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第二章 夏 ~それぞれの想い、廻り始めた歯車~
その128 新メンバー
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「と、いうわけで……新しく二人も部員が増えたよー!」
「……よろしく」
「よろしくお願いします」
なんだかんだあって、紗琉と一夜が太鼓部に入部したのだった。
……二人に何があったのかは知らないが、でもこうして、また二人で太鼓を叩くことができて、本当によかったと僕は思った。
「二人とも凄いんだよ! 中学生の時に一度、『どん・だー』の本戦まで勝ち進んでるんだって!」
「ほう……。こりゃ、期待の戦力になりそうだな」
「まぁあまり期待しないでください。……紗琉ちゃんは別として」
「私もそこまで期待しないでくださいね。……現役の時よりは実力は落ちてるとは思いますし」
出場経験があるとはいえ、二人とも控えめなコメントだったが……それでも、一応経験者の肩書がある以上、心強い戦力に違いはなかった。
「それじゃ、次の試合に向けて張り切っていくよ!」
「……そういえば、望子先輩。次って本戦一回戦ですよね? 対戦校とかはもう決まっているんじゃないんですか?」
と、紗琉が口をはさむ。その様子だと、二人はまだ次の対戦校について知らない様子だった。
「次はUDY学園ってとこと試合だよ」
「UDY学園と!?」
と、紗琉は素っ頓狂な声をあげた。……そんなに驚くことだろうか?
「そりゃそうよ! なんたって、前回優勝校じゃない! かなりの実力だし、決勝戦もかなりのスコア差で圧倒的勝利を収めたっていう、私たちの足元にも及ばないほどの強豪校よ!」
「へー」
「へー……って。アンタ、ホントにUDY学園の実力を知らないわけ!?」
「うん」
だってまだどんな試合してたか調べてないし。それ以上に猛練習に励んで時間すら取れてなかったし。
「アンタねぇ……」
「まぁでも、頑張って練習すれば絶対勝てるよ!」
と、望子先輩は自信気ににそう言った。
……まぁでも、絶対に勝てるかどうかは分からないけど、ちゃんと練習していればある程度はいい試合になるとは僕も思う。
「……どっからその自信が出てくるのやら」
「私は喉から」
「先輩、それギャグで言ってます?」
……あんまり面白くないし。
望子先輩を無視し、紗琉はなんだかいつもより騒がしかった。
「UDY学園って、ホントに強いとこなのか?」
「強いですよ! この前のどんマガにだって表紙一面どころか、インタビューの記事さえもらってるくらいなんですから!」
「ほう……」
路世先輩の問いに、紗琉は五倍くらいの返答を返す。
ちなみに「どんマガ」とは、太鼓の鉄人の情報だけを集めた雑誌のことである。部室にも、バックナンバーが結構あり、僕もたまに読んでいる。
その「どんマガ」で表紙を飾るということは、かなりの実力があるということだ。「どんマガ」もそれこそ、今イチオシのチームを表紙に使ったりするからだ。
「……次の対戦校って、そんなに実力があるんですね。想像以上でした」
「確かに。紗琉の大袈裟だと思っていたけど、予想の遥か上の強さみたいだね」
「……貴方たちはUDY学園の試合を見たことないからそう言えるのよ」
「なるほど! 試合かぁ!」
と、さっきまで口を挟まなかった望子先輩が口を開く。
「そういえば、今度の日曜日に『どんマガ』の取材も兼ねて、練習試合をするって書いてなかったっけ?」
「あー……。確かに、最新号にそう書いてましたね」
そういえば、今週発売された『どんマガ』にそう記載されていた気がする。今週と次週にわたって特集を書くついでに、その強さについて迫るという口実で練習試合を行うと書いてあった気がする。
「どうせだし、調査としてその試合を見に行こうよ!」
「確かに、望子の言うとおりだな。敵の戦力を知るのはいいことだ。どれほどまでの実力か、偵察といこうじゃないか」
望子先輩と路世先輩は完全に乗り気だった。……確かに、紗琉が警戒するほどの強さがどれほどなのか、僕も詳しく知りたい。
「まぁいいと思います。私や一夜だって、実際にその強さをこの目で見たわけでもないし」
「それじゃ決まりだね。日曜に駅前に集合ね! 次の対戦相手の試合を見て、私たちももーっと強くなるよ!」
