたんですか」
つくづく、この先輩は意味が分からないな、と思いながら、僕は深いため息を吐いた。
まぁそれが、望子先輩という人物だから仕方ないが。
と、さっきまでパソコンをいじっていた路世先輩が椅子をくるり、と回転させる。
「じゃあよ、ここいら部室で記念撮影ってのはどうだ? 新チームになってまだ日も浅いが、それでも思い出とかにはなんだろ?」
「あ、それ良いですね、路世先輩」
「それいいね、路世ちゃん! じゃ、私カメラの設定するからみんなそこに並んでてー」
と、望子先輩は部室にあったテーブルの上に路世先輩の座っていたイスを乗せ、その上にカメラを乗せる。
三脚がないため、こうして撮影するしか方法はないようだった。
「ちぃ、ほら早く」
「はい、少し待ってください……」
ちぃは本にしおりを挟み、こちらへと向かってくる。
と、そこで望子先輩が衝撃的な発言をする。
「……これ、どうやって操作するの?」
「知らないで持ってきたんですか!?」
だってぇー……と、困り果てる望子先輩に、ささっ、と路世先輩がサポートに入る。
その慣れた手つきでカメラを操作していく姿は、まるで電気屋の店員のようだ。
「よし、セット出来たぞ」
と、路世先輩のその言葉でカメラのタイマーが始まったようだ。
カメラの周りに行った路世先輩と望子先輩が急いで来るか。
「それじゃ、ハイ、チーズ!」
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