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1「石留椿」side 椿
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目覚めるとそこは病院だった。
…いや自分でも何言ってんだって思うけど、事実なんだから仕方がない。
えっと、俺はさっきまで家を出てコンビニへと向かっていたはず。なのに、何故か今いるのは病院と思しき個室のベッドの上。
つまり、これらの状況から導き出される答えは!
「………さっぱり分からん」
と、お手上げ状態で思わず呟くと、異変に気が付いた。
「ん?」
俺の声ってこんな低かったっけ?
「あ、あー、あーー」
喉に手を当て、試しに声を出してみる。けれど、やっぱり喉から出されるのは慣れ親しんだ声ではなく、何というか…そう、例えるならばアニメとかに出てきそうな素敵な声だった。
一瞬突然声変わりでもしたのかとも思ったが、中学の頃にもう済ませているので違うだろうと未だこの状況に困惑している頭で何とかそう判断する。
だとしたら何で突然声が変わったんだ?それに俺は何でここにいるんだ?
「……ダメだ、全っ然思い出せん」
あまりの手がかりの無さに思わず、大きなため息を吐きながら頭に手を当てると
「…ん?」
何やら頭に包帯のようなものがぐるぐると巻いてある事に漸く気が付いた。
「俺、怪我したのか?でも何で…」
思い出そうとするが頭に靄でもかかったかのように思い出せない。
と、その時開いていた窓から一陣の爽やかな風が舞い込んできた。
反射的にそちらの方を向くと、窓の外は清々しいほどの青空が広がっていて。良い天気だなぁなんて思いながら、何とはなしに窓に映った自分を見た瞬間、俺は驚愕した。
何故ならそこには見慣れた自分の平凡顔ではなく、恐ろしく整った顔立ちの、そう、いわゆるイケメンと呼ばれるに相応しい男の顔が映っていたのだから。
「……え?」
恐る恐る窓に近づき、試しに虚像に向かって手を振ってみると窓に映った男も同じ動作をする。という事は…
「これ…俺、なのか?」
改めて窓に映る人物を見やる。
髪は艶のある烏の濡羽色で、目は同じく黒曜石のような真っ黒な切れ長の眼。シュッと通った鼻筋、形のいい唇、モデルのように小さい顔。
「…なんか、乙女ゲームにでも出てきそうな顔だな」
って、ん?乙女ゲーム?
その言葉にわずかに引っ掛かりを覚える。
そういえば、この顔どこかで見た事があるような…
「……あ!!」
思い出した!
「『石留椿』だ!」
…いや自分でも何言ってんだって思うけど、事実なんだから仕方がない。
えっと、俺はさっきまで家を出てコンビニへと向かっていたはず。なのに、何故か今いるのは病院と思しき個室のベッドの上。
つまり、これらの状況から導き出される答えは!
「………さっぱり分からん」
と、お手上げ状態で思わず呟くと、異変に気が付いた。
「ん?」
俺の声ってこんな低かったっけ?
「あ、あー、あーー」
喉に手を当て、試しに声を出してみる。けれど、やっぱり喉から出されるのは慣れ親しんだ声ではなく、何というか…そう、例えるならばアニメとかに出てきそうな素敵な声だった。
一瞬突然声変わりでもしたのかとも思ったが、中学の頃にもう済ませているので違うだろうと未だこの状況に困惑している頭で何とかそう判断する。
だとしたら何で突然声が変わったんだ?それに俺は何でここにいるんだ?
「……ダメだ、全っ然思い出せん」
あまりの手がかりの無さに思わず、大きなため息を吐きながら頭に手を当てると
「…ん?」
何やら頭に包帯のようなものがぐるぐると巻いてある事に漸く気が付いた。
「俺、怪我したのか?でも何で…」
思い出そうとするが頭に靄でもかかったかのように思い出せない。
と、その時開いていた窓から一陣の爽やかな風が舞い込んできた。
反射的にそちらの方を向くと、窓の外は清々しいほどの青空が広がっていて。良い天気だなぁなんて思いながら、何とはなしに窓に映った自分を見た瞬間、俺は驚愕した。
何故ならそこには見慣れた自分の平凡顔ではなく、恐ろしく整った顔立ちの、そう、いわゆるイケメンと呼ばれるに相応しい男の顔が映っていたのだから。
「……え?」
恐る恐る窓に近づき、試しに虚像に向かって手を振ってみると窓に映った男も同じ動作をする。という事は…
「これ…俺、なのか?」
改めて窓に映る人物を見やる。
髪は艶のある烏の濡羽色で、目は同じく黒曜石のような真っ黒な切れ長の眼。シュッと通った鼻筋、形のいい唇、モデルのように小さい顔。
「…なんか、乙女ゲームにでも出てきそうな顔だな」
って、ん?乙女ゲーム?
その言葉にわずかに引っ掛かりを覚える。
そういえば、この顔どこかで見た事があるような…
「……あ!!」
思い出した!
「『石留椿』だ!」
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