こうして、次の日曜日に次の対戦校であるUDY学園の練習試合を見学することとなったのだった。
「……よろしく」
「よろしくお願いします」
なんだかんだあって、紗琉と一夜が太鼓部に入部したのだった。
……二人に何があったのかは知らないが、でもこうして、また二人で太鼓を叩くことができて、本当によかったと僕は思った。
「二人とも凄いんだよ! 中学生の時に一度、『どん・だー』の本戦まで勝ち進んでるんだって!」
「ほう……。こりゃ、期待の戦力になりそうだな」
「まぁあまり期待しないでください。……紗琉ちゃんは別として」
「私もそこまで期待しないでくださいね。……現役の時よりは実力は落ちてるとは思いますし」
出場経験があるとはいえ、二人とも控えめなコメントだったが……それでも、一応経験者の肩書がある以上、心強い戦力に違いはなかった。
「それじゃ、次の試合に向けて張り切っていくよ!」
「……そういえば、望子先輩。次って本戦一回戦ですよね? 対戦校とかはもう決まっているんじゃないんですか?」
と、紗琉が口をはさむ。その様子だと、二人はまだ次の対戦校について知らない様子だった。
「次はUDY学園ってとこと試合だよ」
「UDY学園と!?」
と、紗琉は素っ頓狂な声をあげた。……そんなに驚くことだろうか?
「そりゃそうよ! なんたって、前回優勝校じゃない! かなりの実力だし、決勝戦もかなりのスコア差で圧倒的勝利を収めたっていう、私たちの足元にも及ばないほどの強豪校よ!」
「へー」
「へー……って。アンタ、ホントにUDY学園の実力を知らないわけ!?」
「うん」
だってまだどんな試合してたか調べてないし。それ以上に猛練習に励んで時間すら取れてなかったし。
「アンタねぇ……」
「まぁでも、頑張って練習すれば絶対勝てるよ!」
と、望子先輩は自信気ににそう言った。
……まぁでも、絶対に勝てるかどうかは分からないけど、ちゃんと練習していればある程度はいい試合になるとは僕も思う。
「……どっからその自信が出てくるのやら」
「私は喉から」
「先輩、それギャグで言ってます?」
……あんまり面白くないし。
望子先輩を無視し、紗琉はなんだかいつもより騒がしかった。
「UDY学園って、ホントに強いとこなのか?」
「強いですよ! この前のどんマガにだって表紙一面どころか、インタビューの記事さえもらってるくらいなんですから!」
「ほう……」
路世先輩の問いに、紗琉は五倍くらいの返答を返す。
ちなみに「どんマガ」とは、太鼓の鉄人の情報だけを集めた雑誌のことである。部室にも、バックナンバーが結構あり、僕もたまに読んでいる。
その「どんマガ」で表紙を飾るということは、かなりの実力があるということだ。「どんマガ」もそれこそ、今イチオシのチームを表紙に使ったりするからだ。
「……次の対戦校って、そんなに実力があるんですね。想像以上でした」
「確かに。紗琉の大袈裟だと思っていたけど、予想の遥か上の強さみたいだね」
「……貴方たちはUDY学園の試合を見たことないからそう言えるのよ」
「なるほど! 試合かぁ!」
と、さっきまで口を挟まなかった望子先輩が口を開く。
「そういえば、今度の日曜日に『どんマガ』の取材も兼ねて、練習試合をするって書いてなかったっけ?」
「あー……。確かに、最新号にそう書いてましたね」
そういえば、今週発売された『どんマガ』にそう記載されていた気がする。今週と次週にわたって特集を書くついでに、その強さについて迫るという口実で練習試合を行うと書いてあった気がする。
「どうせだし、調査としてその試合を見に行こうよ!」
「確かに、望子の言うとおりだな。敵の戦力を知るのはいいことだ。どれほどまでの実力か、偵察といこうじゃないか」
望子先輩と路世先輩は完全に乗り気だった。……確かに、紗琉が警戒するほどの強さがどれほどなのか、僕も詳しく知りたい。
「まぁいいと思います。私や一夜だって、実際にその強さをこの目で見たわけでもないし」
「それじゃ決まりだね。日曜に駅前に集合ね! 次の対戦相手の試合を見て、私たちももーっと強くなるよ!」
こうして、次の日曜日に次の対戦校であるUDY学園の練習試合を見学することとなったのだった。
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